2016年08月18日 [からだのこと]
体内時計と睡眠ホメオスタット
お疲れ様です。院長です。
8月18日木曜日。
さぁ、もっとも過酷な木曜日の始まりです。
ここ2週間ほど、オリンピック中継で何となく眠りのサイクルが狂ってるって方、結構いらっしゃるんじゃないですか?
そんな、夜型人間たちに朗報と言えるかもしれない、眠りのメカニズムについてのお話をひとつ…
眠りの謎の解明にまた一歩近づきました。
眠る時間と起きる時間を告げる脳の「スイッチ」が特定されたんだそうです。
あまり知られていないかもしれませんが、眠りは2つのシステムによって制御されていると言われています。
日々の環境の変化に反応する体内時計と睡眠ホメオスタットとよばれるもので、後者についてはほとんどわかっていないのが現状なんです。
体内時計は昼と夜のような予測できる変化に反応し、人が適切な時間に眠れるよう促すためのシステムですが、これはそもそも眠りが必要になる理由については説明出来ていません。
睡眠ホメオスタットは何かを測っているそうなんですが、それが何かはまだ明らかにされていません。
私たちが目覚めているときに脳内で起きている「何か」なんですが、その何かが一定の基準に達すると私たちは眠りにつくという事のようなんです。
そして眠りによってリセットされ、また目が覚めたときに新しいサイクルが始まるというわけです。
現在、研究されているのが、ミバエというハエの脳内にある睡眠ホメオスタットだそうで、このハエの仲間は45年前に体内時計について大発見がなされた際にも利用されていたものなんだそうですよ。
って、なんでハエ…(;´Д`)
哺乳類の脳には、ある細胞グループがありこれはハエで研究している眠りを促す細胞と似た性質を持っています。
また、こうした細胞は眠っている間に電気的に活発な状態にあるのですが、その活動は一般的な麻酔薬によって刺激することができるということなんですね。
ちょっと変な気がしますが、眠ってる間に活発な状態にあって、これを麻酔は刺激するから、眠っちゃうって訳ですよね。
つまり、こうした脳細胞は、睡眠ホメオスタットの出力を伝達します。もしそれが電気的に活性化されているならハエは眠り、不活性ならば起きるということのようです。
光遺伝学という技法を用いたもので、光のパルスで脳細胞活動のオンオフを切り替え、これによって、コカインのような神経刺激薬を服用した人において上昇が見られる神経伝達物質ドーパミンの産生を刺激するわけですね。
この効果はハエにおいても同様で、研究チームは、ドーパミン濃度を増加させることでハエの睡眠スイッチを切り替え、睡眠を制御する脳細胞を沈静化させ、ハエを覚醒させることに成功したそうです。
ちょっと難しい表現になってますが、要するに眠りに入るためのスイッチと抑制するスイッチ、これを光のパルスで脳細胞活動を切り替えちゃうって話。
発見されたイオンチャネル(脳細胞が伝達する電気インパルスを制御する蛋白質)は「睡魔」と命名されました。
仮にこうした細胞が睡魔メカニズムを使用して活性化と不活性化状態の切り替えを行っており、なおかつ仮に睡魔を細胞内で選択的に阻害することができるなら、睡眠薬の強力な新原理を手にしたことになるわけなんですよね。
この装置はサーモスタットに例えることができます。冷たくなったときに加熱して、熱くなったら過熱を弱める…
ですが、この睡眠ホメオスタットの場合、計測するのは睡眠の必要性で、これが一定に達すると眠りを引き起こすと…
では一体、睡眠ホメオスタットが計測しているものは何なのだろうか?
いくつかの仮説によれば、それは脳のエネルギー残量か代謝老廃物の蓄積ではないかと考えられてます。
もしくは、脳細胞間の情報貯蔵量に対する反応だという説もあるにはありますが…
つまり、この「何を計測しているのか?」は分かっていないんです。
これが解明されれば、余計な事はせずとも、その計測値が上がれば眠りにつくし、下がれば目覚める(気持ちよくというか、自然にね)というわけです。
あくまで、この「何を」が分からなければ、人工的にスイッチをオンオフすることがはたして良い事か悪い事かも分かりませんが、人類は難解な脳のメカニズムを解き明かす一歩を踏み出したと言えるでしょう。
ていうか、眠れないって言っても、眠りたくても眠れないんじゃなくて、眠る時間が無くて眠れない人の方が多い気はしますけどね…
というわけで、今日を乗り切り、一刻も早く眠りにつきたいと思います。
ではまた〜
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院
8月18日木曜日。
さぁ、もっとも過酷な木曜日の始まりです。
ここ2週間ほど、オリンピック中継で何となく眠りのサイクルが狂ってるって方、結構いらっしゃるんじゃないですか?
