2018年07月15日 [からだのこと]
(72)サンデーイルネス(仮)脳ヘルニアについて
お疲れ様です。院長です。
7月15日のサンデーイルネスでございます。
さぁ。
夏。
そして世間じゃ、3連休の中日ってことですが、何でもこの3日が、この夏で一番暑いんじゃないかって位の暑さだとか…
確かに昨日も暑かったですが、今日もマックス暑いそうなんで、もう老人は家にいなはれ(笑)
フラフラ外に出るとほんまにヤバいぞ。
そして今日は宵々山ってこともあり、何とも浮かれ気分な方も多いと思いますが、ちょっと気を引き締めて勉強しましょうぞ。
ってことで、今日は「脳ヘルニア」って病気を解説していこうと思ってます。
「脳ヘルニア」…
あんまり聞いたことないかもしれません。
そもそも、まずは「ヘルニア」ってなんやねんってことから解説すると、体内の臓器などが、本来あるべき部位から「脱出・突出」した状態を指す言葉です。
ですから、体腔内の裂隙に迷入したものを内ヘルニア、体腔外に逸脱したものを外ヘルニアとも分別することもあり、腹部の内臓に多くみられ、例えば腹壁ヘルニアは、腹壁に生じた裂け目から腹部の内臓が腹膜に包まれたまま腹腔外に脱出するものです。
一般的に多いヘルニアは、腰部椎間板ヘルニア、頸椎ヘルニア、鼠径ヘルニア(脱腸)、臍ヘルニア(でべそ)などなど…
ヘルニアと名のつく疾患は、他にも、横隔膜ヘルニア、大腿ヘルニア、閉鎖孔ヘルニア、嵌頓ヘルニアなど多種にわたってございますのことよ。
で、その中でも今日、解説するのは、頭部外傷によって、頭蓋骨よりも内側(頭蓋内)に血腫や脳のむくみが生じると、脳は硬い頭蓋骨で囲まれて余計なスペースがないため、頭蓋内の圧が高まり、軟らかい脳はすきまに向かって押し出されます。
その押し出された脳は、深部にある生命維持中枢(脳幹(のうかん))を圧迫し、呼吸や心臓の機能を損なうというなかなか厄介な病気です。
では症状の現れ方ですが、初期症状は意識障害と瞳孔(どうこう)の異常です。
一般的には、脳に障害のある側の瞳孔が開き(瞳孔不同)、光に対する瞳孔収縮の反応が失われます(対光反射消失)。
この時期を過ぎると呼吸が不規則で遅くなり(この前に異常に速い呼吸になることもある)、瞳孔の異常は両側になります。
また、痛み刺激で手足を突っ張る除脳姿勢(じょのうしせい)を示すこともあります。
さらに進行すると呼吸が止まります。
呼吸が停止した最重症例では、治療を行っても救命の可能性は低くなります。次いで脈が乱れ、血圧が下がって死に至ります。
ね?
てか、初期症状からヤバイでしょ?
ですから、少しでもおかしいと思ったら、躊躇なく専門機関を受診しましょう。
その検査と診断ですが、意識、瞳孔(および除脳姿勢など)の臨床症状から診断します。
原因の診断のため、頭部CTは必須です。
では、こんな厄介なヘルニア、どうやって治療していくかという事ですが、瞳孔異常の初期症状がみられたら、治療は一刻を争います。
原因に対する治療が優先され、血腫があれば開頭血腫除去術(かいとうけっしゅじょきょじゅつ)が行われます。
脳ヘルニアが進行し、脳幹の機能が失われた場合は(たとえば呼吸停止)、手術の危険が高く、開頭手術を行えないこともあります。
血腫がないか少量の場合は手術の効果が低いため、薬物療法が選択されることが多く、頭蓋内圧亢進に対する脳圧降下薬の点滴注射が行われます。
頭蓋内圧亢進に対する特殊な治療法にはバルビツレート療法や低体温療法がありますが、副作用も大きいため適応は慎重に判断されます。
頭蓋骨を外す外減圧術(がいげんあつじゅつ)が行われることもあります。
予後は原因によりますが、一般的には症状の進行程度と、症状出現からの時間経過に比例して悪くなります。
もう、初期を過ぎれば、かなり悪い状態になります。
ですから、ほんとに早期での発見が必須となるわけです。
まずは、意識障害と瞳孔異常。
これと、「脳ヘルニア」を結び付けられるだけでも、かなり早い処置ができるはずです。
ですから、まずは知識ですね。
いかがでしたか?
