2020年10月23日 [からだのこと]
ネガティビティ・バイアス
お疲れ様です。院長です。
10月23日の金曜日でございます。
10月も、後半に入ってきましたね〜。
残すところ、1週間ちょいってことで、ボチボチ月末がやってきます。
3月くらいから、コロナが騒がれ出して、半年以上経ちますがやはりまだ収束には至っておりません。
この間、感染者数は増えたり減ったりを繰り返し、爆発的な増え方はしていませんが、それでもジリジリ増えてるしねぇ…。
よく言えば、感染拡大を食止めてるとも取れますし、または結局ズルズル増えてるジャンともとれますね。
モノは考えようとか言いますけど、この良く考えるか、悪く考えるかで物事が変わったりもしますしね。
ってことで、今日のネタなんですが、今日はそんな考え方にも影響する、脳のお話しでもしたいと思います。
例えばあなたは、人から褒められたときよりも、酷いことを言われたときやけなされた時のほうが、ずっと心に引っかかったりしませんか。
それは何日も、ときに何ヶ月も、下手をすると何年も頭から消えてくれないなんて経験をしたことがある人も多いかと思います。
人は良い出来事よりもトラウマになるような経験の方が細かい部分まで覚えているもので、前者よりも後者の方に強く反応するものです。
こうした傾向を「ネガティビティ・バイアス」といい、脳は悪い情報に特に敏感で、ほとんどの人が無意識に反応しているそうなんです。
ある研究実験では、参加者にポジティブ(高級車やピザなど)、中立(家電や皿など)、ネガティブ(動物の死体や怪我など)な3種の写真を見せて、その反応を観察してみたそうです。
ここからは、脳はポジティブな刺激よりもネガティブな刺激に対して強く反応することが明らかになっています。
脳のこのような仕組みは、私たちの先祖が生き残るために発達したと考えられています。
特定の行動、ある種の植物や資源の悪影響を記憶していれば、それを避けることができます。
それゆえに脳はネガティブな刺激を無視できないよう進化したのだと考えられています。
しかし時代は変わりました。
というより、ヒトはこれ以上ない位進化し、もはや食物連鎖の頂点、否、食物連鎖の中にすらいない存在となり、危険と隣り合わせということはなくなりました。
それなのにネガティビティ・バイアスは今もなお機能し続けています。
それは建設的な場合もありますが、破壊的な影響を与えてしまう場合もまたあるんです。
無意識に作用するために、あなた自身は気がついていないかもしれませんが、次のようなことに心当たりはないでしょうか?
1. モチベーション
ネガティビティ・バイアスはやる気に影響します。
ご褒美がもらえるときよりも、悪い予感がするときの方が行動しようという気になるのはこのためなんですな。
締め切りに間に合わせようと必死になったり、上司に悪印象を与えないよう躍起になったり、誰にでも身に覚えがあるでしょう。
2. 悪い知らせ
私たちは良い知らせよりも悪い知らせの方が信憑性が高いと考えがちです。
悪い知らせの方に注意を引きつけられ、正しいだろうと思うように私たちはできているようなんです。
きっとあなたも、自分に対する評価や社会の出来事などについて、良いものよりも悪いものの方が気になるのではないでしょうか。
3. 政治
政治的なキャンペーンでは、良い話をするよりも、危機感を煽るような話をした方がうまくいくことが以前より知られているそうです。
これに関して、ひとつ面白い研究があり、いわゆる保守派と呼ばれる人たちは、曖昧な情報を危険なものとみなしがちであるらしいんですね。
従来からあるものは安全で、変化を脅威とみなす人がいるのはこのことと関係があるのかもしれないようです。
4. 意思決定
ノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カーネマンと故エイモス・トベルスキーは、人が意思決定をする際、悪い面の方がより重視されることを発見しました。
この傾向は、意思決定や容認できるリスクに大きな影響を与えています。
何かを始めるとき、損失のリスクや悪い結果への恐怖がまず第一に考慮されます。
また、それをやった場合に得られるメリットよりも、デメリットの方に意識が向きやすい傾向もあります。
5. 人間関係
ネガティビティ・バイアスは他人の最悪な部分を予測するよう仕向けることで、人間関係にも影響することがあります。
これは以前に他人から痛い目に遭わされたことがある場合には特にそうで、そのような経験があると新しく知り合いができても、それまでのようには信用できなくなります。
また、他人からの反応についても悪い想像をしやすくなり、それを良いものとは考えられず、最悪の事態ばかりを事細かに考えてしまうんですな。
特に覚えておいて欲しいのは、それはあなたばかりでなく、他人もそうだということです。
ですから他人にいつも敬意を払うことを忘れないようにしましょう。
あなたの何気ない一言が、想像以上に相手を動揺させていたりしますから…。
6. 第一印象
第一印象が決め手とはよく言いますが、これは本当のことで、初対面のときに悪い印象を与えてしまうと、それはずっと残り、後々までそうした色眼鏡を通じて見られることになってしまいます。
一度与えてしまった悪い印象を取り除くのは、容易なことではないんですね。
てな感じで、人間に備わった性質だとはいえ、現代を生きる我々にとって、ネガティビティ・バイアスが弊害になることが多々あります。
もともとヒトも野生生物として存在し、何らかの形で食物連鎖の中にいたのでしょうが、今はその生態系からも完全に外れた唯一の存在となっております。
つまり、そこまでの危機ってもうないんですよね。
本来なら、こういった必要ない「能力」は自然と消滅していくはずなんですけど、まだ残ってるという事は何らか「必要性」があるんでしょうね。
とわたくし院長は思います。
ではまた〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院
