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2019年11月06日 [からだのこと]

アトピーにエトキマブ

お疲れ様です。院長です。

11月6日の水曜日でございます。

やはり11月ってだけで寒くなった気がしますな。

かなり秋も深まってきましたし、もう初冬ってな雰囲気です。

まぁ、紅葉もボチボチですしこの辺から、徐々に冬色が濃くなってきますよね。

風邪、インフルエンザの季節ですし、乾燥もするんで気をつけて下さいね。

わたくし院長、風邪やインフルは全然問題ないんですが、乾燥肌で冬場は必ず、指先がひび割れます。

地味に痛いヤツね。

時には出血を伴い、めんどくさいことになります。

それから乾燥に伴い、肌が痒くなったりもしますし、冬場は色々大変です。

この指先のひび割れですが、毎年必ず、同じ指の同じ場所がひび割れます。

これはなんなんでしょう。

暖かくなると治まりますし、一旦は完全に治るんですが、また寒くなると同じ指の同じ場所から、ひび割れてきますねん。

わたくしの場合、両親指が必ずひび割れてきますんで、それなりに手入れはするんですけどねぇ。

ってな流れから、今日はそんな皮膚の疾患の代表各、「アトピー性皮膚炎」についてのお話でもひとつ、いってみようと思います。

アトピー性皮膚炎とは、強いかゆみのある湿疹が慢性的に良くなったり悪くなったりを繰り返す症状を持つ皮膚疾患でございます。

掻いてはいけないと分かっていても、つい掻いてしまうことで、皮膚のバリア機能を低下させ、更に悪化させるという悪循環に陥いる罹患者がたくさんいます。

で、このアトピー、これまでは、ステロイド治療が主でしたが、副作用もあることから新たな治療法が望まれていたわけなんですが、この度、オックスフォード大学の研究グループが、「エトキマブ(etokimab)」という新薬を投与することで良好な結果が得られたと発表しました。 

エトキマブ…。

まるで中東の肉の串焼きみたいな名前ですが、これが今回の治療のポイントのようなんです。

まず免疫系には、インターロイキンという細胞同士のコミュニケーションを助ける化学物質が働いています。
 
そのひとつである「IL-33」ってヤツは、ダメージを受けた皮膚に免疫細胞を集めることで炎症を促す作用があり、マウスによる実験ではアトピー性皮膚炎と同様の症状を引き起こすことが知られています。

エトキマブはこの「IL-33」を標的にすることで皮膚炎の緩和を狙うわけです。

このエトキマブを使ったアトピー性皮膚炎の患者を対象とした治験では、まずプラセボ(偽薬)を注射してからアレルギー反応を引き起こすイエダニを注射します。

それから1週間後に静脈注射でエトキマブを注入し、さらに免疫反応を引き起こす物質を注射します。

これらの各セッションごと生じた、発疹のサンプルを回収して、それを調べたところ、エトキマブを注射された12名全員で皮膚炎が改善し、症状の程度を表すスコアは半減していたそうなんです。

注射してから29日後の段階では、83パーセントにこうした改善が見られたほか、アレルギー反応に関連する免疫細胞である好酸球が40パーセント減少していたそうなんです。

これは、かなり効きそうな感じではありますな。

現在、日本では45万人のアトピー性皮膚炎患者がいるとされていますが、その原因は完全には解明されていません。

患者自身の体質や環境要因など複数の要因によって引き起こされると考えられています。

ですが、アトピー性皮膚炎になると、皮膚のバリア機能(外界のさまざまな刺激、乾燥などから体の内部を保護する機能)が低下することがわかっています。

そのため、外から抗原や刺激が入りやすくなり、これらが免疫細胞と結びつき、アレルギー性の炎症を引き起こすわけです。

今回のエトキマブはまだまだ「予備調査」の段階ですが、アトピー性皮膚炎で苦しむ人たちにとっては期待のできる幸先のいい結果ではあるようです。

因みにアトピー性皮膚炎の「アトピー」の語源は、「特定されていない」「奇妙な」という意味のギリシャ語「アトポス」(atopos - a=否定、topos=由来)からだそうで、アトピー性皮膚炎という言葉が医学用語としてはじめて登場したのは1933年なんですね。

比較的、最近の疾患ではありますが、1933年からですから約86年程は経っています。

この間、確実な原因も、治療法も分かってないわけですから、まさしく「奇妙な」病気ですわな。

ですが、医学も進歩してることですし、そろそろ治療法が確立しても良い頃ですよね。

今後の研究に期待しましょう。

ではまた〜。


atp


京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院


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