2018年05月27日 [からだのこと]
(65)サンデーイルネス(仮)肘部管症候群について
お疲れ様です。院長です。
5月27日のサンデーイルネスとなってます。
さぁ、梅雨が迫ってきましたが、今年はどんな梅雨でしょう。
梅雨に限らず、雨が降ると体調が悪くなるって人は、チョイチョイいるんですがこれは何故でしょう。
要因的には色々ありまして、自律神経の乱れからくる体調不良や、気圧が下がることによっての体調不良なんかが主な理由でしょう。
そして、今日はそんな気圧の変化なんかでも多少、症状が左右する疾患、「肘部管症候群」を解説していきたいと思います。
肘部管(ちゅうぶかん)
読んで字の如く、肘にある管なんですがこれをちょっと見て貰いましょう。
この肘の中にある管の事を肘部管と呼ぶわけですが、まずどんな病気か解説していきましょう。
小指と薬指の感覚と、指を伸ばしたり閉じたり開いたりする手指の筋肉を支配している尺骨(しゃっこつ)神経が、肘の内側の肘部管というトンネルで圧迫や引き延ばしを受けて発生する神経麻痺です。
肘の内側の上腕骨内側上顆(じょうわんこつないそくじょうか)の後ろに、骨と靭帯(じんたい)で形成された肘部管というトンネルがあります。
ここを尺骨神経って神経が通るんですが、トンネル内は狭くゆとりがないため、慢性的な圧迫や引き延ばしが加わると、容易に神経麻痺が発生するわけです。
圧迫の原因には、トンネルを構成する骨が隆起した骨棘(こつきょく)や、靭帯の肥厚、トンネル内外にできたガングリオン嚢腫(のうしゅ)などがあります。
神経引き延ばしの原因には、小児期の骨折によって生じた外反肘(がいはんちゅう)(肘を伸展させると過剰に外側に反る変形)などもあります。
では、肘部管症候群の症状の現れ方ですが、麻痺の進行により症状が異なります。
初期は小指と薬指の小指側にしびれ感が生じます。麻痺が進行するにつれて手の筋肉がやせてきたり、小指と薬指がまっすぐに伸びない鉤爪(かぎづめ)変型(あるいは鷲手変形)が起こります。
筋力が低下すると、指を開いたり閉じたりする運動ができなくなり、握力も低下してきます。
痺れや握力低下あたりで症状が止まればいいのですが、進行していき筋肉が痩せだすとかなり悪い状況です。
では、治療の方法としましては、初期でしびれや痛みが軽症の場合は、肘を安静にして、消炎鎮痛薬やビタミンB剤を内服します。
と、ここまでは整形外科的治療ですが、当院の場合ですと、肘周りの筋肉の緩解により症状が軽減することがかなりあるので、筋膜リリースや鍼灸治療も効果的です。
でも、粗油上の進行が早く、これらの保存療法が効かない場合や、筋肉にやせ細りがある場合は手術を行います。
手術の方法は靭帯を切ってトンネルを開き、神経の圧迫を取り除きます。
ガングリオン嚢腫があれば切除します。神経の緊張が強い場合は、内側上顆という上腕骨の突起を削ったり、神経を前方に移動させたりします。
外反肘変形により神経が引き延ばされている場合は、矯正(きょうせい)骨切り術といって、骨を切って変形を矯正し、神経麻痺を治すこともあります。
肘部管は非常に狭いので手術が必要になることが多く、筋肉にやせ細りが出る前に手術をすると、予後は良好といわれていますが、わたくし的な意見ですと保存療法で十分治癒出来ます。
ですが、これも症状が進行してからでは、どうしようもありません。
小指に痺れがある場合、疑ってみる必要はあると思います。
症状が軽ければ、保存療法で治せますから…。
これも、まずは知識を持つことですね。
知っていれば対処できますし、手術などの大ごとにならないうちに治療にかかれます。
いかがでしたか?
