2024年12月04日 [動物のこと]
アルコール依存(笑)
お疲れ様です。院長です。
12月4日の水曜日でございます。
今日は「E.T.」の日だそうです。
では元気にネタいきましょう。
発酵した果物を食べて、ふらふらしたり、千鳥足になった動物の動画なんかをネット上で見かけたことがある人もいるでしょうが、アルコールは人間だけが摂取するものではなかったようです。
これまで、人間以外の動物がアルコール(エタノール)を摂取するのは、珍しいことで、あったとしてもそれは偶然の出来事だと考えられてきました。
ですが実際には、エタノールは自然界に豊富に存在し、果物や花の蜜を摂取する動物のほとんどが、定期的にエタノール、つまりお酒を体内に取り入れているそうなんです。
動物たちは酒好きだったんですねぇ。
今回の研究を率いた、英エクセター大学の行動生態学者キンバリー・ホッキングス氏は、「エタノールを摂取するのは人間だけではありません」と語っています。
ただし人間は酔った状態を楽しむ目的で摂取しますが、動物は栄養、薬効、保護のためにエタノールを利用している可能性があるそうです。
エタノールは、熟した果物、植物の樹液、花の蜜など糖分が豊富な環境で繁殖する酵母による発酵プロセスを通じて生成されます。
酵母がこれら糖分を嫌気的(酸素なし)に代謝すると、エタノールと二酸化炭素に変換されるわけです。
おそらくこのプロセスは、競争上の優位として進化したもので、細菌の繁殖は抑えますが、酵母自身は耐えられるエタノールが豊富な環境を作り出すことで、細菌を寄せつけないようにしています。
エタノールの歴史は、顕花植物が甘い密や果実を作り始めたおよそ1億年前の白亜紀にさかのぼります。
酵母がこれら糖を発酵し始めると、その副産物としてエタノールが作られるようになり、人類の農耕の出現と共により一般的になりました。
エクセター大学の行動生態学者アンナ・ボウランド氏はこう述べています。
酵母は環境の中に幅広く存在していて、果物、樹液、花の蜜など糖分の多い食べ物は自然に発酵します。
これらを食べている種は皆、大なり小なりエタノールを摂取している可能性はあります。と…。
野生では、自然に発酵する食物のエタノール濃度はアルコール度数で1〜2%だが、パナマの熟れすぎたヤシの果実では10.2%という高濃度のものも見つかっています。
動物たちはどのようにアルコールに適応したのか?
では動物たちはどのようにして、アルコールに適応しているのだろうか?
動物が、人間のように酩酊状態になるなることはめったにないそうですが、やはり一部例外もあるようです。
酔っぱらっている状態で木に登ったり、夜、捕食者に出くわしたりしたら生存という点でかなりまずいです。
そこで、動物たちはさまざまな方法でアルコールに適応してきたようです。
例えば、代謝酵素であるアルコール脱水素酵素(ADH)デヒドロゲナーゼは、酵母が進化する過程でエタノール生産へ移行する以前からさまざまな動物の体内に存在していました。
しかし、発酵した果物や花の蜜が入手しやすくなるにつれて進化して、発酵食料に定期的に接触する動物など、特定の生き物においてこうした酵素が微調整されたようです。
とくに霊長類やツパイ(霊長類と食中類の中間の動物)のような哺乳類は、効果的にエタノールを代謝し、人間のように酔っぱらわずに<Aルコールを分解する方法を獲得しました。
人間からすると酔っぱらいたいけれど余分なカロリーはいらないが、動物の場合はカロリーは欲しいけれど、酔っぱらうのはご法度なんですね。
そして野生動物にとって、エタノールを摂取する利点はいくつかあります。
ショウジョウバエは、エタノールが豊富な環境に産卵します。
エタノール濃度に耐えられない寄生虫から卵を守るためです。
また、エタノールは発酵によって独特のにおいを発生させ、動物を食料のあるところへ導いてくれます。
動物がエタノールのにおいに惹きつけられるわけではありませんが、発酵と関連するにおいは食べ物を探す効果的な信号になる可能性はあるようです。
さらに薬効性があり、マラリア多発地域でチンパンジーがヤシ酒を飲む例が観察されているそうです。
摂取するアルコール濃度によってマラリア原虫が抑制されるのではと考えられているそうです。
ただしこれはあくまでの推測の域を出ないため、さらに研究が必要だそうです。
エタノールは、エンドルフィンとドーパミンシステムを刺激してリラックス感をもたらすとされていて、人間の例でもわかるように、社会的行動や認知行動を変え、それが社交の潤滑油となる場合もあります。
長年、アルコールに関して、人間目線の考え方をしてきました。
この研究でわかるように、動物は独自の方法でアルコールと関わってきたことも確かです。
ですが、これを研究するのは容易なことではありません。
食べ物内のエタノール濃度を知ることはできますが、野生動物が摂取する正確なエタノール濃度を知ることはできないからです。
動物は食料不足など特別な環境下でだけ意図的に発酵食品を求めるのでしょうか?
それともバランスのとれた食事の一環として定期的にエタノールを取り入れているのでしょうか?
それとも自然にあるエタノールは動物の行動に有益な影響を与えているのでしょうか?
その程度はどれくらいなのでしょうか?
