2018年02月27日 [動物のこと]
エメラルドって(笑)
お疲れ様です。院長です。
2月27日の火曜日でございます。
何と明日で2月が終わりやし、月末やし給料日やし…。
やっぱ2月はあきまへん。
普段は27日から支払いが始まり、月末の給料日って流れやのに、27日の翌日が月末やもんなぁ…。
やだやだ。
ふぅ(笑)
ってことで、月末症候群に蝕まれている院長ですが、今日も元気にネタいってみましょう。
去年の夏に、こんな記事を書いたんですが、覚えてますかね?
読んできてくれない人のために、掻い摘んで内容をお知らせすると、蟻について色々話してたんですが、そのエピソードの中に、蟻の頭の中に寄生して、蟻の脳を占拠し、蟻をゾンビ化してしまう菌がいるってお話をしております。
この菌、胞子の拡散に適した場所まで蟻を移動させ、最後は蟻の頭を突き破って、胞子をばら撒くっていう菌なんです。
この菌に似た、恐ろしいハチの論文が、先月発表されました。
このハチ、「エメラルドゴキブリバチ」というんですが、字の如くゴキブリに毒液を注入して、意のままに操ることができるっていう寄生バチなんですね。
どういう風に寄生するかといいますと、まずはこのハチ、ゴキブリの胸部を針で刺し、毒により前肢を約5分間麻痺させるそうです。
で、ゴキブリが麻痺してるその間に、ゴキブリの脳に毒針を刺します。
するとゴキブリは30分ほどは活発に動けるんですが、その後、自分の意思では動けない「寡動」(かどう)という状態になります。
この「寡動」ですが、麻痺しているわけではないらしく、ハチに誘導されれば歩くことができると…。
そして、ハチはゴキブリの触角を引っ張って、自分の巣穴まで歩かせ、ゴキブリの体内に卵を産み付けるそうです。
するとその7〜10日後には、ゴキブリの体内を食べ尽くて幼虫が外に出てくるって、クソホラーやん(笑)
けど、野生の毒ってすごいですよね。
この寡動って状態、分かりやすく説明すると、動きが少ないって感じなんですね。
少ない動き=動きが鈍い=動きが遅い
みたいな感じで、この「寡動」の症状が悪化すると、「無動」といいさらに動かなく(動けなく)なります。
で、今日のネタの核心は、ここからなんですが、この「寡動」って症状、人間の病気でも起こるんですね。
その病気の名前は「パーキンソン病」といい、この「寡動」が特徴的な症状の一つです。
パーキンソン病は、脳細胞が徐々に死んでゆく神経変性疾患で、ドーパミンという神経伝達物質を作る細胞が変性し、ドーパミンが不足してさまざまな症状が生じるとされています。
「寡動」もそうですし、手足のふるえ(振戦)、筋肉の緊張、体のバランスを保てなくなる等の障害がおこります。
原因は現時点では不明で、薬物療法や外科手術が行われてはいますが、根本的な治療法はないとされています。
で、この「エメラルドゴキブリバチ」を研究してる賢い学者さんが、このハチの毒と、パーキンソン病を関連付けて研究対象にしたんですね。
その賢い学者さんってのが、米カリフォルニア大学リバーサイド校の昆虫学と神経科学の教授であるマイケル・アダムスって人なんですが、エメラルドゴキブリバチから毒液を採取して成分を分析してみたわけですよ。
その結果、ドーパミンと、これまで知られていなかったタイプのペプチド(短いアミノ酸配列)が含まれていることが明らかになったそうなんです。
新発見のペプチドは、アンピュレキシンと名付けられたそうです。
アンピュレキシンは、ハチがゴキブリを操る上で重要な役割を果たしていると考えられ、将来のパーキンソン病研究にも役立つ可能性があるってことなんですよ。
パーキンソン病の患者に見られるように、アンピュレキシン(ハチの毒)が、ゴキブリのドーパミンの生産を妨げている可能性があるんじゃないかと、研究者達は考えてるようなんです。
まだ、この毒については研究が始まったばかりなんですが、興味深いことに、ハチがゴキブリの体内に卵を産み付けなければ、ゴキブリは1週間ほどで回復するらしいんです。
ゴキブリのゾンビ化状態は、ハチの幼虫が孵化するのに必要な時間だけ続くようなんですね。
まったくもって、不思議な「毒」なんですが、研究チームはこの毒をより多角的に調べた第2の論文を仕上げているところだそうです。
この研究は数年はかかるそうで、アンピュレキシンの標的になる細胞についても解明を進める予定であり、将来的には、パーキンソン病のような症状をもつ動物モデルも作成するつもりだそうです。
いや、なかなか面白い研究ですよね〜。
これで、パーキンソン病の薬でも出来たら、それはそれでスゴイ事ですし、この「毒」にはもっと奥深い何かが隠されてそうですもんね。
研究者も凄いですが、やはり自然界の生物には驚かされますよね〜。
他の生物の脳に毒を注入して、卵産みつけるなんて所業、極悪過ぎるやろ(笑)
しかも、最後は体内から幼虫に食い荒らされて死ぬんですから、もう拷問にしてもヒドイ。
でも、このハチも種の保全のためにやってるんですもんねぇ…。
まだまだ世の中には、分からない事だらけですな。
この研究者達の続報も入り次第お伝えしたいと思いますので、期待してお待ちください。
ま、次の論文完成まで、数年かかるらしいですから、もう忘れてるやろな(笑)
ではまた〜
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院
2月27日の火曜日でございます。
何と明日で2月が終わりやし、月末やし給料日やし…。
やっぱ2月はあきまへん。
普段は27日から支払いが始まり、月末の給料日って流れやのに、27日の翌日が月末やもんなぁ…。
やだやだ。
ふぅ(笑)
ってことで、月末症候群に蝕まれている院長ですが、今日も元気にネタいってみましょう。
去年の夏に、こんな記事を書いたんですが、覚えてますかね?
