2018年02月18日 [からだのこと]
(51)サンデーイルネス(仮)ウィルソン病について
お疲れ様です。院長です。
2月18日のサンデーイルネスでございます。
今月も後10日となりましたね。
そろそろ春の足音が、コツコツと…
いや、春やし、ヒタヒタとか?
いや、バタバタか?
ん〜
春の足音にふさわしい音って…
スタスタかな?
意外と思いつかないぞよ。
みなさんも考えてみて下さい(笑)
それはそうと、今日は京都マラソンの日なんですよね。
なので、京都の街は交通規制だのなんだので、混みまくるのでわたくしはいつも通り、大人しくしときます。
ってことで、今日のイルネス辞典なんですが、今日は「う」ってことで、これも色々考えましたが「ウィルソン病」に決定いたしました。
ウィルソン病…
聞いたことない?
あんまり有名ではないかもしれませんが、発症頻度は3万人〜3万5千人に1人と言われています。
したがって、現在、日本の1年間の出生数は約110万人ですので、毎年約30〜35人の患者さんが出生していることになります。
出生しているという事でお分かりかと思いますが、ウィルソン病は、常染色体劣性遺伝(じょうせんしょくたいれっせいいでん)に基づく先天性銅代謝異常症(せんてんせいどうたいしゃいじょうしょう)という遺伝子疾患です。
銅が全身の臓器、とくに肝、脳、角膜、腎などの細胞内に過剰に沈着し、その結果引き起こされる細胞障害、臓器障害に基づき、さまざまな臨床像を示します。
肝障害と脳幹基底核(のうかんきていかく)変性に基づく症状が特徴的です。そのためにウィルソン病は肝‐レンズ核変性症とも呼ばれています。
銅が全身にまわる病気…
銅と言えば10円玉。
あんなのが、臓器に沈着したらそりゃ、身体に悪そうですよね。
とは言え、銅は生体にとって必要不可欠な金属であり、必須微量元素と呼ばれています。
毎日の食事から少しずつ体内に取り込まれているんですね。
ですから、これが必要以上に身体にたまっちゃう病気と、そういうわけですね。
では、原因ですが、ウィルソン病は、前述したように常染色体劣性遺伝形式に基づいています。
保因者は、日本では100〜150人に1人と推定され、欧米の200人に1人という頻度よりも高く、決してまれな病気ではありませんね。
100〜150人に1人の保因者ってことは、もう同級生に1人位いるってことですからね。
では遺伝子疾患である以上、基本敵に予防することは出来ませんが、早期からの治療でかなり症状を抑えることができます。
では、その症状の現れ方ですが、多様な臨床症状を示すとされています。
とくに肝硬変、錐体(すいたい)外路症状といって、構音障害(発音が出来にくい)・嚥下障害(物が飲み込みにくい)、振戦(しんせん)(細かい震えのような動き)、筋緊張亢進(きんきんちょうこうしん)など)、カイザー・フライシャー角膜輪(かくまくりん)(角膜周辺に銅が沈着して1〜3o幅の暗褐色の輪が認められる)の古典的な3主徴が現れます。
のほかにも、精神症状、腎尿細管障害、造血障害、骨異常など、種々の症状を伴いますが、上に挙げた3主徴が特徴的過ぎますので、ここがポイントとなるでしょう。
特に、錐体外路症状(発音できない、飲み込めない、細かく震える、筋肉が異常に緊張する等)は、気付きやすいと思いますので、兆候を見逃さないようにしましょう。
ウィルソン病の原発臓器である肝臓の障害は、大きく劇症肝炎型(急性発症型)と慢性肝炎型に分けられます。
後者は、脂肪変性から始まって慢性肝炎の時期をへて、徐々に経過しながら10〜20年後に肝硬変になります。
好発年齢は、5〜20歳ころまでですが、30〜40歳で発症することもありますので、こちらもどうだかあてになりません。
銅の過剰蓄積は肝臓から始まるため、通常、肝障害が神経症状に先行すると考えられています。
一般に、10歳以下の若年発症のウィルソン病では、肝障害が多いので、そちらも注意しましょう。
そして、10歳以降では発症の場合、先ほどの錐体外路症状などが多くなると思われます。
幼児期、学童期の発病は肝障害型が多いため他覚的所見が少なく、診断には家族、とくに母親への問診が重要です。
