2020年04月03日 [動物のこと]
アニサキスパニック。
お疲れ様です。院長です。
4月3日の金曜日でございます。
やはり4月に入り、グッと春感増しましたね。
ところどころ、桜の咲いてる木もありますし今年は散るのも早そうですな。
来週あたりから入学式って学校も多いかと思いますが、まぁ、中止になるのも思い出だしね。
相変らず、コロナ感染者はジリジリ増えてますし何となく落ち着かない春ですけどね。
例年なら、この時期は花見客で京都の街はごった返してます。
車も多いですし、電車もやたら混んでるんですが、今年はほんとに静かです。
わたくし院長も、まぁこの時期は宴会とかはしませんが、地元の方に花見に行きます。
毎年、ほんの数分足を止めて眺めるだけですが、十分花見を楽しめます。
今年はある意味、人の少ない花見を楽しめるんじゃないでしょうか。
ま、不謹慎ですけどね(笑)
そんな春の日、今日も元気にネタに突入していきましょう。
今日のネタは我々日本人にはなじみの深い寄生虫のお話しです。
みなさんは「アニサキス」って寄生虫、ご存知ですか?
これは、白くてちょっと太い糸のような寄生虫で、その幼虫は、サバ、アジ、サンマ、カツオ、イワシ、サケ、イカなどの魚介類に寄生しています。
寄生している魚介類が死亡し、時間が経過すると内臓から筋肉に移動します。
この虫が寄生している魚介類を生で食べると、その幼虫が胃壁や腸壁に刺入してアニサキス症(食中毒)を引き起こすんですね。
最近じゃ、芸能人にもこの食中毒に罹った人がいたりして、ちょっと話題になっていましたよね。
で、今日のお話しは、このアニサキスが1970年代以降、世界で283倍にも増加していたことがわかったそうなんです。
寄生虫の増加とか、考えただけで恐ろしいですが、このアニサキスの食中毒は、多くは「急性胃アニサキス症」と呼ばれるもので、食後数時間後から十数時間後に、みぞおちの激しい痛み、悪心、嘔吐を生じます。
「急性腸アニサキス症」の場合は、食後十数時間後から数日後に、激しい下腹部痛、腹膜炎症状を生じるものです。
生で魚介類を食べた後、激しい腹痛が出た場合は、アニサキスによる食中毒を疑ってみるのが賢明かもしれません。
ワシントン大学の研究グループは、これまでに発表された123本の研究を分析し、53年間(1962〜2015年)の間にアニサキスが驚くほど増加していることを突き止めました。
かつて宿主100匹あたりアニサキス1匹未満だった寄生率が、現在では捕獲された宿主のほぼすべてに1匹以上のアニサキスが寄生している計算になるわけです。
生魚を食べる習慣がある日本人は、アニサキスの感染リスクが比較的高いわけです。
お刺身やお寿司が大好物という人にとっては特に気になる話ですよね。
水産業界ですらこうした寄生虫の増加にほとんど気がついていない状況で、一般の消費者がそれに感染するリスクが上がっているというわけではないとのことのようですが…。
とは言え、日本では頻繁に芸能人がアニサキス症になったと報じられているので気になるところではありますわな。
ただし、その最終宿主とされるクジラやイルカといった海生哺乳類についても大丈夫と言えるかどうかは分からないそうです。
仮に今回明らかになった数字が正しいのだとすれば、クジラ目の生物は50年前に比べてアニサキスに寄生されるリスクがずっと大きくなっているわけです。
寄生虫のせいで海生哺乳類の個体数が回復しないとはあまり考えられていないそうですが、絶滅危惧種の回復を阻害する可能性についてもっと研究を進めるべきだと、進言する専門家もいるようです。
ま、これも可能性ですが283倍確率が上がってるという事は、我々日本人がアニサキス症に罹る確率も283倍になってるでしょう。
ですが、我々の場合、生の魚を毎日食べてるわけでもないですが、海洋生物は基本、毎日生の魚を丸呑みしてますからねぇ…。
彼らがアニサキスに罹る確率は、我々の比ではないと考えるのも自然と言えるかもしれません。
ではこのアニサキス、なぜ激増したのでしょうか?
