2019年06月30日 [からだのこと]
(122)サンデーイルネス(仮)悪性線維性組織球腫について
お疲れ様です。院長です。
6月30日のサンデーイルネスでございます。
6月30日ってことで、6月最後のイルネス辞典となってます。
6月最後って事は、今年が半分終わったって事でもあるわけです。
上半期が終了って事で、目標は半分完遂したでしょうか?
ここで今一度反省と新たな目標設定をして、残りの半年間頑張りましょう。
ってことで、今週もイルネス辞典をお送りいたしますが、今週は「悪性線維性組織球腫」について解説していきたいと思います。
まずはどんな病気かってことですが、肉腫のなかでは頻度の高い腫瘍で、多くは50代以上の人に発生します。
ここで、ちょっと脱線しますが「肉腫」ってなに?ってことなんですが、そこの説明の前にちょっと「がん」ってことばについて解説しておこうかと思います。
「がん」という病気の名前はみなさんご存知だと思うんですが、これには色々分類があります。
悪性腫瘍、悪性新生物、癌、がん、肉腫、さらに良性腫瘍など、何となく似ているけど、詳しく分かりにくい表現がたくさんあります。
この場合の、がん、悪性腫瘍、悪性新生物は同じものですが、「がん」は主に臨床で、「悪性腫瘍」は主に病理学で、「悪性新生物」は主に統計学で使われている「呼び名」です。
では 平仮名の「がん」と漢字の「癌」の違いですが、平仮名の「がん」には、肉腫、白血病や悪性リンパ腫などが含まれます。
一方、漢字の「癌」は癌腫と同じで、肉腫や悪性リンパ腫は含まれません。
ですから一般に「がん」といいますと、悪性腫瘍(悪性新生物)全般のことで、胃癌や肺癌のような癌と白血病や骨肉腫のような肉腫のことを示します。
がんは、すべての臓器・組織から発生しますが、その由来により呼び方が違います。
皮膚や胃・腸の粘膜など上皮性細胞から発生した悪性腫瘍を「癌と呼び、筋肉・線維・骨・脂肪・血管・神経など非上皮性細胞から発生した悪性腫瘍を「肉腫」と呼びます。
また、造血臓器から発生したものは、白血病や悪性リンパ腫と呼んだりします。
で、これらを総じて「がん」と呼ぶ場合もあるわけです。
ですから、今日説明する「悪性線維性組織球腫」は「がん」の仲間の「肉腫」に分類される病気って事です。
ちょっと分かりにくいですが、つまり「がん」です(笑)
これは、悪性度の高い肉腫で、急速に大きくなるとともに、体のほかの部分に転移することも多く、現在でも治療が難しい病気のひとつといえます。
かつて肉腫を顕微鏡で診断する際、たとえば脂肪細胞が悪性化して肉腫となったように見えれば脂肪肉腫と呼ぶなど、よく似た正常組織にちなんだ診断名をつけていました。
悪性線維性組織球腫という病気も、かつては組織球などの正常組織が悪性化したものと考えられていましたが、現在この学説は否定されているにも関わらず、病名だけが慣習に従って残っています。
この病気も、はっきりした原因はわかっておらず、初期は痛みのない瘤(こぶ)として意識されることが多いようです。
非常に巨大なもの以外、痛みや運動障害などの原因となることはあまりありません。
よくできる場所は、手足、とくに大腿部ですが、腹部臓器のまわり(後腹膜腔(こうふくまくくう))や骨盤のまわりなど体幹部にも発生します。
多くは筋肉のなか、あるいは筋肉と筋肉の間など体の深いところに発生しますが、皮下組織(皮膚と筋肉の間)といわれる体の表面に近い場所にも発生します。
約5%の患者さんは、病気が見つかった時点で、すでにほかの部分に転移巣があります。
転移が発生する臓器は肺が多いとされています。
MRIなどの画像検査で病気の広がりを正確に評価する必要があり、ほかの臓器に転移している可能性が高いため、肺などの転移しやすい臓器の画像検査も同時に行います。
多くの軟部腫瘍にいえることですが、外来での腫瘍の観察や画像検査だけで診断がつくことはありません。
最終的には、顕微鏡で実際に腫瘍組織を観察することで確定診断をつけます。
では、治療の方法ですが、体内に腫瘍を残さない手術(広範切除)が必要です。
非常に急速に増殖するため、大規模な手術となることも少なくありません。
ザックリ言うと、まわりの組織で腫瘍を包み込むようにひとかたまりにして取り出すします。
この手術法を広範切除術と呼びます。こうした手術の理論と手技が確立されたことで、悪性軟部腫瘍の再発率を著しく下げることができるようになりました。
病気が見つかった時には、悪性の細胞が体中に広がっている可能性を考えて、全身に抗がん薬を投与する機会が増えています。
しかし、患者さんが高齢であるなど、抗がん薬の副作用が強く出てしまうことが予想される場合は、手術のみで様子をみることになります。
非常に治療が難しい病気ですが、どのがんにも言える事として、早期に治療を始める事が治癒への近道となります。
原因が分からない以上、予防は出来ないため、早期に病気を発見出来る環境を整えておくしかありません。
まず、こういう病気があるという事を知っておくだけでも早期発見につながりますので、知識は出来るだけ持っておきましょう。
いかがでしたか。
では、次回のイルネス辞典をお楽しみに〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院
6月30日のサンデーイルネスでございます。
6月30日ってことで、6月最後のイルネス辞典となってます。
6月最後って事は、今年が半分終わったって事でもあるわけです。
上半期が終了って事で、目標は半分完遂したでしょうか?
