2025年01月02日 [色々なこと]
死の笛
お疲れ様です。院長です。
1月2日の木曜日でございます。
まだまだ正月(笑)
のんびりさせていただきます。
ではネタいきましょう。
15〜16世紀にメキシコ中部で栄えたアステカ文明。
その遺跡から発見された陶器製の笛は、頭蓋骨をかたどっていることから「死の笛」と呼ばれています。
実際に吹いてみると、耳をつんざくような、人間の断末魔の叫び声のような背筋が寒くなる音がするそうです。
スイス、チューリッヒ大学の新たな研究では、この音色が人の感情にどのような影響を与えるのかが調べられました。
音を聞かせた被験者の脳の活動をスキャンしたところ、精神を混乱させることが分かったそうです。
1987〜1989年にメキシコシティのエエカトル・ケツァルコアトル神殿で行われた発掘調査で初めて死の笛(デス・ホイッスル)が見つかりました。
風の神エエカトルに捧げられた神殿のメイン階段の下で、生贄と思われる20歳前後の若者の遺骨が発見され、その遺体が両手にひとつずつ頭蓋骨をかたどった陶製の死の笛を握っていたそうです。
その後、さらに多くの似たような死の笛が見つかっています。
では、死の笛はなんのためのものなのでしょう?
これまで様々な説が唱えられてきました。
戦場で大勢の兵士が一斉に吹き鳴らして、雄叫びをあげるためのものという説、あるいは神に人間の生贄を捧げるといった儀式や宗教的慣習の一環という説、アステカの冥界の神ミクトランテクートリを象徴して作られたという説などです。
いろいろな説が登場したものの、いずれも推測の域を出ていません。
チューリッヒ大学の認知・情動神経科学者のサーシャ・フリューホルツ氏ら研究チームは、この笛の独特な音色の裏にある物理的メカニズムを調べ、人間がどのようにその音を知覚しているのかを解き明かそうとしました。
笛をCTスキャンしてみると、独特な空気バネ式の笛らしく、内部は非常にユニークな構造をしていることがわかりました。
コロンブス以前のほかの文化や過去や現代の楽器で同じようなものはないという話です。
音響を分析するため、死の笛をCTスキャンして内部構造を調べ、3Dプリンターでレプリカを作り、実際に70人の被験者たちに、死の笛を含めた2500以上の音のサンプルをランダムに聞いてもらいました。
CTスキャンの結果からは、死の笛の内部にある複雑なエアダクトのような構造が明らかになりました。
空気の通り道であるその管には、細く狭い箇所のほか、逆圧室や衝突室、空気の流れを急拡大させるようなベル状の空洞まで設けられていました。
この珍しい内部構造が、空気(あるいは流体)が狭い通路を流れるときに速度が増し、圧力が下がる仕組みである「ベンチュリ効果」を生み出していることがわかります。
笛を吹くときの圧力が強く、空気の流れの速度が速いとき、音が歪んで荒々しく鋭い叫び声のような独特な音が生み出されると思われます。
死の笛の音は自然音や電子音楽の効果音に似ていますが、メキシコの笛などほかの楽器とは違うものです。
最終的に、霊長類の叫び声や恐ろしい音楽などと関連する音響心理学的な意味をもつ変調パワースペクトル(MPS)のピッチと一致していることがわかりました。
人間が死の笛の音を、不自然で恐ろしく、嫌悪感を抱くような音だと感じるのも無理もないらしいのは、被験者たちが死の笛の音を聞いているときにfMRIで脳の活動を見てみるとさらにはっきりしました。
感情神経系に関係する脳領域と、音を象徴的な意味と関連づける領域で強い反応があったそうなんです。
つまり死の笛の音が、基本的な心理的感情的な影響と象徴性などより複雑な精神プロセスを結びつけていると言えるわけです。
残念ながら、当時のアステカ人が死の笛の音を聞いたとき、心理学的、神経科学的に実際どうだったのかを実験することはできませんが、恐ろし気な音に対する感情的な反応の基本的なメカニズムは、太古の昔から変わっていないものと思われます(フリューホルツ氏)
まぁ、良からぬことに使ったんでしょうね。
その笛…。
因みに、こんな感じのものです。
わたくし院長、特に聞きたいとは思いませんが…。
ではまた〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院
1月2日の木曜日でございます。
まだまだ正月(笑)
のんびりさせていただきます。
ではネタいきましょう。
15〜16世紀にメキシコ中部で栄えたアステカ文明。
その遺跡から発見された陶器製の笛は、頭蓋骨をかたどっていることから「死の笛」と呼ばれています。
実際に吹いてみると、耳をつんざくような、人間の断末魔の叫び声のような背筋が寒くなる音がするそうです。
スイス、チューリッヒ大学の新たな研究では、この音色が人の感情にどのような影響を与えるのかが調べられました。
音を聞かせた被験者の脳の活動をスキャンしたところ、精神を混乱させることが分かったそうです。
1987〜1989年にメキシコシティのエエカトル・ケツァルコアトル神殿で行われた発掘調査で初めて死の笛(デス・ホイッスル)が見つかりました。
風の神エエカトルに捧げられた神殿のメイン階段の下で、生贄と思われる20歳前後の若者の遺骨が発見され、その遺体が両手にひとつずつ頭蓋骨をかたどった陶製の死の笛を握っていたそうです。
その後、さらに多くの似たような死の笛が見つかっています。
では、死の笛はなんのためのものなのでしょう?
