(48)サンデーイルネス(仮)前立腺がんについて
2018年01月28日 [からだのこと]
お疲れ様です。院長です。
1月28日のサンデーイルネスでございます。
早いもので、1月も最後のイルネス辞典となりました。
毎日寒いですねぇ…。
後数週間は、極寒ですから特に気をつけていただかないと、外でなんか寝ちゃった日にゃ、凍死することうけあいですよ(笑)
まぁ、この寒空の下、外で寝ちゃう奴はおらんと思いますが、まぁ酔っぱらって道で寝ちゃうってのはよくあることですからねぇ…
てなことはいいとして、今週は先週からの流れで「前立腺がん」を解説していきたいと思います。
前立腺がんは、欧米では男性がん死亡例の約20%(肺がんに次いで第2位)を占める頻度の高いがんですが、日本では約4.8%(2004年)と比較的頻度の少ないがんといえるかもしれません。
日本人男性が1年間に前立腺がんと診断される人数は、人口10万人あたり28.6人(年齢調整罹患率、2004年)で、胃がん、肺がん、結腸がんに次いで4番目、男性がん全体の12%を占めています。
年齢別では、45歳以下ではまれですが、50歳以後その頻度は増え、70代では10万人あたり約200人、80歳以上では300人以上になります。
つまり、前立腺がんは高齢者のがんであるといえるでしょう。
今後日本では、食事の欧米化、高齢人口の増加、腫瘍(しゅよう)マーカーであるPSA(前立腺特異抗原(ぜんりつせんとくいこうげん))検査の普及に伴い、前立腺がんの患者は急速に増加し、近い将来、胃がんを抜いて肺がん、大腸がんに次ぐ3番目に多いがんになると予想されています。
まぁ、欧米では第2位ってことで、日本は基本、欧米の後を追う形をとりますから、これから増えていくであろう事は想像つきますね。
では、解説に入りますが、まず前立腺がんの原因はなんでしょう?
実は、前立腺がんの原因は、遺伝子の異常と考えられており、加齢と男性ホルモンの存在が影響しますが、いまだ明確ではないんですね。
そのため、効果的な予防法も明らかではないときてますから、これはこれで手の打ちようがないわけですわ。
欧米での報告によると、肉やミルクなど脂肪分が多く含まれている食事を多く摂取することにより、前立腺がんの発生が増えると考えられています。
一方、穀類や豆類など繊維を多く含む食事はがんの発生を抑える効果があると考えられています。
ハワイや米国東海岸在住の日系人は日本人と米国人の中間の発生率であり、食事の欧米化が原因とする考えの根拠のひとつになっているわけですね。
喫煙との関係を指摘する報告もありますが、これはもうどんながんにも因果関係を含められると言っても過言じゃないでしょう(笑)
前立腺がんは、遺伝の要素が強いがんのひとつと考えられているため、前立腺がんと診断された親族がいる場合、早め(40歳〜)にPSA検査を受けるのが賢明かと思われます。
では、そんな予防法のない、前立腺がんですが、症状としてはどうなんでしょうか…
前立腺がんは前立腺の外腺の腺上皮から発生する率が高く、初期にはほとんど症状がありません。
がんが大きくなって尿道が圧迫されると、尿が出にくい、尿の回数が多い、排尿後に尿が残った感じがする、夜間の尿の回数が多いなど、先週やった、「前立腺肥大症」と同じ症状が現れます。
がんが尿道または膀胱に広がると、排尿の時の痛み、尿もれや肉眼でわかる血尿が認められ、さらに大きくなると尿が出なくなります(尿閉)。
精嚢腺(せいのうせん)に広がると、精液が赤くなることがあります。
さらにがんが進行すると、リンパ節や骨(脊椎や骨盤骨)に転移します。
リンパ節に転移すると下肢のむくみ、骨に転移すると痛みや下半身麻痺を起こすことがあります。
こんな意外とやっかいな前立腺がんですが、早期では症状がないので、PSA検査で早めに診断することが大切です。
PSA検査は血液検査だけの簡単な検査法ですから、とにかく受けておくに越したことはありません。
そのほか、直腸診という検査もありますが、前立腺がんは硬いしこりとして前立腺内に触れ、経直腸超音波診断では前立腺の変形、低エコー領域として認められます。
最近は前立腺がんの早期発見の目的で、MRI検査、PET/CT検査も行われています。
