ミイラの香り
2025年04月11日 [色々なこと]
お疲れ様です。院長です。
4月11日の金曜日でございます。
何でも今日は「メートル法公布記念日」なんだそうですよ。
では元気にネタいきましょう。
今日はミイラのお話−…。
ミイラとは腐敗せずに長期間残っている遺体のことですが、これってどんな匂いがするのでしょう?
科学者らは、世界初となる古代エジプトのミイラの本格的な分析を行ないました。
その結果、防腐処理され、棺に入れられて約5000年も経つのに、今だに「心地よい」と感じる匂いであることが明らかとなったそうです。
その匂いは、スパイシーで、ウッディで、ほんのり甘いという、まるでヴィンテージワイン、あるいは香水やアロマのようだったそうです。
イギリスのユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(以下UCL)とスロベニアのリュブリャナ大学の研究チームが、エジプト・カイロのエジプト博物館と協力し、古代エジプトのミイラの香りを科学的に分析しました。
古代エジプトのミイラのように、人工的に防腐処理されたものもあれば、自然環境によって保存されたものもあります。
遺体の匂いを調べるなんてこと自体、非常に興味深い研究ですが、ミイラの保存技術の向上にも役立つ可能性があるそうです。
研究チームはエジプト博物館が保管する9体のミイラを対象に研究を行ないました。
ミイラの時代はさまざまで、エジプト新王国時代(紀元前1500年頃)からローマ帝国の属州だった時代(紀元後500年頃)のものまであります。
また保管の状態も、布に包まれたものやそうでないもの、石棺・木棺・テラコッタ棺に収められたものなど、それぞれ違ったものでした。
古いミイラは歴史的に大変貴重な資料です。
いくら研究のためとはいえ、傷つけることは望ましくありません。
そこでニオイで非破壊的に検査しました。
その匂いを嗅ぐにあたって、ミイラ周囲の空気をポンプで吸い取り、吸着管を使って袋に集められました。
香りのテイスターは、きちんと訓練を受けた香りの専門家で、袋内の空気のニオイを13種類のカテゴリーに応じて評価します。
その結果、9体のミイラのうち、7体からウッディな香りがし、6体からスパイシーな香りが、5体から甘い香りがし、3体からお香の香りがしたそうです。
これは、ミイラ作りに使用された材料が影響していると考えられます。
具体的には、次のような香り成分が確認されました。
香り付きワックス
針葉樹の樹脂:松、杉、杜松(ビャクシン属)から作られた油
乳香や没薬(もつやく)などの樹脂
「鼻をつく腐敗臭」や「カビ臭い」という感想もあったが、全体的には心地よい香りだったそうです。
研究チームはガスクロマトグラフィー質量分析装置(GC-MS)を使用してミイラから発せられる揮発性化合物を調べてみました。
さらに、「電子ノーズ(人工嗅覚センサー)」と訓練を受けた人間の嗅覚パネル を組み合わせて、香りの特徴を詳細に分析しました。
すると、ミイラのニオイ源は主に4つあることがわかりました。
具体的には「ミイラ作成時に使用された物質」「微生物の生成物」「合成殺虫剤」「保存用の植物油」です。
つまり後の時代になって発生・使用された物質もニオイの発生源になっているようです。
したがって今のミイラから漂うニオイは、古代エジプトで嗅ぐことができたオリジナルのニオイとは必ずしも同じではないだろうということです。
また展示されているかいないかでも違いがあり、ただ博物館が所蔵しているだけのミイラより、展示されているミイラの方が、多様かつ濃厚なニオイだったそうです。
これは展示用のケースに収められていることが原因である可能性があります。
また意外だったのは、人間の感想と化合物のニオイが一致していないことでした。
今回の実験では、ヴィンテージワインかのような感想が聞かれましたが、本来ミイラが放つ化合物はそのようなニオイがしないそうです。
人間のニオイの感じ方はかなり複雑で、たとえば腐った魚のニオイは一般には悪臭だが、これをいいニオイと感じる人たちも一定数存在します。
今回の人間の感想と化合物の不一致も、こうした人間の嗅覚の不思議さが影響しているのかもしれません。
今回の研究の目的は、貴重なミイラを傷つけることなくその状態を検査する方法を考案することでした。
ですが研究チームにはもう1つの狙いがありました。
それは古代のニオイを人工的に作り出し、それを人々に体験してもらうことでした。
リュブリャナ大学のマティヤ・ストルリッチ教授は、その楽しい構想についてこう語っています。
「もう1つの目的は、ミイラの香りを合成することです。博物館を訪れた人たちに、再現された古代のミイラの香りを体験してもらうのです。」
ところで、いくら貴重なものとはいえ、ミイラは人間の遺体です。
その匂いを嗅がされた人たちは嫌ではなかったのでしょうか?
ですが、そんな心配はただの杞憂であるようで、研究に参加したユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドンのセシリア・ベンビブレ博士は、過去のニオイを嗅ぐという経験に大興奮したと、The Guardianで語っています。
「小さなチューブに鼻を近づけるだけで、古い歴史を持つミイラのニオイを嗅げるんです。」
彼女の鼻には、ミイラのニオイが慣れ親しんだお茶のように感じられたそうです。
まぁ、おそらくイメージ的には燻製とかそういう感じかなと思います。
燻製にする素材によっては匂いも違いますしね。
ま、嗅ぎたくはないですけど(笑)
ではまた〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院
4月11日の金曜日でございます。
何でも今日は「メートル法公布記念日」なんだそうですよ。
では元気にネタいきましょう。
今日はミイラのお話−…。
ミイラとは腐敗せずに長期間残っている遺体のことですが、これってどんな匂いがするのでしょう?