子どもの無気力、集中力低下、学業低下、食欲不振、動作緩慢(かんまん)などの症状に母親など家族が気づいて受診する場合が多いようです。
遺伝性の病気のため、血族に同じ病気をもつ人の有無も重要になります。
早期発見が最も重要ですが、幼児や学童などに原因不明の肝機能障害がみられた時には(不随意運動などの神経症状を伴っている時にはなおさら)、まず第一にこの病気を疑うことが大切です。
それには、まず知っておかないと話になりませんからね。
では、治療の方法と予後についてですが、まず治療の基本方針は、銅の排泄促進を図ることです。
早期に発見して早期に適切な治療を行えば、銅代謝異常をコントロールすることが可能であり、予後を十分に改善できます。
しかし、神経症状がかなり進行した場合には予後は不良です。
死因は肝不全、食道静脈瘤(しょくどうじょうみゃくりゅう)の破裂による消化管出血、神経障害、感染症などです。
(1)食事療法
生涯にわたって銅含有量の多い食物(たとえば貝類、レバー、チョコレート、キノコ類など)の摂取を制限して、低銅食(1日1.5r以下)にする食事指導が行われます。
(2)薬物療法(表12)
体内にたまった銅の除去、銅毒性の減少を目指して、銅排泄促進薬による治療が、発症予防を含めて第一選択になります。
生涯にわたって必要な治療であることを十分説明してもらい、納得して治療に専念することが大切です。また、肝障害や神経障害に対する対症療法も必要に応じて行われます。
というように、症状が進行してしまってからでは、かなり重い症状が出てしまいますので、早めに対処することが一番です。
まぁ、これはどんな病気にも言えることですが…
ですが、遺伝子疾患の場合、まったく思いもかけない所で発症してしまうため、やはり知識がないと後手に回ってしまいます。
まずは知ること。
これが大事ですからね。
では、今週はこの辺で…
来週のイルネス辞典もお楽しみに〜
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院
2月18日のサンデーイルネスでございます。
今月も後10日となりましたね。
そろそろ春の足音が、コツコツと…
いや、春やし、ヒタヒタとか?
いや、バタバタか?
ん〜
春の足音にふさわしい音って…
スタスタかな?
意外と思いつかないぞよ。
みなさんも考えてみて下さい(笑)
それはそうと、今日は京都マラソンの日なんですよね。
なので、京都の街は交通規制だのなんだので、混みまくるのでわたくしはいつも通り、大人しくしときます。
ってことで、今日のイルネス辞典なんですが、今日は「う」ってことで、これも色々考えましたが「ウィルソン病」に決定いたしました。
ウィルソン病…
聞いたことない?
あんまり有名ではないかもしれませんが、発症頻度は3万人〜3万5千人に1人と言われています。
したがって、現在、日本の1年間の出生数は約110万人ですので、毎年約30〜35人の患者さんが出生していることになります。
出生しているという事でお分かりかと思いますが、ウィルソン病は、常染色体劣性遺伝(じょうせんしょくたいれっせいいでん)に基づく先天性銅代謝異常症(せんてんせいどうたいしゃいじょうしょう)という遺伝子疾患です。
銅が全身の臓器、とくに肝、脳、角膜、腎などの細胞内に過剰に沈着し、その結果引き起こされる細胞障害、臓器障害に基づき、さまざまな臨床像を示します。
肝障害と脳幹基底核(のうかんきていかく)変性に基づく症状が特徴的です。そのためにウィルソン病は肝‐レンズ核変性症とも呼ばれています。
銅が全身にまわる病気…
銅と言えば10円玉。
あんなのが、臓器に沈着したらそりゃ、身体に悪そうですよね。
とは言え、銅は生体にとって必要不可欠な金属であり、必須微量元素と呼ばれています。
毎日の食事から少しずつ体内に取り込まれているんですね。
ですから、これが必要以上に身体にたまっちゃう病気と、そういうわけですね。
では、原因ですが、ウィルソン病は、前述したように常染色体劣性遺伝形式に基づいています。
