2017年07月30日 [からだのこと]
(22)サンデーイルネス(仮)更年期障害について
お疲れ様です。院長です。
7月も30日と、いよいよ8月ですなぁ〜。
ここから1ヶ月は確実に暑い。
なんなら2ヶ月暑い。
確か、去年もそうでしたが、秋ってのがあんまりなくて、いつまでも暑いなぁ〜っていってると、急に冬!みたいな…
今年の春そうでしたよね。
なんかいつまでも寒いな〜…からの夏!
それだけ気候の変化が激しくなってるんだと思います。
これだけ温度差があると、人間のセンサーも狂い気味。
自律神経系がワヤになると、色々と身体に悪い事が起ります。
今日のイルネス辞典(仮)、そんな自律神経系にも大いに関係のある、この疾患…
「更年期障害」について解説していきたいと思います。
そもそも更年期とは、性成熟期から生殖不能期への移行期(45〜55歳)あたりの年齢層をさします。
平均51歳で訪れる閉経前後という事で、更年期障害はこの時期に生じる自律神経失調症状と精神症状が相互に関係しあって起こる、不定愁訴(ふていしゅうそ)の総称と考えられます。
では、原因は何でしょうか…
更年期になると、加齢に伴う卵巣機能の低下によって、卵巣から分泌される女性ホルモン(エストロゲン)の量が減り、これが脳の視床下部にある自律神経中枢に影響を及ぼして自律神経失調症を引き起こすと考えられています。
また、この年代の女性を取り巻く家庭や社会環境の変化からくる心理的ストレスが大脳皮質‐大脳辺縁系に影響を与え、憂鬱や情緒不安定などの精神症状を併発することが多くなります。
この自律神経失調症状と精神症状、そしてホルモンバランス等が、相互に影響し合って、更年期障害の病状を複雑にしていると言っていいと思います。
症状の現れ方として、自律神経失調症状、精神症状、その他の症状に分けられます。通常、自律神経失調症状と精神症状は混在しています。
自律神経性更年期障害の代表的なものは、ホットフラッシュと呼ばれる、顔ののぼせ、ほてり、それに伴う異常発汗などの症状があります。
ホットフラッシュは閉経女性の40〜80%に認められ、1〜数年間続き、長期にわたる場合もあります。しかし、そのうち治療を要するものは25%とされています。
精神症状としての憂鬱は、閉経女性の約40%に認められています。
また、最近の調査では、日本の更年期女性の特徴として、ホットフラッシュよりも肩こりや憂鬱を訴える頻度が高いことも、分かってきています。
では、おかしいなと思った時の検査と診断ですが、更年期障害の疑いがある時は、専門医の診察を受け、まず血液ホルモン検査をすることが大事です。
更年期障害は、卵巣機能がまだ変動している時期にみられるもので、一定の時期が過ぎて卵巣機能が完全に低下し、全身の状態がホルモンの変化に慣れてくれば、自然によくなると考えられています。
そのため、一度だけの血液ホルモン検査では、エストロゲンが正常な値を示すことがあります。
更年期の診断には、老化した卵巣を活発にしようとして脳下垂体から大量に分泌される性腺刺激ホルモンの値が高いことを確認することが重要です。
これはつまり、エストロゲンが出なくなるから、性腺刺激ホルモンが、もっとエストロゲン出せ〜って事で、大量に出ちゃうんですよ。
ですから、性腺刺激ホルモンの分泌量が多い事が確認できれば、結果的にエストロゲンの分泌が低下してるという裏付け的な確定診断となるわけです。
また、更年期障害は、甲状腺や循環器などの内科疾患、整形外科疾患、脳神経外科疾患、耳鼻科疾患あるいは鬱病などの精神科疾患と類似した症状を示すことがあるので、複数の診療科の受診が必要になることもあります。
年齢的な部分だけで、自分勝手に何でも「更年期だから…」と判断してしまうのは少し早計なので、キチンと専門医を受診することをおすすめします。
更年期障害の症状の程度は、クッパーマン更年期指数、簡略更年期指数などの質問用紙に答える方法によって、客観的に評価することができます。
決して自己判断や周りの判断で思いこんではいけませんよ(笑)
では、更年期障害の治療の方法なんですが、更年期障害の程度は、本人の性格、精神状態、周囲の環境などから多大な影響を受けてしまいます。
ですからまずは、生活習慣・生活環境の改善を図るのが基本となります。
