弘泉堂ブログ
弘泉堂鍼灸接骨院
その痛み…治せます!
ブログ
2020年06月26日 [からだのこと]

コールドスリープ3

お疲れ様です。院長です。

6月26日の金曜日でございます。

6月もいよいよ終盤、支払い週間が近付いてきましたよ。

世間では、何とか日常を取り戻しつつありますが、まだ完全に戻ってきてはないですねぇ…。

今月も、やはり少々暇でしたなぁ(笑)

まぁ、梅雨って事もありますし、徐々に戻ってくれたらいいんですが、もう少し時間がかかりそうですね。

梅雨の次は夏ですし、まぁ、のんびりいきましょう。

ってことで、これから暑いだけなんで、少し涼しくなるようなネタでも一つ、いってみましょう。

みなんさんは、コールドスリープって言葉、聞いたことありますか?

このブログでも、何回か登場しておるワードですが、簡単に言うと、コールドスリープとは、宇宙船での惑星間移動などにおいて、人体を低温状態に保ち、目的地に着くまでの時間経過による搭乗員の老化を防ぐ装置、もしくは同装置による睡眠状態を指す和製英語です。

ま、実現可能かどうかは別として、移動以外にも、肉体の状態を保ったまま未来へ行く一方通行のタイムトラベルの手段としても用いられます。

このコールドスリープ、今のところSF映画の中だけのお話しですが、自然界へ目を向ければ、冬眠して代謝を抑えることができる動物は結構たくさんいます。

このほど、2つの別個の研究によって、特定の神経細胞を活性化することでマウスを冬眠に似た状態にできることが実証されたそうです。

この成功は、人間でも同じことができる可能性をほのめかしていると言いますから、ちょっと面白そうですな。

冬眠とは、簡単にいえば、代謝も体温も大幅に低下してしまうほどの深い眠りのことで、たとえば、リスの普段の体温は37度程度ですが、冬眠中は外気と同じ程度まで下がるそうです

つまり、0度近くにまで体温を下げてしまうんです。

さらに心拍や呼吸もゆっくりになり、まさしく仮死状態ですね。

冬眠をする動物は、それによって代謝機能を大きく低下させ、その代わりに何も食べないでも長期間生きていられるようになります。

エサの少ない厳しい冬を乗り越えるためには、とても大切なメカニズムなわけです。

ですが、実際には狭義の冬眠をすることができる動物はかなり少なく、ほんの数種類の哺乳類と1種の鳥類(プアーウィル)だけといわれています。

というのも、ほとんどの哺乳類がやっているのは、「冬眠」ではなく「休眠」なんですね。

では、休眠とはって事ですが、これは軽い冬眠のような状態で、本当の意味での冬眠の場合、動物は特に気温や環境の変化などがなくても自分の意思でそれを行うことができます。

ところが休眠は、冬眠と同じく、体温・呼吸・心拍・代謝の低下が起きるものの、動物の意思とは関係なしに特定の環境条件によって引き起こされるものなんですな。

また冬眠と違って、短い期間しか続きません。

それは動物の食事パターンにもよりますが、1日あるいは1晩といったごく短いものもある位です。

今回の筑波大学とハーバード大学による2つの研究では、休眠が起こる脳内のメカニズムだけでなく、特定の神経細胞を刺激することでそれを引き起こせることが明らかにされました。

筑波大学の研究チームの研究では、マウスの遺伝子を改変することで、光で照らすだけで視床下部の神経細胞(Q神経)を活性化できるようにしました。

Q神経を活性化させると、マウスの体温は10度以上下がり、脈拍・代謝・呼吸も大きく低下したとのことです。

マウスはこの休眠状態に48時間以上耐えることができ、目が覚めれば普段と同じように活動することができたそうです。

休眠後であっても、はっきり確認できるような問題は特に生じませんでした。

こうした実験によって、休眠に関係している神経回路のマップ化にも成功したとのことで、将来的には、人間を含め、他の動物でも同じように休眠を作り出すことができるかもしれないと…。

もう1つのハーバード大学医学大学院の研究でも、同じような結論に達しています。

こちらではマウスの遺伝子を改変するのではなく、視床下部内の各領域に少量のウイルスを注入するという実験が行われました。

その結果、「avMLPA」という領域の神経細胞を活性化させると休眠状態になることが判明したそうです。

同じ視床下部であっても、他の領域を活性化させたところで意味はなかったそうです。

将来的に人体で人工休眠状態を作り出すことができれば、さまざまな分野での応用が考えられます。

まず筆頭に上がるのは医療目的ですね。

たとえば、心臓発作や脳卒中を引き起こした患者の救助や、移植用臓器の保存などに利用することができます。

もちろん、長期間の宇宙旅行を実現する上でも必須の技術になるはずですし、現在の宇宙航行技術では、太陽から一番近い恒星であるプロキシマ・ケンタウリ(4.24光年の距離)ですら、そこに行くまでには1000〜8万1000年かかるとされています。

このような恒星間移動を実現するには、そもそも移動時間を劇的に短縮しなければならないのはもちろんですが、それに加えて、クルーをSF映画的にコールドスリープさせることも必要になってくるでしょう。

まぁ、ここまでの技術が確立されるまでには、まだまだ時間はかかるでしょうけど、その第一歩は確実に踏み出されたと思います。

冬眠…

一回、やってみたいね(笑)

ではまた〜。





京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院


  • Facebook
  • Twitter
  • はてなブックマーク

PageTop