2016年12月14日 [色々なこと]
ヒッチコックの実家って鶏肉店やってんて(笑)
お疲れ様です。院長です。
12月14日水曜日でございます。
14日…
もうすぐ折り返し(^^;
でもまだ半分以上あるわけですから、大丈夫大丈夫(笑)
当院では、毎月「弘泉堂通信」ってのを患者さんにお送りしてるんですが、いつもの月なら大体、月初めの週末辺りに届く様に送らせていただいてます。
ですが、今月は明けが新年ってことで、なんとか三が日にお届けしたいと、「年賀」扱いで発送準備をしています。
なので、原稿締め切りがもうすぐで、印刷にかけて上がってきたものを折ったり、封筒に詰めたり住所ラベルを貼ったりって作業を27、28日までに済まさないといけません。
当然、通常診療の合間を縫ってって事ですから、そりゃ〜それなりに忙しいです。
でもまだ半分あるから…(笑)
ってことで、今日は、そんな忙しさを文字通り忘れちゃうお話。
世の中には、食べると記憶が消える貝があるんですって。
貝1つ食べたら記憶障害を起こし、、2つ食べたら死亡する…
そんな貝毒「ドウモイ酸」てのを紹介しようかい(笑)
毒の作用っていうのは、色々ありまして作用部位は三者三様、百人百様、千差万別。
即死から死なないけれど自殺したくなるような苦痛を与えるものまで様々です。そんな中でも今回の毒はとびっきりの変わり者といえます。
作用部位は脳。主な毒性は記憶消去ってしろものですから、こりゃ〜恐ろしい。
事が起こったのは、カナダのプリンスエドワード島って所だそうで、ムール貝の近縁種である10センチほどの食用の貝、ムラサキイガイを食べた人に中毒が発生する事件がありました。
中毒者は153人、うち重症19名、3人が死亡と報じられています。
その中毒の内容が極めて異質なもので、食後3〜6時間で腹痛、下痢、嘔吐、流涎(唾液が止まらなくなる)などの海洋性毒素にありがちな中毒症状が出現しました。
で、問題は、その後。中毒者の大半に、凄まじい平衡感覚の消失、天地が逆になったような感覚、さらに病院に見舞いに来た家族の名前を思い出せない上、誰なのかさえ認識できないという記憶障害が多発したと…
様々な記憶がランダムに消失しており、その症例はアルツハイマー型認知症に酷似していたそうなんです。
さらに、食中毒症状が収まっても記憶障害は改善せず、深刻な神経障害が残ったといいますから、これはかなりの毒性と言えるでしょう。
すぐにカナダ保健省が原因を特定するためのチームを発足。数日後、プリンスエドワード島の海域で採取されたムラサキイガイが食中毒者を出したレストランで提供されたものであることが判明しました。
毒素の名前は、ドウモイ酸というアミノ酸の一種(厳密にはイミノ酸という特殊なアミノ酸)。
赤潮の原因になることもある有毒珪藻(けいそう)や藍藻(らんそう)が作る毒素で、それらの有毒プランクトンを貝類が海水を濾しとって食べることから、ドウモイ酸が身の中に蓄積、毒化したものだったと…
ドウモイ酸は、アミノ酸ですが、特定環境で何故か水に溶けにくくなり血液脳関門(血液と脳脊髄液との間の物質交換を制限する機構)を突破しやすく変化します。
つまり、消化器から吸収され血中に出ると、脳にまで届いてしまうという、ややこしい性質を持ってます。
そして、いったん脳に侵入すると、ドウモイ酸は脳内のイオンチャネル型グルタミン酸受容体に結合し、離れなくなります。
ま、ちょっと専門的すぎて分かりにくいでしょうが、まぁアレルギー物質が、鍵穴に入りこむようなイメージを持ってもらえたら分かりやすいかと…
で、そのまま結合しちゃって、悪影響を起こしまくるという寸法です。
その結果、神経細胞が死に、海馬、視床、扁桃体細胞に壊死が起こります。
海馬は特に人間の記憶に関わる根幹部分なので、その部分が死ぬということは本から目次とページ数が失われてしまうようなもので、情報の引き出しが困難になることを意味します。それで、極悪な記憶障害とあいなったわけです。
調査の結果、60mg以上で発症、115mg以上で記憶障害、300mg程度で致死量ということが分かりました。
カナダで中毒を起こした貝は、貝の身100g当たり約30mg〜150mgという高濃度のもので、2、3個食べただけで致死量に達するものだったようなんですねぇ。
これって、結構な恐怖でしょ?
まず、ドウモイ酸って名前を始めて聞いたし、アミノ酸が人を殺すなんてねぇ…
アミノ酸=身体にいいものって思ってましたから…
では、最後にこのドウモイ酸のうんちくをひとつ…
みなさんは、ヒッチコック監督の映画「鳥」という映画知ってます?
実はあの作品のヒントとなった出来事があるってのをご存知でしょうか?