これについて正確な理由はまだわかっていないんだと。
一説には、海生哺乳類の保全状況が改善したことと関係している可能性があるかもしれないという話もあります。
ま、全て憶測なんですが、専門家の考える事ですから全くのでたらめってこともないでしょう。
というのも、調査された期間が、1972年の海洋哺乳類保護法や80年代の商業捕鯨モラトリアムなど、いくつもの保護規制が施行された時期とぴったり一致しているからなんだそうです。
ですが奇妙なことに、あらゆる海生哺乳類で寄生虫が増加しているわけではないんですね。
たとえば魚やアシカなどに寄生する「シュードテラノーバ」って寄生虫は、アニサキスのような変化が確認されていません。
アシカなどの個体数が増えている一方、クジラはそうでないことから、研究チームは、今回の研究結果と反対の結果になるだろうと予測していたそうなんですよ。
こうしたことを踏まえると、アニサキスが増加しているのは、そのライフサイクルの中で寄生しなければならない宿主の数が少ないことや、クジラやアシカの適応度と関係があるかもしれないそうです。
まぁ、全て憶測の域を出ないんですが、どちらにせよ、自然本来の姿がどのようなものか分からないために、寄生虫の増加が海洋生態系が健全になった証なのか、それとも絶滅危惧種や脆弱な種にとっての新しい脅威なのか判断できないでしょう。
が、少なくともここ最近の歴史を調べた結果からは、我々人類が海を劇的に変化させてしまったことは分かっています。
だとすれば次のような疑問が浮かんできますよね。
はたしてアニサキスの増加は、漁業・汚染・温暖化といった人間が引き起こした諸々の事象の影響によるものなのかどうか…
それとも宿主である海生哺乳類の個体数が回復したことによるものなのか…
今のところ、これに対するはっきりとした答えはありません。
まずは、研究論文で述べられているように、これは数百万といる寄生虫の中のたった2種のみについての結果でしかありません。
こうした傾向が今後もずっと続くのかどうかもわかりませんし、そのため、また別の分析を行うなどして、さらに研究を進めるべきでしょう。
なにしろ、アニサキスのような比較的知られた寄生虫ですら長期的なデータが存在しないんです。
それらの過去や今後について分からなければ、人や動物への影響も予測のしようがないわけです。
だが今の時点では、人間に対するその影響は軽微なもので、お刺身やお寿司を断念しなければならないというわけではなさそうです。
厚生労働省のホームページによると、心配な人は、魚を購入するなら新鮮な魚を選んだほうが良いと…。
丸ごと1匹で購入した場合は、速やかに内臓を取り除き、内臓は生で食べないようにするべきだそうです。
また、アニサキスの幼虫は、目視でも確認できます。
白っぽい糸状のものがあったらもったいないですが、食べるのはやめましょう。
更に食中毒を防ぐには、冷凍(-20℃で24時間以上冷凍する)や 加熱(70℃以上、または60℃なら1分加熱)を必ず行うことですね。
数が増えてる以上、それに遭遇する可能性も当然増えてるわけですし、注意するに越したことはないですわな。
これから梅雨〜夏はそれでなくても食中毒の季節ですから、しっかり覚えておいて下さいね。
ではまた〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院
4月3日の金曜日でございます。
やはり4月に入り、グッと春感増しましたね。
ところどころ、桜の咲いてる木もありますし今年は散るのも早そうですな。
来週あたりから入学式って学校も多いかと思いますが、まぁ、中止になるのも思い出だしね。
相変らず、コロナ感染者はジリジリ増えてますし何となく落ち着かない春ですけどね。
例年なら、この時期は花見客で京都の街はごった返してます。
車も多いですし、電車もやたら混んでるんですが、今年はほんとに静かです。
わたくし院長も、まぁこの時期は宴会とかはしませんが、地元の方に花見に行きます。
毎年、ほんの数分足を止めて眺めるだけですが、十分花見を楽しめます。
今年はある意味、人の少ない花見を楽しめるんじゃないでしょうか。
ま、不謹慎ですけどね(笑)
そんな春の日、今日も元気にネタに突入していきましょう。
今日のネタは我々日本人にはなじみの深い寄生虫のお話しです。
みなさんは「アニサキス」って寄生虫、ご存知ですか?
