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2021年08月08日 [からだのこと]

(232)サンデーイルネス(仮)原発性(先天性)免疫不全症1について

お疲れ様です。院長です。

8月8日のサンデーイルネスでございます。

8月8日…

何となく縁起が良いではないですか。

来週にはお盆休みもありますし、今月も休みが多いんですよね〜。

あ、そう言えば、今日はオリンピックの閉会式ですね。

何か、開会式はイマイチ酷評が多かった様ですが、この状況の中ですからあんなもんじゃないんですかね。

わたくし院長は、日本的で良かったと思いますよ。

派手にすりゃ言ってもんでもないですしね。

今の世界の状況でお祭り騒ぎってのも、本来不謹慎なもんですからねぇ。

ってことで、今日も本題に入りましょう。

今日のイルネス辞典は、「原発性(先天性)免疫不全症」について解説していきたいと思います。

ですが、ちょっと長いので、2回に分けてお送りしますね。

今日はその第一回目ってことで…。

どんな病気かと言いますと、先天的に免疫系のどこかに異常が存在する場合を原発性(先天性)免疫不全症といいます。

細菌、ウイルス、真菌、寄生虫などにかかりやすく(易感染性(いかんせんせい))、感染症を繰り返したり、日和見感染(ひよりみかんせん)を起こしたり、重症な感染症に陥ったりします。

現在は以下の8種類に分類されています。

(1)T細胞およびB細胞免疫不全症

(2)主として抗体不全症

(3)他のよく定義された免疫不全症候群

(4)免疫調整不全の疾患

(5)食細胞(しょくさいぼう)の数・機能・両方の先天性障害

(6)自然免疫系の障害

(7)自己炎症性疾患

(8)補体(ほたい)不全症

ではそのなかでも頻度が高く重要な、いくつかの疾患について解説します。


☆重症複合免疫不全症(じゅうしょうふくごうめんえきふぜんしょう)


どんな病気かと言いますと、Tリンパ球とBリンパ球の両方に先天的な欠陥がある病気で、重症な細菌性、ウイルス性その他の感染症を繰り返し、致死的な感染症のため血液幹細胞(かんさいぼう)移植や遺伝子治療によって免疫機能が再建されなければ、大多数の患者さんが生後1歳前後までに死亡します。

原因はX(染色体)連鎖型(れんさがた)、あるいは常染色体劣性型(じょうせんしょくたいれっせいがた)による遺伝子の変異により、リンパ球減少や低γ(ガンマ)‐グロブリン血症を来し、重症の細胞性免疫能の欠陥と特異抗体の欠乏症を示すことが原因です。

生後まもなくより反復する細菌、ウイルスによる気道感染、皮膚・口腔粘膜のカンジダ症、肺炎、膿胸(のうきょう)、敗血症(はいけつしょう)、間質性(かんしつせい)肺炎などの易(い)感染性(感染しやすい)を特徴とし、生後5カ月ころから難治性下痢症による体重増加不良が顕著になります。

免疫学的所見として、末梢血リンパ球数は減ります。

血清免疫グロブリンはすべてのクラスが欠乏します。

時には低値ながらも認められることもありますが、抗原に特異的な抗体は完全に欠如します。

遅延型過敏反応、細胞障害反応などのT細胞機能も欠如します。

治療の方法としましては、組織適合抗原(HLA)が一致した同胞からの血液幹細胞移植によって、約90%が免疫機構を再建し直すことができるとされています。

また、一部の疾患では遺伝子治療の成功例が報告されています。


☆ウィスコット・アルドリッチ症候群(しょうこうぐん)


どんな病気かと言いますと、血小板減少、難治性湿疹(なんちせいしっしん)、易(い)感染性(感染しやすい)を特徴とし、進行性のTリンパ球機能不全と、一部の抗体欠乏を伴うX連鎖劣性遺伝形式をとる原発性免疫不全症です。

初発症状は乳児期の血便、紫斑などの出血傾向で、次いで難治性の湿疹、易感染性が認められ、食物抗原に対する即時型反応も乳児早期から認められます。

死亡原因は乳幼児期の出血、感染とリンパ網内系(もうないけい)の悪性腫瘍です。

この時期を乗り切ると長期生存も可能ですが、長期生存例では自己免疫性疾患、悪性腫瘍の合併が高い頻度でみられます。

末梢血中の血小板容積の縮小と血小板数の減少が診断の手がかりになります。

血清IgM値、末梢血リンパ球数は年齢とともに減少します。

総IgE値、特異IgE抗体価は乳児期から高値・陽性を示します。

治療の方法としては、根治的な治療は、組織適合抗原(HLA)の一致した骨髄血(こつずいけつ)ドナー、もしくは臍帯血(さいたいけつ)からの血液幹細胞移植です。ドナーからのTリンパ球だけが生着した場合でも免疫機能は再建されます。

血液幹細胞移植による治療前の静注用免疫グロブリンの補充、つまり置換(ちかん)療法は感染予防に有用です。

脾臓(ひぞう)の摘出は出血傾向のコントロールとして有効で、血小板数・平均血小板体積の上昇が認められます。

いかがでしたか。

次回はこの続きをお送りします。

では次回のイルネス辞典をお楽しみに〜。




京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院


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