(399)サンデーイルネス(仮)味覚障害について
2024年10月20日 [からだのこと]
お疲れ様です。院長です。
10月20日のサンデーイルネスでございます。
10月も残り10日となりました。
ここまでくると秋ですなぁ。
すぐに冬になりますから、短い秋を堪能しておいてくださいね。
では、本題にいきましょう。
今日のイルネス辞典は、「味覚障害」について解説していきたいと思います。
味覚障害が起こる原因として、私たちは、唾液に溶けた物質が口のなかにある味蕾(みらい)(味を感じる受容器)と接触し、さらに関係神経を介することによって味を感じます。
味覚障害は、唾液分泌(だえきぶんぴ)、口腔粘膜、味蕾、関係神経の障害などによって起きます。
味に関わる因子には、味覚以外に、香り、舌ざわり、歯ざわり、温度、審美、食欲、加齢など多様なものがあります。
味覚障害の原因には次のものがあります。
(1)亜鉛(あえん)欠乏
亜鉛は、体にとって必須の微量元素(ミネラル)で、普通に食事をとっていれば欠乏することはありません。
しかし、薬剤、亜鉛代謝異常(腎臓障害など)、あるいは食事量の減少によって低亜鉛症となることがあります。
薬剤による味覚障害では、味覚異常、味覚減退、苦味が増すなどが生じます。亜鉛キレート作用(薬剤が細胞への亜鉛の取り込みを妨げること)により亜鉛が欠乏して味覚障害を起こしたり、薬剤による口の渇きから苦味を感じることがありますが、障害を起こす原因が不明な場合も多くあります。
腎障害では亜鉛の吸収が悪くなったり、尿毒素が味蕾に影響を及ぼして味覚障害が起きることがあります。
(2)神経障害
末梢神経障害
味覚に関わる神経は、舌の前方3分の2の鼓索(こさく)神経、舌の後方3分の1の舌咽(ぜついん)神経、軟口蓋(なんこうがい)の大錐体(だいすいたい)神経(顔面神経)です。
これらの神経に障害があれば、味覚障害を起こすことがあります。
中枢神経障害
脳腫瘍、脳卒中(のうそっちゅう)などによって味覚障害を起こすことがあります。
(3)風味障害
感冒(かんぼう)(かぜ)などに伴う嗅覚障害は味覚障害と密接な関連があり、併発すると食物の香りも味もよくわからない風味障害を起こします。
また、高窒素血症(こうちっそけっしょう)の場合はアンモニア臭を起こすことから、風味障害を起こすことがあります。
(4)味蕾への障害
口内炎(こうないえん)、口腔(こうくう)カンジダ症
口腔粘膜のはたらきに影響を及ぼすため、味覚障害を引き起こします。
放射線照射
腫瘍の治療のために口腔に放射線照射を行うと、味覚障害と口内炎を引き起こします。
口腔乾燥
口が乾燥すると苦味を感じます。口が乾燥する原因には加齢のほか、シェーグレン症候群があります。
(5)高齢
高齢に伴って次のような変化が起きます。
唾液分泌の減少
唾液には味の分子を溶かす作用があるので、唾液の分泌が減れば味が変わります。高齢になると、多くの場合は唾液の分泌が減少します。
味蕾
加齢とともに減少します。
食事
偏食や食事量の減少があれば、亜鉛摂取量も減ります。
内臓機能の衰え
亜鉛を消化吸収する機能が落ちれば、亜鉛摂取量も減ります。
その他、原因がわからないものもあります。
味覚障害に関する検査
(1)自覚的味覚機能検査
電気味覚検査法
味覚に関係する神経(鼓索神経、舌咽神経、大錐体神経)に通電し、金属味を感じる時の通電流値を測ります。
濾紙(ろし)ディスク法
直径5oの濾紙に、濃度の異なる味液(ショ糖、食塩、酒石酸、キニーネ)を浸し、味覚を感じる神経があるところに置き、味覚を検査します。
(2)血清亜鉛値
70μm以下では亜鉛製剤を投与します。
味が変だと自覚したら、耳鼻咽喉科を受診してください。
神経に主な原因がある場合は神経内科を受診してください。
原因を明らかにし、適切な治療を受けましょう。
いかがでしたか。
では次回のイルネス辞典をお楽しみに〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院
