(39)サンデーイルネス(仮)関節リウマチについて
2017年11月26日 [からだのこと]
お疲れ様です。院長です。
11月26日のサンデーイルネスでございます。
11月ラストのイルネス辞典てことになりますが、来週はもう12月に入ってんですねぇ…。
そろそろ年の瀬とかいう感じが近付いてきますし、何となく慌ただしくなってきます。
テレビなんか見てても、もうクリスマスチックなCMとかですもんねぇ。
では、今週のイルネス辞典ですが、先週、先々週と続いた「膠原病」シリーズの最終回として「関節リウマチ」について解説していきたいと思います。
まずどんな病気かってことですが、関節リウマチは、70〜100万人の患者数を数え、30〜50代の女性に好発します。
ひとつの関節にとどまらず、左右対称性に全身の関節にこわばり、痛み、はれを生じ、進行すると関節が壊れます。
しかし、微熱、食欲減退、全身倦怠感(けんたいかん)などの全身症状や、目や口の乾きなど涙腺(るいせん)や唾液腺(だえきせん)、さらに、皮膚、肺などの関節外臓器の症状を伴うこともあり、膠原病のひとつとして位置づけられています。
つまり、従来は関節の病気との認識でしたが、現在ではリンパ球の異常による内科的疾患と考えられているわけです。
関節の炎症が持続すると、関節の破壊を引き起こし、関節の変形や強直をもたらし、その結果日常生活動作に制限を来します。
関節の破壊は発症2年以内に最も進行するため、極力早期に診断し、適切な治療を開始することがいちばん大切です。
では、原因は何かという事ですが、基本的に関節リウマチの原因は不明です。
ですが、遺伝や感染する病気ではなく、免疫異常が関係しています。
「免疫」というのは、体に外から異物が入ってきた際に、それを見分けて攻撃し、体を守るシステムですが、「自己免疫」の病気では、このシステムに狂いが生じ、自分自身の体の一部を攻撃します。
免疫の司令塔がリンパ球ですが、リウマチでも自分自身を攻撃するリンパ球が病気を引き起こします。
そもそも、「リウマ」とはラテン語で「流れる」という意味ですが、その理由は長い間不明でした。
現在、自分自身を攻撃するリンパ球が、全身の関節や臓器に流れていき、あちこちの関節滑膜(かつまく)で炎症を起こして痛みやはれを生じ、皮膚、肺、涙腺、唾液腺などで皮下結節やリウマチ肺などの関節外症状を引き起こすと理解されています。
では、症状の現れ方ですが、全身の関節にこわばり、痛み、はれを生じます。
朝のこわばりはリウマチ特有の症状で、起床時に手指などの関節がこわばって動かしにくく、ぎこちない感じを自覚し、温めたり動かすと数分〜数時間で消えていきます。
こわばり感に引き続いて関節症状が現れます。関節痛は重要な症状ですが、「痛い」だけではなく、関節の腫脹、発赤、熱感、運動時痛、関節液がたまる、などの症状を伴います。
関節炎は、左右対称性に生じ、しばしば移動性で、手指、手、足、膝などの関節に生じます。
また、微熱、食欲減退、全身倦怠感などの全身症状や、前腕伸側などの皮下結節、目や口の乾き、乾いた咳、運動時呼吸苦、甲状腺腫などの関節外臓器の症状をしばしば伴います。
関節の炎症は、発症の早期から骨・軟骨に広がり、関節の破壊がどんどん進行すると運動が制限され、元に戻らなくなります。
手や足の変形は食事や歩行などの日常生活動作を損ないます。頸椎関節炎は後頭部痛や手のしびれ感を、腱に炎症が波及するとバネ指(指を曲げ伸ばしする際にある角度でひっかかり、無理に屈伸しようとするとポコンと指がはねる状態)を、手関節腫脹は手根管(しゅこんかん)症候群を起こすこともあります。
で、当院にもよく関節痛を訴える患者さんがいらっしゃいますし、中には「リウマチ」じゃないか?って心配される方もおられます。
ですが、関節を侵す病気はたくさんあり、関節リウマチの診断は慎重に行うべきで、この診断には、米国リウマチ学会の診断基準が使用されます。
この診断基準とは、1時間以上持続する朝のこわばり、6週間以上持続する左右対称性の多関節腫脹や皮下結節、リウマトイド因子陽性、X線所見などの7項目で構成されています。
4項目は医師の診察所見から得られ、「関節痛」ではなく「関節炎」と記載され、「痛い」では診断に至らず、腫脹や関節液貯留などの炎症所見を医師が把握することが必要です。
血清リウマトイド因子(リウマチ反応)が陽性だからリウマチであると即決するのは誤解で、一部の健常人や肝臓病患者でも陽性になります。
逆に、リウマチ患者の約2割は反応陰性で、陰性だからといって本症を否定はできないというややこしい現象もおこります。
