2018年04月01日 [からだのこと]
(57)サンデーイルネス(仮)頸椎後縦靭帯骨化症について
お疲れ様です。院長です。
4月1日のサンデーイルネスでございます。
あら。
エイプリルフールやん。
でも、今日は真面目なイルネスの日。
嘘ついてる場合ではありません。
ってことで、4月最初のイルネスですが、みなさんボチボチお花見は行きました?
わたくし院長は、毎日二条駅前の桜の木たちを眺めながら、季節の移ろいを感じておりますのことよ。
ってことで、今日もいってみましょう。
きょうは「頸椎後縦靭帯骨化症」ってお病気を解説していきたいと思います。
まず読みにくいね…
「けいつい こうじゅうじんたい こつかしょう」と読みます。
この、頸椎後縦靭帯骨化症とは、どんな病気かと言いますと、頸椎を補強している靭帯組織のうち、椎体後方、すなわち脊髄(せきずい)の前方に位置する後縦靭帯が骨組織になり、肥厚してくる病気です。
ちょっとこれをご覧ください。
首の骨を縦に切った画像ですね。
この後縦靭帯というのは、簡単に言うと首の骨(頸椎)を後ろでつなぎ合わせてる接着の役目のあるもので、当然首の動きに合わせて動けるよう、普通はゴムのようにしなやかに動きます。
ですが、この病気は、このゴムのような靭帯が、骨のように硬くなっていくわけです。
骨化した靭帯は、頸椎の可動性を減少させながら脊柱管(せきちゅうかん)内で脊髄を徐々に圧迫し、麻痺症状を引き起こします。
日本で最初に報告された疾患であり、治療法も主に日本で発達してきました。
では、日本生まれの、頸椎後縦靭帯骨化症、原因は何かといいますと、現在のところ靭帯骨化の原因は不明です。
遺伝的要因やカルシウム代謝異常など多因子の関与が考えられてはいますが、まだ確定的な事は分かっていません。
では、症状の現れ方ですが、主な症状は脊髄圧迫症状です。
すなわち、手足のしびれや痛みを発症することが多く、手の細かい動作がやりにくくなったり(巧緻運動障害(こうちうんどうしょうがい))、足が突っ張って歩行がしにくくなる(痙性歩行(けいせいほこう))などの運動障害も出現します。
さらに頻尿や失禁、便秘などの膀胱直腸障害もみられます。
こういった脊髄症状が徐々に出現し、悪化する場合がほとんどですが、転倒などの軽い外傷を契機に麻痺症状は急激に悪化します。
脊髄症状による歩行障害が転倒を招き、その結果、脊髄症状が悪化するという悪循環にもつながります。
いったん高度の脊髄麻痺が発症すると、その治療は困難といわれています。
では、その治療方法ですが、頸部痛や片側の上肢の痛み(神経根性疼痛)のみで脊髄症状を認めない場合は、薬物療法や頸椎カラーなどの装具による安静などの保存的治療を行います。
その際、頸部の過度な動きや転倒に対してとくに注意が必要です。
脊髄がいったん障害されると、たとえ手術を行っても回復の見込みは薄いため、自覚症状がほとんどない場合も予防的手術を行う場合があります。
一方、脊髄症状を認める例では基本的に手術療法の適応となってしまいます。
頸椎の前方から脊髄を除圧する前方除圧固定術と、後方から行う脊柱管拡大術(椎弓形成術)があります。
前方法は、脊髄の圧迫されている範囲が少ない場合に行われます。脊髄の麻痺の程度が強かったり、脊髄自体が萎縮して圧迫がない場合などは、麻痺があっても手術は選択されない場合もあります。
以上のように、比較的発症してしまうと進行していくタイプの病気と言えますので、出来るだけ早く治療に入る事は、どんな病気でも同じです。
ですが、この病気には特有の症状はありませんので、自覚症状からは診断できません。
手足のしびれがある場合はもちろんですが、頚の違和感など些細な事でもとりあえず整形外科でレントゲンを撮っておきましょう。
いわゆる頚椎症と呼ばれる、頸椎の変形などでも手に痺れが出たりします。
ですが、この骨化に関しては原因が特定出来ていません。
頚椎症から骨化するという報告は特にないですが、原因が分からない以上、注意するに越したことはないですからね。
いつも言ってますがまずは知識を持つことです。
そして、疑わしきはまず病院へ。
これが、どんな病気にも打ち克つ唯一無二の法則ですからね。
では、来週のイルネス辞典をお楽しみに〜
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院
4月1日のサンデーイルネスでございます。
あら。
エイプリルフールやん。
でも、今日は真面目なイルネスの日。
嘘ついてる場合ではありません。
ってことで、4月最初のイルネスですが、みなさんボチボチお花見は行きました?