ここで今一度反省と新たな目標設定をして、残りの半年間頑張りましょう。
ってことで、今週もイルネス辞典をお送りいたしますが、今週は「悪性線維性組織球腫」について解説していきたいと思います。
まずはどんな病気かってことですが、肉腫のなかでは頻度の高い腫瘍で、多くは50代以上の人に発生します。
ここで、ちょっと脱線しますが「肉腫」ってなに?ってことなんですが、そこの説明の前にちょっと「がん」ってことばについて解説しておこうかと思います。
「がん」という病気の名前はみなさんご存知だと思うんですが、これには色々分類があります。
悪性腫瘍、悪性新生物、癌、がん、肉腫、さらに良性腫瘍など、何となく似ているけど、詳しく分かりにくい表現がたくさんあります。
この場合の、がん、悪性腫瘍、悪性新生物は同じものですが、「がん」は主に臨床で、「悪性腫瘍」は主に病理学で、「悪性新生物」は主に統計学で使われている「呼び名」です。
では 平仮名の「がん」と漢字の「癌」の違いですが、平仮名の「がん」には、肉腫、白血病や悪性リンパ腫などが含まれます。
一方、漢字の「癌」は癌腫と同じで、肉腫や悪性リンパ腫は含まれません。
ですから一般に「がん」といいますと、悪性腫瘍(悪性新生物)全般のことで、胃癌や肺癌のような癌と白血病や骨肉腫のような肉腫のことを示します。
がんは、すべての臓器・組織から発生しますが、その由来により呼び方が違います。
皮膚や胃・腸の粘膜など上皮性細胞から発生した悪性腫瘍を「癌と呼び、筋肉・線維・骨・脂肪・血管・神経など非上皮性細胞から発生した悪性腫瘍を「肉腫」と呼びます。
また、造血臓器から発生したものは、白血病や悪性リンパ腫と呼んだりします。
で、これらを総じて「がん」と呼ぶ場合もあるわけです。
ですから、今日説明する「悪性線維性組織球腫」は「がん」の仲間の「肉腫」に分類される病気って事です。
ちょっと分かりにくいですが、つまり「がん」です(笑)
これは、悪性度の高い肉腫で、急速に大きくなるとともに、体のほかの部分に転移することも多く、現在でも治療が難しい病気のひとつといえます。
かつて肉腫を顕微鏡で診断する際、たとえば脂肪細胞が悪性化して肉腫となったように見えれば脂肪肉腫と呼ぶなど、よく似た正常組織にちなんだ診断名をつけていました。
悪性線維性組織球腫という病気も、かつては組織球などの正常組織が悪性化したものと考えられていましたが、現在この学説は否定されているにも関わらず、病名だけが慣習に従って残っています。
この病気も、はっきりした原因はわかっておらず、初期は痛みのない瘤(こぶ)として意識されることが多いようです。
非常に巨大なもの以外、痛みや運動障害などの原因となることはあまりありません。
よくできる場所は、手足、とくに大腿部ですが、腹部臓器のまわり(後腹膜腔(こうふくまくくう))や骨盤のまわりなど体幹部にも発生します。
多くは筋肉のなか、あるいは筋肉と筋肉の間など体の深いところに発生しますが、皮下組織(皮膚と筋肉の間)といわれる体の表面に近い場所にも発生します。
約5%の患者さんは、病気が見つかった時点で、すでにほかの部分に転移巣があります。
転移が発生する臓器は肺が多いとされています。
MRIなどの画像検査で病気の広がりを正確に評価する必要があり、ほかの臓器に転移している可能性が高いため、肺などの転移しやすい臓器の画像検査も同時に行います。
多くの軟部腫瘍にいえることですが、外来での腫瘍の観察や画像検査だけで診断がつくことはありません。
最終的には、顕微鏡で実際に腫瘍組織を観察することで確定診断をつけます。
では、治療の方法ですが、体内に腫瘍を残さない手術(広範切除)が必要です。
非常に急速に増殖するため、大規模な手術となることも少なくありません。
ザックリ言うと、まわりの組織で腫瘍を包み込むようにひとかたまりにして取り出すします。
この手術法を広範切除術と呼びます。こうした手術の理論と手技が確立されたことで、悪性軟部腫瘍の再発率を著しく下げることができるようになりました。
病気が見つかった時には、悪性の細胞が体中に広がっている可能性を考えて、全身に抗がん薬を投与する機会が増えています。
しかし、患者さんが高齢であるなど、抗がん薬の副作用が強く出てしまうことが予想される場合は、手術のみで様子をみることになります。
非常に治療が難しい病気ですが、どのがんにも言える事として、早期に治療を始める事が治癒への近道となります。
原因が分からない以上、予防は出来ないため、早期に病気を発見出来る環境を整えておくしかありません。
まず、こういう病気があるという事を知っておくだけでも早期発見につながりますので、知識は出来るだけ持っておきましょう。
いかがでしたか。
では、次回のイルネス辞典をお楽しみに〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院