2021年12月17日 [からだのこと]
BCI T5
お疲れ様です。院長です。
12月17日の金曜日でございます。
今年は大晦日が土曜日って事で、あと2週間となりました。
そして来週はクリスマスイブ。
こりゃもう、完全な年末です(笑)
みなさん、なんやかんやと忙しいでしょうけど、ここまできたら穏やかに年末を迎えましょう。
ってことで、今日のネタは、最新の医療サイエンスなお話しでございます。
スタンフォード大学の研究グループが、体に麻痺のある男性の脳にインプラントを移植し、頭の中で文字を書くところをイメージするだけで正確に文字を入力させることに成功したそうなんです。
脳と機械をつなぐ「ブレイン・コンピュータ・インターフェース(BCI)」の最新の研究では、十数年使われなかった体の機能でも、脳にはその記憶が残っており、そのイメージをAIが読み取れることを明らかにしています。
この「ブレイン・コンピュータ・インターフェース(BCI)」の技術については、このブログでも何回か紹介したことがあるんですが、最終的にはこうなるんでしょうね。
人間の身体と言うのは、基本的に脳からの指令で動いています。
ですから、その「脳」と機械を接続してしまえば、「手を動かそう」と脳が考えるのと同じように、機械も動かせるという理屈ですな。
今回の研究に参加した男性(研究当時65歳)は、「T5」と紹介されています。
彼は2007年に脊髄を損傷し、手足が麻痺し、それ以来、手で文字を書くことができなくなってしまいました。
スタンフォード大学のフランシス・ウィレット氏らは、そんな彼の脳にインプラントを移植し、頭の中で文字を書く動作をイメージしてもらいました。
想像上のペンと紙で、手書きの文字を書いてもらったわけです。
すると運動皮質に移植されたインプラントが脳の信号をキャッチし、それをAIが解析して、T5が頭の中で書いている文字を解読。
それをコンピュータの画面に出力するというプロセスです。
これがサイバーキネティクス社が開発したBCI「BrainGate」を利用した、脳内手書き入力システムの仕組みです。
こうしたブレイン・コンピュータ・インターフェース(BCI)を介して脳内信号をテキストに変換する実験は数年前から行われていました。
ですが従来のものは、思考でカーソルを操作し、それで画面に表示されたキーボードをクリックするというシステムが主流でした。
今回の研究は、頭の中で文字を手書きする点に特徴があります。
このやり方なら、ちまちまとキーを1つずつクリックするよりもずっと速い速度で文字入力が可能になります。
ですが問題は、T5が10年以上文字を書いていなかったことでした。
手書き動作の神経活動が、彼の脳内にどの程度残されているのか心許なかったんだとか…。
ですが、そんな心配とは裏腹に、実験でT5は1分間に90文字(18単語)を入力することに成功。
それも非常に正確なもので、普通にやれば94%正しく入力され、オートコレクトでアシストすれば、99%まで向上したそうです。
この速度は、カーソルによる文字入力より速いどころか、同年代の人がスマホに入力する速度(毎分115文字/23単語)と同等であるといいますから、かなりのもんでしょう。
この結果を受け、ウィレット氏は「体が動かなくなって丸10年が経っていても、脳にはその機能が残されていることがわかりました」と語っています。
またAIには、複雑な手書き動作を正確に解読できるだけの力があることも実証されたわけですね。
「ペンの速さが変わったり、筆跡が曲がったりと、手書きはカーソルを一定速度で真っ直ぐに動かすよりもずっと複雑です。
そんな複雑な動きであっても、AIは簡単かつ素早く解釈できることもわかりました。」
と、素晴らしいシステムなんですが、まだ概念実証の段階で、実験の時点ではT5たった1人が成功しただけです。
今後のステップとしては、被験者をさらに増やしつつ、利用できる文字の追加(例:大文字と小文字の区別など)、感度の調整、高機能な編集ツールの実装などが考えられるという事です。
実用化まではまだまだいくつもの課題をクリアしなければならないわけですが、失われた伝える力を蘇らせる技術の進展に期待大ですな。
ですが、これ、日本語となるとかなり難しいでしょうねぇ…。
いわゆる英単語の場合、基本的に大文字小文字はあるにしても、アルファベット26文字で形成されています。
つまり、この26文字さえ認識できれば成り立つわけですが、日本語の場合、ひらがなだけでも46文字、これにちっちゃい文字がありますしねぇ…。
おまけに、漢字に変換しないと、意味が通じない文章もたくさんありますし、かなり難解になると思われます。
ま、そういう部分もいつかはクリアされるんでしょうね。
これから先が楽しみですな。
ではまた〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院
