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2023年04月23日 [からだのこと]

(321)サンデーイルネス(仮)ES細胞、iPS細胞について

お疲れ様です。院長です。

4月23日のサンデーイルネスでございます。

4月も後半に入ってきましたねぇ〜。

来週にはゴールデンウイークもきますから、ボチボチ浮かれだしてる人も多いかと思います。

今年は海外へって人も多いんじゃないでしょうかね。

随分、長い間禁止でしたからねぇ〜。

ま、わたくし院長、海外には行ったことも無ければ、行く予定もありませんからどっちゃでも良いんですが(笑)

海外にいかれる方は無事に楽しんできてください。

てことで、今日も本題にいきましょう。

今日は、病気とは少し違いますが、「ES細胞、iPS細胞」について解説していきたいと思います。

幹細胞(かんさいぼう)(stem cell)というのは、自己複製能と分化能を同時にもった未分化細胞のことをいいます。

胚性(はいせい)幹細胞(ES細胞=embryonic stem cell)は、受精後の胚盤胞期(はいばんほうき)と呼ばれる初期胚の内部細胞塊から樹立された、無限増殖能をもった培養可能な未分化細胞のことで、1981年にマウスのES細胞の樹立が報告されました。

ES細胞は受精卵と異なり、単独では個体をつくり出すことができませんが、胚盤胞にもどすと、正常な発生過程に取り込まれてキメラマウスの一部となり、生殖細胞を含むすべての細胞に分化することができます。

ちなみにキメラとは、生物学の分野では、異なった遺伝的背景をもった細胞からなる個体のことです。

こうしてできたキメラマウスを交配することによって、ES細胞由来の個体を得ることができるようになるわけです。

マウスでは、相同組み替え法(ジーンターゲット法)を使って、目的の遺伝子のみを欠失させた個体をつくることがES細胞を使って可能になりました。

こうしてできたマウスはノックアウトマウスと呼ばれ、遺伝子の機能解析になくてはならない手段になりました。

また、欠失だけでなく遺伝子を加えたり、一部を改変した遺伝子と交換したりすることも、同じ方法で可能になっています。

ヒトでも1998年、ヒトES細胞が樹立されました。

現時点では残念ながら、まだES細胞の分化を思いどおりにコントロールすることはできませんが、ES細胞を試験管内で特定の細胞群へと分化させ、治療に使おうという試みが現実味を帯びてきています。

こんなES細胞にも問題点があります。

ES細胞が受精卵を扱うことからくる倫理的な問題です。

もうひとつは、樹立されたES細胞はあくまでも他人であることからくる、拒絶反応の問題です。

クローン技術を応用しても、受精卵を扱うという倫理的な問題が大きな壁でした。

そんななか、2006年京都大学の山中教授のグループは、ES細胞ではたらいている遺伝子のなかに、細胞の「初期化」に関与する遺伝子があるのではと考え、4個の遺伝子をマウスの皮膚細胞に導入するだけでES細胞と同じ能力をもった万能細胞をつくり出すことに、見事成功しました。

この細胞はiPS細胞(induced pluripotent stem cell)と名付けられました。

翌2007年にはヒトの皮膚細胞からも同様に、全能性をもった細胞がつくり出されました。

今まで謎であった細胞の初期化が、たった4つの遺伝子によって再現されたわけです。

この成功がもたらした影響は絶大でした。

患者さん自身の細胞が使えることにより、今までES細胞が抱えていた倫理的問題と拒絶反応の問題を、同時に解決できる可能性が出てきたのです。

開発当初、問題視されていたレトロウイルスを用いた遺伝子導入によるiPS細胞の腫瘍化(しゅようか)の問題も、多くの研究者の努力の結果、解消されつつあります。

今後iPS細胞は、ES細胞と同様に、再生医療において重要な役割を果たしていくことは、間違いないと思われます。

いかがでしたか。

では次回のイルネス辞典をお楽しみに〜。









京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院


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