2018年03月18日 [からだのこと]
(55)サンデーイルネス(仮)ギランバレー症候群について
疲れ様です。院長です。
3月18日のサンデーイルネスでございます。
3月のイルネスも、後1回なんですね〜。
次のイルネスは、桜どうですかね。
25日ですから、もう開花はしてるかもしれません。
あ〜春々。
てことで、浮かれてはいられないイルネス辞典ですが、今日は「ギラン・バレー症候群」てのを解説していきたいと思います。
急性・多発性の根神経炎の一つで、主に筋肉を動かす運動神経が障害され、四肢に力が入らなくなり、腱(けん)反射の消失を主徴とする病気です。
人口10万人あたり年間1〜2人の発症数であり、年齢別にみると若年成人と高齢者に発症のピークがあると考えられています。
では、この病気の原因は何かという事ですが、発症前に感冒症状があることが多いので、各種ウイルスや細菌による感染が引き金となり、自己免疫的機序(仕組み)を介して発症する病気と考えられています。
神経細胞には軸索(じくさく)と呼ばれる長い枝の部分がありますが、この病気では主に軸索のまわりを取り囲む髄鞘(ずいしょう)という部分に障害が出ます。
髄鞘の障害には感染の結果できた自己抗体が関与すると考えられています。
前駆症状として、咽頭発赤、扁桃炎、急性結膜炎、急性胃腸炎、感冒症状(咽頭痛や微熱など)が見られ、大抵は風邪かなと思うところからスタートします。
これらの症状は通常は神経症状出現の1〜3週間ほど前に認められ、全例の約3分の2で先行感染が認められます。
症状の程度は様々ですが、運動神経の障害が主で、初発症状は下肢の筋力低下から起こることが多いとされています。
つまり、足に力が入りにくくなるわけですね。
その後、下肢から体幹部に向かい左右対称性に筋力低下や麻痺が上行してきます。
四肢麻痺は、遠位筋(手先、足先)に強く現れ、呼吸筋の麻痺が起こると人工呼吸器により呼吸管理が必要となることまであるため注意が必要です。
運動神経の障害が主ですが、軽度の感覚神経障害も起こすことがあるとされています。
その他、両側性の顔面神経麻痺や外眼筋障害などといった脳神経症状や、構音障害や嚥下障害などの球麻痺症状、自律神経障害を伴うこともあります。
感冒症状や下痢のあと1〜3週間して比較的急速に四肢の筋力低下が現れますが、通常は2〜4週間目でピークに達し、進行は停止します。
進行停止後は徐々に快方に向かい、3〜6カ月でほぼ完全に治りますが、10〜20%の患者さんでは後遺症を残すと言われています。
治療法は、発症の初期で症状が軽い場合は、経過観察となり、ビタミンB12やビタミンEの内服薬が処方されます。
歩くことが不自由になるなど、中等度以上では「経静脈的免疫グロブリン静注療法」や「血漿浄化(交換)療法」が行われます。
前者は献血された血液から人の免疫グロブリンを精製し、点滴で投与します。
末梢神経を攻撃する自己抗体を打ち消す効果があります。血漿浄化(交換)療法は、血液中にある自己抗体を体外に導いて取り除く治療法です。
重症に対しては、これらの治療法では効果が得られない場合があり、現在、エクリズマブ療法の治験(臨床試験)が進められています。
末梢神経への攻撃は、抗体がくっついた後に補体という免疫に関わる因子が活性化して進むと考えられています。
その補体を遮断しようという治療です。エクリズマブは、すでに他の病気の治療薬として承認されており、重症のギラン・バレー症候群に対する効果について研究中です。
と、なかなかややこしい病気ですが、そこまで予後が悪いわけではありません。
日本では厚生労働省の、医療給付(難病医療費助成制度)の対象にはなっていませんが、治療研究(難治性疾患克服研究事業)の対象にはなっている為、まだ研究の余地がある病気と言えるでしょう。
ですが、発症のきっかけとなる風邪は、鼻かぜが多く、下痢はカンピロバクターによる細菌感染が多いということです。
カンピロバクターは一種の食中毒で、鶏肉から感染しやすい細菌とされてます。
ですが、加熱することで死滅しますので、鶏肉は十分に加熱しましょう。
また、カンピロバクターによるギラン・バレー症候群は重症化しやすい傾向があるそうなので、注意が必要です。
いかがでしょうか。
まぁ、かなり罹患率の低い疾患ではありますが、前駆症状に風邪、下痢と比較的一般的な症状がありますから、そこは注意が必要ですね。
これも、知っているだけですぐに発見出来やすい病気ですから、まず知識はキチンと持っておきましょう。
では、来週のイルネス辞典をお楽しみに〜
