(4)サンデーイルネス(仮)脳出血について
2017年03月26日 [からだのこと]
お疲れ様です。院長です。
3月26日日曜日です。
サンデーイルネス(仮)第4回でございます。
ついに3月も最後の日曜、そろそろ今週、来週は花見もピークですかねぇ…
わたしは、毎日ジムに通うのに、二条駅にいくんですが、駅前になかなか立派な桜の木がありまして、毎日鑑賞させていただいとります。
まだ七分咲きってとこでしょうか。
これから満開まで楽しませてくれそうです。
そんな春うららな日曜日、今日もイルネス辞典(仮)いってみよ。
今週は脳卒中カテゴリからの「脳出血」ですね。
脳出血とは脳内の血管が何らかの原因で破れ、脳の中(大脳、小脳および脳幹の脳実質内)に出血した状態をいいます。
そのために意識障害、運動麻痺、感覚障害などの症状が現れます。
出血による血腫が大きくなると脳浮腫によって頭蓋内圧が高くなって脳ヘルニアを起こし、重い場合は脳幹部が圧迫されて死に至ります。
要するに、脳内で血がたまり、大きくなって他を圧迫しちゃうわけですね。
近年、脳出血の死亡数は減ってきましたが、その最大の理由は高血圧の内科的治療が広く行きわたり、血圧のコントロールが十分に行われるようになったためと考えられます。
また最近、脳出血は軽症化していますが、運動障害や認知症などの後遺症で悩む患者さんが多いのも事実ですので、甘く見ちゃいけないのは当然ですね。
何せ、脳内が出血してんですから…
この時点で軽症なんて有り得ませんから
では、一体、この脳出血、原因は何でしょうか…
原因は色々あるんですが、高血圧が原因で起こる脳出血が最も多く、全体の70%を占めると言われています。
血管の病変をみてみると、脳内の細い小動脈に血管壊死という動脈硬化を基盤とした病変ができ、これに伴ってできる小動脈瘤(小さな血管のこぶ)の破裂が脳出血の原因になります。
その他、脳動脈瘤、脳動静脈奇形の破綻、腫瘍内出血、脳の外傷、白血病などの血液疾患が原因になります。
高齢者では血管の壁に老人性変化のひとつであるアミロイドが沈着して脳出血の原因になることもあるんですって。
では一番原因として多い、高血圧による脳出血を部門別にみてみると、最も頻度が高いのは被殻出血(40%)と視床出血(35%)で、この2つが約3/4を占めます。
次いで皮質下出血(10%)、橋(きょう)出血(5%)、小脳出血(5%)、その他(5%)と続きます。
ま、部門別言われても、どこがどこだか分かりませんよね(笑)詳しく知りたい方はコチラを参考に…
じゃ次に、症状の現れ方をみてみましょう。
一般的には頭痛、嘔吐、意識障害、片麻痺が多くの患者さんにみられます。
出血部位および血腫の大きさにより症状は違いますが、慢性期になっても何らかの後遺症を示す患者さんも多くみられます。
(1)被殻出血
片麻痺、感覚障害、同名性半盲(両眼とも視野の片側半分が見えなくなる状態)などが主な症状で、進行すると意識障害がみられます。
優位半球(通常左半球)の出血の場合では失語症もみられます。
(2)視床出血
片麻痺、感覚障害は被殻出血と同じですが、感覚障害が優位のことがあります。視床出血では、出血後に視床痛という半身のひどい痛みを伴うことがあります。
上記2つがほとんど良いって言い位ですから、まずこの2つを理解することが大事かもしれませんね。
続いて…
(3)皮質下出血
頭頂葉、側頭葉、前頭葉などの皮質下がよく起こる部位です。
症状は、出血する部位に応じて違いますが、軽度から中等度の片麻痺、半盲、失語などがみられます。
(4)橋出血
突然の意識障害、高熱、縮瞳(2o以下)、呼吸異常、四肢麻痺などがみられます。大きな橋出血の場合は予後はかなり悪いです。
(5)小脳出血
突然の回転性のめまい、歩行障害が現れ、頭痛や嘔吐がよくみられます。
と、こんな感じです。
一般的に、どこで出血してもまぁ、ただでは済みませんから常に検査等で異常がないかを調べておくことが大事と言えるでしょうね。
では、検査と診断ですが、CTが最も有用で、発症後数分以内からキチンと映し出されます。
