2024年06月21日 [からだのこと]
フィクションと認知能力
お疲れ様です。院長です。
6月21日の金曜日でございます。
6月も残り10日を切りましたな。
では今日も元気にネタいきましょう。
なんでも、フィクション作品を読んだり視聴する人は認知能力が優れている傾向にあるそうです。
フィクションとは創作された物語で、架空の出来事を想像的に描いた作品のことです。
新たな研究によると、フィクション小説を読んだり、映画などを視聴する人は、認知能力が高い傾向にあることが明らかになったそうなんです。
ドイツ、ユリウス・マクシミリアン大学ヴュルツブルクの研究チームが、2種類のメタ分析を行った結果、フィクション作品に触れると、認知能力全般、特に言語能力、共感力、視点を理解するといった力を高める可能性があるそうです。
それはノンフィクション(実話)と比べても言えることで、フィクションにはノンフィクションとはまた違った認知への影響がある可能性が示唆されています。
小説や映画、漫画やアニメなどで描かれる架空の物語、すなわちフィクションは楽しい(面白い)。
ですが、楽しい(面白い)以上の意味があるのかと問われれば、なかなか答えにくいところがあります。
言うても、作り話ですからねぇ(笑)
それは研究者の間でも同様で、フィクションがもたらす認知能力へのメリット(あるいはデメリット)については、長い間議論が続けられ、いまだに決着がついていません。
ユリウス・マクシミリアン大学ヴュルツブルク校の研究チームは、フィクション作品が及ぼす影響について徹底的に調査しました。
小説や映画に楽しい以上の意味があるのかどうかを解明するため、研究チームは2種類のメタ分析(複数の研究を統計的にまとめて分析すること)を行なっています。
1つは、実験を行ってフィクション小説や映画などが認知にあたえる効果を測定した70本の研究(1万1172人分のデータ)を対象としたもの。
これらの研究では、参加者にフィクションを読んでもらう(観てもらう)といった実験を通じて、彼らに現れた認知能力の変化を測定しています。
もう1つは、参加者がそれまでの人生で読んだ小説の量と認知能力との関係を調べた、114本の研究(3万503人分のデータ)を対象としたものです。
こちらは、さまざまな人たちの読書習慣と認知能力を比較して、そこに相関関係があるかどうかを調べたより長期的な研究でした。
そして最初のメタ分析からは、わずかではあるが小説を読むと、認知能力にいい影響があることがわかったそうです。
とりわけ大きく伸びていたのが、他人の気持ちや考えを理解する力、すなわち「共感」や「心の理論」などの「社会的認知能力」でした。
興味深いことに、映画鑑賞より読書の方が効果が大きく、なおかつノンフィクションよりもフィクションの方が効果が大きいという研究もありました。
このことは、物語性のあるフィクションの読書という行為には、映画鑑賞や物語性のない読書とはまた違った認知機能が働いている可能性を告げていると考えられるそうです。
もう一方のメタ分析では、やはり一生のうちに読む小説の量と認知能力の高さとに相関関係があることが明らかになりました。
とりわけ強い関係があったのは、「言語能力」と「一般的認知能力(推論・抽象的思考・問題解決など)」でした。
なお最初のメタ分析と同じく、社会的認知能力とも関係していたが、それは言語能力や一般的認知能力ほど強いものではなかったそうです。
そしてこちらの分析でも、ノンフィクションよりもフィクションの方が認知能力の高さと強く関係していました。
つまり、物語性のあるフィクションを読むことは、ノンフィクションの読書以上に大きく認知能力を伸ばしてくれる可能性があるということですね。
ただし注意すべき点もあります。
2つのメタ分析の結果は、必ずしも一致しておらず、そのことが今回の結果の解釈を難しくしています。
2つのメタ分析をまとめると、期間が短い実験的研究で確認できたフィクションの影響は、社会的認知(共感と心の理論)に対するものだけでした。
一方、それまでの小説の読書量を比較した研究では、道徳認識以外のすべての認知的能力で確認できました。
なぜこのような食い違いが出るのでしょう?
