カニと珊瑚
2025年03月25日 [動物のこと]
お疲れ様です。院長です。
3月25日の火曜日でございます。
何でも今日は「電気記念日」なんだそうですよ。
では元気にネタいきましょう。
オーストラリア、グレートバリアリーフのサンゴにとって、カニは医者のような存在なんだそうです。
カニの治療は文字通りサンゴの命を救います。
今、気候変動による海水温の上昇で、世界中のサンゴ礁が死滅の危機にさらされています。
ところが新たな研究によると、カニがいるサンゴは熱波の襲来を生き延びる確率が大幅に向上すると言う話です。
種の垣根を超えた共生関係は自然界のさまざまなところで観測されますが、今回明らかになったサンゴとカニの関係も、まさに意外な共生の事例といえるでしょう。
サンゴはもともと、「褐虫藻(かっちゅうそう)」という単細胞藻類と共生関係を持っています。
褐虫藻に住処を提供し、二酸化炭素や老廃物(窒素・リンなどの栄養塩)を与える代わりに、褐虫藻からは、光合成による酸素やブドウ糖、アミノ酸、脂質などの栄養やエネルギーを受け取る、持ちつ持たれつのパートナーなんです。
ところが、海水温度が上がると、褐虫藻が逃げてしまいます。
するとサンゴはエネルギーも栄養ももらえなくなるので、白い枯れ枝のようになって死んでしまいます。
これが世界中のサンゴに広まっている「白化現象」と呼ばれるものです。
これは海の生態系にとっても大問題なんです。
サンゴは共生関係に頼って生きていますが、じつはサンゴに頼って生きている生物もたくさんいるわけなんです。
たとえば世界最大のサンゴ礁地帯、オーストラリアの「グレートバリアリーフ」は、地球上でとびきり豊かな生物多様性が営まれているところです。
さまざまな生き物たちの生息地を提供するサンゴの問題は、そこで織りなされる生態系にとっても死活問題となります。
サンゴの白化現象が懸念されるのはそれゆえなんです。
今回、米国デューク大学をはじめとする研究チームは、そんなサンゴが複数のストレスに対処する方法について探っています。
サンゴの大敵は熱波だけではありません。
海洋汚染はもちろん、オニヒトデに食べられたり、人間の観光客に傷つけられたりとサンゴを脅かす要因は数多く存在します。
では、いつもサンゴにお世話になり、住処を提供してもらっている生物たちは、サンゴのピンチに対してどうしているのでしょう?
研究チームは、浅瀬に生息する「ヒメマツミドリイシ(Acropora aspera)」というサンゴと、そこで暮らしている「ヒヅメオウギガニ(Cyclodius ungulates)」を対象に、海での観察と、水槽を使った実験で確かめてみることにしました。
その結果、カニがいるとサンゴのダメージが少ないことがわかったんです。
水温が上がると確かにサンゴには被害が出ます。
ですが、そのサンゴを住処にするカニがいた場合、組織が失われてしまうほどの被害が60%も減ったそうなんです。
カニはサンゴの傷口の死んだ組織を食べてキレイにしてくれていたんです。
そのおかげでサンゴの傷は回復しやすくなり、しかもサンゴはそれをわかっており、傷口からカニの好きな粘液を分泌して、カニを引き寄せたりもするんだとか…。
カニはサンゴに住処と食べ物(壊死した組織や粘液、サンゴに付着したプランクトンの死骸)をもらうい、サンゴはカニに壊れた組織を食べてもらうことで傷の広がりを防ぐ…。
まさに持ちつ持たれつの相利共生なわけですね。
この結果は、サンゴが共生関係を通じてさまざまなストレスに対応していることを示しています。
カニの治療効果については今後も観察を続けねばなりませんが、この知見をうまく応用すれば、サンゴ礁の回復にも役立てられるかもしれないとのことです。
カニね。
もうこれが確かなら、死滅しかかったサンゴ礁にカニを放つだけで元に戻るかもしれませんしね。
この研究も今後に期待しましょう。
ではまた〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院