脳動脈瘤、脳動静脈奇形、脳腫瘍による出血が疑われる場合は、脳血管撮影も必要となってきます。
とまぁ、検査によって診断されればある意味問題ないですが、発作的に脳出血を起こしてしまった場合が一番厄介ですし、知識を必要とする一番重大な場面と言えるでしょう。
脳出血起こしたら、意識障害とともに、呼吸障害を伴う場合が多くみられます。
ですから、倒れた直後に一番注意しなければならないのは、吐物によって窒息することと、吐物を誤飲することです。
ですから、吐いた場合は麻痺側(顔から足まで、片側だけに麻痺が出る)を上に、顔と体を横にして誤飲を防ぎましょう。
すぐに救急車を呼び、救急車が来る前には、頭部を後屈(絶対に前に傾けてはいけません。)させて下あごを持ち上げ、口を開けさせて気道を確保も重要です。
枕はあごが下がり、舌根が沈下しやすいので用いません。このような処置をして救急車を待つわけですが、出来ることなら救急車に電話する時、脳出血の疑いがある事を告げられるとベストかと思います。
そりゃ、いきなり人が倒れたら冷静に対処するなんて、我々医療従事者でも機会がそこまでないので、多分テンパります。
ですが、そこはテンパりながらも状況をひたすら伝えると、受け手(救急隊員ね)も医療人なわけですから、伝わりも早いです。
つまり、今日のブログの内容をあたまの片隅に置いておいて、人が倒れた!半身に麻痺っぽい痙攣がある!脳出血の可能性がある!
こんなもんで十分です。
そして、この時の一言(救急隊員にね)がその患者さんの生死を分ける可能性もあるわけですから、是非覚えておきましょうぜ。
後、普段から血圧の高い方に突然に起こる、上下肢における持続性で片側の脱力(麻痺まではいかないが力が入らない痺れ)は、脳出血を含めた脳血管障害の可能性があるので、軽い場合でも神経内科、脳神経外科のある専門病院で精密検査することをおすすめしますよ。
いかがでしたか?
サンデーイルネス(仮)第4回「脳出血」でした。
では、次回は「くも膜下出血」についてお話しします。
また来週〜
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院
3月26日日曜日です。
サンデーイルネス(仮)第4回でございます。
ついに3月も最後の日曜、そろそろ今週、来週は花見もピークですかねぇ…
わたしは、毎日ジムに通うのに、二条駅にいくんですが、駅前になかなか立派な桜の木がありまして、毎日鑑賞させていただいとります。
まだ七分咲きってとこでしょうか。
これから満開まで楽しませてくれそうです。
そんな春うららな日曜日、今日もイルネス辞典(仮)いってみよ。
今週は脳卒中カテゴリからの「脳出血」ですね。
脳出血とは脳内の血管が何らかの原因で破れ、脳の中(大脳、小脳および脳幹の脳実質内)に出血した状態をいいます。
そのために意識障害、運動麻痺、感覚障害などの症状が現れます。
出血による血腫が大きくなると脳浮腫によって頭蓋内圧が高くなって脳ヘルニアを起こし、重い場合は脳幹部が圧迫されて死に至ります。
要するに、脳内で血がたまり、大きくなって他を圧迫しちゃうわけですね。
近年、脳出血の死亡数は減ってきましたが、その最大の理由は高血圧の内科的治療が広く行きわたり、血圧のコントロールが十分に行われるようになったためと考えられます。
また最近、脳出血は軽症化していますが、運動障害や認知症などの後遺症で悩む患者さんが多いのも事実ですので、甘く見ちゃいけないのは当然ですね。
何せ、脳内が出血してんですから…
この時点で軽症なんて有り得ませんから
では、一体、この脳出血、原因は何でしょうか…
原因は色々あるんですが、高血圧が原因で起こる脳出血が最も多く、全体の70%を占めると言われています。
血管の病変をみてみると、脳内の細い小動脈に血管壊死という動脈硬化を基盤とした病変ができ、これに伴ってできる小動脈瘤(小さな血管のこぶ)の破裂が脳出血の原因になります。
その他、脳動脈瘤、脳動静脈奇形の破綻、腫瘍内出血、脳の外傷、白血病などの血液疾患が原因になります。
高齢者では血管の壁に老人性変化のひとつであるアミロイドが沈着して脳出血の原因になることもあるんですって。
