分解細菌
2025年04月10日 [色々なこと]
お疲れ様です。院長です。
4月10日の木曜日でございます。
なんでも今日は「瀬戸大橋開通記念日」だそうですよ。
では元気にネタいきましょう。
ポルトガルの汚染された工業地帯で、「有機フッ素化合物(PFAS)」を分解する細菌が発見されたそうなんです。
PFASはきわめて分解されにくいことから「永遠の化学物質」と呼ばれる厄介なものです。
ですが「Labrys portucalensis F11(F11株)」は、そのガッチリとした化学結合を切断し、副産物の一部を分解します。
PFASは、長年にわたって撥水性の高さから様々な用途に使用されていましたが、いつまでも残り環境を汚染し、食物、水道水、さらには人間の体内にも広く検出されるようになっています。
もしかしたらその除去にF11株が一役買ってくれるかもしれません。
「有機フッ素化合物(PFAS)」は、水や油をはじき、化学的に安定していることから、防水スプレーやテフロン加工のフライパン、消火剤、あるいは紙製のストローなど、さまざまな用途に使用されてきた化学物質です。
しかし、炭素とフッ素原子の結合がきわめて強力なため、自然界ではほとんど分解されず、環境に長く残留し、生物の体内に蓄積されることから、「永遠の化学物質」と呼ばれている厄介者でもありました。
それは使いやすさにつながる性質でもありますが、1万種類以上あるPFASの中には有害なものもあるため、現在は使用規制が世界的に進められています。
そんな中、ニューヨーク州立大学バッファロー校のニュースリリースによると、「Labrys portucalensis F11(F11株)」がこの強固な結合を切断して分解し、炭素を食べてエネルギーにできることを発見したそうなんです。
この細菌は、ポルトガルの汚染された工業地帯の土壌から特定されたもので、研究では、F11株をPFAS以外に炭素源を持たない環境で培養し、その切断、分解能力を検証しました。
実験の結果、F11株が実際に3種類のPFASを分解することを確認しています。
PFOS(ペルフルオロオクタンスルホン酸):100日間で90%以上の結合を切断・分解
5:3フルオロテロメルカルボン酸:100日間で58%の結合を切断・分解
6:2フルオロテロメルスルホン酸:100日間で21%の結合を切断・分解
ですがF11株がすごいのはそれだけではありません。
細菌が何かを分解する際、その代謝物ができますが、F11株はその代謝物にいたるまでフッ素を除去するか、検出不能なレベルまで細かく分解していたんです。
これまでの研究では、細菌の代謝物までは分析されないことが多かったですが、その点、F11株は最後の最後まで永遠の化学物質を処理してくれる頼れる奴であることがしっかり確認されたわけなんです。
ですがなぜF11株はそんなすごい力を手に入れたのでしょう?
ニューヨーク州立大学バッファロー校のダイアナ・アガ氏の解説によれば、汚染された環境で生きるために適応した結果である可能性を示唆しています。
細菌が過酷な汚染された環境で生きられるのは、周囲の化学汚染物質をエサとして利用できるよう適応したからにほかなりません(ダイアナ・アガ氏)
F11株が発見されたのは、化学物質による汚染が進んだポルトガルの工業地帯でした。
PFASは決して美味しい食べ物ではなかったかもしれませんが、F11株は生きるためにこれを分解して、その炭素をエネルギーにする方法を獲得したわけです。
F11株は、永遠の化学物資の掃除屋としてきわめて有望です。
ですがその一方で、課題がないわけでもありません。
はたして現実の環境でF11株を使用した際、本当にPFASを分解してくれるのでしょうか?
今回の実験では、F11株はPFASのみが与えられました。
ですが実際の環境には炭素がいたるところにあります。
あえて頑丈なPFASを分解せずとも炭素を利用できます。
ならば、わざわざPFASの化学結合を切断するなんて大変なことをしないで、楽に手に入る炭素を選ぶのではないでしょうか…?
実用化されればF11株は、下水処理場の活性汚泥内で増殖させてから汚染地帯に投入されるか、直接汚染された土壌や地下水に注入されるだろうと考えられています。
ですが、その際にいかにしてPFASを食べてもらうのか?