保因者は、日本では100〜150人に1人と推定され、欧米の200人に1人という頻度よりも高く、決してまれな病気ではありませんね。
100〜150人に1人の保因者ってことは、もう同級生に1人位いるってことですからね。
では遺伝子疾患である以上、基本敵に予防することは出来ませんが、早期からの治療でかなり症状を抑えることができます。
では、その症状の現れ方ですが、多様な臨床症状を示すとされています。
とくに肝硬変、錐体(すいたい)外路症状といって、構音障害(発音が出来にくい)・嚥下障害(物が飲み込みにくい)、振戦(しんせん)(細かい震えのような動き)、筋緊張亢進(きんきんちょうこうしん)など)、カイザー・フライシャー角膜輪(かくまくりん)(角膜周辺に銅が沈着して1〜3o幅の暗褐色の輪が認められる)の古典的な3主徴が現れます。
のほかにも、精神症状、腎尿細管障害、造血障害、骨異常など、種々の症状を伴いますが、上に挙げた3主徴が特徴的過ぎますので、ここがポイントとなるでしょう。
特に、錐体外路症状(発音できない、飲み込めない、細かく震える、筋肉が異常に緊張する等)は、気付きやすいと思いますので、兆候を見逃さないようにしましょう。
ウィルソン病の原発臓器である肝臓の障害は、大きく劇症肝炎型(急性発症型)と慢性肝炎型に分けられます。
後者は、脂肪変性から始まって慢性肝炎の時期をへて、徐々に経過しながら10〜20年後に肝硬変になります。
好発年齢は、5〜20歳ころまでですが、30〜40歳で発症することもありますので、こちらもどうだかあてになりません。
銅の過剰蓄積は肝臓から始まるため、通常、肝障害が神経症状に先行すると考えられています。
一般に、10歳以下の若年発症のウィルソン病では、肝障害が多いので、そちらも注意しましょう。
そして、10歳以降では発症の場合、先ほどの錐体外路症状などが多くなると思われます。
幼児期、学童期の発病は肝障害型が多いため他覚的所見が少なく、診断には家族、とくに母親への問診が重要です。
子どもの無気力、集中力低下、学業低下、食欲不振、動作緩慢(かんまん)などの症状に母親など家族が気づいて受診する場合が多いようです。
遺伝性の病気のため、血族に同じ病気をもつ人の有無も重要になります。
早期発見が最も重要ですが、幼児や学童などに原因不明の肝機能障害がみられた時には(不随意運動などの神経症状を伴っている時にはなおさら)、まず第一にこの病気を疑うことが大切です。
それには、まず知っておかないと話になりませんからね。
では、治療の方法と予後についてですが、まず治療の基本方針は、銅の排泄促進を図ることです。
早期に発見して早期に適切な治療を行えば、銅代謝異常をコントロールすることが可能であり、予後を十分に改善できます。
しかし、神経症状がかなり進行した場合には予後は不良です。
死因は肝不全、食道静脈瘤(しょくどうじょうみゃくりゅう)の破裂による消化管出血、神経障害、感染症などです。
(1)食事療法
生涯にわたって銅含有量の多い食物(たとえば貝類、レバー、チョコレート、キノコ類など)の摂取を制限して、低銅食(1日1.5r以下)にする食事指導が行われます。
(2)薬物療法(表12)
体内にたまった銅の除去、銅毒性の減少を目指して、銅排泄促進薬による治療が、発症予防を含めて第一選択になります。
生涯にわたって必要な治療であることを十分説明してもらい、納得して治療に専念することが大切です。また、肝障害や神経障害に対する対症療法も必要に応じて行われます。
というように、症状が進行してしまってからでは、かなり重い症状が出てしまいますので、早めに対処することが一番です。
まぁ、これはどんな病気にも言えることですが…
ですが、遺伝子疾患の場合、まったく思いもかけない所で発症してしまうため、やはり知識がないと後手に回ってしまいます。
まずは知ること。
これが大事ですからね。
では、今週はこの辺で…
来週のイルネス辞典もお楽しみに〜
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院