読んできてくれない人のために、掻い摘んで内容をお知らせすると、蟻について色々話してたんですが、そのエピソードの中に、蟻の頭の中に寄生して、蟻の脳を占拠し、蟻をゾンビ化してしまう菌がいるってお話をしております。
この菌、胞子の拡散に適した場所まで蟻を移動させ、最後は蟻の頭を突き破って、胞子をばら撒くっていう菌なんです。
この菌に似た、恐ろしいハチの論文が、先月発表されました。
このハチ、「エメラルドゴキブリバチ」というんですが、字の如くゴキブリに毒液を注入して、意のままに操ることができるっていう寄生バチなんですね。
どういう風に寄生するかといいますと、まずはこのハチ、ゴキブリの胸部を針で刺し、毒により前肢を約5分間麻痺させるそうです。
で、ゴキブリが麻痺してるその間に、ゴキブリの脳に毒針を刺します。
するとゴキブリは30分ほどは活発に動けるんですが、その後、自分の意思では動けない「寡動」(かどう)という状態になります。
この「寡動」ですが、麻痺しているわけではないらしく、ハチに誘導されれば歩くことができると…。
そして、ハチはゴキブリの触角を引っ張って、自分の巣穴まで歩かせ、ゴキブリの体内に卵を産み付けるそうです。
するとその7〜10日後には、ゴキブリの体内を食べ尽くて幼虫が外に出てくるって、クソホラーやん(笑)
けど、野生の毒ってすごいですよね。
この寡動って状態、分かりやすく説明すると、動きが少ないって感じなんですね。
少ない動き=動きが鈍い=動きが遅い
みたいな感じで、この「寡動」の症状が悪化すると、「無動」といいさらに動かなく(動けなく)なります。
で、今日のネタの核心は、ここからなんですが、この「寡動」って症状、人間の病気でも起こるんですね。
その病気の名前は「パーキンソン病」といい、この「寡動」が特徴的な症状の一つです。
パーキンソン病は、脳細胞が徐々に死んでゆく神経変性疾患で、ドーパミンという神経伝達物質を作る細胞が変性し、ドーパミンが不足してさまざまな症状が生じるとされています。
「寡動」もそうですし、手足のふるえ(振戦)、筋肉の緊張、体のバランスを保てなくなる等の障害がおこります。
原因は現時点では不明で、薬物療法や外科手術が行われてはいますが、根本的な治療法はないとされています。
で、この「エメラルドゴキブリバチ」を研究してる賢い学者さんが、このハチの毒と、パーキンソン病を関連付けて研究対象にしたんですね。
その賢い学者さんってのが、米カリフォルニア大学リバーサイド校の昆虫学と神経科学の教授であるマイケル・アダムスって人なんですが、エメラルドゴキブリバチから毒液を採取して成分を分析してみたわけですよ。
その結果、ドーパミンと、これまで知られていなかったタイプのペプチド(短いアミノ酸配列)が含まれていることが明らかになったそうなんです。
新発見のペプチドは、アンピュレキシンと名付けられたそうです。
アンピュレキシンは、ハチがゴキブリを操る上で重要な役割を果たしていると考えられ、将来のパーキンソン病研究にも役立つ可能性があるってことなんですよ。
パーキンソン病の患者に見られるように、アンピュレキシン(ハチの毒)が、ゴキブリのドーパミンの生産を妨げている可能性があるんじゃないかと、研究者達は考えてるようなんです。
まだ、この毒については研究が始まったばかりなんですが、興味深いことに、ハチがゴキブリの体内に卵を産み付けなければ、ゴキブリは1週間ほどで回復するらしいんです。
ゴキブリのゾンビ化状態は、ハチの幼虫が孵化するのに必要な時間だけ続くようなんですね。
まったくもって、不思議な「毒」なんですが、研究チームはこの毒をより多角的に調べた第2の論文を仕上げているところだそうです。
この研究は数年はかかるそうで、アンピュレキシンの標的になる細胞についても解明を進める予定であり、将来的には、パーキンソン病のような症状をもつ動物モデルも作成するつもりだそうです。
いや、なかなか面白い研究ですよね〜。
これで、パーキンソン病の薬でも出来たら、それはそれでスゴイ事ですし、この「毒」にはもっと奥深い何かが隠されてそうですもんね。
研究者も凄いですが、やはり自然界の生物には驚かされますよね〜。
他の生物の脳に毒を注入して、卵産みつけるなんて所業、極悪過ぎるやろ(笑)
しかも、最後は体内から幼虫に食い荒らされて死ぬんですから、もう拷問にしてもヒドイ。
でも、このハチも種の保全のためにやってるんですもんねぇ…。
まだまだ世の中には、分からない事だらけですな。
この研究者達の続報も入り次第お伝えしたいと思いますので、期待してお待ちください。
ま、次の論文完成まで、数年かかるらしいですから、もう忘れてるやろな(笑)
ではまた〜
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院