2017年03月20日 [色々なこと]
「わッ毒ガスだ」って本知ってます?
お疲れ様です。院長です。
3月20日月曜日です。
そして今日は春分の日。お休みだね。
春分の日ってことでそろそろ春やねぇ…
今年は少し寒い気もするけど、だんだん暖かくはなってきましたね。
今日もなかなかいい天気。
気温と共になんとなく浮かれ気分にもなろう春うらら。
そんな浮かれ気分の中、今日のネタは全く浮かれ要素のないお話。
先月、北朝鮮の大物がマレーシアの空港で毒殺されましたが、この事件、まだ真相は解明されてませんよね。
その真相解明のひとつのカギとなるのが使われた毒物なんですが、VXガスという神経ガスだといわれています。
報道機関によっては、確定的ではない旨の報道もされているんで毒物そのものもまだ謎のようなんですね。
この事件をうけ、今日のネタはこの毒物についてちょっくらお話してみようかと…
いわゆる「毒ガス」と呼ばれる化学兵器の中でも、少量で人間クラスの大型動物をも数分以内に死に至らしめる、最強ジャンルに「神経ガス」があります。
神経ガスの一群は、人間を瞬時に殺すことを研究してできあがった、まさに殺人専用化合物なんですよね。
ただし、神経ガスといっても「蒸気圧」(揮発しやすさ)は低いものから高い物までさまざまです。
ですから単体が化学兵器として使われるというよりは、アセトンやクロロホルム、ベンゼンのような有機溶剤に溶かされた状態で運用されることが多いので、神経「ガス」と呼ばれているだけで、化合物としての性質はまちまちなんです。
ともあれ今日は、日本では一番有名であろう、「サリン」をはじめとする「神経ガス」が完成するまでの歴史背景と効果についてお話します。
まず、殺虫剤というのは虫の見た目には何の影響も与えず、吹きかけるだけで殺せてしまうわけで、これは即ち、昆虫の神経に直接作用して致死的な効果をもたらしているということになります。
そして、もちろん大半の殺虫剤は、昆虫の生理機能には極めて猛毒でも、我々ほ乳類にとっては毒性を気にするレベルではありません。
しかし、科学的にみれば虫と人の逆転殺戮ガスもありえます。
例えば一酸化炭素なんかは、人間には超低濃度でも猛毒ですが、昆虫の血液は一酸化炭素と反応することがないので、たとえ致命的な濃度でも虫にとっては平気だったりするわけです。
で、次に歴史的に紐解くと、サリンをはじめとする神経ガスは1936年(昭和11年)ナチスドイツが、殺虫剤が効きにくいシラミに対して有効な殺虫剤を研究している最中に偶然発見されたそうなんですよね。
開発者はIGファルベン社のゲハルト・シュラーダー博士だって。
知らんけど(笑)
当時博士は、このシラミに対して有効な新型殺虫剤(後のタブン)をデモンストレーションしたのですが、シラミはもちろん実演を見に来た人もバタバタ倒れる(笑)というトラブルがあり、それがナチス政権の耳に入って殺人ガスの研究をするように命じられたんやて。
そして、その後博士の下に何人かの化学者が加わり、「サリン」が開発されたという歴史的背景がございます。
当時のドイツは世界的にも化学に突出しており、空気から火薬を作ったり、メタンフェタミン(覚醒剤だね)などを合成して実用化していたそうなんです。
その素地の上で、比較的低分子の有機リン系の誘導体を開発するのはそれほど難しいことではなかったようです。
で、余談ですが、サリンというのは、毒ガス研究チームメンバーの頭文字をとってつけた名前だそうです。
「SchraderのS、AmbrosのA、RudrigerのR、Lindeのin」
そして、その後さらに強力な「ソマン」が開発されます。
しかしこれは、戦時中は使う機会がなかなか無く、最終的には運搬する飛行機さえ手配できなくなりました。
最終的に、完全に兵器としてはお蔵入りし、第二次世界大戦では使われていません。
けれども第二次世界大戦後期、ソビエトの進軍により製造所が突き止められ製造法が流出してしまいます。
さらに戦後、アメリカやイギリスがこれらの神経ガスの存在を接収することで研究は続いていっちまうんですねぇ…。
そして、戦後、連合国側では「タブン、サリン、ソマン」を初めとする神経ガスをGシリーズとして呼称し、現在もタブンをGA、サリンをGB、ソマンをGDガスなどと呼ぶそうです。
タブンやサリンは分解性が高かったのですが、兵器として使うには当時の技術では不可能だったようですが、ソマンは安定性が非常に良く、それゆえ、ナチスドイツの最終兵器として最後まで存在が隠されていたようです(やっぱり使われなかったのですが…)
