(19)サンデーイルネス(仮)解離性障害について
2017年07月09日 [からだのこと]
お疲れ様です。院長です。
7月9日のサンデーイルネス(仮)でございます。
最近のサイクルで、何故か日曜と水曜が天気の悪い、雨男です(笑)
来週は宵山ですやん…
おそらく、来週には梅雨明け情報が南から昇ってきてるでしょうけど、今年は前半に雨が全然降らなかったですから、後半の追い上げがキツイかもしれませんけどね〜(^^;
そんな梅雨の中のイルネス辞典(仮)ですが、今日は解離性障害を取り上げてみたいと思います。
精神疾患3部作とでもいいますか、「鬱病」「統合失調症」に続いての登場です。
この疾病も、色々な症状があるんですが、いわゆる「多重人格」ってやつは、この疾病の一つの症状です。
我々世代だと、「ジキル博士とハイド氏」っていう2重人格者を題材にした有名な小説がありましたねぇ…。
ではでは解離性障害とは、どんな病気かみていきましょう。
何かの原因で(これが自身で分からない場合もある)強い葛藤に直面して圧倒されたり、それを認めることが困難な場合に、その体験に関する意識の統合が失われ、知覚や記憶、自分が誰でありどこにいるのかという認識などが意識から切り離されてしまうという障害です。
解離性健忘、解離性遁走(とんそう)、解離性同一性障害、離人症性障害などの分類があります。
かつては女性に多いと思われていたので、子宮を意味するヒステリーと呼ばれたこともありました。
そういや、ヒステリーって言葉自体、最近使いませんよね
まぁ、このヒステリックな状態を連想していただくと、何となく分かるかもしれませんが、実際の症状としてはもっと複雑です。
では、それぞれの分類について解説していきましょう。
解離性健忘
外傷的な出来事の強い衝撃のために、それに関する記憶の想起が不可能になった状態であり、通常の物忘れよりもその範囲は広範です。
ある一時期の記憶がない場合や、ひどい時は全ての生活史の記憶を失っている状態もあります。
解離性遁走
予期していない時に突然、家庭や職場などの日常的な場所を離れて放浪し、本人にその間の記憶がないものをいいます。
飲酒や身体疾患による意識障害、認知症などでは説明できないものを指します。
放浪は時に数百キロを越えることもあり、遁走の間は、自分が誰であるかわからず、遁走の以前はもとよりその最中に起こった出来事の記憶も失われていることがあります。
上記二つは、一応このように分類されていますが、最近では合わせて「解離性健忘」としている分類(DSM-5)もあるようです。
解離性同一性障害
いわゆる多重人格と呼ばれる状態です。2つ以上のはっきりと区別される人格が一人のなかに存在し、それぞれの人格ごとに独立した行動をとります。
通常、主人格(もともとの人格)はそれ以外の人格による言動を直接には知りませんが、主人格の言動は他の人格に知られています。
主人格の側から見れば、自分の言動に記憶の空白が生じることになるわけです。
こちらの障害も、比較的有名ですが、ポイントは主格以外の人格の行動を、主格が知らないってことでしょう。
ですから、記憶の全くない時間に、自分以外の人格が勝手に行動するという、考えてみればとんでもなく恐ろしい症状と言えるでしょう。
この解離性同一性障害を題材にした「ファイトクラブ」って映画、知ってます?
