2021年10月08日 [からだのこと]
獣化妄想
お疲れ様です。院長です。
10月8日の金曜日でございます。
長らく続いておりますコロナ禍ですが、ちょっと落ち着いてきたんでしょうか…。
感染者数が減ってはいますが、なんだかまだまだって気もします。
こう不安な日々が続くと、やはり精神的に参ってしまう人も出てくるわけで、自殺者も増えてるんだとか…。
コロナ倒産なんてのも珍しくなくなってきてますし、感染の恐怖と共に先行き不透明な経済状況を合わせると分からない話ではないですよね。
コロナに関しては、もはやワクチンもそうですが、やはり自己管理、それと自身の免疫をいかに下げないかにかかってますからねぇ。
てな不安な社会情勢ですが、今日は一風変わった精神疾患のお話しでもしてみようかと思います。
その精神疾患名は、「ボアンソロピー」と言い、なんでも自分を人間ではなく他の動物だと思い込んでしまうんだそうです。
これは非常に稀な精神疾患で「獣化妄想」と呼ばれており、臨床報告されたのは56例(1850〜2012年)だそうですが、報告されていないケースもいくつかあるでしょう。
中でも自分を牛だと思い込んでしまう獣化妄想は「ボアンソロピー(Boanthropy)」と呼ばれているんだそうです。
人間なのに、四つん這いで歩き、草やウシのエサを食べ、会話もせずにモーと鳴き、牧草地でウシの群れに合流したりといった具合に、まるでウシのような生活をしようとする奇妙な症状を示すんだとか…。
この牛だと思い込んでしまう獣化妄想「ボアンソロピー」の症状を示したとして知られる最も有名な歴史上の人物は、新バビロニア王国の2代目の王、ネブカドネザル2世です。
旧約聖書の中で「彼は人間の社会から追放され、牛のように草を食らい」(ダニエル書4章30節)と書かれているそうです。
ネブカドネザル2世は、紀元前605年から562年まで新バビロニア帝国の王でした。
聖書によると、彼はユダとエルサレムを征服して、ユダヤ人を追放し、バビロンの空中庭園を作ったとも言われています。
ダニエル書によると、神からその冷酷な権力支配と功績自慢を戒められたネブカドネザル2世は、正気を失って7年間動物のように暮らしたといいます。
その後、正気を取り戻した彼は神を称賛し、敬意を表したそうです。
牛のような行動をとっても、本人はそれに気がついていないようで、専門家はこのような奇妙な精神疾患は、夢か催眠術によって引き起こされたものと信じました。
獣化妄想の原因はいまだによくわかってなく、信仰と関係があるという人もいれば、妖術や黒魔術が絡んでいると考える人もいるそうです。
臨床的にみられる獣化妄想は、自分が動物に変身している、あるいは変身したと思い込む、珍しい変身妄想の一種とされています。
こうした現象は、カプグラ症候群(親しい関係にある他者が、その人によく似た替え玉に置き換えられているという妄想)、フレゴリ症候群(見知らぬ他人をよく知った人物と取り違える現象)、二重記憶錯誤などと並んで、妄想性誤認症候群の一種であると考えられます。
統合失調症スペクトラム障害や、重度の精神病質うつ病の患者によく見られ、サイコセラピーや精神薬理学治療がよく施されるそうです。
また、梅毒が引き起こすポルフィリン症や、全身麻痺、麻痺性痴呆なども考えられるそうです。
ポルフェリン症は、珍しい遺伝性血液疾患の一種で、この障害をもつ人は、体内でヘムと呼ばれる物質を作ることができません。
ヘムとは、鉄と結びつくポルフィリンという体内化学物質でできていて、赤血球の中で酸素を運ぶタンパク質であるヘモグロビンの構成成分です。
幻覚、うつ、不安、パラノイアなどの神経的合併症や、皮膚のトラブル、あるいはその両方が現われることがあるそうです。
この獣化妄想として知られる臨床上の最も古いケースは、ロバード・ベイフィールド(1630〜1690年)が出版した『Treatise de morborum capitis』(ロンドン版「頭部の疾患」は1663年刊行)の中で報告されていて、動物に変身する状況が包括的に記されています。
リカントロピー(Lycanthropy)はいわゆる狼化妄想のことで、夜になると墓場や野原で吠えたり、遠吠えしたり、日中はほとんど姿を見せずに隠れ、まるで自分をオオカミのような野生動物だと思い込んでしまう症状だそうです。
サイナンスロピー(cynanthropy)は、古代ギリシャ時代にさかのぼり、人間と犬の姿を交互に繰り返す変身能力のある者のことを示したそうです。
セリアンスロープ(therianthrope)は、獣人ともいい、人間と動物の両方を兼ね備えた存在のことで、ギリシャ語で野生動物を意味するtherionと、人間を意味するanthroposを組み合わせた言葉です。
もっともよく知られたセリアンスロープは、古代エジプトの動物の頭をもつ神々だと考えられます。
古代エジプトの神や女神のほとんどは、猫の頭をもつ女神バステトや、ジャッカルの頭をもつアヌビスなど、人間の体と動物の頭をもつ姿で描かれていますから、これはなにか関連があるのかもしれませんね。
とまぁ、珍しいお話しでしたが、日本も狼男とか猫娘とか、まぁ妖怪とかおとぎ話として伝わっていますが、実際は精神疾患を患ってしまった患者の姿なのかもしれませんねぇ…。
では、また〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院
