脳内プラスチック
2025年03月20日 [からだのこと]
お疲れ様です。院長です。
3月20日の木曜日でございます。
今日は「春分の日」と言う事でもうすぐ春ですね。
では元気にネタいきましょう。
これまでの研究から、マイクロプラスチックは人体のほぼあらゆる場所に入り込むことが明らかになっています。
では体内のマイクロプラスチックはどうなるのでしょうか?
米国ニューメキシコ大学の研究チームが、2016年と2024年の人体解剖から得られたサンプルを分析したところ、プラスチック粒子が長期的にわたって体内に蓄積することがわかりました。
特に脳内には、マイクロプラスチックやナノプラスチックが大量に蓄積しており、腎臓や肝臓と比べると、最大で30倍にもおよぶそうです。
ニューメキシコ大学の保健学者アレクサンダー・ニハート氏率いる研究チームは、2016年に死亡した28人と2024年に死亡した24人、合計52人の検死体から、脳、肝臓、腎臓の組織を分析しました。
その結果、すべてのサンプルにマイクロ・ナノプラスチックが含まれていたことがわかりました。
特筆すべき点は、脳に含まれていたプラスチックが、肝臓や腎臓の7〜30倍もあったことです。
これは意外な事実でした。
腎臓や肝臓は体内の老廃物をろ過する役割があるため、体の中を循環するプラスチック粒子が流れ込んできてもおかしくはありません。
ですが脳には「血液脳関門」という防御機能があり、有害な物質が脳に侵入するのを防いでくれるはずなのに、プラスチック粒子は、このバリアを突破して脳内に蓄積していたんです。
事実、2024年4月にウィーン大学が行ったマウスを使った研究によると、極小のマイクロ・ナノプラスチックが、摂取後わずか2時間後に脳内で検出されたという話ですから消化より早い(笑)
極小のプラスチック粒子はたやすく脳内に侵入できてしまうようです。
さらに、1997年から2013年の間に米国東海岸で死亡した人々の脳組織のサンプルと比較してみたところ、1997年以降、脳内のプラスチック粒子がはっきりと増加していることが確認されたそうです。
最も多く検出されたプラスチックはポリエチレンで、これはスーパーのレジ袋や食品・飲料の包装に広く使用されているものです。
粒子全体の約75%を占めていたという話です。
また、認知症を患っていた人の脳では、そうでない人の脳と比べて、マイクロプラスチックの濃度が6倍にも達していたこともわかりました。
研究チームによると、認知症が進行すると脳の一部が萎縮したり、血液脳関門が弱まったりすることがあります。
このため、脳内にたまるマイクロプラスチックの量が増える可能性があるという話です。
ただし、マイクロプラスチックが認知症を引き起こす原因であるかどうかは、まだ分かっていないそうです。
今回の研究を行ったニューメキシコ大学の保健学者アレクサンダー・ニハート氏は、そうしたマイクロ・ナノプラスチックが「過去半世紀にわたり急激に増加している」と論文で指摘しています。
塵のようになったプラスチック粒子は、この地球上のありとあらゆる場所に入り込みます。
それは人間をはじめとする生物の体内ですら例外ではありません。
近年の研究で、人間の血液から脳、心臓、精巣に至るまで、あらゆる臓器に入り込むことが明らかとなっています。
現時点で、こうしたプラスチック粒子が健康に与える影響はまだ明らかになっていないんですが、いくつかの研究でその可能性が示唆されています。
ニューメキシコ大学の2025年1月30日付の研究論文によれば、早産児の胎盤には正期産児に比べて高濃度のマイクロプラスチックとナノプラスチックが蓄積していることが判明しており、それが早産リスクに関与している可能性があるという話です。
また中国環境科学研究院の2025年1月22日付の研究論文によると、マウスの脳で、マイクロプラスチックと脳梗塞との関連が確認されたそうです。
この研究には関与していない英国エクセター大学のタマラ・ギャロウェイ教授は「脳内のマイクロプラスチックがこの8年間で50%も増加したというデータは、プラスチックの生産量や使用量の増加と一致しており、非常に重要な発見だ」と指摘しています。
「環境中のマイクロプラスチック汚染を減らせば、人間の体内に取り込まれる量も減る可能性があり、汚染を抑える技術革新が求められる」と述べています。
一方、オーストラリアのRMIT大学のオリバー・ジョーンズ教授は、「この研究は非常に興味深いが、サンプル数が限られている点や、微細なプラスチック粒子の分析が汚染の影響を受けやすい点を考慮すると、結果の解釈には慎重を期すべきだ」と警告しています。
この研究を行ったニハート氏ら研究チームは、プラスチックの人体への影響についてさらなる研究が必要だと強調しています。
「私たちはすでに、プラスチックを毎日体内に取り込み続けています。プラスチックの生産が今のペースで増え続ければ、2040年までに石油需要の95%をプラスチックが占めるようになるという試算もあります」と指摘しています。
マイクロプラスチックが人間の健康に与える影響をより明確にするためには、今後さらに大規模な研究が必要だろう。
いや、この問題もどこかで片づけないと、そのうち手遅れになりますよね。
ではまた〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院
3月20日の木曜日でございます。
今日は「春分の日」と言う事でもうすぐ春ですね。
では元気にネタいきましょう。
これまでの研究から、マイクロプラスチックは人体のほぼあらゆる場所に入り込むことが明らかになっています。
では体内のマイクロプラスチックはどうなるのでしょうか?