知識さえあれば、救える命はたくさんあります。
では、来週のイルネス辞典をお楽しみに〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院
7月15日のサンデーイルネスでございます。
さぁ。
夏。
そして世間じゃ、3連休の中日ってことですが、何でもこの3日が、この夏で一番暑いんじゃないかって位の暑さだとか…
確かに昨日も暑かったですが、今日もマックス暑いそうなんで、もう老人は家にいなはれ(笑)
フラフラ外に出るとほんまにヤバいぞ。
そして今日は宵々山ってこともあり、何とも浮かれ気分な方も多いと思いますが、ちょっと気を引き締めて勉強しましょうぞ。
ってことで、今日は「脳ヘルニア」って病気を解説していこうと思ってます。
「脳ヘルニア」…
あんまり聞いたことないかもしれません。
そもそも、まずは「ヘルニア」ってなんやねんってことから解説すると、体内の臓器などが、本来あるべき部位から「脱出・突出」した状態を指す言葉です。
ですから、体腔内の裂隙に迷入したものを内ヘルニア、体腔外に逸脱したものを外ヘルニアとも分別することもあり、腹部の内臓に多くみられ、例えば腹壁ヘルニアは、腹壁に生じた裂け目から腹部の内臓が腹膜に包まれたまま腹腔外に脱出するものです。
一般的に多いヘルニアは、腰部椎間板ヘルニア、頸椎ヘルニア、鼠径ヘルニア(脱腸)、臍ヘルニア(でべそ)などなど…
ヘルニアと名のつく疾患は、他にも、横隔膜ヘルニア、大腿ヘルニア、閉鎖孔ヘルニア、嵌頓ヘルニアなど多種にわたってございますのことよ。
で、その中でも今日、解説するのは、頭部外傷によって、頭蓋骨よりも内側(頭蓋内)に血腫や脳のむくみが生じると、脳は硬い頭蓋骨で囲まれて余計なスペースがないため、頭蓋内の圧が高まり、軟らかい脳はすきまに向かって押し出されます。
その押し出された脳は、深部にある生命維持中枢(脳幹(のうかん))を圧迫し、呼吸や心臓の機能を損なうというなかなか厄介な病気です。
では症状の現れ方ですが、初期症状は意識障害と瞳孔(どうこう)の異常です。
一般的には、脳に障害のある側の瞳孔が開き(瞳孔不同)、光に対する瞳孔収縮の反応が失われます(対光反射消失)。
この時期を過ぎると呼吸が不規則で遅くなり(この前に異常に速い呼吸になることもある)、瞳孔の異常は両側になります。
また、痛み刺激で手足を突っ張る除脳姿勢(じょのうしせい)を示すこともあります。
さらに進行すると呼吸が止まります。
呼吸が停止した最重症例では、治療を行っても救命の可能性は低くなります。次いで脈が乱れ、血圧が下がって死に至ります。
ね?
てか、初期症状からヤバイでしょ?
ですから、少しでもおかしいと思ったら、躊躇なく専門機関を受診しましょう。
その検査と診断ですが、意識、瞳孔(および除脳姿勢など)の臨床症状から診断します。
原因の診断のため、頭部CTは必須です。
では、こんな厄介なヘルニア、どうやって治療していくかという事ですが、瞳孔異常の初期症状がみられたら、治療は一刻を争います。
原因に対する治療が優先され、血腫があれば開頭血腫除去術(かいとうけっしゅじょきょじゅつ)が行われます。
脳ヘルニアが進行し、脳幹の機能が失われた場合は(たとえば呼吸停止)、手術の危険が高く、開頭手術を行えないこともあります。
血腫がないか少量の場合は手術の効果が低いため、薬物療法が選択されることが多く、頭蓋内圧亢進に対する脳圧降下薬の点滴注射が行われます。
頭蓋内圧亢進に対する特殊な治療法にはバルビツレート療法や低体温療法がありますが、副作用も大きいため適応は慎重に判断されます。
頭蓋骨を外す外減圧術(がいげんあつじゅつ)が行われることもあります。
予後は原因によりますが、一般的には症状の進行程度と、症状出現からの時間経過に比例して悪くなります。
もう、初期を過ぎれば、かなり悪い状態になります。
ですから、ほんとに早期での発見が必須となるわけです。
まずは、意識障害と瞳孔異常。
これと、「脳ヘルニア」を結び付けられるだけでも、かなり早い処置ができるはずです。
ですから、まずは知識ですね。
いかがでしたか?
知識さえあれば、救える命はたくさんあります。
では、来週のイルネス辞典をお楽しみに〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院