3月25日の火曜日でございます。
何でも今日は「電気記念日」なんだそうですよ。
では元気にネタいきましょう。
オーストラリア、グレートバリアリーフのサンゴにとって、カニは医者のような存在なんだそうです。
カニの治療は文字通りサンゴの命を救います。
今、気候変動による海水温の上昇で、世界中のサンゴ礁が死滅の危機にさらされています。
ところが新たな研究によると、カニがいるサンゴは熱波の襲来を生き延びる確率が大幅に向上すると言う話です。
種の垣根を超えた共生関係は自然界のさまざまなところで観測されますが、今回明らかになったサンゴとカニの関係も、まさに意外な共生の事例といえるでしょう。
サンゴはもともと、「褐虫藻(かっちゅうそう)」という単細胞藻類と共生関係を持っています。
褐虫藻に住処を提供し、二酸化炭素や老廃物(窒素・リンなどの栄養塩)を与える代わりに、褐虫藻からは、光合成による酸素やブドウ糖、アミノ酸、脂質などの栄養やエネルギーを受け取る、持ちつ持たれつのパートナーなんです。
ところが、海水温度が上がると、褐虫藻が逃げてしまいます。
するとサンゴはエネルギーも栄養ももらえなくなるので、白い枯れ枝のようになって死んでしまいます。
これが世界中のサンゴに広まっている「白化現象」と呼ばれるものです。
これは海の生態系にとっても大問題なんです。
サンゴは共生関係に頼って生きていますが、じつはサンゴに頼って生きている生物もたくさんいるわけなんです。
たとえば世界最大のサンゴ礁地帯、オーストラリアの「グレートバリアリーフ」は、地球上でとびきり豊かな生物多様性が営まれているところです。
さまざまな生き物たちの生息地を提供するサンゴの問題は、そこで織りなされる生態系にとっても死活問題となります。
サンゴの白化現象が懸念されるのはそれゆえなんです。
今回、米国デューク大学をはじめとする研究チームは、そんなサンゴが複数のストレスに対処する方法について探っています。
サンゴの大敵は熱波だけではありません。
海洋汚染はもちろん、オニヒトデに食べられたり、人間の観光客に傷つけられたりとサンゴを脅かす要因は数多く存在します。
では、いつもサンゴにお世話になり、住処を提供してもらっている生物たちは、サンゴのピンチに対してどうしているのでしょう?
研究チームは、浅瀬に生息する「ヒメマツミドリイシ(Acropora aspera)」というサンゴと、そこで暮らしている「ヒヅメオウギガニ(Cyclodius ungulates)」を対象に、海での観察と、水槽を使った実験で確かめてみることにしました。
その結果、カニがいるとサンゴのダメージが少ないことがわかったんです。
水温が上がると確かにサンゴには被害が出ます。
ですが、そのサンゴを住処にするカニがいた場合、組織が失われてしまうほどの被害が60%も減ったそうなんです。
カニはサンゴの傷口の死んだ組織を食べてキレイにしてくれていたんです。
そのおかげでサンゴの傷は回復しやすくなり、しかもサンゴはそれをわかっており、傷口からカニの好きな粘液を分泌して、カニを引き寄せたりもするんだとか…。
カニはサンゴに住処と食べ物(壊死した組織や粘液、サンゴに付着したプランクトンの死骸)をもらうい、サンゴはカニに壊れた組織を食べてもらうことで傷の広がりを防ぐ…。
まさに持ちつ持たれつの相利共生なわけですね。
この結果は、サンゴが共生関係を通じてさまざまなストレスに対応していることを示しています。
カニの治療効果については今後も観察を続けねばなりませんが、この知見をうまく応用すれば、サンゴ礁の回復にも役立てられるかもしれないとのことです。
カニね。
もうこれが確かなら、死滅しかかったサンゴ礁にカニを放つだけで元に戻るかもしれませんしね。
この研究も今後に期待しましょう。
ではまた〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院