これらの検査により前立腺がんが疑われたら、麻酔下に経直腸超音波検査で位置を確認しながら、前立腺の10カ所以上を針生検によって組織を採取し、がんの組織診断を行います。
組織診断では、悪性度と進展度を調べます。
前立腺がんの周囲への進み具合は、経直腸超音波検査、骨盤部のMRIによって調べます。
全身のリンパ節転移は全身CT検査、PET/CT検査で、全身の骨転移については骨シンチグラフィが有用とされています。
と言うように色々な検査があるわけですが、早い段階では、前立腺肥大症と前立腺がんに症状の差はありません。
どちらも、血尿や尿が出にくくなるなどの症状が現れます。
前立腺肥大症ではどんなに進んでも、骨の痛み、下肢のむくみなどはみられません。
直腸診では、前立腺肥大症は、弾力性のある腫大(はれて大きくなる)した表面が平滑な腫瘤(しゅりゅう)として触れますが、がんでは、硬いしこりを触れます。
PSA値は、前立腺がんのほうが高値を示します。最終的には、前立腺の針生検を行って診断します。
前立腺がんは早期発見例が増加したことと、内分泌療法が有効なため、他のがんと比べると治療成績と予後は比較的よいがんといえます。
5年生存率は、限局がんでは90%以上、局所浸潤がんで70〜80%、進行がんで40〜50%です。
とくに、限局がんでも高分化、中分化がんでは5年生存率は100%近くになります。
というのも、早期に発見出来ての話…。
まずは病気に気付けるかどうかが、全ての鍵となるわけです。
特に、予防法がないとされる前立腺がんですが、やはり高脂肪食、喫煙はとにかく控えた方がよさそうです。
そして、統計的に、繊維質や穀物、豆類を多くとるのもいいとされていますので、まぁこころがけましょう。
そしてなにより、PSA検査を受けましょう。
これは採血だけですから非常に楽ですし、ここでの数値が今後の状態を見ていくのに非常に有用ですから…
50歳を過ぎたら、年に1回PSAと言われてる位ですから、1度も検査したことがないって50代の男性は、これを機会に検査しときましょう。
いかがでしたか?
原因は不明ですが、まぁ見つけられたらそこまで怖い病気でもありません。
とにかくまずは早期に発見でなく、早期に検査すること。
これを覚えておきましょう。
では、来週のイルネス辞典をお楽しみに〜
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院
1月28日のサンデーイルネスでございます。
早いもので、1月も最後のイルネス辞典となりました。
毎日寒いですねぇ…。
後数週間は、極寒ですから特に気をつけていただかないと、外でなんか寝ちゃった日にゃ、凍死することうけあいですよ(笑)
まぁ、この寒空の下、外で寝ちゃう奴はおらんと思いますが、まぁ酔っぱらって道で寝ちゃうってのはよくあることですからねぇ…
てなことはいいとして、今週は先週からの流れで「前立腺がん」を解説していきたいと思います。
前立腺がんは、欧米では男性がん死亡例の約20%(肺がんに次いで第2位)を占める頻度の高いがんですが、日本では約4.8%(2004年)と比較的頻度の少ないがんといえるかもしれません。
日本人男性が1年間に前立腺がんと診断される人数は、人口10万人あたり28.6人(年齢調整罹患率、2004年)で、胃がん、肺がん、結腸がんに次いで4番目、男性がん全体の12%を占めています。
年齢別では、45歳以下ではまれですが、50歳以後その頻度は増え、70代では10万人あたり約200人、80歳以上では300人以上になります。
つまり、前立腺がんは高齢者のがんであるといえるでしょう。
今後日本では、食事の欧米化、高齢人口の増加、腫瘍(しゅよう)マーカーであるPSA(前立腺特異抗原(ぜんりつせんとくいこうげん))検査の普及に伴い、前立腺がんの患者は急速に増加し、近い将来、胃がんを抜いて肺がん、大腸がんに次ぐ3番目に多いがんになると予想されています。
まぁ、欧米では第2位ってことで、日本は基本、欧米の後を追う形をとりますから、これから増えていくであろう事は想像つきますね。
では、解説に入りますが、まず前立腺がんの原因はなんでしょう?