ではでは、金正男氏暗殺に使用されていたといわれる「VXガス」について…
1954年、英国で殺虫剤を研究していたラナジット・ゴーシュ博士がイオウを含む有機リン系の化合物を研究していました。
これらは非常に強力な殺虫剤「アミットン」と呼ばれるもので、まさかの“サリンと同程度の毒性”があることがわかり、発売停止となりました。
そりゃえげつない(笑)
何の虫を殺す目的で作ってたんだか…
しかし、それを知った“ある研究所”が研究を引き継いじゃうんですよねぇ(^^;
その研究所こそ、イギリスの生物化学兵器の研究所で、連合軍が接収したサリンなどのGガスシリーズの研究を引き継いだポートンダウン研究所だといわれています。
この研究所では、アミットンの可能性を伸ばすために研究を続け、様々な誘導体を開発します。
そして、1950年代後半に、イギリスとアメリカで核開発技術関連で、このアミットンの関連化合物の情報がアメリカにも伝わり、1960年代初期には、当時最強の神経ガスであろうと思われる、VXガスがついに誕生するわけですな。
一方、独自にGシリーズの製造法を手に入れたソビエトも独自開発を進めてました。
そして、有機リン系分子的な骨格に、VXシリーズと同様に“イオウ”を導入した「VRガス」という化学兵器を1950年代後半に開発したとされています。
まぁ、国は違えど人間の考えること、やることなんかそこまで差はないっちゅうことですな。
VRガスは、無害の状態の二つの化学物質を投射時に混合して、猛毒物質を作り出す「バイナリー兵器」としての運用を目的としていました。
バイナリー兵器っていうんや…
なんか映画とかでも観たことあるけど、2つの液体が混ざって毒ガスになるっていうパターンのやつね。
保存時は安定した(無害の)2液、ないしは3液の状態で貯蔵されていて、発射時には中で反応が開始し、命中時に体内にバラまく事ができるという、保存に難の多かったって神経ガスを合理的な化学兵器としたものなんだそうです。
言われてみれば、保存ってかなり難しいですよね…
漏れない容器に容れなきゃいけないし、しかも兵器としてうまい具合にそこからガスが出てくれないといけないし…。
そして冷戦後、これらの情報が亡命した化学者によってバラされ広まり、さらに強力な「Aシリーズ」と呼ばれる神経ガスの存在も明らかになっていくのです。
では、その神経ガスがどのように我々の神経の構造を逆手にとって、命を奪うのか、その仕組みをちょっとみてみましょう。
表向きでは一度も実戦投入されていないこれらの毒は、どのように毒性検査されたのか?
実は、戦争がない時代にイギリスでこっそりと人体実験が行われていたことが判明しています。
そりゃやるわな。
やらんと毒性は分からんもんねぇ…
その人体実験こそが、ポートンダウン研究所(英国)で行われたアントラー作戦というものでした。
1999年7月にイギリスの生物化学兵器の研究施設であるポートンダウン研究所に、警察による大規模な強制捜査が執り行われました。
押収された捜査資料は膨大で、被害者と被害を確認するまで、のべ5年もかかるほどでした。
押収された実験データによると、1939年から1989年までに秘密裏かつ大規模に行われていた人体実験「アントラー作戦」が判明しました。
・8000人のボランティアでのマスタードガスの毒性試験
・3400人以上での神経剤の毒性実験と治療
なんかが行われたいたそうなんですが、大半のボランティア(治験者)は、多額の報酬を受け取り、その実験を口外しなかったために公にならなかったんですが死者も出ています。
さて、このように猛烈な毒性はどこから来るのでしょうか? 神経ガスの主な毒の作用は、アセチルコリンエステラーゼの阻害による神経の過剰興奮です。
まず、神経というのは神経と神経の連絡場所、もしくは筋肉や臓器なんかに繋がっている場所では、物理的にビタっと張り付いて神経の情報伝達をしているのではなく、ほんの小さな間隔があり隔てられています。
その神経からの連絡に使われるのが、神経伝達物質というもので、それが受容体というものに入り、電気信号は一端、化学信号に置き換わって、再度受容体に入ると電気信号として伝達されていきます。
この神経伝達物質と受容体は、神経の種類や場所ごとに、それぞれモノが異なるという特徴があるのです。
今回の毒である、VXやサリンといった有機リン系の化合物は、アセチルコリンエステラーゼを標的としています。
では、アセチルコリンエステラーゼとはなんでしょう?