主人公が、ストレスからくる不眠症を患い、そこから徐々に症状が悪化して、最終的にはこの解離性同一性障害によりかなり苦しめられます。
興味のある方は観てみて下さい。
離人症性障害
自分の意識が自分自身から離れ、遠ざかっていると感じる状態が慢性的に続くものです。
自分がまるで夢のなかにいるように思い、現実の出来事に現実感がなく、映画の画面を見ているように感じられます。
自分が今、ここにいるという意識がなくなり、自分の体も自分のものではないかのように感じられます。
同じような状態は、入眠時、疲労時などには健常者にもみられることがあります。
また、鬱病、統合失調症などの多くの精神疾患の部分症状としても現れます。
と、いくつかの症状があるわけです。
しかも、これらの症状が複雑に混ざり合って発症する場合もありますので、深刻な事態に陥る場合も少なくありません。
基本的な原因としては、過度のストレスと言えるでしょう。
解離性障害を発症する人のほとんどが幼児期から児童期に強い精神的ストレスを受けているとされています。
こういった幼少期のストレスが原因であった場合でも、そのままずっと幼少期から障害をもつとは限りません。
成人してから受けたストレスにより、幼少期の体験が無意識化で蘇り、一気に解離していく場合も多くみられます。
そして、このストレスというもの、人によつて捉え方はマチマチですし、同じ体験でも受け止め方によってストレスにならない場合もあるわけです。
強い精神的ストレスを受け続けた場合、自分の精神経路を保護するため、記憶などから消し去ることによって保身している現象とも言われていますが、まだ詳しくは分かっていないようです。
では、その治療の方法なんですが、一番大事なのは過度にかかっているストレスを外す事なんですが、例えば幼少期のストレスを引きずっている場合など、それを取り除くことすら無理な場合も多々あります。
もっと言えば、本人がストレスと感じてない(気付いてない)場合ですとさらに厄介といえるでしょう。
というわけで、この疾病に関しても、一人でどうにかなるもんじゃありません。
家族を含めた周りの協力なくして完治は厳しいと思われます。
まず、安全感、安心感を与え、心理的に保護することが必要となってくるわけです。
そして、ゆっくり焦らずカウンセリング等をうけて、原因となっている事を明らかにしていくのが望ましいと考えられます。
また、本人の精神的な健康を回復させるために、抗鬱薬や精神安定薬が有効なこともありますが、この投薬が逆効果になることも報告されてるようなので、これもまた難しい…。
基本的には、専門医に任せるのが一番だとは思いますが、家族や近い人がもしこの疾患で苦しんでいるのなら、医者任せにせずいつも気にかけ、配慮するという事も大事だと思います。
解離性障害の場合、突然いなくなり、消息不明なんてことも起り得ますし、本人すら気付かず別人格として行動してるなんてことが起こるわけですから、周りの注意がいかに大事かという事だと思います。
いかがでしたか?
ここ3週間、比較的発症率の高い、3つの精神疾患をご紹介してきました。
このストレス社会を日々生きてる我々は、こういった疾病と隣り合わせにいるって事を常に頭に置いておく必要があるんじゃないですかね。
自分は、周りは大丈夫…。
罹った人も、その周りの人もみんなそう思ってたと思いますから…
では、来週のイルネス辞典(仮)をお楽しみに〜
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院
7月9日のサンデーイルネス(仮)でございます。
最近のサイクルで、何故か日曜と水曜が天気の悪い、雨男です(笑)
来週は宵山ですやん…
おそらく、来週には梅雨明け情報が南から昇ってきてるでしょうけど、今年は前半に雨が全然降らなかったですから、後半の追い上げがキツイかもしれませんけどね〜(^^;
そんな梅雨の中のイルネス辞典(仮)ですが、今日は解離性障害を取り上げてみたいと思います。
精神疾患3部作とでもいいますか、「鬱病」「統合失調症」に続いての登場です。
この疾病も、色々な症状があるんですが、いわゆる「多重人格」ってやつは、この疾病の一つの症状です。
我々世代だと、「ジキル博士とハイド氏」っていう2重人格者を題材にした有名な小説がありましたねぇ…。
ではでは解離性障害とは、どんな病気かみていきましょう。
何かの原因で(これが自身で分からない場合もある)強い葛藤に直面して圧倒されたり、それを認めることが困難な場合に、その体験に関する意識の統合が失われ、知覚や記憶、自分が誰でありどこにいるのかという認識などが意識から切り離されてしまうという障害です。
解離性健忘、解離性遁走(とんそう)、解離性同一性障害、離人症性障害などの分類があります。
かつては女性に多いと思われていたので、子宮を意味するヒステリーと呼ばれたこともありました。
そういや、ヒステリーって言葉自体、最近使いませんよね
まぁ、このヒステリックな状態を連想していただくと、何となく分かるかもしれませんが、実際の症状としてはもっと複雑です。
では、それぞれの分類について解説していきましょう。
解離性健忘
外傷的な出来事の強い衝撃のために、それに関する記憶の想起が不可能になった状態であり、通常の物忘れよりもその範囲は広範です。
ある一時期の記憶がない場合や、ひどい時は全ての生活史の記憶を失っている状態もあります。
解離性遁走
予期していない時に突然、家庭や職場などの日常的な場所を離れて放浪し、本人にその間の記憶がないものをいいます。
飲酒や身体疾患による意識障害、認知症などでは説明できないものを指します。
放浪は時に数百キロを越えることもあり、遁走の間は、自分が誰であるかわからず、遁走の以前はもとよりその最中に起こった出来事の記憶も失われていることがあります。
上記二つは、一応このように分類されていますが、最近では合わせて「解離性健忘」としている分類(DSM-5)もあるようです。
解離性同一性障害
いわゆる多重人格と呼ばれる状態です。2つ以上のはっきりと区別される人格が一人のなかに存在し、それぞれの人格ごとに独立した行動をとります。
通常、主人格(もともとの人格)はそれ以外の人格による言動を直接には知りませんが、主人格の言動は他の人格に知られています。
主人格の側から見れば、自分の言動に記憶の空白が生じることになるわけです。
こちらの障害も、比較的有名ですが、ポイントは主格以外の人格の行動を、主格が知らないってことでしょう。
ですから、記憶の全くない時間に、自分以外の人格が勝手に行動するという、考えてみればとんでもなく恐ろしい症状と言えるでしょう。
この解離性同一性障害を題材にした「ファイトクラブ」って映画、知ってます?