テーブルの上に柔らかくて美味しいお肉があるのに、お客にはあえて筋っぽくて噛みきれないお肉を食べてもらう…研究チームは今後、そんな方法を考案しなければならないでしょう。
まぁ、それも含めて研究ですから…。
頑張ってください。
ではまた〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院
4月10日の木曜日でございます。
なんでも今日は「瀬戸大橋開通記念日」だそうですよ。
では元気にネタいきましょう。
ポルトガルの汚染された工業地帯で、「有機フッ素化合物(PFAS)」を分解する細菌が発見されたそうなんです。
PFASはきわめて分解されにくいことから「永遠の化学物質」と呼ばれる厄介なものです。
ですが「Labrys portucalensis F11(F11株)」は、そのガッチリとした化学結合を切断し、副産物の一部を分解します。
PFASは、長年にわたって撥水性の高さから様々な用途に使用されていましたが、いつまでも残り環境を汚染し、食物、水道水、さらには人間の体内にも広く検出されるようになっています。
もしかしたらその除去にF11株が一役買ってくれるかもしれません。
「有機フッ素化合物(PFAS)」は、水や油をはじき、化学的に安定していることから、防水スプレーやテフロン加工のフライパン、消火剤、あるいは紙製のストローなど、さまざまな用途に使用されてきた化学物質です。
しかし、炭素とフッ素原子の結合がきわめて強力なため、自然界ではほとんど分解されず、環境に長く残留し、生物の体内に蓄積されることから、「永遠の化学物質」と呼ばれている厄介者でもありました。
それは使いやすさにつながる性質でもありますが、1万種類以上あるPFASの中には有害なものもあるため、現在は使用規制が世界的に進められています。
そんな中、ニューヨーク州立大学バッファロー校のニュースリリースによると、「Labrys portucalensis F11(F11株)」がこの強固な結合を切断して分解し、炭素を食べてエネルギーにできることを発見したそうなんです。
この細菌は、ポルトガルの汚染された工業地帯の土壌から特定されたもので、研究では、F11株をPFAS以外に炭素源を持たない環境で培養し、その切断、分解能力を検証しました。
実験の結果、F11株が実際に3種類のPFASを分解することを確認しています。
PFOS(ペルフルオロオクタンスルホン酸):100日間で90%以上の結合を切断・分解
5:3フルオロテロメルカルボン酸:100日間で58%の結合を切断・分解
6:2フルオロテロメルスルホン酸:100日間で21%の結合を切断・分解
ですがF11株がすごいのはそれだけではありません。
細菌が何かを分解する際、その代謝物ができますが、F11株はその代謝物にいたるまでフッ素を除去するか、検出不能なレベルまで細かく分解していたんです。
これまでの研究では、細菌の代謝物までは分析されないことが多かったですが、その点、F11株は最後の最後まで永遠の化学物質を処理してくれる頼れる奴であることがしっかり確認されたわけなんです。
ですがなぜF11株はそんなすごい力を手に入れたのでしょう?
ニューヨーク州立大学バッファロー校のダイアナ・アガ氏の解説によれば、汚染された環境で生きるために適応した結果である可能性を示唆しています。
細菌が過酷な汚染された環境で生きられるのは、周囲の化学汚染物質をエサとして利用できるよう適応したからにほかなりません(ダイアナ・アガ氏)
F11株が発見されたのは、化学物質による汚染が進んだポルトガルの工業地帯でした。
PFASは決して美味しい食べ物ではなかったかもしれませんが、F11株は生きるためにこれを分解して、その炭素をエネルギーにする方法を獲得したわけです。
F11株は、永遠の化学物資の掃除屋としてきわめて有望です。
ですがその一方で、課題がないわけでもありません。
はたして現実の環境でF11株を使用した際、本当にPFASを分解してくれるのでしょうか?
今回の実験では、F11株はPFASのみが与えられました。
ですが実際の環境には炭素がいたるところにあります。
あえて頑丈なPFASを分解せずとも炭素を利用できます。
ならば、わざわざPFASの化学結合を切断するなんて大変なことをしないで、楽に手に入る炭素を選ぶのではないでしょうか…?
実用化されればF11株は、下水処理場の活性汚泥内で増殖させてから汚染地帯に投入されるか、直接汚染された土壌や地下水に注入されるだろうと考えられています。
ですが、その際にいかにしてPFASを食べてもらうのか?
テーブルの上に柔らかくて美味しいお肉があるのに、お客にはあえて筋っぽくて噛みきれないお肉を食べてもらう…研究チームは今後、そんな方法を考案しなければならないでしょう。
まぁ、それも含めて研究ですから…。
頑張ってください。
ではまた〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院