アセチルコリンは脳内では記憶にまつわる回路で多く使われており、体では筋肉の制御のための神経で多く使われています。
神経に動かせという電気信号が伝わってきたら、それを神経の終末部(神経筋接合部)でアセチルコリンが放出されて、筋肉に繋がっている場所でアセチルコリン受容体があり、受け取ると「電気信号来ました」ということで、筋肉が収縮するというわけです。
もちろんこうした一連の動作を意識的にする必要はなくて、今、心臓動かしてます。とか意識してる人はいません。そうした動きはすべて無意識でできるように体はうまくコントロールしているわけです。
そして、神経の伝達を行うアセチルコリンですが、受け取る側にアセチルコリンエステラーゼという酵素があって、受容体に入ったアセチルコリンを分解して受容体から引きはがします。
そうすることで、興奮状態は終わり、次の情報伝達に供えることが出来るわけです。
で、このアセチルコリンエステラーゼが居なくなると、アセチルコリンが入りっぱなしになり、神経がずっとオンの状態になって「これはひどい」ってなっちゃうわけです。
つまりは興奮しっぱなしの状態になり、痙攣とかし始めて、それが心臓にいけば心停止とかになると…
そういう感じで、体内にはいると人を殺傷しちゃうわけです。
ま、殺傷って書きましたけど、吸っちゃえばほぼ死にます。
こういう「毒」を兵器として使おうってんですから、研究する方もさせる方もやっぱどうかしてますね…。
しかも目的は「殺人」ではなく、「大量で確実な殺人」ですからね…。
まぁ、核もそうですけど、基本は「国」という単位がおのおの強くなるために開発されてる物です。
そしてそれを使うことは、ほぼないのに(基本抑止力狙いでしょうし)巨額の予算を投入するわけですからねぇ…
なんだか間違ってるっていう次元じゃなく、何かが狂ってると思うのは私だけじゃないでしょ?
この世から争いがなくなるとは思えません。
ですが、殺し合いはなくせるよねぇ…
そして、こういった殺戮兵器も、なくせますよね。
てことで、今日は何だかいつもと違う方向に話がいっちゃいました。
でも、何でもかんでも自分には関係ないって終わらせちゃったら誰の声もとどかなくなりますしね。
てか、まぁ…
関係ないねんけどね(笑)
ではまた〜
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院
3月20日月曜日です。
そして今日は春分の日。お休みだね。
春分の日ってことでそろそろ春やねぇ…
今年は少し寒い気もするけど、だんだん暖かくはなってきましたね。
今日もなかなかいい天気。
気温と共になんとなく浮かれ気分にもなろう春うらら。
そんな浮かれ気分の中、今日のネタは全く浮かれ要素のないお話。
先月、北朝鮮の大物がマレーシアの空港で毒殺されましたが、この事件、まだ真相は解明されてませんよね。
その真相解明のひとつのカギとなるのが使われた毒物なんですが、VXガスという神経ガスだといわれています。
報道機関によっては、確定的ではない旨の報道もされているんで毒物そのものもまだ謎のようなんですね。
この事件をうけ、今日のネタはこの毒物についてちょっくらお話してみようかと…
いわゆる「毒ガス」と呼ばれる化学兵器の中でも、少量で人間クラスの大型動物をも数分以内に死に至らしめる、最強ジャンルに「神経ガス」があります。
神経ガスの一群は、人間を瞬時に殺すことを研究してできあがった、まさに殺人専用化合物なんですよね。
ただし、神経ガスといっても「蒸気圧」(揮発しやすさ)は低いものから高い物までさまざまです。
ですから単体が化学兵器として使われるというよりは、アセトンやクロロホルム、ベンゼンのような有機溶剤に溶かされた状態で運用されることが多いので、神経「ガス」と呼ばれているだけで、化合物としての性質はまちまちなんです。
ともあれ今日は、日本では一番有名であろう、「サリン」をはじめとする「神経ガス」が完成するまでの歴史背景と効果についてお話します。
まず、殺虫剤というのは虫の見た目には何の影響も与えず、吹きかけるだけで殺せてしまうわけで、これは即ち、昆虫の神経に直接作用して致死的な効果をもたらしているということになります。
そして、もちろん大半の殺虫剤は、昆虫の生理機能には極めて猛毒でも、我々ほ乳類にとっては毒性を気にするレベルではありません。
しかし、科学的にみれば虫と人の逆転殺戮ガスもありえます。
例えば一酸化炭素なんかは、人間には超低濃度でも猛毒ですが、昆虫の血液は一酸化炭素と反応することがないので、たとえ致命的な濃度でも虫にとっては平気だったりするわけです。