主人公が、ストレスからくる不眠症を患い、そこから徐々に症状が悪化して、最終的にはこの解離性同一性障害によりかなり苦しめられます。
興味のある方は観てみて下さい。
離人症性障害
自分の意識が自分自身から離れ、遠ざかっていると感じる状態が慢性的に続くものです。
自分がまるで夢のなかにいるように思い、現実の出来事に現実感がなく、映画の画面を見ているように感じられます。
自分が今、ここにいるという意識がなくなり、自分の体も自分のものではないかのように感じられます。
同じような状態は、入眠時、疲労時などには健常者にもみられることがあります。
また、鬱病、統合失調症などの多くの精神疾患の部分症状としても現れます。
と、いくつかの症状があるわけです。
しかも、これらの症状が複雑に混ざり合って発症する場合もありますので、深刻な事態に陥る場合も少なくありません。
基本的な原因としては、過度のストレスと言えるでしょう。
解離性障害を発症する人のほとんどが幼児期から児童期に強い精神的ストレスを受けているとされています。
こういった幼少期のストレスが原因であった場合でも、そのままずっと幼少期から障害をもつとは限りません。
成人してから受けたストレスにより、幼少期の体験が無意識化で蘇り、一気に解離していく場合も多くみられます。
そして、このストレスというもの、人によつて捉え方はマチマチですし、同じ体験でも受け止め方によってストレスにならない場合もあるわけです。
強い精神的ストレスを受け続けた場合、自分の精神経路を保護するため、記憶などから消し去ることによって保身している現象とも言われていますが、まだ詳しくは分かっていないようです。
では、その治療の方法なんですが、一番大事なのは過度にかかっているストレスを外す事なんですが、例えば幼少期のストレスを引きずっている場合など、それを取り除くことすら無理な場合も多々あります。
もっと言えば、本人がストレスと感じてない(気付いてない)場合ですとさらに厄介といえるでしょう。
というわけで、この疾病に関しても、一人でどうにかなるもんじゃありません。
家族を含めた周りの協力なくして完治は厳しいと思われます。
まず、安全感、安心感を与え、心理的に保護することが必要となってくるわけです。
そして、ゆっくり焦らずカウンセリング等をうけて、原因となっている事を明らかにしていくのが望ましいと考えられます。
また、本人の精神的な健康を回復させるために、抗鬱薬や精神安定薬が有効なこともありますが、この投薬が逆効果になることも報告されてるようなので、これもまた難しい…。
基本的には、専門医に任せるのが一番だとは思いますが、家族や近い人がもしこの疾患で苦しんでいるのなら、医者任せにせずいつも気にかけ、配慮するという事も大事だと思います。
解離性障害の場合、突然いなくなり、消息不明なんてことも起り得ますし、本人すら気付かず別人格として行動してるなんてことが起こるわけですから、周りの注意がいかに大事かという事だと思います。
いかがでしたか?
ここ3週間、比較的発症率の高い、3つの精神疾患をご紹介してきました。
このストレス社会を日々生きてる我々は、こういった疾病と隣り合わせにいるって事を常に頭に置いておく必要があるんじゃないですかね。
自分は、周りは大丈夫…。
罹った人も、その周りの人もみんなそう思ってたと思いますから…
では、来週のイルネス辞典(仮)をお楽しみに〜
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院