弘泉堂鍼灸接骨院
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アリ農業
2024年11月11日 [動物のこと]
お疲れ様です。院長です。

11月11日の月曜日でございます。

今日は、もうみんな知ってるポッキー&プリッツの日。ですな。

では元気にネタいきましょう。

なんでも、小さなアリの中には農業を営む仲間がいるそうなんです。

彼らはキノコ畑で菌類を育てて、それを食べて生きているんだとか…。

人間よりもはるかに古いアリの農業は、どのようにして始まったのでしょう?

その謎を解明するべく膨大なDNAを集めた最新の研究では、驚くべき事実が明らかになっています。

なんとその始まりは、約6600万年前に恐竜を絶滅させた小惑星の衝突がきっかけだった可能性が高いそうなんです。

大量絶滅の危機を乗り越えるため、彼らは菌類を栽培することを学んだのだろうと…。

北アメリカ東南部から、中南米の熱帯雨林帯を中心とした地域に広く生息するハキリアリは、葉を切り取って巣に持ち帰り、それで菌類を育ててエサとして収穫します。

そうしたアリたちは適当に菌類を選んでいるわけではありません。

と言うのも、遺伝子の研究から、特定の農業アリは決まった菌類しか育てないことがわかっているそうなんです。

つまり農業を営むアリは、それぞれの菌類に合わせて進化したようなんです。

ですが、こうしたアリと菌類の共生関係がどのようにして始まったのか、詳しいことはわかっていません。

1つの問題は、アリに栽培される菌類の”野生種”があまり理解されていないことです。

今回の研究では、アブラジルのサンパウロ州立大学生物科学研究所やアメリカ国立自然史博物館をはじめとする国際的なチームが、アリと菌類の膨大な量のDNAを調べ、このアリの農業の進化の歴史を描き出しています。

そこから浮かび上がってきたのは、アリの農業は、恐竜を絶滅させた約6600万年前の小惑星衝突による大量絶滅がきっかけだったらしいという意外な事実でした。

この研究では、菌類475種とアリ276種のDNAを採取して行われました。

ここには農業をする種もしない種も含まれており、2000以上の遺伝子を比較することで、種のつながりが洗い出されました。

この分析では、アリが行う農業の種類によってグループ分けされました。

たとえば、酵母を栽培するグループ、ホウキタケを栽培するグループ、あるいは農業に適応した菌類を栽培するもっと洗練された農業を行うグループ(先述したハキリアリはこのグループだ)などです。

こうしたグループを分析した結果、酵母で農業するアリとホウキタケで農業するアリは、非常に近い関係にあり、単一の祖先種から枝分かれしたことがわかりました。

高度な農業を行うアリたちもまた、お互いに近縁にあるそうです。

同じことが菌類側でも言えるようで、栽培される酵母はどれも近い種で、ホウキタケも基本的に同様なんだとか…。

こうした農業アリたちの共通祖先を探ってみると、どうもその祖先は白亜紀の終わりに起きた大量絶滅を経験しているらしいことがわかりました。

つまり小惑星の衝突で恐竜が絶滅した時代を生きのびていたわけなんですね。

小惑星に関する研究では、それが衝突した後、大気中に大量のチリやホコリが舞い、太陽の光が遮られたせいで、植物は2年もの間、光合成ができなかったらしいことが明らかになっています。

そのため植物はほとんど成長できなかったはずで、その一方、死んだ動物の死体が大量にあったため、菌類は繁殖しやすかったと考えられます。

ただし組織化された農業を行うアリのほとんどが現れたのは、大量絶滅から3500万年後となる始新世の終わり(およそ3300万年前)のことです。

その理由は、漸新世への過渡期に起きた気候変動によって、農業アリが進化したアメリカの熱帯地域で乾燥が進んだことと関係しているかもしれません。

この環境の変化によって、食べられる野生の菌類が減り、それを自力で栽培できるアリたちが有利になったわけです。

同じことは、酵母で農業を行うアリについても言えます。

ただしホウキダケを利用するアリが登場したのは、そのさらに1000万年後のことらしいので、このグループについてはまた別の事情があったようです。

この研究は、アリによる農業がなぜ始まり、どのように進化したのか、より明確なストーリーを描き出しています。

それは意外にも、小惑星によって環境が激変し、エサが乏しくなった地球を生きるためにアリが考案したサバイバル術だったのかもしれません。

じつは、このことは人間の農業についても言えるかもしれません。

ある研究によると、1万2000年ほど前、地球に落下した彗星が農業の始まりにつながった可能性があるのだとか…。

まったく関係ないように思えて、宇宙は地上の生物たちの暮らしを大きく左右しています。

それはアリの農業と同じくらい意外な事実でしょう。

ではまた〜。





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