ですから、専門医でも診察が難しいわけで、当院でも疑いのある患者さんには、早期の専門機関受診をお勧めしています。
では、このややこしい病気の治療方法なんですが、関節リウマチでは、関節局所や一時しのぎの治療ではなく、全身的な、長期的に計画された治療が必要となります。
治療の中心は薬物療法で、関節の炎症を抑え、関節破壊の進行を防ぐことが目標です。
炎症を抑える抗炎症薬と、リンパ球の活性化を抑える抗リウマチ薬の2本立てで行われます。
ただ、こういった薬剤には副作用もあり、経過をみながら根気よく治していく必要がありますので、長期的な計画が必要となるわけです。
と、進行してしまったら、治癒に非常に時間もかかる病気ですので、出来るだけ早期に対応することが大事です。
まずは、朝起床時のこわばり感の持続、および、左右対称性に多くの関節にはれが現れ、1カ月以上持続すれば、早急にリウマチ専門医を訪れて、適切な診断を受ける必要があります。
また、リウマチは全身の病気なので、関節だけでなく、全身を内科的に診察することが絶対に必要となるわけです。
診断されたら、なるべく早く適切な薬物治療を開始することがその後の鍵を握りますので、とにかく専門医に相談しましょう。
何となく関節が痛いから「整形外科」ではなく、内科疾患なわけですから、総合的に治療できる機関に受診しましょう。
そして腰を据えて気長に治すという気持ちも大切です。
なにより、まずは知識です。関節のこわばりなどは、ある程度の年齢にくると誰しもに起る現象ともいえるわけですが、もし関節リウマチだとしたら関節が破壊されてしまうわけですよ。
そして、破壊された関節は元に戻りませんし、その後の生活に非常に支障をきたしてしまうわけです。
まず、上記の「朝起床時のこわばり感の持続、および、左右対称性に多くの関節にはれが現れ、1カ月以上持続」
これだけでも頭にいれておきましょう。
いかがでしたか?
名前は聞いたことがあっても意外と関節リウマチについては、分かられてない部分が多かったと思います。
今日の知識が役立つ日が来るかもしれませんから、ちゃんと覚えておきましょうね。
では、また来週のイルネス辞典でお会いしましょう〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院
11月26日のサンデーイルネスでございます。
11月ラストのイルネス辞典てことになりますが、来週はもう12月に入ってんですねぇ…。
そろそろ年の瀬とかいう感じが近付いてきますし、何となく慌ただしくなってきます。
テレビなんか見てても、もうクリスマスチックなCMとかですもんねぇ。
では、今週のイルネス辞典ですが、先週、先々週と続いた「膠原病」シリーズの最終回として「関節リウマチ」について解説していきたいと思います。
まずどんな病気かってことですが、関節リウマチは、70〜100万人の患者数を数え、30〜50代の女性に好発します。
ひとつの関節にとどまらず、左右対称性に全身の関節にこわばり、痛み、はれを生じ、進行すると関節が壊れます。
しかし、微熱、食欲減退、全身倦怠感(けんたいかん)などの全身症状や、目や口の乾きなど涙腺(るいせん)や唾液腺(だえきせん)、さらに、皮膚、肺などの関節外臓器の症状を伴うこともあり、膠原病のひとつとして位置づけられています。
つまり、従来は関節の病気との認識でしたが、現在ではリンパ球の異常による内科的疾患と考えられているわけです。
関節の炎症が持続すると、関節の破壊を引き起こし、関節の変形や強直をもたらし、その結果日常生活動作に制限を来します。
関節の破壊は発症2年以内に最も進行するため、極力早期に診断し、適切な治療を開始することがいちばん大切です。
では、原因は何かという事ですが、基本的に関節リウマチの原因は不明です。
ですが、遺伝や感染する病気ではなく、免疫異常が関係しています。
「免疫」というのは、体に外から異物が入ってきた際に、それを見分けて攻撃し、体を守るシステムですが、「自己免疫」の病気では、このシステムに狂いが生じ、自分自身の体の一部を攻撃します。
免疫の司令塔がリンパ球ですが、リウマチでも自分自身を攻撃するリンパ球が病気を引き起こします。
そもそも、「リウマ」とはラテン語で「流れる」という意味ですが、その理由は長い間不明でした。
現在、自分自身を攻撃するリンパ球が、全身の関節や臓器に流れていき、あちこちの関節滑膜(かつまく)で炎症を起こして痛みやはれを生じ、皮膚、肺、涙腺、唾液腺などで皮下結節やリウマチ肺などの関節外症状を引き起こすと理解されています。
