(38)サンデーイルネス(仮)全身性エリテマトーデスについて
2017年11月19日 [からだのこと]
お疲れ様です。院長です。
11月19日のサンデーイルネスでございます。
かなり寒くなってきましたが、風邪などひかれてませんか?
これからは、ウィルス性の疾患が猛威を振るう時期でもありますし、気をつけませんとね。
特にインフルエンザは、この季節の風物詩ともいえる疾患で、毎年毎年微妙に型を変えてやってきます。
わたくし個人的には、予防接種はしたことないですが、まぁやれるならやるに越したことはないかもしれませんねぇ…。
ってことで、今週のイルネス辞典ですが、今日は先週からの流れで「膠原病」の代表一角「全身性エリテマトーデス」について解説します。
では、「全身性エリテマトーデス」とはどんな病気かってことですが、細胞の核成分に対する抗体を中心とした自己抗体(自分の体の成分と反応する抗体)が作られてしまうために、全身の諸臓器が侵されてしまういわゆる自己免疫疾患です。
よくなったり悪くなったりを繰り返し、慢性に経過します。
1万人に1人くらいが発病し、とくに20〜30代の女性に多く、男女比は1対10ですから、ほぼ女性が罹る病気と考えていいと思います。
多くの臓器が侵されるため、臨床所見も多彩で、関節症状、皮疹(蝶形紅斑(ちょうけいこうはん)、円板状紅斑)、中枢神経病変、腎障害、心肺病変、血液異常などがみられます。
とくに、中枢神経病変、腎障害があると命にかかわる危険性が高くなりますから注意が必要です。
では、全身性エリテマトーデスの原因は何かといいますと、抗体を作るはたらきをしているBリンパ球が異常に活性化し、それに伴い産生された自己抗体によって、特有の臓器病変が生じると考えられています。
全身性エリテマトーデスの原因はまだよくわかっていませんが、動物モデルにみられるように、複数の遺伝的要因が関与することは確実だと思われます。
これは、ヒトでも一卵性双生児での全身性エリテマトーデス発症の一致率が約70%と高いことからも裏づけられます。
こうした遺伝的素因に、何らかの外因(感染症や紫外線など)が加わって発症するものと考えられています。
また、女性に圧倒的に多いことから女性ホルモンが関与している可能性も示唆されていますが、明確な原因は不明なんですね。
では、症状の現れ方ですが、全身の症状として、発熱、全身倦怠感、易(い)疲労感、食欲不振、体重減少などがみられます。
また、皮膚や関節の症状はこの病気のほとんどの患者さんに現れます。
蝶型紅斑(頬にできる赤い発疹で、蝶が羽を広げた形に似ている)が特徴的で、顔面、耳、首のまわりなどにできる円形の紅斑で、中心の色素が抜けてコインのようになるディスコイド疹もみられます。
日光過敏を認めることが多く、強い紫外線を受けたあとに、皮膚に発疹、水ぶくれができ、発熱を伴うこともあります。
また、手のひら、手指、足の裏などにできるしもやけのような発疹も特有な症状です。
その他、大量の脱毛や、口腔内や鼻咽腔に痛みのない浅い潰瘍ができたりします。
これらの症状からさらには、腎症状や、中枢神経症状、貧血、白血球減少、リンパ球減少、血小板減少などの血液の異常もよくみられます。
では、こんなエリテマトーデスの治療の方法ですが、治療の中心は、免疫のはたらきを抑えることと、炎症を止めることで、そのための第一選択薬は副腎皮質ステロイド薬です。
効果不十分の場合は、ステロイドのパルス療法や免疫抑制薬の併用が行われます。
こうした治療により、現在全身性エリテマトーデス全体としての5年生存率は90%を超えています。
死因で多いのは、中枢神経障害、腎不全、感染症です。
治療に際しては一人ひとりの重症度、疾患活動性により変わりますが、治療以外にも、日常生活で注意が必要な事がいくつかあります。
日光暴露(ばくろ)、感染症、妊娠、外傷、手術、薬剤アレルギーなどの、全身性エリテマトーデスの増悪因子を極力避けるようにすることが大切です。
全身性エリテマトーデスでは薬剤アレルギーを有することが多いので、薬は簡単に服用してはいけません。
また、治療で服用している、ステロイドを取り忘れるのも危険です。
治療に際し、長期間にわたるステロイドの内服のために、副腎皮質のストレス反応が十分に起きにくくなっているため、ステロイド投薬を中止してしまうと、副腎不全を起こしてショック状態になる危険があります。
ですから、緊急の災害時などでも、ステロイドを一緒にもって避難できるように、普段から少し余分に持っておいたほうがいいと言われています。
このように患ってしまうと、非常に厄介で長期的な治療が必要となってきます。
ですが、原因がまだハッキリしていない以上、予防するという事はできません。
しかし、どんな病気でもそうですが、早期に治療を開始できれば、治癒することも可能ですし、治療そのものも楽なものになりますから…。
まずは、知識を持つことです。
今週の「全身性エリテマトーデス」に代表される「膠原病」と括られる疾患は、みな同じような症状がでますから、まずそこを知っておくだけでも予防に繋がると思います。
いかがでしたか?
あまり馴染みのない病気ですが、自己免疫疾患は逆に言うと、誰しもが患う可能性のあるものとも言えますから、しっかり知識を入れといてくださいね。
来週は「膠原病」シリーズの最終回として「関節リウマチ」を解説していきます。
では、来週のイルネス辞典をお楽しみに〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院
11月19日のサンデーイルネスでございます。
かなり寒くなってきましたが、風邪などひかれてませんか?