そんな、夜型人間たちに朗報と言えるかもしれない、眠りのメカニズムについてのお話をひとつ…
眠りの謎の解明にまた一歩近づきました。
眠る時間と起きる時間を告げる脳の「スイッチ」が特定されたんだそうです。
あまり知られていないかもしれませんが、眠りは2つのシステムによって制御されていると言われています。
日々の環境の変化に反応する体内時計と睡眠ホメオスタットとよばれるもので、後者についてはほとんどわかっていないのが現状なんです。
体内時計は昼と夜のような予測できる変化に反応し、人が適切な時間に眠れるよう促すためのシステムですが、これはそもそも眠りが必要になる理由については説明出来ていません。
睡眠ホメオスタットは何かを測っているそうなんですが、それが何かはまだ明らかにされていません。
私たちが目覚めているときに脳内で起きている「何か」なんですが、その何かが一定の基準に達すると私たちは眠りにつくという事のようなんです。
そして眠りによってリセットされ、また目が覚めたときに新しいサイクルが始まるというわけです。
現在、研究されているのが、ミバエというハエの脳内にある睡眠ホメオスタットだそうで、このハエの仲間は45年前に体内時計について大発見がなされた際にも利用されていたものなんだそうですよ。
って、なんでハエ…(;´Д`)
哺乳類の脳には、ある細胞グループがありこれはハエで研究している眠りを促す細胞と似た性質を持っています。
また、こうした細胞は眠っている間に電気的に活発な状態にあるのですが、その活動は一般的な麻酔薬によって刺激することができるということなんですね。
ちょっと変な気がしますが、眠ってる間に活発な状態にあって、これを麻酔は刺激するから、眠っちゃうって訳ですよね。
つまり、こうした脳細胞は、睡眠ホメオスタットの出力を伝達します。もしそれが電気的に活性化されているならハエは眠り、不活性ならば起きるということのようです。
光遺伝学という技法を用いたもので、光のパルスで脳細胞活動のオンオフを切り替え、これによって、コカインのような神経刺激薬を服用した人において上昇が見られる神経伝達物質ドーパミンの産生を刺激するわけですね。
この効果はハエにおいても同様で、研究チームは、ドーパミン濃度を増加させることでハエの睡眠スイッチを切り替え、睡眠を制御する脳細胞を沈静化させ、ハエを覚醒させることに成功したそうです。
ちょっと難しい表現になってますが、要するに眠りに入るためのスイッチと抑制するスイッチ、これを光のパルスで脳細胞活動を切り替えちゃうって話。
発見されたイオンチャネル(脳細胞が伝達する電気インパルスを制御する蛋白質)は「睡魔」と命名されました。
仮にこうした細胞が睡魔メカニズムを使用して活性化と不活性化状態の切り替えを行っており、なおかつ仮に睡魔を細胞内で選択的に阻害することができるなら、睡眠薬の強力な新原理を手にしたことになるわけなんですよね。
この装置はサーモスタットに例えることができます。冷たくなったときに加熱して、熱くなったら過熱を弱める…
ですが、この睡眠ホメオスタットの場合、計測するのは睡眠の必要性で、これが一定に達すると眠りを引き起こすと…
では一体、睡眠ホメオスタットが計測しているものは何なのだろうか?
いくつかの仮説によれば、それは脳のエネルギー残量か代謝老廃物の蓄積ではないかと考えられてます。
もしくは、脳細胞間の情報貯蔵量に対する反応だという説もあるにはありますが…
つまり、この「何を計測しているのか?」は分かっていないんです。
これが解明されれば、余計な事はせずとも、その計測値が上がれば眠りにつくし、下がれば目覚める(気持ちよくというか、自然にね)というわけです。
あくまで、この「何を」が分からなければ、人工的にスイッチをオンオフすることがはたして良い事か悪い事かも分かりませんが、人類は難解な脳のメカニズムを解き明かす一歩を踏み出したと言えるでしょう。
ていうか、眠れないって言っても、眠りたくても眠れないんじゃなくて、眠る時間が無くて眠れない人の方が多い気はしますけどね…
というわけで、今日を乗り切り、一刻も早く眠りにつきたいと思います。
ではまた〜
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院