わたくし院長は、毎日二条駅前の桜の木たちを眺めながら、季節の移ろいを感じておりますのことよ。
ってことで、今日もいってみましょう。
きょうは「頸椎後縦靭帯骨化症」ってお病気を解説していきたいと思います。
まず読みにくいね…
「けいつい こうじゅうじんたい こつかしょう」と読みます。
この、頸椎後縦靭帯骨化症とは、どんな病気かと言いますと、頸椎を補強している靭帯組織のうち、椎体後方、すなわち脊髄(せきずい)の前方に位置する後縦靭帯が骨組織になり、肥厚してくる病気です。
ちょっとこれをご覧ください。
首の骨を縦に切った画像ですね。
この後縦靭帯というのは、簡単に言うと首の骨(頸椎)を後ろでつなぎ合わせてる接着の役目のあるもので、当然首の動きに合わせて動けるよう、普通はゴムのようにしなやかに動きます。
ですが、この病気は、このゴムのような靭帯が、骨のように硬くなっていくわけです。
骨化した靭帯は、頸椎の可動性を減少させながら脊柱管(せきちゅうかん)内で脊髄を徐々に圧迫し、麻痺症状を引き起こします。
日本で最初に報告された疾患であり、治療法も主に日本で発達してきました。
では、日本生まれの、頸椎後縦靭帯骨化症、原因は何かといいますと、現在のところ靭帯骨化の原因は不明です。
遺伝的要因やカルシウム代謝異常など多因子の関与が考えられてはいますが、まだ確定的な事は分かっていません。
では、症状の現れ方ですが、主な症状は脊髄圧迫症状です。
すなわち、手足のしびれや痛みを発症することが多く、手の細かい動作がやりにくくなったり(巧緻運動障害(こうちうんどうしょうがい))、足が突っ張って歩行がしにくくなる(痙性歩行(けいせいほこう))などの運動障害も出現します。
さらに頻尿や失禁、便秘などの膀胱直腸障害もみられます。
こういった脊髄症状が徐々に出現し、悪化する場合がほとんどですが、転倒などの軽い外傷を契機に麻痺症状は急激に悪化します。
脊髄症状による歩行障害が転倒を招き、その結果、脊髄症状が悪化するという悪循環にもつながります。
いったん高度の脊髄麻痺が発症すると、その治療は困難といわれています。
では、その治療方法ですが、頸部痛や片側の上肢の痛み(神経根性疼痛)のみで脊髄症状を認めない場合は、薬物療法や頸椎カラーなどの装具による安静などの保存的治療を行います。
その際、頸部の過度な動きや転倒に対してとくに注意が必要です。
脊髄がいったん障害されると、たとえ手術を行っても回復の見込みは薄いため、自覚症状がほとんどない場合も予防的手術を行う場合があります。
一方、脊髄症状を認める例では基本的に手術療法の適応となってしまいます。
頸椎の前方から脊髄を除圧する前方除圧固定術と、後方から行う脊柱管拡大術(椎弓形成術)があります。
前方法は、脊髄の圧迫されている範囲が少ない場合に行われます。脊髄の麻痺の程度が強かったり、脊髄自体が萎縮して圧迫がない場合などは、麻痺があっても手術は選択されない場合もあります。
以上のように、比較的発症してしまうと進行していくタイプの病気と言えますので、出来るだけ早く治療に入る事は、どんな病気でも同じです。
ですが、この病気には特有の症状はありませんので、自覚症状からは診断できません。
手足のしびれがある場合はもちろんですが、頚の違和感など些細な事でもとりあえず整形外科でレントゲンを撮っておきましょう。
いわゆる頚椎症と呼ばれる、頸椎の変形などでも手に痺れが出たりします。
ですが、この骨化に関しては原因が特定出来ていません。
頚椎症から骨化するという報告は特にないですが、原因が分からない以上、注意するに越したことはないですからね。
いつも言ってますがまずは知識を持つことです。
そして、疑わしきはまず病院へ。
これが、どんな病気にも打ち克つ唯一無二の法則ですからね。
では、来週のイルネス辞典をお楽しみに〜
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院