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2022年02月08日

アメンホテプ1世

お疲れ様です。院長です。

2月8日の火曜日でございます。

毎日寒いですが、もう少しですねぇ。

3月になっちゃえば、少しはマシになりますしね。

後1ヶ月程の辛抱ですな。

では今日は、珍しめの歴史ミステリーはお話しでもしてみたいと思います。

「世界ふしぎ発見」とかに取り上げられそうなネタですぜ。

9世紀から20世紀にかけて発見されたエジプト王家のミイラは皆、大体研究のために開封されています。

ですが、ひとりだけ例外があるんですね。

それは、ファラオのアメンホテプ1世のミイラで、これまでただの一度も開封されていません。

その理由は呪いが怖いからではありません。

花輪で美しく装飾されて完璧に密閉され、色とりどりの石がはめ込まれ、生前の顔が描かれた見事なフェイスマスクを被っているからなんだとか…。

ちなみに、こんなヤツです。

確かに、これだけ完全なら開封するのも躊躇してしまうのも分かります。

ですがこのたび初めて、エジプトの研究者がCTスキャンで3D断層撮影を行い、包帯を解くことなく、中身をデジタル的に解析することに成功したそうなんです。

アメンホテプ1世(紀元前1551年 - 紀元前1524年)は、古代エジプト第18王朝の第2代ファラオです。

死後3千年以上たって初めて、ミイラの中身が露わになったわけなんですね。

前回、彼のミイラが動かされたのは、紀元前11世紀で、最初にミイラ化され埋葬されてから、4世紀以上経ってからのことです。

刻まれている象形文字によると、のちの第21王朝時代の神官たちが、墓泥棒の被害を受けた、古い王朝の王族ミイラのダメージを修復して、埋葬し直したことが記されていたんだそうです。

この研究を行った、カイロ大学医学部の放射線科医であるサハル・サリーム氏はこう語っています。

【アメンホテプ1世のミイラが、現代でも一度も開封されていなかったことが、私たちにまたとない機会を与えてくれたのです。

もともとどのようにミイラにされて埋葬されたのかを研究するためだけでなく、死後、何世紀もたってから、アメンの高僧たちの手で、彼がどのように扱われ、再び埋葬されたのかを調べるためなのです。】と…。
 
研究チームは、ミイラマスクの上からCTスキャンで撮影。

その断層写真を重ねることで開封することなく、ミイラの中身を調査することに成功しました。

その結果、アメンホテプ1世は35歳くらいのときに亡くなったことがわかったそうなんです。

身長はおよそ169センチ。

割礼(割礼(かつれい)とは、男性もしくは女性の一部を切開あるいは切除(場合によっては性器口を封鎖)する外科的施術を指すもの。)が施され、歯の状態も良好だったようです。

包帯の下には、30の護符と、金のビーズがついた黄金の帯を身に着けていました。

CT画像はこんな感じです。

アメンホテプ1世は父親と似ていたようで、顎は狭く、鼻筋は小さく、髪はカールしていて、わずかに上の歯が前に出ていたという事まで分かったそうです。

死の原因となった外傷や、病による体の変形は見られなかったそうですが、死後、切断されたと思われる損壊個所がたくさんあったそうです。

これらは最初の埋葬後に侵入した墓泥棒の仕業と推測されます。

また内臓は、最初にミイラにされたときに取り除かれていましたが、脳や心臓はそのまま残されていたそうです。

アメンホテップ1世のミイラが発見されたのは、1881年のことで、南エジプトのデイル・エル・バハリ遺跡で、改葬されたほかの王族のミイラの中から見つかりました。

エジプト第18王朝で、侵略者ヒクソスを追放し、エジプトを統一した父王アアフメスの後を継いだ二代目ファラオとして、アメンホテプ1世は、紀元前1525年から1504年までエジプトを統治しました。

この時代はいわば黄金期で、エジプトは繁栄し治安も良かったと思われ、ファラオは、数多くの宗教施設建設を命じ、リビアやスーダン北部への軍事遠征を成功させました。

死後、アメンホテップ1世と母のイアフメス・ネフェルタリは、神として崇められました。

サハル・サリーム氏と、エジプト学者のザヒ・ハワス氏は、11世紀の修復・改葬のおもな目的は、のちのファラオのために、王家の埋葬具を再利用することだったとこれまで推測していましたが、今、ふたりはその自説を反証しました。

少なくとも、アメンホテップ1世に関しては、第21王朝の神官たちが墓泥棒によって負わされたミイラの損傷を愛情をこめて修復し、ミイラにかつての輝きを取り戻させた上で、見事な宝石や護符もそのまま保存したことがわかります。

これでCT画像技術が、ペルーなどほかの文明のミイラを含む、人類学的、考古学的な研究に有益に活用できることがよく分かったわけで、これからも古代の謎は解き明かされることでしょうな。

まぁ、下手に棺なんかを開けちゃうより、絶対良いと思います。

呪いとか信じるわけではないですが、死者を埋葬してるんですから、それなりに敬意払わないとね。

CTで撮影するくらいなら、きっと許してもらえると思います(笑)

ではまた〜。







京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院


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