2018年07月01日 [からだのこと]
(70)サンデーイルネス(仮)日本住血吸虫症について
お疲れ様です。院長です。
7月1日のサンデーイルネスでございます。
さぁ、ついに7月ですね。
といってもまだ梅雨のはずなんですが、なんだこの天気?
梅雨は明けたのか?
何となく、そろそろエグイ雨が降り倒すんじゃないの的な気もしなくもないですが、まぁ、このまま夏でもよろしいわ(笑)
もう梅雨明けってことにしましょう。
ってことで、勝手に梅雨明け宣言をぶっこんでみましたが、今日もイルネス辞典いってみましょう。
今日は、少し珍しい名前の病気「日本住血吸虫症」(にほんじゅうけつきゅうちゅうしょう)を解説していきたいと思います。
なかなかな名前をしておりますが、一体どんな病気かと言いますと、「日本住血吸虫」という寄生虫と、その卵によって起こる病気です。
日本住血吸虫とは、ちなみにこんな姿。気持ち悪いんで苦手な方はクリックせんとき(笑)
中国、フィリピン、インドネシアなど東南アジアに広く棲息している寄生虫ですます。
本症は、かつて甲府盆地、利根川流域、広島県片山地方、筑後川流域などに広く分布していましたが、現在では中間宿主(つまり、この貝から伝染るってことね)であるミヤイリガイの撲滅により新しい感染の報告はありません。
しかし、日本住血吸虫の感染の既往歴のある患者さんに、肝硬変(かんこうへん)や肝細胞がんの合併がみられることがあります。
日本住血吸虫の感染は、中間宿主ミヤイリガイの体内で形成された幼虫セルカリアが皮膚から侵入することによって生じます。
セルカリアは、血液やリンパを介して門脈系(もんみゃくけい)に達し、成虫となって肝門脈に棲息し、産卵します。
虫卵は門脈血によって運ばれますが、肝内の細い末梢門脈枝(まっしょうもんみゃくし)を通過できないので、門脈枝をふさいでしまいます。
虫卵が病気を起こす作用は単一なものではなく、塞栓による循環障害、虫卵が強く炎症を起こすことによる炎症反応やアレルギー反応などがあります。
症状の現れ方としては、感染後、2〜3週の潜伏期をへて倦怠感(けんたいかん)、食欲不振、腹部違和感などの初発症状が現れます。
侵入したセルカリアの数、発育の差、産卵の部位などにより症状は異なりますが、感染後4週ほどで、粘血便や腹痛などの急性腸炎を示す消化器症状のほか、高度の貧血を伴う急性腎炎の症状や呼吸器症状などが現れることがあります。
感染を繰り返し、慢性に経過した場合には、肝表面は亀甲状(きっこうじょう)の特有の肝硬変像を示します。
腸粘膜の萎縮(いしゅく)、腹水がみられ、食道静脈瘤(しょくどうじょうみゃくりゅう)の破綻による消化管出血をきたし、肝不全で死亡することもあります。
肝細胞がんを合併した患者さんでは、発がんに肝炎ウイルスの感染の関与が示唆されることもありますし、巨脾(脾臓が増大する)を示す疾患として知られていますが、その頻度は低くなっています。
日本住血吸虫症の診断は、糞便中に虫卵を確認することによってなされます。また、血清診断によってもなされます。
現在の日本の患者さんの多くは、過去に感染しているので、肝臓の炎症はなくなり、古くなった虫卵は石灰化しています。
超音波検査やCTでは、特徴的な亀甲状あるいは網目状を示し、石灰化した虫卵と線維化を反映する所見がみられます。
とまぁ、感染すればややこしい病気ですが、今のところ日本国内では、新たに感染することはないようです。
ですが、近隣の中国、フィリピン、インドネシア等には、まだ普通にいるようなんで、こういった国へ行かれた方は注意が必要ですな。
媒介する中間宿主が、ミヤイリガイって貝ですんで、コイツを口にしたらアウトってことでしょう。
ま、上のリンクに写真もありますが、おそらくこれを調理したものを出されても、気付かないでしょうし、海外、特に先ほど挙げた東南アジア諸国では、怪しい貝は食わない方が無難かもね。
わたくし院長は、海外に出たことも、出る予定もないのでまぁ安心ですが…
いかがでしたか?