痺れなどの症状は、比較的誰にでも起こります。
知識をもってしっかり対応しましょうね。
では、来週のイルネス辞典をお楽しみに〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院
5月27日のサンデーイルネスとなってます。
さぁ、梅雨が迫ってきましたが、今年はどんな梅雨でしょう。
梅雨に限らず、雨が降ると体調が悪くなるって人は、チョイチョイいるんですがこれは何故でしょう。
要因的には色々ありまして、自律神経の乱れからくる体調不良や、気圧が下がることによっての体調不良なんかが主な理由でしょう。
そして、今日はそんな気圧の変化なんかでも多少、症状が左右する疾患、「肘部管症候群」を解説していきたいと思います。
肘部管(ちゅうぶかん)
読んで字の如く、肘にある管なんですがこれをちょっと見て貰いましょう。
この肘の中にある管の事を肘部管と呼ぶわけですが、まずどんな病気か解説していきましょう。
小指と薬指の感覚と、指を伸ばしたり閉じたり開いたりする手指の筋肉を支配している尺骨(しゃっこつ)神経が、肘の内側の肘部管というトンネルで圧迫や引き延ばしを受けて発生する神経麻痺です。
肘の内側の上腕骨内側上顆(じょうわんこつないそくじょうか)の後ろに、骨と靭帯(じんたい)で形成された肘部管というトンネルがあります。
ここを尺骨神経って神経が通るんですが、トンネル内は狭くゆとりがないため、慢性的な圧迫や引き延ばしが加わると、容易に神経麻痺が発生するわけです。
圧迫の原因には、トンネルを構成する骨が隆起した骨棘(こつきょく)や、靭帯の肥厚、トンネル内外にできたガングリオン嚢腫(のうしゅ)などがあります。
神経引き延ばしの原因には、小児期の骨折によって生じた外反肘(がいはんちゅう)(肘を伸展させると過剰に外側に反る変形)などもあります。
では、肘部管症候群の症状の現れ方ですが、麻痺の進行により症状が異なります。
初期は小指と薬指の小指側にしびれ感が生じます。麻痺が進行するにつれて手の筋肉がやせてきたり、小指と薬指がまっすぐに伸びない鉤爪(かぎづめ)変型(あるいは鷲手変形)が起こります。
筋力が低下すると、指を開いたり閉じたりする運動ができなくなり、握力も低下してきます。
痺れや握力低下あたりで症状が止まればいいのですが、進行していき筋肉が痩せだすとかなり悪い状況です。
では、治療の方法としましては、初期でしびれや痛みが軽症の場合は、肘を安静にして、消炎鎮痛薬やビタミンB剤を内服します。
と、ここまでは整形外科的治療ですが、当院の場合ですと、肘周りの筋肉の緩解により症状が軽減することがかなりあるので、筋膜リリースや鍼灸治療も効果的です。
でも、粗油上の進行が早く、これらの保存療法が効かない場合や、筋肉にやせ細りがある場合は手術を行います。
手術の方法は靭帯を切ってトンネルを開き、神経の圧迫を取り除きます。
ガングリオン嚢腫があれば切除します。神経の緊張が強い場合は、内側上顆という上腕骨の突起を削ったり、神経を前方に移動させたりします。
外反肘変形により神経が引き延ばされている場合は、矯正(きょうせい)骨切り術といって、骨を切って変形を矯正し、神経麻痺を治すこともあります。
肘部管は非常に狭いので手術が必要になることが多く、筋肉にやせ細りが出る前に手術をすると、予後は良好といわれていますが、わたくし的な意見ですと保存療法で十分治癒出来ます。
ですが、これも症状が進行してからでは、どうしようもありません。
小指に痺れがある場合、疑ってみる必要はあると思います。
症状が軽ければ、保存療法で治せますから…。
これも、まずは知識を持つことですね。
知っていれば対処できますし、手術などの大ごとにならないうちに治療にかかれます。
いかがでしたか?
痺れなどの症状は、比較的誰にでも起こります。
知識をもってしっかり対応しましょうね。
では、来週のイルネス辞典をお楽しみに〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院