ホラーと免疫
2024年12月24日 [からだのこと]
お疲れ様です。院長です。
12月24日の火曜日でございます。
そう。今日はクリスマスイブですな。
では元気にネタいきましょう。
ホラー映画やお化け屋敷など、怖いものが苦手と言う人多いんですが、この世からなくならないのは、こういった疑似的な恐怖を体験してみたいという人も一定数存在します。
そして実はその体験が健康に影響をもたらすそうなんです。
こういった疑似的な恐怖体験をすると免疫系が活性化するという新たな研究結果が発表されたそうなんです。
びっくりして怖がるという行為は、冷水に飛び込んだときと同様に、人体の防衛力を活性化させる可能性があるそうなんです。
私たちの体には異物が入ってきて細胞が異常を起こすと、白血球などの免疫細胞が出動しそれらを排除して体を守ろうとする免疫系のシステムが備わっています。
このシステムのひとつが患部が赤く腫れたり、発熱したりする体内炎症という現象です。
これは誰の体内でも起こっていることですぐに治る場合もあります。
ですが、体を傷つける活性酸素を除去しきれずに炎症が慢性化すると、最終的には命にかかわる糖尿病や高血圧などさまざまな病気になりやすくなってしまいます。
デンマーク、オーフス大学の研究チームが、軽度の炎症状態にある被験者22名におよそ50分間お化け屋敷に入ってもらう実験を行ないました。
被験者には、恐怖ピエロや腐敗したゾンビ、血まみれエプロンをつけチェーンソーを持った襲撃者に追いかけられて、恐怖をたっぷり味わってもらいました。
そうして3日後、被験者の「高感度C反応性タンパク質(hs-CRP)」の数値を測定しました。
CRP(C反応性タンパク質)とは、体内炎症が起きた際に血中で増加するタンパク質のことで、hs-CRPは通常のCRPでは捉えにくい軽微な体内炎症を検知できるマーカー。
3mg/Lを超えると軽度の炎症レベルとされています。
恐怖体験後、被験者たちの80%以上が体内炎症レベルが低下し、ほぼ半数は完全に正常値になったそうです。
血中の免疫細胞はリンパ球と単球のみが減っていました。
また、炎症がまったくない91名にも同じ実験をしてみると、免疫細胞の変化がみられました。
腫瘍細胞や細菌を破壊してくれる白血球であるリンパ球や単球、好酸球、好塩基球が減少していたそうです。
お化け屋敷は、安全だとわかっていて恐怖を楽しむことができるアトラクションです。
こうした疑似的な一時的な恐怖は、どうやらアドレナリンやエンドルフィンの増加をもたらすようです。
ですがこれまで、「娯楽としての恐怖」という心理反応が、私たちの体に与えるメリットについてはまだあまりよく理解されていませんでした。
しかし、この研究結果は、楽しむための恐怖は健康に良い影響をもたらす可能性があることを示しています。
「精神状態と炎症の関係には潜在的に構造的なつながりがある可能性が考えられる」と、臨床研究者のマリー・ルイーズ・ボンネリッケ・ベルンツ氏は書いています。
不安は軽度の慢性炎症と関連しているようですが、恐怖は炎症のピークとその後の解消に関連しているのかもしれない(ベルンツ氏)
この実験結果からは、娯楽のための恐怖によって血中の免疫細胞と炎症マーカーのバランスが調整され、免疫系に影響を及ぼす可能性があることを示しています。
その影響がどのようにして起こるかを理解するにはさらに研究が必要ですが、マウスを使った実験では恐怖と急性ストレスが副腎を刺激し、免疫細胞のアドレナリン受容体を活性化させることが示されています。
アドレナリン系は、いわゆる闘争・逃走反応を促し、マウスの場合、免疫系を動員して起こるかもしれない外傷や感染に備えると考えられます。
人間の場合、例えば寒さにさらされるとアドレナリン系が活性化され、抗炎症マーカーと連動していることが示されています。
ただし、娯楽としての恐怖がアドレナリン系に同じような作用を引き起こしているかどうかはまだ断定できません。
今後の研究では、アドレナリン系の役割をさらに深掘りし、効果の持続性を確認するべきだとしています。
また、どんな研究でもすべての人に当てはまるわけではないことは考慮するべきで、恐怖症レベルでお化け屋敷が嫌いな人には逆効果になる可能性もあります。
怖いの大好き人間には朗報かもしれませんが、本当のトラウマになってしまっては元も子もありません。
作り物と理解した上で、ほどほどの恐怖を楽しむことができる人なら効果が見込めるかもしれませんね。
ではまた〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院