これも、知ってるだけで助かるかもしれませんから、ま、知識は持っておきましょう。
では、来週のイルネス辞典をお楽しみに〜
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院
7月1日のサンデーイルネスでございます。
さぁ、ついに7月ですね。
といってもまだ梅雨のはずなんですが、なんだこの天気?
梅雨は明けたのか?
何となく、そろそろエグイ雨が降り倒すんじゃないの的な気もしなくもないですが、まぁ、このまま夏でもよろしいわ(笑)
もう梅雨明けってことにしましょう。
ってことで、勝手に梅雨明け宣言をぶっこんでみましたが、今日もイルネス辞典いってみましょう。
今日は、少し珍しい名前の病気「日本住血吸虫症」(にほんじゅうけつきゅうちゅうしょう)を解説していきたいと思います。
なかなかな名前をしておりますが、一体どんな病気かと言いますと、「日本住血吸虫」という寄生虫と、その卵によって起こる病気です。
日本住血吸虫とは、ちなみにこんな姿。気持ち悪いんで苦手な方はクリックせんとき(笑)
中国、フィリピン、インドネシアなど東南アジアに広く棲息している寄生虫ですます。
本症は、かつて甲府盆地、利根川流域、広島県片山地方、筑後川流域などに広く分布していましたが、現在では中間宿主(つまり、この貝から伝染るってことね)であるミヤイリガイの撲滅により新しい感染の報告はありません。
しかし、日本住血吸虫の感染の既往歴のある患者さんに、肝硬変(かんこうへん)や肝細胞がんの合併がみられることがあります。
日本住血吸虫の感染は、中間宿主ミヤイリガイの体内で形成された幼虫セルカリアが皮膚から侵入することによって生じます。
セルカリアは、血液やリンパを介して門脈系(もんみゃくけい)に達し、成虫となって肝門脈に棲息し、産卵します。
虫卵は門脈血によって運ばれますが、肝内の細い末梢門脈枝(まっしょうもんみゃくし)を通過できないので、門脈枝をふさいでしまいます。
虫卵が病気を起こす作用は単一なものではなく、塞栓による循環障害、虫卵が強く炎症を起こすことによる炎症反応やアレルギー反応などがあります。
症状の現れ方としては、感染後、2〜3週の潜伏期をへて倦怠感(けんたいかん)、食欲不振、腹部違和感などの初発症状が現れます。
侵入したセルカリアの数、発育の差、産卵の部位などにより症状は異なりますが、感染後4週ほどで、粘血便や腹痛などの急性腸炎を示す消化器症状のほか、高度の貧血を伴う急性腎炎の症状や呼吸器症状などが現れることがあります。
感染を繰り返し、慢性に経過した場合には、肝表面は亀甲状(きっこうじょう)の特有の肝硬変像を示します。
腸粘膜の萎縮(いしゅく)、腹水がみられ、食道静脈瘤(しょくどうじょうみゃくりゅう)の破綻による消化管出血をきたし、肝不全で死亡することもあります。
肝細胞がんを合併した患者さんでは、発がんに肝炎ウイルスの感染の関与が示唆されることもありますし、巨脾(脾臓が増大する)を示す疾患として知られていますが、その頻度は低くなっています。
日本住血吸虫症の診断は、糞便中に虫卵を確認することによってなされます。また、血清診断によってもなされます。
現在の日本の患者さんの多くは、過去に感染しているので、肝臓の炎症はなくなり、古くなった虫卵は石灰化しています。
超音波検査やCTでは、特徴的な亀甲状あるいは網目状を示し、石灰化した虫卵と線維化を反映する所見がみられます。
とまぁ、感染すればややこしい病気ですが、今のところ日本国内では、新たに感染することはないようです。
ですが、近隣の中国、フィリピン、インドネシア等には、まだ普通にいるようなんで、こういった国へ行かれた方は注意が必要ですな。
媒介する中間宿主が、ミヤイリガイって貝ですんで、コイツを口にしたらアウトってことでしょう。
ま、上のリンクに写真もありますが、おそらくこれを調理したものを出されても、気付かないでしょうし、海外、特に先ほど挙げた東南アジア諸国では、怪しい貝は食わない方が無難かもね。
わたくし院長は、海外に出たことも、出る予定もないのでまぁ安心ですが…
いかがでしたか?
これも、知ってるだけで助かるかもしれませんから、ま、知識は持っておきましょう。
では、来週のイルネス辞典をお楽しみに〜
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院