科学者らは、世界初となる古代エジプトのミイラの本格的な分析を行ないました。
その結果、防腐処理され、棺に入れられて約5000年も経つのに、今だに「心地よい」と感じる匂いであることが明らかとなったそうです。
その匂いは、スパイシーで、ウッディで、ほんのり甘いという、まるでヴィンテージワイン、あるいは香水やアロマのようだったそうです。
イギリスのユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(以下UCL)とスロベニアのリュブリャナ大学の研究チームが、エジプト・カイロのエジプト博物館と協力し、古代エジプトのミイラの香りを科学的に分析しました。
古代エジプトのミイラのように、人工的に防腐処理されたものもあれば、自然環境によって保存されたものもあります。
遺体の匂いを調べるなんてこと自体、非常に興味深い研究ですが、ミイラの保存技術の向上にも役立つ可能性があるそうです。
研究チームはエジプト博物館が保管する9体のミイラを対象に研究を行ないました。
ミイラの時代はさまざまで、エジプト新王国時代(紀元前1500年頃)からローマ帝国の属州だった時代(紀元後500年頃)のものまであります。
また保管の状態も、布に包まれたものやそうでないもの、石棺・木棺・テラコッタ棺に収められたものなど、それぞれ違ったものでした。
古いミイラは歴史的に大変貴重な資料です。
いくら研究のためとはいえ、傷つけることは望ましくありません。
そこでニオイで非破壊的に検査しました。
その匂いを嗅ぐにあたって、ミイラ周囲の空気をポンプで吸い取り、吸着管を使って袋に集められました。
香りのテイスターは、きちんと訓練を受けた香りの専門家で、袋内の空気のニオイを13種類のカテゴリーに応じて評価します。
その結果、9体のミイラのうち、7体からウッディな香りがし、6体からスパイシーな香りが、5体から甘い香りがし、3体からお香の香りがしたそうです。
これは、ミイラ作りに使用された材料が影響していると考えられます。
具体的には、次のような香り成分が確認されました。
香り付きワックス
針葉樹の樹脂:松、杉、杜松(ビャクシン属)から作られた油
乳香や没薬(もつやく)などの樹脂
「鼻をつく腐敗臭」や「カビ臭い」という感想もあったが、全体的には心地よい香りだったそうです。
研究チームはガスクロマトグラフィー質量分析装置(GC-MS)を使用してミイラから発せられる揮発性化合物を調べてみました。
さらに、「電子ノーズ(人工嗅覚センサー)」と訓練を受けた人間の嗅覚パネル を組み合わせて、香りの特徴を詳細に分析しました。
すると、ミイラのニオイ源は主に4つあることがわかりました。
具体的には「ミイラ作成時に使用された物質」「微生物の生成物」「合成殺虫剤」「保存用の植物油」です。
つまり後の時代になって発生・使用された物質もニオイの発生源になっているようです。
したがって今のミイラから漂うニオイは、古代エジプトで嗅ぐことができたオリジナルのニオイとは必ずしも同じではないだろうということです。
また展示されているかいないかでも違いがあり、ただ博物館が所蔵しているだけのミイラより、展示されているミイラの方が、多様かつ濃厚なニオイだったそうです。
これは展示用のケースに収められていることが原因である可能性があります。
また意外だったのは、人間の感想と化合物のニオイが一致していないことでした。
今回の実験では、ヴィンテージワインかのような感想が聞かれましたが、本来ミイラが放つ化合物はそのようなニオイがしないそうです。
人間のニオイの感じ方はかなり複雑で、たとえば腐った魚のニオイは一般には悪臭だが、これをいいニオイと感じる人たちも一定数存在します。
今回の人間の感想と化合物の不一致も、こうした人間の嗅覚の不思議さが影響しているのかもしれません。
今回の研究の目的は、貴重なミイラを傷つけることなくその状態を検査する方法を考案することでした。
ですが研究チームにはもう1つの狙いがありました。
それは古代のニオイを人工的に作り出し、それを人々に体験してもらうことでした。
リュブリャナ大学のマティヤ・ストルリッチ教授は、その楽しい構想についてこう語っています。
「もう1つの目的は、ミイラの香りを合成することです。博物館を訪れた人たちに、再現された古代のミイラの香りを体験してもらうのです。」
ところで、いくら貴重なものとはいえ、ミイラは人間の遺体です。
その匂いを嗅がされた人たちは嫌ではなかったのでしょうか?
ですが、そんな心配はただの杞憂であるようで、研究に参加したユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドンのセシリア・ベンビブレ博士は、過去のニオイを嗅ぐという経験に大興奮したと、The Guardianで語っています。
「小さなチューブに鼻を近づけるだけで、古い歴史を持つミイラのニオイを嗅げるんです。」
彼女の鼻には、ミイラのニオイが慣れ親しんだお茶のように感じられたそうです。
まぁ、おそらくイメージ的には燻製とかそういう感じかなと思います。
燻製にする素材によっては匂いも違いますしね。
ま、嗅ぎたくはないですけど(笑)
ではまた〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院