2020年05月17日 [からだのこと]
(168)サンデーイルネス(仮)三尖弁閉鎖症について
お疲れ様です。院長です。
5月17日のサンデーイルネスでございます。
5月も後半戦に入り、ずいぶん暖かくというか暑くなってきましたね。
昼間なんか半袖でもいけちゃう位ですが、朝晩はまだ肌寒かったりと、寒暖差が激しいですな。
こういう時は実に風邪をひきやすい。
今このコロナ騒ぎで風邪なんかひいたらほんとにもうややこしいだけですし、そんな免疫が落ちちゃう時に、本当に感染したら大変ですしね。
当分はコロナ対策として、免疫力を落とさないよう気をつけましょう。
そのコロナも、一部緊急事態宣言の解除とかありますが、基本的にはワクチンが完全に出来上がり、いわゆる集団免疫ってのを得れるまでは油断できません。
いつまた第二波、第三波が来ないとも限りませんし、緊急事態宣言が解除される分、人の行き来は増えますから、感染リスクも上がると思っておかないとね。
本当は、いつまでも緊急事態宣言出しときたいんでしょうけど、それでは経済破綻が目に見えてますし、政府や自治体としても致し方ないトコなんでしょうしね。
決して安全になったわけではないってことを肝に銘じて、もう少し頑張りましょうぜ。
ってことで、今日も本題に入っていきますが、今日のイルネス辞典は、「三尖弁閉鎖症」について解説していきたいと思います。
まずは、この「三尖弁」ってなによ?ってとこからですが、これは心臓の一部です。
ご存知のように、心臓には4つの部屋があり、そのうち、右心房と右心室の間にある弁を「三尖弁」と呼びます。
血液が全身→右心房→(三尖弁)→右心室→肺→左心房→左心室→全身と循環する中で、三尖弁は右心室から肺に血液が送り出される際、右心房に血液が逆流しないようにする役目を持っているもんです。
ってな予備知識を持ったうえで、どんな病気かってことですが、文字通り、三尖弁が閉鎖して、右心房と右心室の交通が遮断された心奇形のことでございます。
全先天性心疾患の1〜3%を占めてるとも言われ、その多くは肺血流の多寡によって新生児早期からチアノーゼ(皮膚や粘膜が紫色になること)、または心不全が現れ、早期の診断・治療を必要とします。
本症の13〜19%に心臓以外の奇形を伴います。
胎生期初期(胎生30日ころ)の心臓の発生異常で生じますが、原因は不明です。
症状としましては、チアノーゼが、生後1日目に約半数の症例で現れます。
動脈管依存型の新生児ではプロスタグランジン製剤の持続点滴が必要になります。
さらに、肺血流の少ない群では、スペル発作(唇が黒くなり、一時的に意識を失う発作)を認めることもあり、その場合は乳児期早期に開胸によるシャント手術が必要になります。
逆に、肺血流が増加する群ではチアノーゼは目立たず、呼吸障害、肝腫大(かんしゅだい)、体重増加不良などの心不全症状が主体となります。
その場合、長く放置すると肺高血圧症が進行し、将来の機能的根治手術ができなくなります。
高肺血流群では、乳児期早期に肺動脈絞扼術(こうやくじゅつ)を行い、肺血行動態の改善を目指す必要があります。
心房間の交通が小さく右心不全症状の強い例では、風船付きカテーテルによる治療が必要になることもあります。
病気の診断には心臓超音波検査(心エコー)が最も有効で、三尖弁と右心室の交通がないことが直接確認できます。
乳児期に姑息手術(根治ではなく症状を改善する手術)の必要がある場合には、その後、心臓カテーテル、心血管造影検査(精密検査)が必要です。
本症と区別すべき病気としては、ファロー四徴症(しちょうしょう)、純型肺動脈閉鎖症(じゅんけいはいどうみゃくへいさしょう)、完全大血管転位症(かんぜんだいけっかんてんいしょう)、単心室(たんしんしつ)、総動脈幹症(そうどうみゃくかんしょう)などがあげられます。
では治療法ですが、新生児期にチアノーゼを認めたら、循環器小児科を受診し、早期の確定診断を受ける必要があります。
本症では心室が左心室だけなので、基本的には単心室と同じように将来のフォンタン手術に備えて肺血管の適切な発育が必要だからです。
すべての患者さんにフォンタン手術が可能ではなく、厳密な適応基準を満たした場合にだけ機能的根治手術が受けられます。
根治手術が可能かどうかの境界領域では、上大静脈肺動脈吻合(ふんごう)術を行って段階的にフォンタン手術に至る方法や、フォンタン手術の際に一部の静脈血を左心房に流す「穴あきフォンタン手術」という方法を選択します。
本症の自然予後(何も治療しない場合の経過)は不良で、10歳以上の生存率は約10%にすぎません。
とくに、肺動脈閉鎖(はいどうみゃくへいさ)がある場合では、生後10カ月以内に死亡します。
乳児期早期から専門病院での計画性のある治療戦略が必要な病気のひとつです。
いかがでしたか。
では次回のイルネス辞典をお楽しみに〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院