12月24日の火曜日でございます。
そう。今日はクリスマスイブですな。
では元気にネタいきましょう。
ホラー映画やお化け屋敷など、怖いものが苦手と言う人多いんですが、この世からなくならないのは、こういった疑似的な恐怖を体験してみたいという人も一定数存在します。
そして実はその体験が健康に影響をもたらすそうなんです。
こういった疑似的な恐怖体験をすると免疫系が活性化するという新たな研究結果が発表されたそうなんです。
びっくりして怖がるという行為は、冷水に飛び込んだときと同様に、人体の防衛力を活性化させる可能性があるそうなんです。
私たちの体には異物が入ってきて細胞が異常を起こすと、白血球などの免疫細胞が出動しそれらを排除して体を守ろうとする免疫系のシステムが備わっています。
このシステムのひとつが患部が赤く腫れたり、発熱したりする体内炎症という現象です。
これは誰の体内でも起こっていることですぐに治る場合もあります。
ですが、体を傷つける活性酸素を除去しきれずに炎症が慢性化すると、最終的には命にかかわる糖尿病や高血圧などさまざまな病気になりやすくなってしまいます。
デンマーク、オーフス大学の研究チームが、軽度の炎症状態にある被験者22名におよそ50分間お化け屋敷に入ってもらう実験を行ないました。
被験者には、恐怖ピエロや腐敗したゾンビ、血まみれエプロンをつけチェーンソーを持った襲撃者に追いかけられて、恐怖をたっぷり味わってもらいました。
そうして3日後、被験者の「高感度C反応性タンパク質(hs-CRP)」の数値を測定しました。
CRP(C反応性タンパク質)とは、体内炎症が起きた際に血中で増加するタンパク質のことで、hs-CRPは通常のCRPでは捉えにくい軽微な体内炎症を検知できるマーカー。
3mg/Lを超えると軽度の炎症レベルとされています。
恐怖体験後、被験者たちの80%以上が体内炎症レベルが低下し、ほぼ半数は完全に正常値になったそうです。
血中の免疫細胞はリンパ球と単球のみが減っていました。
また、炎症がまったくない91名にも同じ実験をしてみると、免疫細胞の変化がみられました。
腫瘍細胞や細菌を破壊してくれる白血球であるリンパ球や単球、好酸球、好塩基球が減少していたそうです。
お化け屋敷は、安全だとわかっていて恐怖を楽しむことができるアトラクションです。
こうした疑似的な一時的な恐怖は、どうやらアドレナリンやエンドルフィンの増加をもたらすようです。
ですがこれまで、「娯楽としての恐怖」という心理反応が、私たちの体に与えるメリットについてはまだあまりよく理解されていませんでした。
しかし、この研究結果は、楽しむための恐怖は健康に良い影響をもたらす可能性があることを示しています。
「精神状態と炎症の関係には潜在的に構造的なつながりがある可能性が考えられる」と、臨床研究者のマリー・ルイーズ・ボンネリッケ・ベルンツ氏は書いています。
不安は軽度の慢性炎症と関連しているようですが、恐怖は炎症のピークとその後の解消に関連しているのかもしれない(ベルンツ氏)
この実験結果からは、娯楽のための恐怖によって血中の免疫細胞と炎症マーカーのバランスが調整され、免疫系に影響を及ぼす可能性があることを示しています。
その影響がどのようにして起こるかを理解するにはさらに研究が必要ですが、マウスを使った実験では恐怖と急性ストレスが副腎を刺激し、免疫細胞のアドレナリン受容体を活性化させることが示されています。
アドレナリン系は、いわゆる闘争・逃走反応を促し、マウスの場合、免疫系を動員して起こるかもしれない外傷や感染に備えると考えられます。
人間の場合、例えば寒さにさらされるとアドレナリン系が活性化され、抗炎症マーカーと連動していることが示されています。
ただし、娯楽としての恐怖がアドレナリン系に同じような作用を引き起こしているかどうかはまだ断定できません。
今後の研究では、アドレナリン系の役割をさらに深掘りし、効果の持続性を確認するべきだとしています。
また、どんな研究でもすべての人に当てはまるわけではないことは考慮するべきで、恐怖症レベルでお化け屋敷が嫌いな人には逆効果になる可能性もあります。
怖いの大好き人間には朗報かもしれませんが、本当のトラウマになってしまっては元も子もありません。
作り物と理解した上で、ほどほどの恐怖を楽しむことができる人なら効果が見込めるかもしれませんね。
ではまた〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院