これからは、ウィルス性の疾患が猛威を振るう時期でもありますし、気をつけませんとね。
特にインフルエンザは、この季節の風物詩ともいえる疾患で、毎年毎年微妙に型を変えてやってきます。
わたくし個人的には、予防接種はしたことないですが、まぁやれるならやるに越したことはないかもしれませんねぇ…。
ってことで、今週のイルネス辞典ですが、今日は先週からの流れで「膠原病」の代表一角「全身性エリテマトーデス」について解説します。
では、「全身性エリテマトーデス」とはどんな病気かってことですが、細胞の核成分に対する抗体を中心とした自己抗体(自分の体の成分と反応する抗体)が作られてしまうために、全身の諸臓器が侵されてしまういわゆる自己免疫疾患です。
よくなったり悪くなったりを繰り返し、慢性に経過します。
1万人に1人くらいが発病し、とくに20〜30代の女性に多く、男女比は1対10ですから、ほぼ女性が罹る病気と考えていいと思います。
多くの臓器が侵されるため、臨床所見も多彩で、関節症状、皮疹(蝶形紅斑(ちょうけいこうはん)、円板状紅斑)、中枢神経病変、腎障害、心肺病変、血液異常などがみられます。
とくに、中枢神経病変、腎障害があると命にかかわる危険性が高くなりますから注意が必要です。
では、全身性エリテマトーデスの原因は何かといいますと、抗体を作るはたらきをしているBリンパ球が異常に活性化し、それに伴い産生された自己抗体によって、特有の臓器病変が生じると考えられています。
全身性エリテマトーデスの原因はまだよくわかっていませんが、動物モデルにみられるように、複数の遺伝的要因が関与することは確実だと思われます。
これは、ヒトでも一卵性双生児での全身性エリテマトーデス発症の一致率が約70%と高いことからも裏づけられます。
こうした遺伝的素因に、何らかの外因(感染症や紫外線など)が加わって発症するものと考えられています。
また、女性に圧倒的に多いことから女性ホルモンが関与している可能性も示唆されていますが、明確な原因は不明なんですね。
では、症状の現れ方ですが、全身の症状として、発熱、全身倦怠感、易(い)疲労感、食欲不振、体重減少などがみられます。
また、皮膚や関節の症状はこの病気のほとんどの患者さんに現れます。
蝶型紅斑(頬にできる赤い発疹で、蝶が羽を広げた形に似ている)が特徴的で、顔面、耳、首のまわりなどにできる円形の紅斑で、中心の色素が抜けてコインのようになるディスコイド疹もみられます。
日光過敏を認めることが多く、強い紫外線を受けたあとに、皮膚に発疹、水ぶくれができ、発熱を伴うこともあります。
また、手のひら、手指、足の裏などにできるしもやけのような発疹も特有な症状です。
その他、大量の脱毛や、口腔内や鼻咽腔に痛みのない浅い潰瘍ができたりします。
これらの症状からさらには、腎症状や、中枢神経症状、貧血、白血球減少、リンパ球減少、血小板減少などの血液の異常もよくみられます。
では、こんなエリテマトーデスの治療の方法ですが、治療の中心は、免疫のはたらきを抑えることと、炎症を止めることで、そのための第一選択薬は副腎皮質ステロイド薬です。
効果不十分の場合は、ステロイドのパルス療法や免疫抑制薬の併用が行われます。
こうした治療により、現在全身性エリテマトーデス全体としての5年生存率は90%を超えています。
死因で多いのは、中枢神経障害、腎不全、感染症です。
治療に際しては一人ひとりの重症度、疾患活動性により変わりますが、治療以外にも、日常生活で注意が必要な事がいくつかあります。
日光暴露(ばくろ)、感染症、妊娠、外傷、手術、薬剤アレルギーなどの、全身性エリテマトーデスの増悪因子を極力避けるようにすることが大切です。
全身性エリテマトーデスでは薬剤アレルギーを有することが多いので、薬は簡単に服用してはいけません。
また、治療で服用している、ステロイドを取り忘れるのも危険です。
治療に際し、長期間にわたるステロイドの内服のために、副腎皮質のストレス反応が十分に起きにくくなっているため、ステロイド投薬を中止してしまうと、副腎不全を起こしてショック状態になる危険があります。
ですから、緊急の災害時などでも、ステロイドを一緒にもって避難できるように、普段から少し余分に持っておいたほうがいいと言われています。
このように患ってしまうと、非常に厄介で長期的な治療が必要となってきます。
ですが、原因がまだハッキリしていない以上、予防するという事はできません。
しかし、どんな病気でもそうですが、早期に治療を開始できれば、治癒することも可能ですし、治療そのものも楽なものになりますから…。
まずは、知識を持つことです。
今週の「全身性エリテマトーデス」に代表される「膠原病」と括られる疾患は、みな同じような症状がでますから、まずそこを知っておくだけでも予防に繋がると思います。
いかがでしたか?
あまり馴染みのない病気ですが、自己免疫疾患は逆に言うと、誰しもが患う可能性のあるものとも言えますから、しっかり知識を入れといてくださいね。
来週は「膠原病」シリーズの最終回として「関節リウマチ」を解説していきます。
では、来週のイルネス辞典をお楽しみに〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院