蜘蛛の鼻
2025年02月13日 [動物のこと]
お疲れ様です。院長です。
2月13日の木曜日でございます。
なんでも今日は、「世界ラジオデー」なんだそうです。
では元気にネタいきましょう。
人間よりも古くから地球上に存在していたクモですが、その生態はいまだ多くの謎が残されているそうです。
中でも「クモはどのように匂いを感知するのか?」という疑問は未解明のままでした。
しかし、今回の研究によりその仕組みがついに明らかになったようです。
これまでクモにフェロモンを検知する能力があることは知られていましたが、昆虫のような触角がないため、どこで感知しているのかはわかりませんでした。
最新の研究で、オスのクモが脚の特殊な感覚器を使ってメスの匂いを嗅ぎ分けていることがわかったそうなんです。
つまりクモのオスには脚に鼻があるということですね。
4億年の進化の歴史があるクモは、身近ですが驚くべき生物です。
振動を敏感に察知することができ、また視力も優れています。
その毒が男性の救世主になることもあります。
ところが嗅覚については長年の謎でした。
クモが性フェロモンの匂いを嗅いでいることは確かでしたが、それを嗅ぐ”鼻”がどこにも見当たらないわけなんです。
昆虫ならば、触角で匂いを感じます。
ところがクモには触覚がありません。
ですから、そもそも匂いを感じる器官がどのようなものかわからないわけです。
さらに昆虫が匂いを嗅ぐための「壁孔感覚器」なる特殊な構造が、クモにはないことも知られています。
本当にこの器官がないのなら、クモはどうやって匂いを感じているのでしょう?
ですがこのほど、ドイツ、グライフスヴァルト大学をはじめとするクモ学者チームによって、ついにクモの壁孔感覚器が発見されたわけなんです。
それが発見されたのは「ナガコガネグモ(Argiope bruennichi)」のオスの脚でした。
高性能な走査型電子顕微鏡で観察したところ、成熟したオスならばどの脚にも無数の壁孔感覚器があることが判明したそうです。
面白いのは、クモの壁孔感覚器が脚の体に近い部分にあることでした。
ここは歩いたり、狩りをしたり、あるいはメスと交尾をしたりする際でも、物体とほとんど接触することがないんだそうです。
一方、脚の下の方には、味を感じるとされる感覚器があり、ニオイの壁孔感覚器と補完的な配置になっています。
が、一番注目すべきは、この壁孔感覚器が大人のオスにしかないことです。
未成熟なオスやメスには存在しません。
このことは、クモの”脚の鼻”はオスが交尾をするメスを探すためのものであることを語っているわけです。
ナガコガネグモのメスは性フェロモンのガスを放出して、遠くにいるオスを魅了します。
幸いにして、その性フェロモンの化学構造はすでに詳しく解明されています。
そこで研究チームは、オスの壁孔感覚器がメスのフェロモンに実際に反応するかどうか試してみることにしました。
その実験では、生きたオスを顕微鏡の下に固定し、壁孔感覚器の反応を記録するための電極を突き刺します。
そのうえで、フェロモンを吹きかけてみました。
すると、20 ngのごく微量なフェロモンに対してすらも、壁孔感覚器の神経細胞は爆発的な反応を示したそうです。
こうした反応はフェロモンが増えるほど強く、またどの脚であっても同じように反応しました。
この研究に参加したルンド大学のジャン・ダンダン氏の解説によれば、オスのクモのこの反応は、もっとも性フェロモンに敏感な昆虫に比べても、非常に高感度なものであるといってます。
その力があれば、空気中に漂うわずかなフェロモンであっても感じられるそうです。
なお、こうしたクモのオスの壁孔感覚器は、クモのほとんどの種が持っています。
クモの系統樹全体にまたがる16科19種を調べたところ、どのオスでも同じものが確認されました。
ただし例外もあって、アジアに生息するトタテグモの仲間など、原始的なクモには壁孔感覚器がないものもいたそうです。
このことから、この感覚器はさまざまなクモが独自に進化させ、中にはそれを失ったクモもいるのだろうと、研究チームは推測しています。
はたしてクモはニオイで世界をどう認識しているのでしょう?