12月17日の金曜日でございます。
今年は大晦日が土曜日って事で、あと2週間となりました。
そして来週はクリスマスイブ。
こりゃもう、完全な年末です(笑)
みなさん、なんやかんやと忙しいでしょうけど、ここまできたら穏やかに年末を迎えましょう。
ってことで、今日のネタは、最新の医療サイエンスなお話しでございます。
スタンフォード大学の研究グループが、体に麻痺のある男性の脳にインプラントを移植し、頭の中で文字を書くところをイメージするだけで正確に文字を入力させることに成功したそうなんです。
脳と機械をつなぐ「ブレイン・コンピュータ・インターフェース(BCI)」の最新の研究では、十数年使われなかった体の機能でも、脳にはその記憶が残っており、そのイメージをAIが読み取れることを明らかにしています。
この「ブレイン・コンピュータ・インターフェース(BCI)」の技術については、このブログでも何回か紹介したことがあるんですが、最終的にはこうなるんでしょうね。
人間の身体と言うのは、基本的に脳からの指令で動いています。
ですから、その「脳」と機械を接続してしまえば、「手を動かそう」と脳が考えるのと同じように、機械も動かせるという理屈ですな。
今回の研究に参加した男性(研究当時65歳)は、「T5」と紹介されています。
彼は2007年に脊髄を損傷し、手足が麻痺し、それ以来、手で文字を書くことができなくなってしまいました。
スタンフォード大学のフランシス・ウィレット氏らは、そんな彼の脳にインプラントを移植し、頭の中で文字を書く動作をイメージしてもらいました。
想像上のペンと紙で、手書きの文字を書いてもらったわけです。
すると運動皮質に移植されたインプラントが脳の信号をキャッチし、それをAIが解析して、T5が頭の中で書いている文字を解読。
それをコンピュータの画面に出力するというプロセスです。
これがサイバーキネティクス社が開発したBCI「BrainGate」を利用した、脳内手書き入力システムの仕組みです。
こうしたブレイン・コンピュータ・インターフェース(BCI)を介して脳内信号をテキストに変換する実験は数年前から行われていました。
ですが従来のものは、思考でカーソルを操作し、それで画面に表示されたキーボードをクリックするというシステムが主流でした。
今回の研究は、頭の中で文字を手書きする点に特徴があります。
このやり方なら、ちまちまとキーを1つずつクリックするよりもずっと速い速度で文字入力が可能になります。
ですが問題は、T5が10年以上文字を書いていなかったことでした。
手書き動作の神経活動が、彼の脳内にどの程度残されているのか心許なかったんだとか…。
ですが、そんな心配とは裏腹に、実験でT5は1分間に90文字(18単語)を入力することに成功。
それも非常に正確なもので、普通にやれば94%正しく入力され、オートコレクトでアシストすれば、99%まで向上したそうです。
この速度は、カーソルによる文字入力より速いどころか、同年代の人がスマホに入力する速度(毎分115文字/23単語)と同等であるといいますから、かなりのもんでしょう。
この結果を受け、ウィレット氏は「体が動かなくなって丸10年が経っていても、脳にはその機能が残されていることがわかりました」と語っています。
またAIには、複雑な手書き動作を正確に解読できるだけの力があることも実証されたわけですね。
「ペンの速さが変わったり、筆跡が曲がったりと、手書きはカーソルを一定速度で真っ直ぐに動かすよりもずっと複雑です。
そんな複雑な動きであっても、AIは簡単かつ素早く解釈できることもわかりました。」
と、素晴らしいシステムなんですが、まだ概念実証の段階で、実験の時点ではT5たった1人が成功しただけです。
今後のステップとしては、被験者をさらに増やしつつ、利用できる文字の追加(例:大文字と小文字の区別など)、感度の調整、高機能な編集ツールの実装などが考えられるという事です。
実用化まではまだまだいくつもの課題をクリアしなければならないわけですが、失われた伝える力を蘇らせる技術の進展に期待大ですな。
ですが、これ、日本語となるとかなり難しいでしょうねぇ…。
いわゆる英単語の場合、基本的に大文字小文字はあるにしても、アルファベット26文字で形成されています。
つまり、この26文字さえ認識できれば成り立つわけですが、日本語の場合、ひらがなだけでも46文字、これにちっちゃい文字がありますしねぇ…。
おまけに、漢字に変換しないと、意味が通じない文章もたくさんありますし、かなり難解になると思われます。
ま、そういう部分もいつかはクリアされるんでしょうね。
これから先が楽しみですな。
ではまた〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院