で、次に歴史的に紐解くと、サリンをはじめとする神経ガスは1936年(昭和11年)ナチスドイツが、殺虫剤が効きにくいシラミに対して有効な殺虫剤を研究している最中に偶然発見されたそうなんですよね。
開発者はIGファルベン社のゲハルト・シュラーダー博士だって。
知らんけど(笑)
当時博士は、このシラミに対して有効な新型殺虫剤(後のタブン)をデモンストレーションしたのですが、シラミはもちろん実演を見に来た人もバタバタ倒れる(笑)というトラブルがあり、それがナチス政権の耳に入って殺人ガスの研究をするように命じられたんやて。
そして、その後博士の下に何人かの化学者が加わり、「サリン」が開発されたという歴史的背景がございます。
当時のドイツは世界的にも化学に突出しており、空気から火薬を作ったり、メタンフェタミン(覚醒剤だね)などを合成して実用化していたそうなんです。
その素地の上で、比較的低分子の有機リン系の誘導体を開発するのはそれほど難しいことではなかったようです。
で、余談ですが、サリンというのは、毒ガス研究チームメンバーの頭文字をとってつけた名前だそうです。
「SchraderのS、AmbrosのA、RudrigerのR、Lindeのin」
そして、その後さらに強力な「ソマン」が開発されます。
しかしこれは、戦時中は使う機会がなかなか無く、最終的には運搬する飛行機さえ手配できなくなりました。
最終的に、完全に兵器としてはお蔵入りし、第二次世界大戦では使われていません。
けれども第二次世界大戦後期、ソビエトの進軍により製造所が突き止められ製造法が流出してしまいます。
さらに戦後、アメリカやイギリスがこれらの神経ガスの存在を接収することで研究は続いていっちまうんですねぇ…。
そして、戦後、連合国側では「タブン、サリン、ソマン」を初めとする神経ガスをGシリーズとして呼称し、現在もタブンをGA、サリンをGB、ソマンをGDガスなどと呼ぶそうです。
タブンやサリンは分解性が高かったのですが、兵器として使うには当時の技術では不可能だったようですが、ソマンは安定性が非常に良く、それゆえ、ナチスドイツの最終兵器として最後まで存在が隠されていたようです(やっぱり使われなかったのですが…)
ではでは、金正男氏暗殺に使用されていたといわれる「VXガス」について…
1954年、英国で殺虫剤を研究していたラナジット・ゴーシュ博士がイオウを含む有機リン系の化合物を研究していました。
これらは非常に強力な殺虫剤「アミットン」と呼ばれるもので、まさかの“サリンと同程度の毒性”があることがわかり、発売停止となりました。
そりゃえげつない(笑)
何の虫を殺す目的で作ってたんだか…
しかし、それを知った“ある研究所”が研究を引き継いじゃうんですよねぇ(^^;
その研究所こそ、イギリスの生物化学兵器の研究所で、連合軍が接収したサリンなどのGガスシリーズの研究を引き継いだポートンダウン研究所だといわれています。
この研究所では、アミットンの可能性を伸ばすために研究を続け、様々な誘導体を開発します。
そして、1950年代後半に、イギリスとアメリカで核開発技術関連で、このアミットンの関連化合物の情報がアメリカにも伝わり、1960年代初期には、当時最強の神経ガスであろうと思われる、VXガスがついに誕生するわけですな。
一方、独自にGシリーズの製造法を手に入れたソビエトも独自開発を進めてました。
そして、有機リン系分子的な骨格に、VXシリーズと同様に“イオウ”を導入した「VRガス」という化学兵器を1950年代後半に開発したとされています。
まぁ、国は違えど人間の考えること、やることなんかそこまで差はないっちゅうことですな。
VRガスは、無害の状態の二つの化学物質を投射時に混合して、猛毒物質を作り出す「バイナリー兵器」としての運用を目的としていました。
バイナリー兵器っていうんや…
なんか映画とかでも観たことあるけど、2つの液体が混ざって毒ガスになるっていうパターンのやつね。
保存時は安定した(無害の)2液、ないしは3液の状態で貯蔵されていて、発射時には中で反応が開始し、命中時に体内にバラまく事ができるという、保存に難の多かったって神経ガスを合理的な化学兵器としたものなんだそうです。
言われてみれば、保存ってかなり難しいですよね…
漏れない容器に容れなきゃいけないし、しかも兵器としてうまい具合にそこからガスが出てくれないといけないし…。
そして冷戦後、これらの情報が亡命した化学者によってバラされ広まり、さらに強力な「Aシリーズ」と呼ばれる神経ガスの存在も明らかになっていくのです。
では、その神経ガスがどのように我々の神経の構造を逆手にとって、命を奪うのか、その仕組みをちょっとみてみましょう。
表向きでは一度も実戦投入されていないこれらの毒は、どのように毒性検査されたのか?