今回の研究は、その解明を大きく前進させることでしょう。
では、壁孔感覚器のないメスはどうやって匂いを嗅ぐのか、フェロモン以外の匂いは嗅げるのか、そうした匂いはクモの行動にどのような影響を与えているのかなど、いくつもの興味深い疑問が解明される日を待っています。
まぁ、クモ嫌いなんでそこまで興味もないですけどね(笑)
ではまた〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院
2月13日の木曜日でございます。
なんでも今日は、「世界ラジオデー」なんだそうです。
では元気にネタいきましょう。
人間よりも古くから地球上に存在していたクモですが、その生態はいまだ多くの謎が残されているそうです。
中でも「クモはどのように匂いを感知するのか?」という疑問は未解明のままでした。
しかし、今回の研究によりその仕組みがついに明らかになったようです。
これまでクモにフェロモンを検知する能力があることは知られていましたが、昆虫のような触角がないため、どこで感知しているのかはわかりませんでした。
最新の研究で、オスのクモが脚の特殊な感覚器を使ってメスの匂いを嗅ぎ分けていることがわかったそうなんです。
つまりクモのオスには脚に鼻があるということですね。
4億年の進化の歴史があるクモは、身近ですが驚くべき生物です。
振動を敏感に察知することができ、また視力も優れています。
その毒が男性の救世主になることもあります。
ところが嗅覚については長年の謎でした。
クモが性フェロモンの匂いを嗅いでいることは確かでしたが、それを嗅ぐ”鼻”がどこにも見当たらないわけなんです。
昆虫ならば、触角で匂いを感じます。
ところがクモには触覚がありません。
ですから、そもそも匂いを感じる器官がどのようなものかわからないわけです。
さらに昆虫が匂いを嗅ぐための「壁孔感覚器」なる特殊な構造が、クモにはないことも知られています。
本当にこの器官がないのなら、クモはどうやって匂いを感じているのでしょう?
ですがこのほど、ドイツ、グライフスヴァルト大学をはじめとするクモ学者チームによって、ついにクモの壁孔感覚器が発見されたわけなんです。
それが発見されたのは「ナガコガネグモ(Argiope bruennichi)」のオスの脚でした。
高性能な走査型電子顕微鏡で観察したところ、成熟したオスならばどの脚にも無数の壁孔感覚器があることが判明したそうです。
面白いのは、クモの壁孔感覚器が脚の体に近い部分にあることでした。
ここは歩いたり、狩りをしたり、あるいはメスと交尾をしたりする際でも、物体とほとんど接触することがないんだそうです。
一方、脚の下の方には、味を感じるとされる感覚器があり、ニオイの壁孔感覚器と補完的な配置になっています。
が、一番注目すべきは、この壁孔感覚器が大人のオスにしかないことです。
未成熟なオスやメスには存在しません。
このことは、クモの”脚の鼻”はオスが交尾をするメスを探すためのものであることを語っているわけです。
ナガコガネグモのメスは性フェロモンのガスを放出して、遠くにいるオスを魅了します。
幸いにして、その性フェロモンの化学構造はすでに詳しく解明されています。
そこで研究チームは、オスの壁孔感覚器がメスのフェロモンに実際に反応するかどうか試してみることにしました。
その実験では、生きたオスを顕微鏡の下に固定し、壁孔感覚器の反応を記録するための電極を突き刺します。
そのうえで、フェロモンを吹きかけてみました。
すると、20 ngのごく微量なフェロモンに対してすらも、壁孔感覚器の神経細胞は爆発的な反応を示したそうです。
こうした反応はフェロモンが増えるほど強く、またどの脚であっても同じように反応しました。
この研究に参加したルンド大学のジャン・ダンダン氏の解説によれば、オスのクモのこの反応は、もっとも性フェロモンに敏感な昆虫に比べても、非常に高感度なものであるといってます。
その力があれば、空気中に漂うわずかなフェロモンであっても感じられるそうです。
なお、こうしたクモのオスの壁孔感覚器は、クモのほとんどの種が持っています。
クモの系統樹全体にまたがる16科19種を調べたところ、どのオスでも同じものが確認されました。
ただし例外もあって、アジアに生息するトタテグモの仲間など、原始的なクモには壁孔感覚器がないものもいたそうです。
このことから、この感覚器はさまざまなクモが独自に進化させ、中にはそれを失ったクモもいるのだろうと、研究チームは推測しています。
はたしてクモはニオイで世界をどう認識しているのでしょう?
今回の研究は、その解明を大きく前進させることでしょう。
では、壁孔感覚器のないメスはどうやって匂いを嗅ぐのか、フェロモン以外の匂いは嗅げるのか、そうした匂いはクモの行動にどのような影響を与えているのかなど、いくつもの興味深い疑問が解明される日を待っています。
まぁ、クモ嫌いなんでそこまで興味もないですけどね(笑)
ではまた〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院