その理由について、主執筆者のレナ・ウィンマー氏は次のように説明しています。
まず、短期的なフィクションの読書については、「社会的認知能力だけに効くが、その効果は時間が経過しても大きくなることはなく、だんだんと統合されていく」のかもしれません。
その一方、長期的なフィクションの読書効果については、「読書すればすぐに測定できるほど大きく現れることはなく、時間の経過とともに蓄積される」と考えられるそうです。
あるいは解釈次第で、長年小説を読み続けたとしても、認知能力に対する独自のメリットはそれほどないという反証とみなすこともできると…。
言語能力や一般的な認知能力に対する効果が、因果関係まではわからない相関研究でだけ確認され、実験では確認できないのだとすれば、小説を読んでも持続的な認知的効果はないと考えることもできます(レナ・ウィンマー氏)
仮にそうなのだとすれば、フィクション小説の読書は他人の気持ちを察する力を高めてはくれるものの、それ以外の認知能力全般で見られたプラス効果については、小説を好む人はもともと認知能力が高かったり、学歴といったものの影響である可能性もあるわけです。
結局、フィクションが私たちの認知能力に与える影響は、部分的にはありそうですが、まだまだ不確かで研究を行う余地があるとのことです。
ですが残念なことに、この類の研究にはなかなか資金が集まらないのが現状なのだそうで、研究を進めていくのが難しいそうです。
まぁ、そこまで必要な研究でもないですしねぇ(笑)
認知機能に関しては、やはり脳の領域だけあって分かっていないことが多すぎますし、この程度のことでは影響すると考える方が無理がある気がしますが…。
ではまた〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院
6月21日の金曜日でございます。
6月も残り10日を切りましたな。
では今日も元気にネタいきましょう。
なんでも、フィクション作品を読んだり視聴する人は認知能力が優れている傾向にあるそうです。
フィクションとは創作された物語で、架空の出来事を想像的に描いた作品のことです。
新たな研究によると、フィクション小説を読んだり、映画などを視聴する人は、認知能力が高い傾向にあることが明らかになったそうなんです。
ドイツ、ユリウス・マクシミリアン大学ヴュルツブルクの研究チームが、2種類のメタ分析を行った結果、フィクション作品に触れると、認知能力全般、特に言語能力、共感力、視点を理解するといった力を高める可能性があるそうです。
それはノンフィクション(実話)と比べても言えることで、フィクションにはノンフィクションとはまた違った認知への影響がある可能性が示唆されています。
小説や映画、漫画やアニメなどで描かれる架空の物語、すなわちフィクションは楽しい(面白い)。
ですが、楽しい(面白い)以上の意味があるのかと問われれば、なかなか答えにくいところがあります。
言うても、作り話ですからねぇ(笑)
それは研究者の間でも同様で、フィクションがもたらす認知能力へのメリット(あるいはデメリット)については、長い間議論が続けられ、いまだに決着がついていません。
ユリウス・マクシミリアン大学ヴュルツブルク校の研究チームは、フィクション作品が及ぼす影響について徹底的に調査しました。
小説や映画に楽しい以上の意味があるのかどうかを解明するため、研究チームは2種類のメタ分析(複数の研究を統計的にまとめて分析すること)を行なっています。
1つは、実験を行ってフィクション小説や映画などが認知にあたえる効果を測定した70本の研究(1万1172人分のデータ)を対象としたもの。
これらの研究では、参加者にフィクションを読んでもらう(観てもらう)といった実験を通じて、彼らに現れた認知能力の変化を測定しています。
もう1つは、参加者がそれまでの人生で読んだ小説の量と認知能力との関係を調べた、114本の研究(3万503人分のデータ)を対象としたものです。
こちらは、さまざまな人たちの読書習慣と認知能力を比較して、そこに相関関係があるかどうかを調べたより長期的な研究でした。
そして最初のメタ分析からは、わずかではあるが小説を読むと、認知能力にいい影響があることがわかったそうです。
とりわけ大きく伸びていたのが、他人の気持ちや考えを理解する力、すなわち「共感」や「心の理論」などの「社会的認知能力」でした。
興味深いことに、映画鑑賞より読書の方が効果が大きく、なおかつノンフィクションよりもフィクションの方が効果が大きいという研究もありました。
このことは、物語性のあるフィクションの読書という行為には、映画鑑賞や物語性のない読書とはまた違った認知機能が働いている可能性を告げていると考えられるそうです。
もう一方のメタ分析では、やはり一生のうちに読む小説の量と認知能力の高さとに相関関係があることが明らかになりました。
とりわけ強い関係があったのは、「言語能力」と「一般的認知能力(推論・抽象的思考・問題解決など)」でした。
なお最初のメタ分析と同じく、社会的認知能力とも関係していたが、それは言語能力や一般的認知能力ほど強いものではなかったそうです。
そしてこちらの分析でも、ノンフィクションよりもフィクションの方が認知能力の高さと強く関係していました。
つまり、物語性のあるフィクションを読むことは、ノンフィクションの読書以上に大きく認知能力を伸ばしてくれる可能性があるということですね。
ただし注意すべき点もあります。
2つのメタ分析の結果は、必ずしも一致しておらず、そのことが今回の結果の解釈を難しくしています。
2つのメタ分析をまとめると、期間が短い実験的研究で確認できたフィクションの影響は、社会的認知(共感と心の理論)に対するものだけでした。
一方、それまでの小説の読書量を比較した研究では、道徳認識以外のすべての認知的能力で確認できました。
なぜこのような食い違いが出るのでしょう?
その理由について、主執筆者のレナ・ウィンマー氏は次のように説明しています。
まず、短期的なフィクションの読書については、「社会的認知能力だけに効くが、その効果は時間が経過しても大きくなることはなく、だんだんと統合されていく」のかもしれません。
その一方、長期的なフィクションの読書効果については、「読書すればすぐに測定できるほど大きく現れることはなく、時間の経過とともに蓄積される」と考えられるそうです。
あるいは解釈次第で、長年小説を読み続けたとしても、認知能力に対する独自のメリットはそれほどないという反証とみなすこともできると…。
言語能力や一般的な認知能力に対する効果が、因果関係まではわからない相関研究でだけ確認され、実験では確認できないのだとすれば、小説を読んでも持続的な認知的効果はないと考えることもできます(レナ・ウィンマー氏)
仮にそうなのだとすれば、フィクション小説の読書は他人の気持ちを察する力を高めてはくれるものの、それ以外の認知能力全般で見られたプラス効果については、小説を好む人はもともと認知能力が高かったり、学歴といったものの影響である可能性もあるわけです。
結局、フィクションが私たちの認知能力に与える影響は、部分的にはありそうですが、まだまだ不確かで研究を行う余地があるとのことです。
ですが残念なことに、この類の研究にはなかなか資金が集まらないのが現状なのだそうで、研究を進めていくのが難しいそうです。
まぁ、そこまで必要な研究でもないですしねぇ(笑)
認知機能に関しては、やはり脳の領域だけあって分かっていないことが多すぎますし、この程度のことでは影響すると考える方が無理がある気がしますが…。
ではまた〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院