5月17日のサンデーイルネスでございます。
5月も後半戦に入り、ずいぶん暖かくというか暑くなってきましたね。
昼間なんか半袖でもいけちゃう位ですが、朝晩はまだ肌寒かったりと、寒暖差が激しいですな。
こういう時は実に風邪をひきやすい。
今このコロナ騒ぎで風邪なんかひいたらほんとにもうややこしいだけですし、そんな免疫が落ちちゃう時に、本当に感染したら大変ですしね。
当分はコロナ対策として、免疫力を落とさないよう気をつけましょう。
そのコロナも、一部緊急事態宣言の解除とかありますが、基本的にはワクチンが完全に出来上がり、いわゆる集団免疫ってのを得れるまでは油断できません。
いつまた第二波、第三波が来ないとも限りませんし、緊急事態宣言が解除される分、人の行き来は増えますから、感染リスクも上がると思っておかないとね。
本当は、いつまでも緊急事態宣言出しときたいんでしょうけど、それでは経済破綻が目に見えてますし、政府や自治体としても致し方ないトコなんでしょうしね。
決して安全になったわけではないってことを肝に銘じて、もう少し頑張りましょうぜ。
ってことで、今日も本題に入っていきますが、今日のイルネス辞典は、「三尖弁閉鎖症」について解説していきたいと思います。
まずは、この「三尖弁」ってなによ?ってとこからですが、これは心臓の一部です。
ご存知のように、心臓には4つの部屋があり、そのうち、右心房と右心室の間にある弁を「三尖弁」と呼びます。
血液が全身→右心房→(三尖弁)→右心室→肺→左心房→左心室→全身と循環する中で、三尖弁は右心室から肺に血液が送り出される際、右心房に血液が逆流しないようにする役目を持っているもんです。
ってな予備知識を持ったうえで、どんな病気かってことですが、文字通り、三尖弁が閉鎖して、右心房と右心室の交通が遮断された心奇形のことでございます。
全先天性心疾患の1〜3%を占めてるとも言われ、その多くは肺血流の多寡によって新生児早期からチアノーゼ(皮膚や粘膜が紫色になること)、または心不全が現れ、早期の診断・治療を必要とします。
本症の13〜19%に心臓以外の奇形を伴います。
胎生期初期(胎生30日ころ)の心臓の発生異常で生じますが、原因は不明です。
症状としましては、チアノーゼが、生後1日目に約半数の症例で現れます。
動脈管依存型の新生児ではプロスタグランジン製剤の持続点滴が必要になります。
さらに、肺血流の少ない群では、スペル発作(唇が黒くなり、一時的に意識を失う発作)を認めることもあり、その場合は乳児期早期に開胸によるシャント手術が必要になります。
逆に、肺血流が増加する群ではチアノーゼは目立たず、呼吸障害、肝腫大(かんしゅだい)、体重増加不良などの心不全症状が主体となります。
その場合、長く放置すると肺高血圧症が進行し、将来の機能的根治手術ができなくなります。
高肺血流群では、乳児期早期に肺動脈絞扼術(こうやくじゅつ)を行い、肺血行動態の改善を目指す必要があります。
心房間の交通が小さく右心不全症状の強い例では、風船付きカテーテルによる治療が必要になることもあります。
病気の診断には心臓超音波検査(心エコー)が最も有効で、三尖弁と右心室の交通がないことが直接確認できます。
乳児期に姑息手術(根治ではなく症状を改善する手術)の必要がある場合には、その後、心臓カテーテル、心血管造影検査(精密検査)が必要です。
本症と区別すべき病気としては、ファロー四徴症(しちょうしょう)、純型肺動脈閉鎖症(じゅんけいはいどうみゃくへいさしょう)、完全大血管転位症(かんぜんだいけっかんてんいしょう)、単心室(たんしんしつ)、総動脈幹症(そうどうみゃくかんしょう)などがあげられます。
では治療法ですが、新生児期にチアノーゼを認めたら、循環器小児科を受診し、早期の確定診断を受ける必要があります。
本症では心室が左心室だけなので、基本的には単心室と同じように将来のフォンタン手術に備えて肺血管の適切な発育が必要だからです。
すべての患者さんにフォンタン手術が可能ではなく、厳密な適応基準を満たした場合にだけ機能的根治手術が受けられます。
根治手術が可能かどうかの境界領域では、上大静脈肺動脈吻合(ふんごう)術を行って段階的にフォンタン手術に至る方法や、フォンタン手術の際に一部の静脈血を左心房に流す「穴あきフォンタン手術」という方法を選択します。
本症の自然予後(何も治療しない場合の経過)は不良で、10歳以上の生存率は約10%にすぎません。
とくに、肺動脈閉鎖(はいどうみゃくへいさ)がある場合では、生後10カ月以内に死亡します。
乳児期早期から専門病院での計画性のある治療戦略が必要な病気のひとつです。
いかがでしたか。
では次回のイルネス辞典をお楽しみに〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院