個別の症状に対しては、ホットフラッシュ、発汗などを中心とする自律神経失調症状には、エストロゲンによるホルモン補充療法や自律神経調整薬などによる薬物療法が中心となります。
これは単純に、エストロゲンが不足して起こる現象に対し、エストロゲンを補充するという考えなので、意外とすんなり効果が出たりもするそうです。
一方、社会心理的要因により誘発されると考えられている精神症状性更年期障害に対しては、向精神薬を主体にした薬物療法と精神療法が有効ですが、精神症状のなかにはエストロゲンの欠乏に由来するものもあり、ホルモン補充療法が効果的な場合もあります。
しかしデメリットももちろんあり、平均5年以上ホルモン補充療法を行っている女性では、行っていない女性と比べて乳がんの発症リスクが1.3〜1.4倍高くなると言われています。
しかし、定期的な検診が行われているためか、ホルモン補充療法に関連する乳がんは比較的早期の予後のよいタイプが多く、乳がんによる死亡率はとくに増えていはいないようです。
現在のところ、更年期障害に対するホルモン補充療法は、定期的な子宮がん・乳がん検診のもとで数年間をめどに行うのは問題ないと考えられています。
ですが、この更年期障害、ちょっと我慢すれば…というような発想から、治療らしい治療をせずに放置している方もかなりおられます。
放置しても数年〜10年以内で症状は緩和する場合が多いですが、時には更年期障害から、深刻な精神科疾患、内科疾患、循環器疾患に繋がることもあるそうです。
なにより…
数年〜10年もの長い間、なんかしら調子の悪い状態を続けるのは辛いでしょう。
キチンと受診し、治療すれば比較的治癒は早いとも言われていますので、是非放置せず、専門医に相談してみて下さい。
いかがでしたか?
何となく、おばちゃんの病気(笑)的に軽く思われがちですが、本人は辛いもの。
どんな疾病も、周りの助けで治癒率も苦しみもかなり変わります。
そんな患者を理解するにも、まずキチンとした知識を持ちましょうね。
では、また来週のサンデーイルネス(仮)をお楽しみに〜
みなさん、良い休日を
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院
7月も30日と、いよいよ8月ですなぁ〜。
ここから1ヶ月は確実に暑い。
なんなら2ヶ月暑い。
確か、去年もそうでしたが、秋ってのがあんまりなくて、いつまでも暑いなぁ〜っていってると、急に冬!みたいな…
今年の春そうでしたよね。
なんかいつまでも寒いな〜…からの夏!
それだけ気候の変化が激しくなってるんだと思います。
これだけ温度差があると、人間のセンサーも狂い気味。
自律神経系がワヤになると、色々と身体に悪い事が起ります。
今日のイルネス辞典(仮)、そんな自律神経系にも大いに関係のある、この疾患…
「更年期障害」について解説していきたいと思います。
そもそも更年期とは、性成熟期から生殖不能期への移行期(45〜55歳)あたりの年齢層をさします。
平均51歳で訪れる閉経前後という事で、更年期障害はこの時期に生じる自律神経失調症状と精神症状が相互に関係しあって起こる、不定愁訴(ふていしゅうそ)の総称と考えられます。
では、原因は何でしょうか…
更年期になると、加齢に伴う卵巣機能の低下によって、卵巣から分泌される女性ホルモン(エストロゲン)の量が減り、これが脳の視床下部にある自律神経中枢に影響を及ぼして自律神経失調症を引き起こすと考えられています。
また、この年代の女性を取り巻く家庭や社会環境の変化からくる心理的ストレスが大脳皮質‐大脳辺縁系に影響を与え、憂鬱や情緒不安定などの精神症状を併発することが多くなります。
この自律神経失調症状と精神症状、そしてホルモンバランス等が、相互に影響し合って、更年期障害の病状を複雑にしていると言っていいと思います。
症状の現れ方として、自律神経失調症状、精神症状、その他の症状に分けられます。通常、自律神経失調症状と精神症状は混在しています。
自律神経性更年期障害の代表的なものは、ホットフラッシュと呼ばれる、顔ののぼせ、ほてり、それに伴う異常発汗などの症状があります。
ホットフラッシュは閉経女性の40〜80%に認められ、1〜数年間続き、長期にわたる場合もあります。しかし、そのうち治療を要するものは25%とされています。