では、症状の現れ方ですが、全身の関節にこわばり、痛み、はれを生じます。
朝のこわばりはリウマチ特有の症状で、起床時に手指などの関節がこわばって動かしにくく、ぎこちない感じを自覚し、温めたり動かすと数分〜数時間で消えていきます。
こわばり感に引き続いて関節症状が現れます。関節痛は重要な症状ですが、「痛い」だけではなく、関節の腫脹、発赤、熱感、運動時痛、関節液がたまる、などの症状を伴います。
関節炎は、左右対称性に生じ、しばしば移動性で、手指、手、足、膝などの関節に生じます。
また、微熱、食欲減退、全身倦怠感などの全身症状や、前腕伸側などの皮下結節、目や口の乾き、乾いた咳、運動時呼吸苦、甲状腺腫などの関節外臓器の症状をしばしば伴います。
関節の炎症は、発症の早期から骨・軟骨に広がり、関節の破壊がどんどん進行すると運動が制限され、元に戻らなくなります。
手や足の変形は食事や歩行などの日常生活動作を損ないます。頸椎関節炎は後頭部痛や手のしびれ感を、腱に炎症が波及するとバネ指(指を曲げ伸ばしする際にある角度でひっかかり、無理に屈伸しようとするとポコンと指がはねる状態)を、手関節腫脹は手根管(しゅこんかん)症候群を起こすこともあります。
で、当院にもよく関節痛を訴える患者さんがいらっしゃいますし、中には「リウマチ」じゃないか?って心配される方もおられます。
ですが、関節を侵す病気はたくさんあり、関節リウマチの診断は慎重に行うべきで、この診断には、米国リウマチ学会の診断基準が使用されます。
この診断基準とは、1時間以上持続する朝のこわばり、6週間以上持続する左右対称性の多関節腫脹や皮下結節、リウマトイド因子陽性、X線所見などの7項目で構成されています。
4項目は医師の診察所見から得られ、「関節痛」ではなく「関節炎」と記載され、「痛い」では診断に至らず、腫脹や関節液貯留などの炎症所見を医師が把握することが必要です。
血清リウマトイド因子(リウマチ反応)が陽性だからリウマチであると即決するのは誤解で、一部の健常人や肝臓病患者でも陽性になります。
逆に、リウマチ患者の約2割は反応陰性で、陰性だからといって本症を否定はできないというややこしい現象もおこります。
ですから、専門医でも診察が難しいわけで、当院でも疑いのある患者さんには、早期の専門機関受診をお勧めしています。
では、このややこしい病気の治療方法なんですが、関節リウマチでは、関節局所や一時しのぎの治療ではなく、全身的な、長期的に計画された治療が必要となります。
治療の中心は薬物療法で、関節の炎症を抑え、関節破壊の進行を防ぐことが目標です。
炎症を抑える抗炎症薬と、リンパ球の活性化を抑える抗リウマチ薬の2本立てで行われます。
ただ、こういった薬剤には副作用もあり、経過をみながら根気よく治していく必要がありますので、長期的な計画が必要となるわけです。
と、進行してしまったら、治癒に非常に時間もかかる病気ですので、出来るだけ早期に対応することが大事です。
まずは、朝起床時のこわばり感の持続、および、左右対称性に多くの関節にはれが現れ、1カ月以上持続すれば、早急にリウマチ専門医を訪れて、適切な診断を受ける必要があります。
また、リウマチは全身の病気なので、関節だけでなく、全身を内科的に診察することが絶対に必要となるわけです。
診断されたら、なるべく早く適切な薬物治療を開始することがその後の鍵を握りますので、とにかく専門医に相談しましょう。
何となく関節が痛いから「整形外科」ではなく、内科疾患なわけですから、総合的に治療できる機関に受診しましょう。
そして腰を据えて気長に治すという気持ちも大切です。
なにより、まずは知識です。関節のこわばりなどは、ある程度の年齢にくると誰しもに起る現象ともいえるわけですが、もし関節リウマチだとしたら関節が破壊されてしまうわけですよ。
そして、破壊された関節は元に戻りませんし、その後の生活に非常に支障をきたしてしまうわけです。
まず、上記の「朝起床時のこわばり感の持続、および、左右対称性に多くの関節にはれが現れ、1カ月以上持続」
これだけでも頭にいれておきましょう。
いかがでしたか?
名前は聞いたことがあっても意外と関節リウマチについては、分かられてない部分が多かったと思います。
今日の知識が役立つ日が来るかもしれませんから、ちゃんと覚えておきましょうね。
では、また来週のイルネス辞典でお会いしましょう〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院