実は、戦争がない時代にイギリスでこっそりと人体実験が行われていたことが判明しています。
そりゃやるわな。
やらんと毒性は分からんもんねぇ…
その人体実験こそが、ポートンダウン研究所(英国)で行われたアントラー作戦というものでした。
1999年7月にイギリスの生物化学兵器の研究施設であるポートンダウン研究所に、警察による大規模な強制捜査が執り行われました。
押収された捜査資料は膨大で、被害者と被害を確認するまで、のべ5年もかかるほどでした。
押収された実験データによると、1939年から1989年までに秘密裏かつ大規模に行われていた人体実験「アントラー作戦」が判明しました。
・8000人のボランティアでのマスタードガスの毒性試験
・3400人以上での神経剤の毒性実験と治療
なんかが行われたいたそうなんですが、大半のボランティア(治験者)は、多額の報酬を受け取り、その実験を口外しなかったために公にならなかったんですが死者も出ています。
さて、このように猛烈な毒性はどこから来るのでしょうか? 神経ガスの主な毒の作用は、アセチルコリンエステラーゼの阻害による神経の過剰興奮です。
まず、神経というのは神経と神経の連絡場所、もしくは筋肉や臓器なんかに繋がっている場所では、物理的にビタっと張り付いて神経の情報伝達をしているのではなく、ほんの小さな間隔があり隔てられています。
その神経からの連絡に使われるのが、神経伝達物質というもので、それが受容体というものに入り、電気信号は一端、化学信号に置き換わって、再度受容体に入ると電気信号として伝達されていきます。
この神経伝達物質と受容体は、神経の種類や場所ごとに、それぞれモノが異なるという特徴があるのです。
今回の毒である、VXやサリンといった有機リン系の化合物は、アセチルコリンエステラーゼを標的としています。
では、アセチルコリンエステラーゼとはなんでしょう?
アセチルコリンは脳内では記憶にまつわる回路で多く使われており、体では筋肉の制御のための神経で多く使われています。
神経に動かせという電気信号が伝わってきたら、それを神経の終末部(神経筋接合部)でアセチルコリンが放出されて、筋肉に繋がっている場所でアセチルコリン受容体があり、受け取ると「電気信号来ました」ということで、筋肉が収縮するというわけです。
もちろんこうした一連の動作を意識的にする必要はなくて、今、心臓動かしてます。とか意識してる人はいません。そうした動きはすべて無意識でできるように体はうまくコントロールしているわけです。
そして、神経の伝達を行うアセチルコリンですが、受け取る側にアセチルコリンエステラーゼという酵素があって、受容体に入ったアセチルコリンを分解して受容体から引きはがします。
そうすることで、興奮状態は終わり、次の情報伝達に供えることが出来るわけです。
で、このアセチルコリンエステラーゼが居なくなると、アセチルコリンが入りっぱなしになり、神経がずっとオンの状態になって「これはひどい」ってなっちゃうわけです。
つまりは興奮しっぱなしの状態になり、痙攣とかし始めて、それが心臓にいけば心停止とかになると…
そういう感じで、体内にはいると人を殺傷しちゃうわけです。
ま、殺傷って書きましたけど、吸っちゃえばほぼ死にます。
こういう「毒」を兵器として使おうってんですから、研究する方もさせる方もやっぱどうかしてますね…。
しかも目的は「殺人」ではなく、「大量で確実な殺人」ですからね…。
まぁ、核もそうですけど、基本は「国」という単位がおのおの強くなるために開発されてる物です。
そしてそれを使うことは、ほぼないのに(基本抑止力狙いでしょうし)巨額の予算を投入するわけですからねぇ…
なんだか間違ってるっていう次元じゃなく、何かが狂ってると思うのは私だけじゃないでしょ?
この世から争いがなくなるとは思えません。
ですが、殺し合いはなくせるよねぇ…
そして、こういった殺戮兵器も、なくせますよね。
てことで、今日は何だかいつもと違う方向に話がいっちゃいました。
でも、何でもかんでも自分には関係ないって終わらせちゃったら誰の声もとどかなくなりますしね。
てか、まぁ…
関係ないねんけどね(笑)
ではまた〜
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院