米国ニューメキシコ大学の研究チームが、2016年と2024年の人体解剖から得られたサンプルを分析したところ、プラスチック粒子が長期的にわたって体内に蓄積することがわかりました。
特に脳内には、マイクロプラスチックやナノプラスチックが大量に蓄積しており、腎臓や肝臓と比べると、最大で30倍にもおよぶそうです。
ニューメキシコ大学の保健学者アレクサンダー・ニハート氏率いる研究チームは、2016年に死亡した28人と2024年に死亡した24人、合計52人の検死体から、脳、肝臓、腎臓の組織を分析しました。
その結果、すべてのサンプルにマイクロ・ナノプラスチックが含まれていたことがわかりました。
特筆すべき点は、脳に含まれていたプラスチックが、肝臓や腎臓の7〜30倍もあったことです。
これは意外な事実でした。
腎臓や肝臓は体内の老廃物をろ過する役割があるため、体の中を循環するプラスチック粒子が流れ込んできてもおかしくはありません。
ですが脳には「血液脳関門」という防御機能があり、有害な物質が脳に侵入するのを防いでくれるはずなのに、プラスチック粒子は、このバリアを突破して脳内に蓄積していたんです。
事実、2024年4月にウィーン大学が行ったマウスを使った研究によると、極小のマイクロ・ナノプラスチックが、摂取後わずか2時間後に脳内で検出されたという話ですから消化より早い(笑)
極小のプラスチック粒子はたやすく脳内に侵入できてしまうようです。
さらに、1997年から2013年の間に米国東海岸で死亡した人々の脳組織のサンプルと比較してみたところ、1997年以降、脳内のプラスチック粒子がはっきりと増加していることが確認されたそうです。
最も多く検出されたプラスチックはポリエチレンで、これはスーパーのレジ袋や食品・飲料の包装に広く使用されているものです。
粒子全体の約75%を占めていたという話です。
また、認知症を患っていた人の脳では、そうでない人の脳と比べて、マイクロプラスチックの濃度が6倍にも達していたこともわかりました。
研究チームによると、認知症が進行すると脳の一部が萎縮したり、血液脳関門が弱まったりすることがあります。
このため、脳内にたまるマイクロプラスチックの量が増える可能性があるという話です。
ただし、マイクロプラスチックが認知症を引き起こす原因であるかどうかは、まだ分かっていないそうです。
今回の研究を行ったニューメキシコ大学の保健学者アレクサンダー・ニハート氏は、そうしたマイクロ・ナノプラスチックが「過去半世紀にわたり急激に増加している」と論文で指摘しています。
塵のようになったプラスチック粒子は、この地球上のありとあらゆる場所に入り込みます。
それは人間をはじめとする生物の体内ですら例外ではありません。
近年の研究で、人間の血液から脳、心臓、精巣に至るまで、あらゆる臓器に入り込むことが明らかとなっています。
現時点で、こうしたプラスチック粒子が健康に与える影響はまだ明らかになっていないんですが、いくつかの研究でその可能性が示唆されています。
ニューメキシコ大学の2025年1月30日付の研究論文によれば、早産児の胎盤には正期産児に比べて高濃度のマイクロプラスチックとナノプラスチックが蓄積していることが判明しており、それが早産リスクに関与している可能性があるという話です。
また中国環境科学研究院の2025年1月22日付の研究論文によると、マウスの脳で、マイクロプラスチックと脳梗塞との関連が確認されたそうです。
この研究には関与していない英国エクセター大学のタマラ・ギャロウェイ教授は「脳内のマイクロプラスチックがこの8年間で50%も増加したというデータは、プラスチックの生産量や使用量の増加と一致しており、非常に重要な発見だ」と指摘しています。
「環境中のマイクロプラスチック汚染を減らせば、人間の体内に取り込まれる量も減る可能性があり、汚染を抑える技術革新が求められる」と述べています。
一方、オーストラリアのRMIT大学のオリバー・ジョーンズ教授は、「この研究は非常に興味深いが、サンプル数が限られている点や、微細なプラスチック粒子の分析が汚染の影響を受けやすい点を考慮すると、結果の解釈には慎重を期すべきだ」と警告しています。
この研究を行ったニハート氏ら研究チームは、プラスチックの人体への影響についてさらなる研究が必要だと強調しています。
「私たちはすでに、プラスチックを毎日体内に取り込み続けています。プラスチックの生産が今のペースで増え続ければ、2040年までに石油需要の95%をプラスチックが占めるようになるという試算もあります」と指摘しています。
マイクロプラスチックが人間の健康に与える影響をより明確にするためには、今後さらに大規模な研究が必要だろう。
いや、この問題もどこかで片づけないと、そのうち手遅れになりますよね。
ではまた〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院