コツコツと骨と骨
2018年01月04日 [からだのこと]
お疲れ様です。院長です。
1月4日の木曜日でございます。
本日より、平成30年度の診療開始となりますので…
正月ボケで身体に不調のある方はどうぞご予約下さい(笑)
てことで、今年も始まりました。
まぁ、ブログはずっと書いてるので、新年の挨拶等は終わっておりますが、また今日から新たなスタートですがな。
オシゴトガンバロウ。
頑張る気あるんかい(笑)
あるある(笑)
ってな感じの2018年、みなさんお正月は楽しめましたか?
今日から仕事始めの方も多いでしょうし、日本中がテンションだだ下がりだとは思うんですが、気合入れていきましょう。
てことで、今日もネタに入っていきますが、今日は仕事始めにふさわしい、業界ネタでもいきましょう。
業界って書きましたが、我々接骨院業界って、そもそもよく分かられてない気がするんで説明しときますと…
「接骨院」=「ほねつぎ」でございます。
ほねつぎを漢字で書くと「骨接ぎ」
つまりは、骨と骨を接合させるお仕事なわけですよ。
ですから、業務内容は、基本、「骨折」「脱臼」「捻挫」「打撲」「挫傷」に限られてるんです。
メインは、骨折、脱臼の「整復」という作業。
これは、簡単に言うと骨折して、離れちゃった骨を、極力元の状態に「整復」し、固定すると言うもの。
そして脱臼の場合、関節から外れちゃった骨を、元の場所に「整復」するって作業です。
ですが…
この2つ…
ほぼ来院されません(笑)
当院も、ここまでやって骨折整復は一人も来ていませんし、脱臼は、小児のほんとに軽い専門的に言うと「肘内障」と呼ばれる肘の亜脱臼(脱臼の手前みたいな)が2例ほどあっただけです。
ま、昔と違って今は、骨折されててもまずレントゲンなりMRIなりをキチンと撮って確認しないと、なかなかその場でエイッ!とはいきません。
てか、骨折してるかも!って位の損傷の場合は、大体整形外科に受診されますからねぇ…
てなると、何を診るねんって話になりますが「捻挫」「打撲」「座礁」ってのがメインになります。
ですから「肩こり」なんてのは、本来は受診科目にはいっておりませんのことよ。
多いけどね(笑)
と話は脱線しましたが、主たる業務の一つ、骨接ぎに関するちょっとスゴイお話をひとつ…
「骨折」ってきくと、まぁそこそこ大変なケガを連想されると思いますが、それも場所と折れ方によりけりです。
そして、折れちゃう衝撃も人それぞれ。
骨密度の下がってしまった高齢者なんかは、「いつの間にか骨折」なんて言って気付かぬうちに骨折してる場合もありますし、くしゃみをした拍子に肋骨が折れるなんてこともあったりします。
で、先ほどの「整復」作業ですが当然、整復できる骨折と、全く無理な骨折が存在します。
特にバラバラに砕けたり、同じ骨の2ヶ所以上が同時に折れちゃった場合なんかは、まず無理で、大体が手術をして骨を接合します。
で、ここからが今日の本題なんですが、骨と骨を接ぐのに、今までは金属ボルトを使用してたんですね。
とりあえず、手術して骨をボルトで止め、そして一端傷口を塞ぎます。
で、折れた骨がひっついたころ、また傷口を開けて金属ボルトを除去すると…。
この術式だと、まず金属ボルトに異物反応が出る場合があることと、再度の除去手術を行うことで、患者に負担がかかります。
そこで登場するのが「骨ねじ」という新しいパーツです。
島根大医学部が、患者自身の骨を加工した「骨ねじ」を使って骨折部分を固定する新たな治療に取り組んでおられます。
国内初の臨床応用として10年間で患者12人に手術し、8割を超す10人は術後の経過が良好という状況です。
ん…?
後の2人はどうなった?