これまで様々な説が唱えられてきました。
戦場で大勢の兵士が一斉に吹き鳴らして、雄叫びをあげるためのものという説、あるいは神に人間の生贄を捧げるといった儀式や宗教的慣習の一環という説、アステカの冥界の神ミクトランテクートリを象徴して作られたという説などです。
いろいろな説が登場したものの、いずれも推測の域を出ていません。
チューリッヒ大学の認知・情動神経科学者のサーシャ・フリューホルツ氏ら研究チームは、この笛の独特な音色の裏にある物理的メカニズムを調べ、人間がどのようにその音を知覚しているのかを解き明かそうとしました。
笛をCTスキャンしてみると、独特な空気バネ式の笛らしく、内部は非常にユニークな構造をしていることがわかりました。
コロンブス以前のほかの文化や過去や現代の楽器で同じようなものはないという話です。
音響を分析するため、死の笛をCTスキャンして内部構造を調べ、3Dプリンターでレプリカを作り、実際に70人の被験者たちに、死の笛を含めた2500以上の音のサンプルをランダムに聞いてもらいました。
CTスキャンの結果からは、死の笛の内部にある複雑なエアダクトのような構造が明らかになりました。
空気の通り道であるその管には、細く狭い箇所のほか、逆圧室や衝突室、空気の流れを急拡大させるようなベル状の空洞まで設けられていました。
この珍しい内部構造が、空気(あるいは流体)が狭い通路を流れるときに速度が増し、圧力が下がる仕組みである「ベンチュリ効果」を生み出していることがわかります。
笛を吹くときの圧力が強く、空気の流れの速度が速いとき、音が歪んで荒々しく鋭い叫び声のような独特な音が生み出されると思われます。
死の笛の音は自然音や電子音楽の効果音に似ていますが、メキシコの笛などほかの楽器とは違うものです。
最終的に、霊長類の叫び声や恐ろしい音楽などと関連する音響心理学的な意味をもつ変調パワースペクトル(MPS)のピッチと一致していることがわかりました。
人間が死の笛の音を、不自然で恐ろしく、嫌悪感を抱くような音だと感じるのも無理もないらしいのは、被験者たちが死の笛の音を聞いているときにfMRIで脳の活動を見てみるとさらにはっきりしました。
感情神経系に関係する脳領域と、音を象徴的な意味と関連づける領域で強い反応があったそうなんです。
つまり死の笛の音が、基本的な心理的感情的な影響と象徴性などより複雑な精神プロセスを結びつけていると言えるわけです。
残念ながら、当時のアステカ人が死の笛の音を聞いたとき、心理学的、神経科学的に実際どうだったのかを実験することはできませんが、恐ろし気な音に対する感情的な反応の基本的なメカニズムは、太古の昔から変わっていないものと思われます(フリューホルツ氏)
まぁ、良からぬことに使ったんでしょうね。
その笛…。
因みに、こんな感じのものです。
わたくし院長、特に聞きたいとは思いませんが…。
ではまた〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院