
2025年02月04日 [動物のこと]
細長いエイリアン植物
お疲れ様です。院長です。
2月4日の火曜日でございます。
何でも今日は、「世界対がんデー」なんだそうです。
では元気にネタいきましょう。
なんでも、米国の大学に所蔵されていた4700万年の植物の化石は、過去と現在を含め、これまで記載されてきたどんな植物とも違うエイリアン植物であることが判明したんだそうです。
その植物を「Othniophyton elongatum(オスニオフィトン・エロンガタム)」といい、文字通り、”細長いエイリアン植物”という意味です。
このすでに絶滅した古代の植物は、1969年に米国ユタ州で最初の化石が発見されて以来、朝鮮人参などが含まれる「ウコギ科」に分類されてきました。
ところが新たな化石の分析から、それが既知のどんな種とも違うまさに異世界の植物であることが明らかになったわけなんです。
この発見は、被子植物の進化の歴史が、想像以上に複雑なものであることを示しているそうです。
問題の植物の化石が初めて発掘されたのは、ユタ州・コロラド州・ワイオミング州にまたがる地層「グリーンリバー累層」でした。
当初、この化石を研究した古植物学者は、セリ目ウコギ科の植物であると考え、「Oreopanax elongatum(オレオパナックス・エロンガタム)」と名付けました。
ウコギ科は朝鮮ニンジンなどが含まれるグループです。
ですが、偶然の出会いによって、この学説はくつがえることになります。
古代の植物を長年研究してきた米国フロリダ自然史博物館のスティーブン・マンチェスター氏は、カリフォルニア大学バークレー校で所蔵されていたオレオパナックスのものとされる化石に目をとめました。
それは驚くほど保存状態がいい代物で、枝に葉と果実がどちらもついていました。
そんな化石は滅多に見つかりません。
こうして新たな標本を手に入れたマンチェスター氏がそれを調べてみると、オレオパナックス属とも、ウコギ科ともまったく違うことが明らかになったわけです。
それまでオレオパナックスの葉は複葉(1枚の葉に複数の小葉がなるタイプ)とされてきましたが、じつは単葉であることがわかったんです。
さらに顕微鏡を使って、果実の内部にある種子や、花の微細なパーツまでも具に観察してみると、これまで誰も見たことがない特徴が明るみになったんです。
最大の、そしてもっとも奇妙な特徴は、果実が成長しても、「おしべ」がそのまま残っていることでした。
普通の植物なら、果実が大きくなるにつれて、おしべは落下します。
ところが、問題の植物は果実が成熟し、種をばら撒く準備ができているのに、まだおしべがついています。
マンチェスター氏は「現代の植物で、そんなの見たこともありません」と、ニュースリリースで語っています。
マンチェスター氏はその後、この奇妙な化石を、新生代(6500万年前から現代まで)の植物の化石と比べてみることにしました。
ですが、これはある意味、失敗に終わりました。
というのも、これまでに発見された化石の中に、この植物に似ているものが一つとしてなかったからでした。
ナデシコ目など、多少なりとも似ているグループはありましたが、それ以上に違いが多すぎて、同じグループとは考えられませんでした。
こうしてかつてオレオパナックス・エロンガタムと呼ばれた植物は、おそらくはもう完全に絶滅したこれまでに知られていなかったグループだと結論づけられ、新しい名前が授けられることになったわけです。
新たな名称は、「Othniophyton elongatum(オスニオフィトン・エロンガタム)」。「細長いエイリアン植物」という意味です。
オスニオフィトン・エロンガタムは、植物がどのように多様化し、さまざまな環境に適応してきたのかを知る新たな手がかりになると期待されています。
オスニオフィトン・エロンガタムの系統はすでにこの地上から消えてしまったいます。
ですからその特徴を調べれば、変化する地球環境を生き残るのに失敗した戦略が見えてくるかもしれません。
また、証拠もないのに、勝手に決めつけてはいけないという教訓でもあります。
「現生の科や属に分類できるだけの証拠があるものもありますが、無理やり当てはめてはいけないのです」と、マンチェスターは述べています。
我々が知る前に絶滅していたとしたら、それは完全に未知の植物ですもんね。
これは非常に興味のあるお話ですので、今後の研究に期待ですな。
ではまた〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院