疑問は次々と出てきますが、まだ全部これからの研究次第と言う事です。
まぁ、酔いたいからというのは人間だけなんでしょうねぇ…。
ではまた〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院
12月4日の水曜日でございます。
今日は「E.T.」の日だそうです。
では元気にネタいきましょう。
発酵した果物を食べて、ふらふらしたり、千鳥足になった動物の動画なんかをネット上で見かけたことがある人もいるでしょうが、アルコールは人間だけが摂取するものではなかったようです。
これまで、人間以外の動物がアルコール(エタノール)を摂取するのは、珍しいことで、あったとしてもそれは偶然の出来事だと考えられてきました。
ですが実際には、エタノールは自然界に豊富に存在し、果物や花の蜜を摂取する動物のほとんどが、定期的にエタノール、つまりお酒を体内に取り入れているそうなんです。
動物たちは酒好きだったんですねぇ。
今回の研究を率いた、英エクセター大学の行動生態学者キンバリー・ホッキングス氏は、「エタノールを摂取するのは人間だけではありません」と語っています。
ただし人間は酔った状態を楽しむ目的で摂取しますが、動物は栄養、薬効、保護のためにエタノールを利用している可能性があるそうです。
エタノールは、熟した果物、植物の樹液、花の蜜など糖分が豊富な環境で繁殖する酵母による発酵プロセスを通じて生成されます。
酵母がこれら糖分を嫌気的(酸素なし)に代謝すると、エタノールと二酸化炭素に変換されるわけです。
おそらくこのプロセスは、競争上の優位として進化したもので、細菌の繁殖は抑えますが、酵母自身は耐えられるエタノールが豊富な環境を作り出すことで、細菌を寄せつけないようにしています。
エタノールの歴史は、顕花植物が甘い密や果実を作り始めたおよそ1億年前の白亜紀にさかのぼります。
酵母がこれら糖を発酵し始めると、その副産物としてエタノールが作られるようになり、人類の農耕の出現と共により一般的になりました。
エクセター大学の行動生態学者アンナ・ボウランド氏はこう述べています。
酵母は環境の中に幅広く存在していて、果物、樹液、花の蜜など糖分の多い食べ物は自然に発酵します。
これらを食べている種は皆、大なり小なりエタノールを摂取している可能性はあります。と…。
野生では、自然に発酵する食物のエタノール濃度はアルコール度数で1〜2%だが、パナマの熟れすぎたヤシの果実では10.2%という高濃度のものも見つかっています。
動物たちはどのようにアルコールに適応したのか?
では動物たちはどのようにして、アルコールに適応しているのだろうか?
動物が、人間のように酩酊状態になるなることはめったにないそうですが、やはり一部例外もあるようです。
酔っぱらっている状態で木に登ったり、夜、捕食者に出くわしたりしたら生存という点でかなりまずいです。
そこで、動物たちはさまざまな方法でアルコールに適応してきたようです。
例えば、代謝酵素であるアルコール脱水素酵素(ADH)デヒドロゲナーゼは、酵母が進化する過程でエタノール生産へ移行する以前からさまざまな動物の体内に存在していました。
しかし、発酵した果物や花の蜜が入手しやすくなるにつれて進化して、発酵食料に定期的に接触する動物など、特定の生き物においてこうした酵素が微調整されたようです。
とくに霊長類やツパイ(霊長類と食中類の中間の動物)のような哺乳類は、効果的にエタノールを代謝し、人間のように酔っぱらわずに<Aルコールを分解する方法を獲得しました。
人間からすると酔っぱらいたいけれど余分なカロリーはいらないが、動物の場合はカロリーは欲しいけれど、酔っぱらうのはご法度なんですね。
そして野生動物にとって、エタノールを摂取する利点はいくつかあります。
ショウジョウバエは、エタノールが豊富な環境に産卵します。
エタノール濃度に耐えられない寄生虫から卵を守るためです。
また、エタノールは発酵によって独特のにおいを発生させ、動物を食料のあるところへ導いてくれます。
動物がエタノールのにおいに惹きつけられるわけではありませんが、発酵と関連するにおいは食べ物を探す効果的な信号になる可能性はあるようです。
さらに薬効性があり、マラリア多発地域でチンパンジーがヤシ酒を飲む例が観察されているそうです。
摂取するアルコール濃度によってマラリア原虫が抑制されるのではと考えられているそうです。
ただしこれはあくまでの推測の域を出ないため、さらに研究が必要だそうです。
エタノールは、エンドルフィンとドーパミンシステムを刺激してリラックス感をもたらすとされていて、人間の例でもわかるように、社会的行動や認知行動を変え、それが社交の潤滑油となる場合もあります。
長年、アルコールに関して、人間目線の考え方をしてきました。
この研究でわかるように、動物は独自の方法でアルコールと関わってきたことも確かです。
ですが、これを研究するのは容易なことではありません。
食べ物内のエタノール濃度を知ることはできますが、野生動物が摂取する正確なエタノール濃度を知ることはできないからです。
動物は食料不足など特別な環境下でだけ意図的に発酵食品を求めるのでしょうか?
それともバランスのとれた食事の一環として定期的にエタノールを取り入れているのでしょうか?
それとも自然にあるエタノールは動物の行動に有益な影響を与えているのでしょうか?
その程度はどれくらいなのでしょうか?
疑問は次々と出てきますが、まだ全部これからの研究次第と言う事です。
まぁ、酔いたいからというのは人間だけなんでしょうねぇ…。
ではまた〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院