気になるところですが、ここは後回しにして、この「骨ねじ」とはどういうものかと説明しますと、骨折の固定手術を行う際、自身のすねなどからピーナツ程度の大きさの骨片を採取します。
で、手術室に備えつけてある、加工機を使って、その場で骨をねじに加工し、骨折を固定します。
術後数カ月で周りの骨と同化し、採取した部分の骨も自然に修復されるということです。
なるほど…。
自分の骨で自分の骨を止めるのね。
これだとまぁ、異物反応は出にくいですよね。
そして、同一人物の骨どうしですから、そのうち癒合しちゃうってことなんでしょう。
考えたものだねぇ…。
この研究は、2006年に大学の倫理委員会の承認を得て臨床実験を開始し、今年までに10代後半〜60代の男女12人が手術を受けました。
で、さきほどの話に戻りますが、10人は骨の結合など経過が良好で、うち7人は術後1年以上経過してなお順調とのことです。
で、例の2人ですが、1人は合併症による再手術、もう1人は、退院後に、採取部分を骨折したってことらしいです。
研究グループは「手術の成功率は通常の治療と比べても遜色ない」としています。
まぁ、合併症なら、骨ねじであろうが、金属ボルトであろうが起り得る可能性は同じですし、骨採取部分の骨折ってのも、これまた微妙です。
ピーナツ程度の骨を削ったからと言って、極端にその骨の強度が低下するとも考えずらいですし、偶然の可能性も十分あります。
まぁ、エビデンス的に臨床例が少なすぎて何とも言えませんが、これから研究が進むにつれ、改善されることを考えれば十分アリな手法だと思います。
実はこの治療法、テレビドラマ「ドクターX」にもエピソードが出てたそうで、これから主流になる可能性もありますね。
島根大は現在、地元企業などと新型の加工機を共同開発しており、試作機は完成しているようです。
で、この「加工機」が誰にでも使えるようなものなら、広まっていくんじゃないでしょうかね。
ってことで、今日は新年度初にふさわしい、業界ネタをお送りしました。
ま、ボルトで固定しなきゃならない骨折なんて、一生経験しないに越したことはないですけど、いつ何があるか分かりません。
そのいつ、何がに備え、研究者達は日々努力してるって事をみんなも感謝しましょう。
では、今年も弘泉堂鍼灸接骨院をよろしくお願いします。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院
1月4日の木曜日でございます。
本日より、平成30年度の診療開始となりますので…
正月ボケで身体に不調のある方はどうぞご予約下さい(笑)
てことで、今年も始まりました。
まぁ、ブログはずっと書いてるので、新年の挨拶等は終わっておりますが、また今日から新たなスタートですがな。
オシゴトガンバロウ。
頑張る気あるんかい(笑)
あるある(笑)
ってな感じの2018年、みなさんお正月は楽しめましたか?
今日から仕事始めの方も多いでしょうし、日本中がテンションだだ下がりだとは思うんですが、気合入れていきましょう。
てことで、今日もネタに入っていきますが、今日は仕事始めにふさわしい、業界ネタでもいきましょう。
業界って書きましたが、我々接骨院業界って、そもそもよく分かられてない気がするんで説明しときますと…
「接骨院」=「ほねつぎ」でございます。
ほねつぎを漢字で書くと「骨接ぎ」
つまりは、骨と骨を接合させるお仕事なわけですよ。
ですから、業務内容は、基本、「骨折」「脱臼」「捻挫」「打撲」「挫傷」に限られてるんです。
メインは、骨折、脱臼の「整復」という作業。
これは、簡単に言うと骨折して、離れちゃった骨を、極力元の状態に「整復」し、固定すると言うもの。
そして脱臼の場合、関節から外れちゃった骨を、元の場所に「整復」するって作業です。
ですが…
この2つ…
ほぼ来院されません(笑)
当院も、ここまでやって骨折整復は一人も来ていませんし、脱臼は、小児のほんとに軽い専門的に言うと「肘内障」と呼ばれる肘の亜脱臼(脱臼の手前みたいな)が2例ほどあっただけです。
ま、昔と違って今は、骨折されててもまずレントゲンなりMRIなりをキチンと撮って確認しないと、なかなかその場でエイッ!とはいきません。