実は、前立腺がんの原因は、遺伝子の異常と考えられており、加齢と男性ホルモンの存在が影響しますが、いまだ明確ではないんですね。
そのため、効果的な予防法も明らかではないときてますから、これはこれで手の打ちようがないわけですわ。
欧米での報告によると、肉やミルクなど脂肪分が多く含まれている食事を多く摂取することにより、前立腺がんの発生が増えると考えられています。
一方、穀類や豆類など繊維を多く含む食事はがんの発生を抑える効果があると考えられています。
ハワイや米国東海岸在住の日系人は日本人と米国人の中間の発生率であり、食事の欧米化が原因とする考えの根拠のひとつになっているわけですね。
喫煙との関係を指摘する報告もありますが、これはもうどんながんにも因果関係を含められると言っても過言じゃないでしょう(笑)
前立腺がんは、遺伝の要素が強いがんのひとつと考えられているため、前立腺がんと診断された親族がいる場合、早め(40歳〜)にPSA検査を受けるのが賢明かと思われます。
では、そんな予防法のない、前立腺がんですが、症状としてはどうなんでしょうか…
前立腺がんは前立腺の外腺の腺上皮から発生する率が高く、初期にはほとんど症状がありません。
がんが大きくなって尿道が圧迫されると、尿が出にくい、尿の回数が多い、排尿後に尿が残った感じがする、夜間の尿の回数が多いなど、先週やった、「前立腺肥大症」と同じ症状が現れます。
がんが尿道または膀胱に広がると、排尿の時の痛み、尿もれや肉眼でわかる血尿が認められ、さらに大きくなると尿が出なくなります(尿閉)。
精嚢腺(せいのうせん)に広がると、精液が赤くなることがあります。
さらにがんが進行すると、リンパ節や骨(脊椎や骨盤骨)に転移します。
リンパ節に転移すると下肢のむくみ、骨に転移すると痛みや下半身麻痺を起こすことがあります。
こんな意外とやっかいな前立腺がんですが、早期では症状がないので、PSA検査で早めに診断することが大切です。
PSA検査は血液検査だけの簡単な検査法ですから、とにかく受けておくに越したことはありません。
そのほか、直腸診という検査もありますが、前立腺がんは硬いしこりとして前立腺内に触れ、経直腸超音波診断では前立腺の変形、低エコー領域として認められます。
最近は前立腺がんの早期発見の目的で、MRI検査、PET/CT検査も行われています。
これらの検査により前立腺がんが疑われたら、麻酔下に経直腸超音波検査で位置を確認しながら、前立腺の10カ所以上を針生検によって組織を採取し、がんの組織診断を行います。
組織診断では、悪性度と進展度を調べます。
前立腺がんの周囲への進み具合は、経直腸超音波検査、骨盤部のMRIによって調べます。
全身のリンパ節転移は全身CT検査、PET/CT検査で、全身の骨転移については骨シンチグラフィが有用とされています。
と言うように色々な検査があるわけですが、早い段階では、前立腺肥大症と前立腺がんに症状の差はありません。
どちらも、血尿や尿が出にくくなるなどの症状が現れます。
前立腺肥大症ではどんなに進んでも、骨の痛み、下肢のむくみなどはみられません。
直腸診では、前立腺肥大症は、弾力性のある腫大(はれて大きくなる)した表面が平滑な腫瘤(しゅりゅう)として触れますが、がんでは、硬いしこりを触れます。
PSA値は、前立腺がんのほうが高値を示します。最終的には、前立腺の針生検を行って診断します。
前立腺がんは早期発見例が増加したことと、内分泌療法が有効なため、他のがんと比べると治療成績と予後は比較的よいがんといえます。
5年生存率は、限局がんでは90%以上、局所浸潤がんで70〜80%、進行がんで40〜50%です。
とくに、限局がんでも高分化、中分化がんでは5年生存率は100%近くになります。
というのも、早期に発見出来ての話…。
まずは病気に気付けるかどうかが、全ての鍵となるわけです。
特に、予防法がないとされる前立腺がんですが、やはり高脂肪食、喫煙はとにかく控えた方がよさそうです。
そして、統計的に、繊維質や穀物、豆類を多くとるのもいいとされていますので、まぁこころがけましょう。
そしてなにより、PSA検査を受けましょう。
これは採血だけですから非常に楽ですし、ここでの数値が今後の状態を見ていくのに非常に有用ですから…
50歳を過ぎたら、年に1回PSAと言われてる位ですから、1度も検査したことがないって50代の男性は、これを機会に検査しときましょう。
いかがでしたか?
原因は不明ですが、まぁ見つけられたらそこまで怖い病気でもありません。
とにかくまずは早期に発見でなく、早期に検査すること。
これを覚えておきましょう。
では、来週のイルネス辞典をお楽しみに〜
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院