2月4日の火曜日でございます。
何でも今日は、「世界対がんデー」なんだそうです。
では元気にネタいきましょう。
なんでも、米国の大学に所蔵されていた4700万年の植物の化石は、過去と現在を含め、これまで記載されてきたどんな植物とも違うエイリアン植物であることが判明したんだそうです。
その植物を「Othniophyton elongatum(オスニオフィトン・エロンガタム)」といい、文字通り、”細長いエイリアン植物”という意味です。
このすでに絶滅した古代の植物は、1969年に米国ユタ州で最初の化石が発見されて以来、朝鮮人参などが含まれる「ウコギ科」に分類されてきました。
ところが新たな化石の分析から、それが既知のどんな種とも違うまさに異世界の植物であることが明らかになったわけなんです。
この発見は、被子植物の進化の歴史が、想像以上に複雑なものであることを示しているそうです。
問題の植物の化石が初めて発掘されたのは、ユタ州・コロラド州・ワイオミング州にまたがる地層「グリーンリバー累層」でした。
当初、この化石を研究した古植物学者は、セリ目ウコギ科の植物であると考え、「Oreopanax elongatum(オレオパナックス・エロンガタム)」と名付けました。
ウコギ科は朝鮮ニンジンなどが含まれるグループです。
ですが、偶然の出会いによって、この学説はくつがえることになります。
古代の植物を長年研究してきた米国フロリダ自然史博物館のスティーブン・マンチェスター氏は、カリフォルニア大学バークレー校で所蔵されていたオレオパナックスのものとされる化石に目をとめました。
それは驚くほど保存状態がいい代物で、枝に葉と果実がどちらもついていました。
そんな化石は滅多に見つかりません。
こうして新たな標本を手に入れたマンチェスター氏がそれを調べてみると、オレオパナックス属とも、ウコギ科ともまったく違うことが明らかになったわけです。
それまでオレオパナックスの葉は複葉(1枚の葉に複数の小葉がなるタイプ)とされてきましたが、じつは単葉であることがわかったんです。
さらに顕微鏡を使って、果実の内部にある種子や、花の微細なパーツまでも具に観察してみると、これまで誰も見たことがない特徴が明るみになったんです。
最大の、そしてもっとも奇妙な特徴は、果実が成長しても、「おしべ」がそのまま残っていることでした。
普通の植物なら、果実が大きくなるにつれて、おしべは落下します。
ところが、問題の植物は果実が成熟し、種をばら撒く準備ができているのに、まだおしべがついています。
マンチェスター氏は「現代の植物で、そんなの見たこともありません」と、ニュースリリースで語っています。
マンチェスター氏はその後、この奇妙な化石を、新生代(6500万年前から現代まで)の植物の化石と比べてみることにしました。
ですが、これはある意味、失敗に終わりました。
というのも、これまでに発見された化石の中に、この植物に似ているものが一つとしてなかったからでした。
ナデシコ目など、多少なりとも似ているグループはありましたが、それ以上に違いが多すぎて、同じグループとは考えられませんでした。
こうしてかつてオレオパナックス・エロンガタムと呼ばれた植物は、おそらくはもう完全に絶滅したこれまでに知られていなかったグループだと結論づけられ、新しい名前が授けられることになったわけです。
新たな名称は、「Othniophyton elongatum(オスニオフィトン・エロンガタム)」。「細長いエイリアン植物」という意味です。
オスニオフィトン・エロンガタムは、植物がどのように多様化し、さまざまな環境に適応してきたのかを知る新たな手がかりになると期待されています。
オスニオフィトン・エロンガタムの系統はすでにこの地上から消えてしまったいます。
ですからその特徴を調べれば、変化する地球環境を生き残るのに失敗した戦略が見えてくるかもしれません。
また、証拠もないのに、勝手に決めつけてはいけないという教訓でもあります。
「現生の科や属に分類できるだけの証拠があるものもありますが、無理やり当てはめてはいけないのです」と、マンチェスターは述べています。
我々が知る前に絶滅していたとしたら、それは完全に未知の植物ですもんね。
これは非常に興味のあるお話ですので、今後の研究に期待ですな。
ではまた〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院