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院
3月18日のサンデーイルネスでございます。
3月のイルネスも、後1回なんですね〜。
次のイルネスは、桜どうですかね。
25日ですから、もう開花はしてるかもしれません。
あ〜春々。
てことで、浮かれてはいられないイルネス辞典ですが、今日は「ギラン・バレー症候群」てのを解説していきたいと思います。
急性・多発性の根神経炎の一つで、主に筋肉を動かす運動神経が障害され、四肢に力が入らなくなり、腱(けん)反射の消失を主徴とする病気です。
人口10万人あたり年間1〜2人の発症数であり、年齢別にみると若年成人と高齢者に発症のピークがあると考えられています。
では、この病気の原因は何かという事ですが、発症前に感冒症状があることが多いので、各種ウイルスや細菌による感染が引き金となり、自己免疫的機序(仕組み)を介して発症する病気と考えられています。
神経細胞には軸索(じくさく)と呼ばれる長い枝の部分がありますが、この病気では主に軸索のまわりを取り囲む髄鞘(ずいしょう)という部分に障害が出ます。
髄鞘の障害には感染の結果できた自己抗体が関与すると考えられています。
前駆症状として、咽頭発赤、扁桃炎、急性結膜炎、急性胃腸炎、感冒症状(咽頭痛や微熱など)が見られ、大抵は風邪かなと思うところからスタートします。
これらの症状は通常は神経症状出現の1〜3週間ほど前に認められ、全例の約3分の2で先行感染が認められます。
症状の程度は様々ですが、運動神経の障害が主で、初発症状は下肢の筋力低下から起こることが多いとされています。
つまり、足に力が入りにくくなるわけですね。
その後、下肢から体幹部に向かい左右対称性に筋力低下や麻痺が上行してきます。
四肢麻痺は、遠位筋(手先、足先)に強く現れ、呼吸筋の麻痺が起こると人工呼吸器により呼吸管理が必要となることまであるため注意が必要です。
運動神経の障害が主ですが、軽度の感覚神経障害も起こすことがあるとされています。
その他、両側性の顔面神経麻痺や外眼筋障害などといった脳神経症状や、構音障害や嚥下障害などの球麻痺症状、自律神経障害を伴うこともあります。
感冒症状や下痢のあと1〜3週間して比較的急速に四肢の筋力低下が現れますが、通常は2〜4週間目でピークに達し、進行は停止します。
進行停止後は徐々に快方に向かい、3〜6カ月でほぼ完全に治りますが、10〜20%の患者さんでは後遺症を残すと言われています。
治療法は、発症の初期で症状が軽い場合は、経過観察となり、ビタミンB12やビタミンEの内服薬が処方されます。
歩くことが不自由になるなど、中等度以上では「経静脈的免疫グロブリン静注療法」や「血漿浄化(交換)療法」が行われます。
前者は献血された血液から人の免疫グロブリンを精製し、点滴で投与します。
末梢神経を攻撃する自己抗体を打ち消す効果があります。血漿浄化(交換)療法は、血液中にある自己抗体を体外に導いて取り除く治療法です。
重症に対しては、これらの治療法では効果が得られない場合があり、現在、エクリズマブ療法の治験(臨床試験)が進められています。
末梢神経への攻撃は、抗体がくっついた後に補体という免疫に関わる因子が活性化して進むと考えられています。
その補体を遮断しようという治療です。エクリズマブは、すでに他の病気の治療薬として承認されており、重症のギラン・バレー症候群に対する効果について研究中です。
と、なかなかややこしい病気ですが、そこまで予後が悪いわけではありません。
日本では厚生労働省の、医療給付(難病医療費助成制度)の対象にはなっていませんが、治療研究(難治性疾患克服研究事業)の対象にはなっている為、まだ研究の余地がある病気と言えるでしょう。
ですが、発症のきっかけとなる風邪は、鼻かぜが多く、下痢はカンピロバクターによる細菌感染が多いということです。
カンピロバクターは一種の食中毒で、鶏肉から感染しやすい細菌とされてます。
ですが、加熱することで死滅しますので、鶏肉は十分に加熱しましょう。
また、カンピロバクターによるギラン・バレー症候群は重症化しやすい傾向があるそうなので、注意が必要です。
いかがでしょうか。
まぁ、かなり罹患率の低い疾患ではありますが、前駆症状に風邪、下痢と比較的一般的な症状がありますから、そこは注意が必要ですね。
これも、知っているだけですぐに発見出来やすい病気ですから、まず知識はキチンと持っておきましょう。
では、来週のイルネス辞典をお楽しみに〜
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院