10月23日の金曜日でございます。
10月も、後半に入ってきましたね〜。
残すところ、1週間ちょいってことで、ボチボチ月末がやってきます。
3月くらいから、コロナが騒がれ出して、半年以上経ちますがやはりまだ収束には至っておりません。
この間、感染者数は増えたり減ったりを繰り返し、爆発的な増え方はしていませんが、それでもジリジリ増えてるしねぇ…。
よく言えば、感染拡大を食止めてるとも取れますし、または結局ズルズル増えてるジャンともとれますね。
モノは考えようとか言いますけど、この良く考えるか、悪く考えるかで物事が変わったりもしますしね。
ってことで、今日のネタなんですが、今日はそんな考え方にも影響する、脳のお話しでもしたいと思います。
例えばあなたは、人から褒められたときよりも、酷いことを言われたときやけなされた時のほうが、ずっと心に引っかかったりしませんか。
それは何日も、ときに何ヶ月も、下手をすると何年も頭から消えてくれないなんて経験をしたことがある人も多いかと思います。
人は良い出来事よりもトラウマになるような経験の方が細かい部分まで覚えているもので、前者よりも後者の方に強く反応するものです。
こうした傾向を「ネガティビティ・バイアス」といい、脳は悪い情報に特に敏感で、ほとんどの人が無意識に反応しているそうなんです。
ある研究実験では、参加者にポジティブ(高級車やピザなど)、中立(家電や皿など)、ネガティブ(動物の死体や怪我など)な3種の写真を見せて、その反応を観察してみたそうです。
ここからは、脳はポジティブな刺激よりもネガティブな刺激に対して強く反応することが明らかになっています。
脳のこのような仕組みは、私たちの先祖が生き残るために発達したと考えられています。
特定の行動、ある種の植物や資源の悪影響を記憶していれば、それを避けることができます。
それゆえに脳はネガティブな刺激を無視できないよう進化したのだと考えられています。
しかし時代は変わりました。
というより、ヒトはこれ以上ない位進化し、もはや食物連鎖の頂点、否、食物連鎖の中にすらいない存在となり、危険と隣り合わせということはなくなりました。
それなのにネガティビティ・バイアスは今もなお機能し続けています。
それは建設的な場合もありますが、破壊的な影響を与えてしまう場合もまたあるんです。
無意識に作用するために、あなた自身は気がついていないかもしれませんが、次のようなことに心当たりはないでしょうか?
1. モチベーション
ネガティビティ・バイアスはやる気に影響します。
ご褒美がもらえるときよりも、悪い予感がするときの方が行動しようという気になるのはこのためなんですな。
締め切りに間に合わせようと必死になったり、上司に悪印象を与えないよう躍起になったり、誰にでも身に覚えがあるでしょう。
2. 悪い知らせ
私たちは良い知らせよりも悪い知らせの方が信憑性が高いと考えがちです。
悪い知らせの方に注意を引きつけられ、正しいだろうと思うように私たちはできているようなんです。
きっとあなたも、自分に対する評価や社会の出来事などについて、良いものよりも悪いものの方が気になるのではないでしょうか。
3. 政治
政治的なキャンペーンでは、良い話をするよりも、危機感を煽るような話をした方がうまくいくことが以前より知られているそうです。
これに関して、ひとつ面白い研究があり、いわゆる保守派と呼ばれる人たちは、曖昧な情報を危険なものとみなしがちであるらしいんですね。
従来からあるものは安全で、変化を脅威とみなす人がいるのはこのことと関係があるのかもしれないようです。
4. 意思決定
ノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カーネマンと故エイモス・トベルスキーは、人が意思決定をする際、悪い面の方がより重視されることを発見しました。
この傾向は、意思決定や容認できるリスクに大きな影響を与えています。
何かを始めるとき、損失のリスクや悪い結果への恐怖がまず第一に考慮されます。
また、それをやった場合に得られるメリットよりも、デメリットの方に意識が向きやすい傾向もあります。
5. 人間関係
ネガティビティ・バイアスは他人の最悪な部分を予測するよう仕向けることで、人間関係にも影響することがあります。
これは以前に他人から痛い目に遭わされたことがある場合には特にそうで、そのような経験があると新しく知り合いができても、それまでのようには信用できなくなります。
また、他人からの反応についても悪い想像をしやすくなり、それを良いものとは考えられず、最悪の事態ばかりを事細かに考えてしまうんですな。
特に覚えておいて欲しいのは、それはあなたばかりでなく、他人もそうだということです。
ですから他人にいつも敬意を払うことを忘れないようにしましょう。
あなたの何気ない一言が、想像以上に相手を動揺させていたりしますから…。
6. 第一印象
第一印象が決め手とはよく言いますが、これは本当のことで、初対面のときに悪い印象を与えてしまうと、それはずっと残り、後々までそうした色眼鏡を通じて見られることになってしまいます。
一度与えてしまった悪い印象を取り除くのは、容易なことではないんですね。
てな感じで、人間に備わった性質だとはいえ、現代を生きる我々にとって、ネガティビティ・バイアスが弊害になることが多々あります。
もともとヒトも野生生物として存在し、何らかの形で食物連鎖の中にいたのでしょうが、今はその生態系からも完全に外れた唯一の存在となっております。
つまり、そこまでの危機ってもうないんですよね。
本来なら、こういった必要ない「能力」は自然と消滅していくはずなんですけど、まだ残ってるという事は何らか「必要性」があるんでしょうね。
とわたくし院長は思います。
ではまた〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院