てか、骨折してるかも!って位の損傷の場合は、大体整形外科に受診されますからねぇ…
てなると、何を診るねんって話になりますが「捻挫」「打撲」「座礁」ってのがメインになります。
ですから「肩こり」なんてのは、本来は受診科目にはいっておりませんのことよ。
多いけどね(笑)
と話は脱線しましたが、主たる業務の一つ、骨接ぎに関するちょっとスゴイお話をひとつ…
「骨折」ってきくと、まぁそこそこ大変なケガを連想されると思いますが、それも場所と折れ方によりけりです。
そして、折れちゃう衝撃も人それぞれ。
骨密度の下がってしまった高齢者なんかは、「いつの間にか骨折」なんて言って気付かぬうちに骨折してる場合もありますし、くしゃみをした拍子に肋骨が折れるなんてこともあったりします。
で、先ほどの「整復」作業ですが当然、整復できる骨折と、全く無理な骨折が存在します。
特にバラバラに砕けたり、同じ骨の2ヶ所以上が同時に折れちゃった場合なんかは、まず無理で、大体が手術をして骨を接合します。
で、ここからが今日の本題なんですが、骨と骨を接ぐのに、今までは金属ボルトを使用してたんですね。
とりあえず、手術して骨をボルトで止め、そして一端傷口を塞ぎます。
で、折れた骨がひっついたころ、また傷口を開けて金属ボルトを除去すると…。
この術式だと、まず金属ボルトに異物反応が出る場合があることと、再度の除去手術を行うことで、患者に負担がかかります。
そこで登場するのが「骨ねじ」という新しいパーツです。
島根大医学部が、患者自身の骨を加工した「骨ねじ」を使って骨折部分を固定する新たな治療に取り組んでおられます。
国内初の臨床応用として10年間で患者12人に手術し、8割を超す10人は術後の経過が良好という状況です。
ん…?
後の2人はどうなった?
気になるところですが、ここは後回しにして、この「骨ねじ」とはどういうものかと説明しますと、骨折の固定手術を行う際、自身のすねなどからピーナツ程度の大きさの骨片を採取します。
で、手術室に備えつけてある、加工機を使って、その場で骨をねじに加工し、骨折を固定します。
術後数カ月で周りの骨と同化し、採取した部分の骨も自然に修復されるということです。
なるほど…。
自分の骨で自分の骨を止めるのね。
これだとまぁ、異物反応は出にくいですよね。
そして、同一人物の骨どうしですから、そのうち癒合しちゃうってことなんでしょう。
考えたものだねぇ…。
この研究は、2006年に大学の倫理委員会の承認を得て臨床実験を開始し、今年までに10代後半〜60代の男女12人が手術を受けました。
で、さきほどの話に戻りますが、10人は骨の結合など経過が良好で、うち7人は術後1年以上経過してなお順調とのことです。
で、例の2人ですが、1人は合併症による再手術、もう1人は、退院後に、採取部分を骨折したってことらしいです。
研究グループは「手術の成功率は通常の治療と比べても遜色ない」としています。
まぁ、合併症なら、骨ねじであろうが、金属ボルトであろうが起り得る可能性は同じですし、骨採取部分の骨折ってのも、これまた微妙です。
ピーナツ程度の骨を削ったからと言って、極端にその骨の強度が低下するとも考えずらいですし、偶然の可能性も十分あります。
まぁ、エビデンス的に臨床例が少なすぎて何とも言えませんが、これから研究が進むにつれ、改善されることを考えれば十分アリな手法だと思います。
実はこの治療法、テレビドラマ「ドクターX」にもエピソードが出てたそうで、これから主流になる可能性もありますね。
島根大は現在、地元企業などと新型の加工機を共同開発しており、試作機は完成しているようです。
で、この「加工機」が誰にでも使えるようなものなら、広まっていくんじゃないでしょうかね。
ってことで、今日は新年度初にふさわしい、業界ネタをお送りしました。
ま、ボルトで固定しなきゃならない骨折なんて、一生経験しないに越したことはないですけど、いつ何があるか分かりません。
そのいつ、何がに備え、研究者達は日々努力してるって事をみんなも感謝しましょう。
では、今年も弘泉堂鍼灸接骨院をよろしくお願いします。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院