では一番原因として多い、高血圧による脳出血を部門別にみてみると、最も頻度が高いのは被殻出血(40%)と視床出血(35%)で、この2つが約3/4を占めます。
次いで皮質下出血(10%)、橋(きょう)出血(5%)、小脳出血(5%)、その他(5%)と続きます。
ま、部門別言われても、どこがどこだか分かりませんよね(笑)詳しく知りたい方はコチラを参考に…
じゃ次に、症状の現れ方をみてみましょう。
一般的には頭痛、嘔吐、意識障害、片麻痺が多くの患者さんにみられます。
出血部位および血腫の大きさにより症状は違いますが、慢性期になっても何らかの後遺症を示す患者さんも多くみられます。
(1)被殻出血
片麻痺、感覚障害、同名性半盲(両眼とも視野の片側半分が見えなくなる状態)などが主な症状で、進行すると意識障害がみられます。
優位半球(通常左半球)の出血の場合では失語症もみられます。
(2)視床出血
片麻痺、感覚障害は被殻出血と同じですが、感覚障害が優位のことがあります。視床出血では、出血後に視床痛という半身のひどい痛みを伴うことがあります。
上記2つがほとんど良いって言い位ですから、まずこの2つを理解することが大事かもしれませんね。
続いて…
(3)皮質下出血
頭頂葉、側頭葉、前頭葉などの皮質下がよく起こる部位です。
症状は、出血する部位に応じて違いますが、軽度から中等度の片麻痺、半盲、失語などがみられます。
(4)橋出血
突然の意識障害、高熱、縮瞳(2o以下)、呼吸異常、四肢麻痺などがみられます。大きな橋出血の場合は予後はかなり悪いです。
(5)小脳出血
突然の回転性のめまい、歩行障害が現れ、頭痛や嘔吐がよくみられます。
と、こんな感じです。
一般的に、どこで出血してもまぁ、ただでは済みませんから常に検査等で異常がないかを調べておくことが大事と言えるでしょうね。
では、検査と診断ですが、CTが最も有用で、発症後数分以内からキチンと映し出されます。
脳動脈瘤、脳動静脈奇形、脳腫瘍による出血が疑われる場合は、脳血管撮影も必要となってきます。
とまぁ、検査によって診断されればある意味問題ないですが、発作的に脳出血を起こしてしまった場合が一番厄介ですし、知識を必要とする一番重大な場面と言えるでしょう。
脳出血起こしたら、意識障害とともに、呼吸障害を伴う場合が多くみられます。
ですから、倒れた直後に一番注意しなければならないのは、吐物によって窒息することと、吐物を誤飲することです。
ですから、吐いた場合は麻痺側(顔から足まで、片側だけに麻痺が出る)を上に、顔と体を横にして誤飲を防ぎましょう。
すぐに救急車を呼び、救急車が来る前には、頭部を後屈(絶対に前に傾けてはいけません。)させて下あごを持ち上げ、口を開けさせて気道を確保も重要です。
枕はあごが下がり、舌根が沈下しやすいので用いません。このような処置をして救急車を待つわけですが、出来ることなら救急車に電話する時、脳出血の疑いがある事を告げられるとベストかと思います。
そりゃ、いきなり人が倒れたら冷静に対処するなんて、我々医療従事者でも機会がそこまでないので、多分テンパります。
ですが、そこはテンパりながらも状況をひたすら伝えると、受け手(救急隊員ね)も医療人なわけですから、伝わりも早いです。
つまり、今日のブログの内容をあたまの片隅に置いておいて、人が倒れた!半身に麻痺っぽい痙攣がある!脳出血の可能性がある!
こんなもんで十分です。
そして、この時の一言(救急隊員にね)がその患者さんの生死を分ける可能性もあるわけですから、是非覚えておきましょうぜ。
後、普段から血圧の高い方に突然に起こる、上下肢における持続性で片側の脱力(麻痺まではいかないが力が入らない痺れ)は、脳出血を含めた脳血管障害の可能性があるので、軽い場合でも神経内科、脳神経外科のある専門病院で精密検査することをおすすめしますよ。
いかがでしたか?
サンデーイルネス(仮)第4回「脳出血」でした。
では、次回は「くも膜下出血」についてお話しします。
また来週〜
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院