10月20日のサンデーイルネスでございます。
10月も残り10日となりました。
ここまでくると秋ですなぁ。
すぐに冬になりますから、短い秋を堪能しておいてくださいね。
では、本題にいきましょう。
今日のイルネス辞典は、「味覚障害」について解説していきたいと思います。
味覚障害が起こる原因として、私たちは、唾液に溶けた物質が口のなかにある味蕾(みらい)(味を感じる受容器)と接触し、さらに関係神経を介することによって味を感じます。
味覚障害は、唾液分泌(だえきぶんぴ)、口腔粘膜、味蕾、関係神経の障害などによって起きます。
味に関わる因子には、味覚以外に、香り、舌ざわり、歯ざわり、温度、審美、食欲、加齢など多様なものがあります。
味覚障害の原因には次のものがあります。
(1)亜鉛(あえん)欠乏
亜鉛は、体にとって必須の微量元素(ミネラル)で、普通に食事をとっていれば欠乏することはありません。
しかし、薬剤、亜鉛代謝異常(腎臓障害など)、あるいは食事量の減少によって低亜鉛症となることがあります。
薬剤による味覚障害では、味覚異常、味覚減退、苦味が増すなどが生じます。亜鉛キレート作用(薬剤が細胞への亜鉛の取り込みを妨げること)により亜鉛が欠乏して味覚障害を起こしたり、薬剤による口の渇きから苦味を感じることがありますが、障害を起こす原因が不明な場合も多くあります。
腎障害では亜鉛の吸収が悪くなったり、尿毒素が味蕾に影響を及ぼして味覚障害が起きることがあります。
(2)神経障害
末梢神経障害
味覚に関わる神経は、舌の前方3分の2の鼓索(こさく)神経、舌の後方3分の1の舌咽(ぜついん)神経、軟口蓋(なんこうがい)の大錐体(だいすいたい)神経(顔面神経)です。
これらの神経に障害があれば、味覚障害を起こすことがあります。
中枢神経障害
脳腫瘍、脳卒中(のうそっちゅう)などによって味覚障害を起こすことがあります。
(3)風味障害
感冒(かんぼう)(かぜ)などに伴う嗅覚障害は味覚障害と密接な関連があり、併発すると食物の香りも味もよくわからない風味障害を起こします。
また、高窒素血症(こうちっそけっしょう)の場合はアンモニア臭を起こすことから、風味障害を起こすことがあります。
(4)味蕾への障害
口内炎(こうないえん)、口腔(こうくう)カンジダ症
口腔粘膜のはたらきに影響を及ぼすため、味覚障害を引き起こします。
放射線照射
腫瘍の治療のために口腔に放射線照射を行うと、味覚障害と口内炎を引き起こします。
口腔乾燥
口が乾燥すると苦味を感じます。口が乾燥する原因には加齢のほか、シェーグレン症候群があります。
(5)高齢
高齢に伴って次のような変化が起きます。
唾液分泌の減少
唾液には味の分子を溶かす作用があるので、唾液の分泌が減れば味が変わります。高齢になると、多くの場合は唾液の分泌が減少します。
味蕾
加齢とともに減少します。
食事
偏食や食事量の減少があれば、亜鉛摂取量も減ります。
内臓機能の衰え
亜鉛を消化吸収する機能が落ちれば、亜鉛摂取量も減ります。
その他、原因がわからないものもあります。
味覚障害に関する検査
(1)自覚的味覚機能検査
電気味覚検査法
味覚に関係する神経(鼓索神経、舌咽神経、大錐体神経)に通電し、金属味を感じる時の通電流値を測ります。
濾紙(ろし)ディスク法
直径5oの濾紙に、濃度の異なる味液(ショ糖、食塩、酒石酸、キニーネ)を浸し、味覚を感じる神経があるところに置き、味覚を検査します。
(2)血清亜鉛値
70μm以下では亜鉛製剤を投与します。
味が変だと自覚したら、耳鼻咽喉科を受診してください。
神経に主な原因がある場合は神経内科を受診してください。
原因を明らかにし、適切な治療を受けましょう。
いかがでしたか。
では次回のイルネス辞典をお楽しみに〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院