1961年と、まぁ55年程前のお話ですが、米カリフォルニア州で普段は温厚なハイイロミズナギドリが人間を襲撃した事件があったそうなんですね。
当時、原因はまったく不明でしたが、その後の調査で、ドウモイ酸で毒化したイワシを食べたハイイロミズナギドリが錯乱に陥り、人間を襲ったことが判明したそうなんです。
で、ヒッチコックさんは、この事件をヒントに「鳥」を作ったとそういわれているそうです。
ま、私も生まれる前の話ですからね。
来年は酉年ですんで、最後は鳥で〆てみましたよ。ナンテナ。
ではまた〜
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院
12月14日水曜日でございます。
14日…
もうすぐ折り返し(^^;
でもまだ半分以上あるわけですから、大丈夫大丈夫(笑)
当院では、毎月「弘泉堂通信」ってのを患者さんにお送りしてるんですが、いつもの月なら大体、月初めの週末辺りに届く様に送らせていただいてます。
ですが、今月は明けが新年ってことで、なんとか三が日にお届けしたいと、「年賀」扱いで発送準備をしています。
なので、原稿締め切りがもうすぐで、印刷にかけて上がってきたものを折ったり、封筒に詰めたり住所ラベルを貼ったりって作業を27、28日までに済まさないといけません。
当然、通常診療の合間を縫ってって事ですから、そりゃ〜それなりに忙しいです。
でもまだ半分あるから…(笑)
ってことで、今日は、そんな忙しさを文字通り忘れちゃうお話。
世の中には、食べると記憶が消える貝があるんですって。
貝1つ食べたら記憶障害を起こし、、2つ食べたら死亡する…
そんな貝毒「ドウモイ酸」てのを紹介しようかい(笑)
毒の作用っていうのは、色々ありまして作用部位は三者三様、百人百様、千差万別。
即死から死なないけれど自殺したくなるような苦痛を与えるものまで様々です。そんな中でも今回の毒はとびっきりの変わり者といえます。
作用部位は脳。主な毒性は記憶消去ってしろものですから、こりゃ〜恐ろしい。
事が起こったのは、カナダのプリンスエドワード島って所だそうで、ムール貝の近縁種である10センチほどの食用の貝、ムラサキイガイを食べた人に中毒が発生する事件がありました。
中毒者は153人、うち重症19名、3人が死亡と報じられています。
その中毒の内容が極めて異質なもので、食後3〜6時間で腹痛、下痢、嘔吐、流涎(唾液が止まらなくなる)などの海洋性毒素にありがちな中毒症状が出現しました。
で、問題は、その後。中毒者の大半に、凄まじい平衡感覚の消失、天地が逆になったような感覚、さらに病院に見舞いに来た家族の名前を思い出せない上、誰なのかさえ認識できないという記憶障害が多発したと…
様々な記憶がランダムに消失しており、その症例はアルツハイマー型認知症に酷似していたそうなんです。
さらに、食中毒症状が収まっても記憶障害は改善せず、深刻な神経障害が残ったといいますから、これはかなりの毒性と言えるでしょう。
すぐにカナダ保健省が原因を特定するためのチームを発足。数日後、プリンスエドワード島の海域で採取されたムラサキイガイが食中毒者を出したレストランで提供されたものであることが判明しました。
毒素の名前は、ドウモイ酸というアミノ酸の一種(厳密にはイミノ酸という特殊なアミノ酸)。
赤潮の原因になることもある有毒珪藻(けいそう)や藍藻(らんそう)が作る毒素で、それらの有毒プランクトンを貝類が海水を濾しとって食べることから、ドウモイ酸が身の中に蓄積、毒化したものだったと…
ドウモイ酸は、アミノ酸ですが、特定環境で何故か水に溶けにくくなり血液脳関門(血液と脳脊髄液との間の物質交換を制限する機構)を突破しやすく変化します。
つまり、消化器から吸収され血中に出ると、脳にまで届いてしまうという、ややこしい性質を持ってます。
そして、いったん脳に侵入すると、ドウモイ酸は脳内のイオンチャネル型グルタミン酸受容体に結合し、離れなくなります。
ま、ちょっと専門的すぎて分かりにくいでしょうが、まぁアレルギー物質が、鍵穴に入りこむようなイメージを持ってもらえたら分かりやすいかと…
で、そのまま結合しちゃって、悪影響を起こしまくるという寸法です。
その結果、神経細胞が死に、海馬、視床、扁桃体細胞に壊死が起こります。
海馬は特に人間の記憶に関わる根幹部分なので、その部分が死ぬということは本から目次とページ数が失われてしまうようなもので、情報の引き出しが困難になることを意味します。それで、極悪な記憶障害とあいなったわけです。
調査の結果、60mg以上で発症、115mg以上で記憶障害、300mg程度で致死量ということが分かりました。
カナダで中毒を起こした貝は、貝の身100g当たり約30mg〜150mgという高濃度のもので、2、3個食べただけで致死量に達するものだったようなんですねぇ。
これって、結構な恐怖でしょ?
まず、ドウモイ酸って名前を始めて聞いたし、アミノ酸が人を殺すなんてねぇ…
アミノ酸=身体にいいものって思ってましたから…
では、最後にこのドウモイ酸のうんちくをひとつ…
みなさんは、ヒッチコック監督の映画「鳥」という映画知ってます?
実はあの作品のヒントとなった出来事があるってのをご存知でしょうか?
1961年と、まぁ55年程前のお話ですが、米カリフォルニア州で普段は温厚なハイイロミズナギドリが人間を襲撃した事件があったそうなんですね。
当時、原因はまったく不明でしたが、その後の調査で、ドウモイ酸で毒化したイワシを食べたハイイロミズナギドリが錯乱に陥り、人間を襲ったことが判明したそうなんです。
で、ヒッチコックさんは、この事件をヒントに「鳥」を作ったとそういわれているそうです。
ま、私も生まれる前の話ですからね。
来年は酉年ですんで、最後は鳥で〆てみましたよ。ナンテナ。
ではまた〜
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院