精神症状としての憂鬱は、閉経女性の約40%に認められています。
また、最近の調査では、日本の更年期女性の特徴として、ホットフラッシュよりも肩こりや憂鬱を訴える頻度が高いことも、分かってきています。
では、おかしいなと思った時の検査と診断ですが、更年期障害の疑いがある時は、専門医の診察を受け、まず血液ホルモン検査をすることが大事です。
更年期障害は、卵巣機能がまだ変動している時期にみられるもので、一定の時期が過ぎて卵巣機能が完全に低下し、全身の状態がホルモンの変化に慣れてくれば、自然によくなると考えられています。
そのため、一度だけの血液ホルモン検査では、エストロゲンが正常な値を示すことがあります。
更年期の診断には、老化した卵巣を活発にしようとして脳下垂体から大量に分泌される性腺刺激ホルモンの値が高いことを確認することが重要です。
これはつまり、エストロゲンが出なくなるから、性腺刺激ホルモンが、もっとエストロゲン出せ〜って事で、大量に出ちゃうんですよ。
ですから、性腺刺激ホルモンの分泌量が多い事が確認できれば、結果的にエストロゲンの分泌が低下してるという裏付け的な確定診断となるわけです。
また、更年期障害は、甲状腺や循環器などの内科疾患、整形外科疾患、脳神経外科疾患、耳鼻科疾患あるいは鬱病などの精神科疾患と類似した症状を示すことがあるので、複数の診療科の受診が必要になることもあります。
年齢的な部分だけで、自分勝手に何でも「更年期だから…」と判断してしまうのは少し早計なので、キチンと専門医を受診することをおすすめします。
更年期障害の症状の程度は、クッパーマン更年期指数、簡略更年期指数などの質問用紙に答える方法によって、客観的に評価することができます。
決して自己判断や周りの判断で思いこんではいけませんよ(笑)
では、更年期障害の治療の方法なんですが、更年期障害の程度は、本人の性格、精神状態、周囲の環境などから多大な影響を受けてしまいます。
ですからまずは、生活習慣・生活環境の改善を図るのが基本となります。
個別の症状に対しては、ホットフラッシュ、発汗などを中心とする自律神経失調症状には、エストロゲンによるホルモン補充療法や自律神経調整薬などによる薬物療法が中心となります。
これは単純に、エストロゲンが不足して起こる現象に対し、エストロゲンを補充するという考えなので、意外とすんなり効果が出たりもするそうです。
一方、社会心理的要因により誘発されると考えられている精神症状性更年期障害に対しては、向精神薬を主体にした薬物療法と精神療法が有効ですが、精神症状のなかにはエストロゲンの欠乏に由来するものもあり、ホルモン補充療法が効果的な場合もあります。
しかしデメリットももちろんあり、平均5年以上ホルモン補充療法を行っている女性では、行っていない女性と比べて乳がんの発症リスクが1.3〜1.4倍高くなると言われています。
しかし、定期的な検診が行われているためか、ホルモン補充療法に関連する乳がんは比較的早期の予後のよいタイプが多く、乳がんによる死亡率はとくに増えていはいないようです。
現在のところ、更年期障害に対するホルモン補充療法は、定期的な子宮がん・乳がん検診のもとで数年間をめどに行うのは問題ないと考えられています。
ですが、この更年期障害、ちょっと我慢すれば…というような発想から、治療らしい治療をせずに放置している方もかなりおられます。
放置しても数年〜10年以内で症状は緩和する場合が多いですが、時には更年期障害から、深刻な精神科疾患、内科疾患、循環器疾患に繋がることもあるそうです。
なにより…
数年〜10年もの長い間、なんかしら調子の悪い状態を続けるのは辛いでしょう。
キチンと受診し、治療すれば比較的治癒は早いとも言われていますので、是非放置せず、専門医に相談してみて下さい。
いかがでしたか?
何となく、おばちゃんの病気(笑)的に軽く思われがちですが、本人は辛いもの。
どんな疾病も、周りの助けで治癒率も苦しみもかなり変わります。
そんな患者を理解するにも、まずキチンとした知識を持ちましょうね。
では、また来週のサンデーイルネス(仮)をお楽しみに〜
みなさん、良い休日を
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院