10月8日の金曜日でございます。
長らく続いておりますコロナ禍ですが、ちょっと落ち着いてきたんでしょうか…。
感染者数が減ってはいますが、なんだかまだまだって気もします。
こう不安な日々が続くと、やはり精神的に参ってしまう人も出てくるわけで、自殺者も増えてるんだとか…。
コロナ倒産なんてのも珍しくなくなってきてますし、感染の恐怖と共に先行き不透明な経済状況を合わせると分からない話ではないですよね。
コロナに関しては、もはやワクチンもそうですが、やはり自己管理、それと自身の免疫をいかに下げないかにかかってますからねぇ。
てな不安な社会情勢ですが、今日は一風変わった精神疾患のお話しでもしてみようかと思います。
その精神疾患名は、「ボアンソロピー」と言い、なんでも自分を人間ではなく他の動物だと思い込んでしまうんだそうです。
これは非常に稀な精神疾患で「獣化妄想」と呼ばれており、臨床報告されたのは56例(1850〜2012年)だそうですが、報告されていないケースもいくつかあるでしょう。
中でも自分を牛だと思い込んでしまう獣化妄想は「ボアンソロピー(Boanthropy)」と呼ばれているんだそうです。
人間なのに、四つん這いで歩き、草やウシのエサを食べ、会話もせずにモーと鳴き、牧草地でウシの群れに合流したりといった具合に、まるでウシのような生活をしようとする奇妙な症状を示すんだとか…。
この牛だと思い込んでしまう獣化妄想「ボアンソロピー」の症状を示したとして知られる最も有名な歴史上の人物は、新バビロニア王国の2代目の王、ネブカドネザル2世です。
旧約聖書の中で「彼は人間の社会から追放され、牛のように草を食らい」(ダニエル書4章30節)と書かれているそうです。
ネブカドネザル2世は、紀元前605年から562年まで新バビロニア帝国の王でした。
聖書によると、彼はユダとエルサレムを征服して、ユダヤ人を追放し、バビロンの空中庭園を作ったとも言われています。
ダニエル書によると、神からその冷酷な権力支配と功績自慢を戒められたネブカドネザル2世は、正気を失って7年間動物のように暮らしたといいます。
その後、正気を取り戻した彼は神を称賛し、敬意を表したそうです。
牛のような行動をとっても、本人はそれに気がついていないようで、専門家はこのような奇妙な精神疾患は、夢か催眠術によって引き起こされたものと信じました。
獣化妄想の原因はいまだによくわかってなく、信仰と関係があるという人もいれば、妖術や黒魔術が絡んでいると考える人もいるそうです。
臨床的にみられる獣化妄想は、自分が動物に変身している、あるいは変身したと思い込む、珍しい変身妄想の一種とされています。
こうした現象は、カプグラ症候群(親しい関係にある他者が、その人によく似た替え玉に置き換えられているという妄想)、フレゴリ症候群(見知らぬ他人をよく知った人物と取り違える現象)、二重記憶錯誤などと並んで、妄想性誤認症候群の一種であると考えられます。
統合失調症スペクトラム障害や、重度の精神病質うつ病の患者によく見られ、サイコセラピーや精神薬理学治療がよく施されるそうです。
また、梅毒が引き起こすポルフィリン症や、全身麻痺、麻痺性痴呆なども考えられるそうです。
ポルフェリン症は、珍しい遺伝性血液疾患の一種で、この障害をもつ人は、体内でヘムと呼ばれる物質を作ることができません。
ヘムとは、鉄と結びつくポルフィリンという体内化学物質でできていて、赤血球の中で酸素を運ぶタンパク質であるヘモグロビンの構成成分です。
幻覚、うつ、不安、パラノイアなどの神経的合併症や、皮膚のトラブル、あるいはその両方が現われることがあるそうです。
この獣化妄想として知られる臨床上の最も古いケースは、ロバード・ベイフィールド(1630〜1690年)が出版した『Treatise de morborum capitis』(ロンドン版「頭部の疾患」は1663年刊行)の中で報告されていて、動物に変身する状況が包括的に記されています。
リカントロピー(Lycanthropy)はいわゆる狼化妄想のことで、夜になると墓場や野原で吠えたり、遠吠えしたり、日中はほとんど姿を見せずに隠れ、まるで自分をオオカミのような野生動物だと思い込んでしまう症状だそうです。
サイナンスロピー(cynanthropy)は、古代ギリシャ時代にさかのぼり、人間と犬の姿を交互に繰り返す変身能力のある者のことを示したそうです。
セリアンスロープ(therianthrope)は、獣人ともいい、人間と動物の両方を兼ね備えた存在のことで、ギリシャ語で野生動物を意味するtherionと、人間を意味するanthroposを組み合わせた言葉です。
もっともよく知られたセリアンスロープは、古代エジプトの動物の頭をもつ神々だと考えられます。
古代エジプトの神や女神のほとんどは、猫の頭をもつ女神バステトや、ジャッカルの頭をもつアヌビスなど、人間の体と動物の頭をもつ姿で描かれていますから、これはなにか関連があるのかもしれませんね。
とまぁ、珍しいお話しでしたが、日本も狼男とか猫娘とか、まぁ妖怪とかおとぎ話として伝わっていますが、実際は精神疾患を患ってしまった患者の姿なのかもしれませんねぇ…。
では、また〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院