(14)サンデーイルネス(仮)腎不全について(前編)
2017年06月04日 [からだのこと]
お疲れ様です。院長です。
6月4日の日曜日でございます。
気付けば6月。
年間通じて湿度が高く、不快な月と言えるかもしれませんが、嫌でも毎日湿気とは戦わなきゃいけませんからねぇ…
体調管理はシッカリ行いましょうね。
てことで、今週もイルネス辞典(仮)に突入するわけですが、今日のネタは「腎不全」でございます。
まぁ、腎不全っていっちゃうとこれは病名ってより、「腎臓の機能が壊れて正常に働かない」状態を指す言葉でもあります。
ですから、腎臓が動かないと思ってもらっていいと思うんですが、実際腎臓の機能が止まると、人間は死んでしまいます。
つまり、「腎不全」とは重篤になるとかなり予後不良な疾患ってことなんですよ。
因みに日本人の死亡原因では8位あたりに位置付けてます。
先週の「肺炎」が4位なんですが、5位、6位、7位が不慮の事故、老衰、自殺ときてるんで、疾病での死亡で考えると上位に入ると思います。
では、腎不全のお話をしていきますが、まず腎臓の主な機能は私達の体にある老廃物をろ過して尿にして排泄するという機能です。
この機能が低下するわけですから、簡単に言うと、身体の毒素を排出できずに、毒だらけで死んでしまうと(笑)
て笑い事ではなく、本当にヤバイ状態なんですよね。
で、この腎不全には急性腎不全と慢性腎不全があり、命に関わるのは慢性腎不全です。
なので、まず今週では比較的、治癒しやすい急性腎不全から解説していこうかと思っております。
急性腎不全とは、何らかの原因により腎機能が急激(数時間から数週間)に低下します。
その結果、高クレアチニン血症(血清クレアチニンの高値)、高窒素血症(血中尿素窒素の高値)、体液中の水・電解質異常などが起こり、体の内部環境の維持ができなくなった状態です。
尿量の減少を伴う乏尿性急性腎不全(尿量が400ml/日以下)と、尿の減少を伴わない非乏尿性急性腎不全に分けられ、30〜60%が非乏尿性といわれています。
まぁ、高クレアチン血症も、高窒素血症もザックリと、老廃物や毒素なんかを腎臓で濾過し尿に出すって作業がうまくいってなくて、血中に残っちゃってるって考えて下さって間違いないです。
これにより、身体の内部環境が崩れてるってわけです。
ま、本来捨てるはず(尿によって)の毒が血液中に残ってるわけですから良いわけはありませんよね。
では、この急性腎不全原因は何なんでしょうか…
まず、障害された部位によって腎前性、腎性、腎後性に分けられます。
それぞれが占める割合は腎前性55〜60%、腎性35〜40%、腎後性5%以下といわれていますが、時間の経過とともにこれらの原因が組み合わさって、病態がより複雑になります。
(1)腎前性
腎臓自体に障害はなく、循環血流量が低下するために起こります。
つまり尿を作る原料である血液の、腎臓への供給が不足して腎不全になった状態です。
出血や下痢などによる循環血漿量の減少、心筋梗塞などによる重症の心機能低下、敗血症などによる末梢血管障害、両側腎動脈狭窄など、腎臓以外の臓器障害が原因になります。
(2)腎性
腎臓自体が障害されたために起こる急性腎不全です。腎臓自身の病気、薬物、その他の病気の代謝産物による閉塞や、その物質の腎毒性などが原因となります。
(3)腎後性
腎臓でつくられた尿を体外へ排泄するための経路(尿管、膀胱、尿道など)が閉塞したために発症する急性腎不全です。
通常は、他臓器の腫瘍の後腹膜への転移や、泌尿器科的な病気が原因となります。
それでは、検査と診断、治療にはいっていきましょう。
急性腎不全の診断は、血液検査での血清クレアチニンの値でわかります。
しかし、原因検索のためには、血液検査、尿検査、画像診断(超音波、X線、CT、MRI検査など)だけでなく、詳細な病歴がヒントとなることが少なくありません。
治療の基本は、原因となる病態を改善し、腎機能が回復するまで、腎不全により破綻した体内の内部環境を維持することです。
薬物治療で臨床上、効果が証明されたものはありません。進行した急性腎不全には血液浄化療法、いわゆる透析が必要となります。
腎臓自体の障害が原因の場合は、死亡率は10%以下といわれていますが、腎臓以外の臓器障害が原因の場合(とくに複数の臓器障害が同時に起こった場合には)、約50%が死亡します。
腎機能の不完全な回復が30%にみられ、そのうち腎機能が軽度低下していても安定した経過をたどる人は約25%、腎機能がいったん回復しても徐々に低下する人が約5%います。
この病気が疑われる時は、病歴をはっきりさせることが最も大切です。
つまり、これまでかかった病気、受けた検査や手術、薬物の服用歴とアレルギー(使ってはいけない薬)、健康食品や嗜好品などについて詳細に医師に伝えることが、原因の早期診断につながるわけですね。
いかがでしたか?
