2022年05月27日 [からだのこと]
手のぬくもり
お疲れ様です。院長です。
5月27日の金曜日でございます。
季節的には、これから暑くなりますなぁ。
てか、もうわたくし院長は、十分暑いです。
しかもドンドン湿度が高まってますから、もう地獄は目の前だな。
その次にやってくるのも灼熱地獄ですし、当分は体力削られるシーズンです。
秋といえば、10月くらいからかねぇ。
11月に入ると、もう寒いですし、9月はまだ全然暑いでしょ。
10月まで、まだだいぶありますなぁ。
てことで、今日のネタですが、そんな暑さとも少し関係のある話。
なんでも、手を暖めるだけで、不安や恐怖が和らぐことが判明したそうです。
人類は進化という名の学習を続けて、今日まで生き延びています。
危険なものを避けるように学習し、身近な人の社会的支援を得ることで、生存率を上げ、子孫を残せるようになっています。
心許せる身近な人のぬくもりや暖かさは、不安や恐怖を減少させてくれることも、我々の先祖は既に学習していました。
この古典的条件づけは今の我々に根付いていて、物理的に手を暖めるだけで、不安や恐怖が和らぐことが、最新の研究により明らかとなったそうです。
この世にはもっと怖いものがたくさんあるはずなのに、蜘蛛や蛇を極端に怖がる人がいるのはなぜでしょう?
「生物学的準備性」によれば、その答えは過去の進化にあるんだとか…。
我々の祖先が生きていた時代、蜘蛛や蛇は危険な存在でした。
それらを避けるよう学習した人間は生存率が上がり、それだけ子孫を多く残すことができたと考えられます。
つまり蛇や蜘蛛の危険性について、私たちは大昔に予習しているってことなんでしょう。
ですから私たちは、現代社会に潜む危険より、それらの危険性を優先してしまうんだそうですよ。
その一方で、信頼できる親や友人など、安心できたり、支援してくれる人たちの存在は、そうした恐怖や不安を和らげてくれます。
実はこれにも進化が関係しているようなんです。
身近な人たちの力を借りることができた祖先もまた生存率が上がり、それだけ多くの子孫を残せたのでしょう。
こうした安全を感じられるサインを、「準備された安全刺激」というそうです。
この研究では、物理的な暖かさと安全刺激の関係について、以下の2つの実験を行って調査しました。
実験1
目的:さまざまな物体に対する恐怖学習を確認すること。
被験者:31名(平均21歳、女性21名、白人42%)
方法:第1ステップでは、適切なショックの程度(きわめて不快だが、苦痛はないもの)を決定した後、恐怖条件付けセッションを開始します。
1度に1種類の「条件刺激」(温熱パック、木片、ゴムボール、ふわふわしたボール)が、被験者の右手に6秒間当てられます。
第1ステップではこれが何回か繰り返され、基準となる感覚が設定されました。
第2ステップでは、すべての条件刺激が何度か提示されました。
ただし、温熱パック・ゴムボール・ふわふわしたボール(つまり木片以外)が提示されたときは、200ミリ秒の電気ショックが与えられました。
次に被験者は5分間、飛行機の映像を視聴しました(後述する動画でも、内容はすべて飛行機についてのもの)。
第3ステップでは、電気ショックなしで、再び条件刺激が提示されました。
実験2
目的:温熱パックによって、恐怖反応が予防されるかどうか確認すること。
被験者:平均年齢21歳の30名(うち女性22名、白人47%)
方法:適切なショックを決定した後、恐怖条件付けセッションが開始されました。
条件刺激として、時計・コップ・椅子の写真が提示されました。
第1ステップに続き、第2ステップでは数回写真が提示されました。
このとき時計と椅子の写真を提示すると当時に、電気ショックが与えられました。
その後、3分間の映像を視聴しました。
さらに第3ステップでは、時計と椅子の写真を提示しながら電気ショックを与える際、被験者の手に温熱パックかゴムボールどちらかが10秒当てられました(コップの写真の場合は木片)。
その後3分の動画を視聴。
第4ステップでは、被験者には各条件刺激(一度に1種類ずつ)が繰り返し提示されました。
この実験から、物理的な手の暖かさは、恐怖反応の学習を防ぎ、恐怖反応そのものを抑えることが確認されたそうです。
つまり、物理的な暖かさは、社会的な支援者がいるときと同じように永続的な効果があり、準備された安全刺激とみなせるということだそうです。
これは意外なことではないようで、暖かさは生存にとって必要不可欠なものだと考えれられるからだそうです。
実際、生まれたばかりの赤ちゃんを温めることで生存率は上がります。
また物理的な暖かさは、人付き合いの暖かさや社会的サポートとも関連します。
こうした発見は、「不安障害」や「PTSD」の治療にとっても効果が期待できるそうで、これらの症状は、安全であるとうまく学習できないことや、安全であるのに恐怖反応を抑えられないことに起因しているためだそうです。
こうした症状の治療としては、あえて嫌なことに触れて慣れさせる方法もありますが、比較的再発率が高いとされています。
慣れたと思っても、恐怖や不安がぶり返しやすいわけですな。
ですが準備された安全刺激の効果はいつまでも続きます。
上手く治療に取り入れられれば、いいかもしれませんね。
みなさんも、是非お試しください。
ではまた〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院
5月27日の金曜日でございます。
季節的には、これから暑くなりますなぁ。
てか、もうわたくし院長は、十分暑いです。
しかもドンドン湿度が高まってますから、もう地獄は目の前だな。
その次にやってくるのも灼熱地獄ですし、当分は体力削られるシーズンです。
秋といえば、10月くらいからかねぇ。
11月に入ると、もう寒いですし、9月はまだ全然暑いでしょ。
10月まで、まだだいぶありますなぁ。
てことで、今日のネタですが、そんな暑さとも少し関係のある話。
なんでも、手を暖めるだけで、不安や恐怖が和らぐことが判明したそうです。
人類は進化という名の学習を続けて、今日まで生き延びています。
危険なものを避けるように学習し、身近な人の社会的支援を得ることで、生存率を上げ、子孫を残せるようになっています。
心許せる身近な人のぬくもりや暖かさは、不安や恐怖を減少させてくれることも、我々の先祖は既に学習していました。
この古典的条件づけは今の我々に根付いていて、物理的に手を暖めるだけで、不安や恐怖が和らぐことが、最新の研究により明らかとなったそうです。
この世にはもっと怖いものがたくさんあるはずなのに、蜘蛛や蛇を極端に怖がる人がいるのはなぜでしょう?