これは、白くてちょっと太い糸のような寄生虫で、その幼虫は、サバ、アジ、サンマ、カツオ、イワシ、サケ、イカなどの魚介類に寄生しています。
寄生している魚介類が死亡し、時間が経過すると内臓から筋肉に移動します。
この虫が寄生している魚介類を生で食べると、その幼虫が胃壁や腸壁に刺入してアニサキス症(食中毒)を引き起こすんですね。
最近じゃ、芸能人にもこの食中毒に罹った人がいたりして、ちょっと話題になっていましたよね。
で、今日のお話しは、このアニサキスが1970年代以降、世界で283倍にも増加していたことがわかったそうなんです。
寄生虫の増加とか、考えただけで恐ろしいですが、このアニサキスの食中毒は、多くは「急性胃アニサキス症」と呼ばれるもので、食後数時間後から十数時間後に、みぞおちの激しい痛み、悪心、嘔吐を生じます。
「急性腸アニサキス症」の場合は、食後十数時間後から数日後に、激しい下腹部痛、腹膜炎症状を生じるものです。
生で魚介類を食べた後、激しい腹痛が出た場合は、アニサキスによる食中毒を疑ってみるのが賢明かもしれません。
ワシントン大学の研究グループは、これまでに発表された123本の研究を分析し、53年間(1962〜2015年)の間にアニサキスが驚くほど増加していることを突き止めました。
かつて宿主100匹あたりアニサキス1匹未満だった寄生率が、現在では捕獲された宿主のほぼすべてに1匹以上のアニサキスが寄生している計算になるわけです。
生魚を食べる習慣がある日本人は、アニサキスの感染リスクが比較的高いわけです。
お刺身やお寿司が大好物という人にとっては特に気になる話ですよね。
水産業界ですらこうした寄生虫の増加にほとんど気がついていない状況で、一般の消費者がそれに感染するリスクが上がっているというわけではないとのことのようですが…。
とは言え、日本では頻繁に芸能人がアニサキス症になったと報じられているので気になるところではありますわな。
ただし、その最終宿主とされるクジラやイルカといった海生哺乳類についても大丈夫と言えるかどうかは分からないそうです。
仮に今回明らかになった数字が正しいのだとすれば、クジラ目の生物は50年前に比べてアニサキスに寄生されるリスクがずっと大きくなっているわけです。
寄生虫のせいで海生哺乳類の個体数が回復しないとはあまり考えられていないそうですが、絶滅危惧種の回復を阻害する可能性についてもっと研究を進めるべきだと、進言する専門家もいるようです。
ま、これも可能性ですが283倍確率が上がってるという事は、我々日本人がアニサキス症に罹る確率も283倍になってるでしょう。
ですが、我々の場合、生の魚を毎日食べてるわけでもないですが、海洋生物は基本、毎日生の魚を丸呑みしてますからねぇ…。
彼らがアニサキスに罹る確率は、我々の比ではないと考えるのも自然と言えるかもしれません。
ではこのアニサキス、なぜ激増したのでしょうか?
これについて正確な理由はまだわかっていないんだと。
一説には、海生哺乳類の保全状況が改善したことと関係している可能性があるかもしれないという話もあります。
ま、全て憶測なんですが、専門家の考える事ですから全くのでたらめってこともないでしょう。
というのも、調査された期間が、1972年の海洋哺乳類保護法や80年代の商業捕鯨モラトリアムなど、いくつもの保護規制が施行された時期とぴったり一致しているからなんだそうです。
ですが奇妙なことに、あらゆる海生哺乳類で寄生虫が増加しているわけではないんですね。
たとえば魚やアシカなどに寄生する「シュードテラノーバ」って寄生虫は、アニサキスのような変化が確認されていません。
アシカなどの個体数が増えている一方、クジラはそうでないことから、研究チームは、今回の研究結果と反対の結果になるだろうと予測していたそうなんですよ。
こうしたことを踏まえると、アニサキスが増加しているのは、そのライフサイクルの中で寄生しなければならない宿主の数が少ないことや、クジラやアシカの適応度と関係があるかもしれないそうです。
まぁ、全て憶測の域を出ないんですが、どちらにせよ、自然本来の姿がどのようなものか分からないために、寄生虫の増加が海洋生態系が健全になった証なのか、それとも絶滅危惧種や脆弱な種にとっての新しい脅威なのか判断できないでしょう。
が、少なくともここ最近の歴史を調べた結果からは、我々人類が海を劇的に変化させてしまったことは分かっています。
だとすれば次のような疑問が浮かんできますよね。
はたしてアニサキスの増加は、漁業・汚染・温暖化といった人間が引き起こした諸々の事象の影響によるものなのかどうか…
それとも宿主である海生哺乳類の個体数が回復したことによるものなのか…
今のところ、これに対するはっきりとした答えはありません。
まずは、研究論文で述べられているように、これは数百万といる寄生虫の中のたった2種のみについての結果でしかありません。
こうした傾向が今後もずっと続くのかどうかもわかりませんし、そのため、また別の分析を行うなどして、さらに研究を進めるべきでしょう。
なにしろ、アニサキスのような比較的知られた寄生虫ですら長期的なデータが存在しないんです。
それらの過去や今後について分からなければ、人や動物への影響も予測のしようがないわけです。
だが今の時点では、人間に対するその影響は軽微なもので、お刺身やお寿司を断念しなければならないというわけではなさそうです。
厚生労働省のホームページによると、心配な人は、魚を購入するなら新鮮な魚を選んだほうが良いと…。
丸ごと1匹で購入した場合は、速やかに内臓を取り除き、内臓は生で食べないようにするべきだそうです。
また、アニサキスの幼虫は、目視でも確認できます。
白っぽい糸状のものがあったらもったいないですが、食べるのはやめましょう。
更に食中毒を防ぐには、冷凍(-20℃で24時間以上冷凍する)や 加熱(70℃以上、または60℃なら1分加熱)を必ず行うことですね。
数が増えてる以上、それに遭遇する可能性も当然増えてるわけですし、注意するに越したことはないですわな。
これから梅雨〜夏はそれでなくても食中毒の季節ですから、しっかり覚えておいて下さいね。
ではまた〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院