今週は、まだ予後的に最悪ではない、急性腎不全の解説をしていきました。
次週は慢性腎不全を解説していきます。
では、来週のイルネスをお楽しみに〜
みなさん、素敵な日曜日をお過ごし下さい。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院
6月4日の日曜日でございます。
気付けば6月。
年間通じて湿度が高く、不快な月と言えるかもしれませんが、嫌でも毎日湿気とは戦わなきゃいけませんからねぇ…
体調管理はシッカリ行いましょうね。
てことで、今週もイルネス辞典(仮)に突入するわけですが、今日のネタは「腎不全」でございます。
まぁ、腎不全っていっちゃうとこれは病名ってより、「腎臓の機能が壊れて正常に働かない」状態を指す言葉でもあります。
ですから、腎臓が動かないと思ってもらっていいと思うんですが、実際腎臓の機能が止まると、人間は死んでしまいます。
つまり、「腎不全」とは重篤になるとかなり予後不良な疾患ってことなんですよ。
因みに日本人の死亡原因では8位あたりに位置付けてます。
先週の「肺炎」が4位なんですが、5位、6位、7位が不慮の事故、老衰、自殺ときてるんで、疾病での死亡で考えると上位に入ると思います。
では、腎不全のお話をしていきますが、まず腎臓の主な機能は私達の体にある老廃物をろ過して尿にして排泄するという機能です。
この機能が低下するわけですから、簡単に言うと、身体の毒素を排出できずに、毒だらけで死んでしまうと(笑)
て笑い事ではなく、本当にヤバイ状態なんですよね。
で、この腎不全には急性腎不全と慢性腎不全があり、命に関わるのは慢性腎不全です。
なので、まず今週では比較的、治癒しやすい急性腎不全から解説していこうかと思っております。
急性腎不全とは、何らかの原因により腎機能が急激(数時間から数週間)に低下します。
その結果、高クレアチニン血症(血清クレアチニンの高値)、高窒素血症(血中尿素窒素の高値)、体液中の水・電解質異常などが起こり、体の内部環境の維持ができなくなった状態です。
尿量の減少を伴う乏尿性急性腎不全(尿量が400ml/日以下)と、尿の減少を伴わない非乏尿性急性腎不全に分けられ、30〜60%が非乏尿性といわれています。
まぁ、高クレアチン血症も、高窒素血症もザックリと、老廃物や毒素なんかを腎臓で濾過し尿に出すって作業がうまくいってなくて、血中に残っちゃってるって考えて下さって間違いないです。
これにより、身体の内部環境が崩れてるってわけです。
ま、本来捨てるはず(尿によって)の毒が血液中に残ってるわけですから良いわけはありませんよね。
では、この急性腎不全原因は何なんでしょうか…
まず、障害された部位によって腎前性、腎性、腎後性に分けられます。
それぞれが占める割合は腎前性55〜60%、腎性35〜40%、腎後性5%以下といわれていますが、時間の経過とともにこれらの原因が組み合わさって、病態がより複雑になります。
(1)腎前性
腎臓自体に障害はなく、循環血流量が低下するために起こります。
つまり尿を作る原料である血液の、腎臓への供給が不足して腎不全になった状態です。
出血や下痢などによる循環血漿量の減少、心筋梗塞などによる重症の心機能低下、敗血症などによる末梢血管障害、両側腎動脈狭窄など、腎臓以外の臓器障害が原因になります。
(2)腎性
腎臓自体が障害されたために起こる急性腎不全です。腎臓自身の病気、薬物、その他の病気の代謝産物による閉塞や、その物質の腎毒性などが原因となります。
(3)腎後性
腎臓でつくられた尿を体外へ排泄するための経路(尿管、膀胱、尿道など)が閉塞したために発症する急性腎不全です。
通常は、他臓器の腫瘍の後腹膜への転移や、泌尿器科的な病気が原因となります。
それでは、検査と診断、治療にはいっていきましょう。
急性腎不全の診断は、血液検査での血清クレアチニンの値でわかります。
しかし、原因検索のためには、血液検査、尿検査、画像診断(超音波、X線、CT、MRI検査など)だけでなく、詳細な病歴がヒントとなることが少なくありません。
治療の基本は、原因となる病態を改善し、腎機能が回復するまで、腎不全により破綻した体内の内部環境を維持することです。
薬物治療で臨床上、効果が証明されたものはありません。進行した急性腎不全には血液浄化療法、いわゆる透析が必要となります。
腎臓自体の障害が原因の場合は、死亡率は10%以下といわれていますが、腎臓以外の臓器障害が原因の場合(とくに複数の臓器障害が同時に起こった場合には)、約50%が死亡します。
腎機能の不完全な回復が30%にみられ、そのうち腎機能が軽度低下していても安定した経過をたどる人は約25%、腎機能がいったん回復しても徐々に低下する人が約5%います。
この病気が疑われる時は、病歴をはっきりさせることが最も大切です。
つまり、これまでかかった病気、受けた検査や手術、薬物の服用歴とアレルギー(使ってはいけない薬)、健康食品や嗜好品などについて詳細に医師に伝えることが、原因の早期診断につながるわけですね。
いかがでしたか?
今週は、まだ予後的に最悪ではない、急性腎不全の解説をしていきました。
次週は慢性腎不全を解説していきます。
では、来週のイルネスをお楽しみに〜
みなさん、素敵な日曜日をお過ごし下さい。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院