「生物学的準備性」によれば、その答えは過去の進化にあるんだとか…。
我々の祖先が生きていた時代、蜘蛛や蛇は危険な存在でした。
それらを避けるよう学習した人間は生存率が上がり、それだけ子孫を多く残すことができたと考えられます。
つまり蛇や蜘蛛の危険性について、私たちは大昔に予習しているってことなんでしょう。
ですから私たちは、現代社会に潜む危険より、それらの危険性を優先してしまうんだそうですよ。
その一方で、信頼できる親や友人など、安心できたり、支援してくれる人たちの存在は、そうした恐怖や不安を和らげてくれます。
実はこれにも進化が関係しているようなんです。
身近な人たちの力を借りることができた祖先もまた生存率が上がり、それだけ多くの子孫を残せたのでしょう。
こうした安全を感じられるサインを、「準備された安全刺激」というそうです。
この研究では、物理的な暖かさと安全刺激の関係について、以下の2つの実験を行って調査しました。
実験1
目的:さまざまな物体に対する恐怖学習を確認すること。
被験者:31名(平均21歳、女性21名、白人42%)
方法:第1ステップでは、適切なショックの程度(きわめて不快だが、苦痛はないもの)を決定した後、恐怖条件付けセッションを開始します。
1度に1種類の「条件刺激」(温熱パック、木片、ゴムボール、ふわふわしたボール)が、被験者の右手に6秒間当てられます。
第1ステップではこれが何回か繰り返され、基準となる感覚が設定されました。
第2ステップでは、すべての条件刺激が何度か提示されました。
ただし、温熱パック・ゴムボール・ふわふわしたボール(つまり木片以外)が提示されたときは、200ミリ秒の電気ショックが与えられました。
次に被験者は5分間、飛行機の映像を視聴しました(後述する動画でも、内容はすべて飛行機についてのもの)。
第3ステップでは、電気ショックなしで、再び条件刺激が提示されました。
実験2
目的:温熱パックによって、恐怖反応が予防されるかどうか確認すること。
被験者:平均年齢21歳の30名(うち女性22名、白人47%)
方法:適切なショックを決定した後、恐怖条件付けセッションが開始されました。
条件刺激として、時計・コップ・椅子の写真が提示されました。
第1ステップに続き、第2ステップでは数回写真が提示されました。
このとき時計と椅子の写真を提示すると当時に、電気ショックが与えられました。
その後、3分間の映像を視聴しました。
さらに第3ステップでは、時計と椅子の写真を提示しながら電気ショックを与える際、被験者の手に温熱パックかゴムボールどちらかが10秒当てられました(コップの写真の場合は木片)。
その後3分の動画を視聴。
第4ステップでは、被験者には各条件刺激(一度に1種類ずつ)が繰り返し提示されました。
この実験から、物理的な手の暖かさは、恐怖反応の学習を防ぎ、恐怖反応そのものを抑えることが確認されたそうです。
つまり、物理的な暖かさは、社会的な支援者がいるときと同じように永続的な効果があり、準備された安全刺激とみなせるということだそうです。
これは意外なことではないようで、暖かさは生存にとって必要不可欠なものだと考えれられるからだそうです。
実際、生まれたばかりの赤ちゃんを温めることで生存率は上がります。
また物理的な暖かさは、人付き合いの暖かさや社会的サポートとも関連します。
こうした発見は、「不安障害」や「PTSD」の治療にとっても効果が期待できるそうで、これらの症状は、安全であるとうまく学習できないことや、安全であるのに恐怖反応を抑えられないことに起因しているためだそうです。
こうした症状の治療としては、あえて嫌なことに触れて慣れさせる方法もありますが、比較的再発率が高いとされています。
慣れたと思っても、恐怖や不安がぶり返しやすいわけですな。
ですが準備された安全刺激の効果はいつまでも続きます。
上手く治療に取り入れられれば、いいかもしれませんね。
みなさんも、是非お試しください。
ではまた〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院