ネアンデルタール人と自閉スペクトラム症
2024年07月17日 [からだのこと]
お疲れ様です。院長です。
7月17日の水曜日でございます。
だんだん暑さが厳しくなってきてますねぇ。
では今日も元気にネタいきましょう。
新たな研究によりますと、ネアンデルタール人から受け継いだ特定の遺伝子情報が、現代人の自閉スペクトラム症の発症率に強く関係していることがわかったそうなんです。
およそ4万年前に絶滅したネアンデルタール人ですが、アフリカからやってきた私たちの祖先と交わることで、その遺伝子の一部を今日まで残すことに成功しました。
ですがそうして現代人に受け継がれた彼らの遺伝子は、私たちの神経の発達に影響し、自閉スペクトラム症をはじめとするいくつかの神経発達疾患を生じさせることがあるようなんです。
ネアンデルタール人は、およそ4万年前までユーラシア大陸で暮らしていた旧人類で、ヒトという系統の中では私たちホモ・サピエンスにもっとも近い親戚です。
彼らはすでに絶滅しましたが、じつはそのDNAが現代人にも受け継がれています。
4万7000〜6万5000年前に私たちの祖先がアフリカから移動してきた際、ネアンデルタール人と交雑しました。
そのために彼らの遺伝子がホモ・サピエンスに入り込みました。
ヨーロッパ系とアジア系の遺伝子の2%が彼らからのものだと推定されています。
これまで、こうしたネアンデルタール人の遺伝子が、免疫・皮膚の色素・代謝などに多少なりとも影響していることが明らかにされてきました。
そして今回の研究のテーマは、それが脳の発達にどのような影響を与えているのか?
とりわけ「自閉スペクトラム症」のような神経発達疾患とネアンデルタール人の遺伝子との関係でした。
自閉スペクトラム症は、交流やコミュニケーションが苦手、興味の対象や活動がきわめて狭い、同じ行動を繰り返すといった症状を特徴とする神経発達症の一種です。
一口に自閉スペクトラム症と言っても現れる症状や程度は人それぞれで、それらは脳の結合パターンによって特徴づけられることが知られています。
そこで米ロヨラ大学ニューオリンズ校のエミリー・カサノバ氏らは、これらのパターンがネアンデルタール人のDNAとどう関連しているか確かめてみたわけです。
自分自身が自閉スペクトラム症であるというカサノバ氏が語ったところによると、ネアンデルタール人とホモ・サピエンスに見られるような「交雑」は、遺伝学的に”揺さぶり"をかける傾向があるのだそうです。
その原因の1つは、単純に2つの種の遺伝子が足し合わされるからですが、それだけでなくあるゲノムに放り込まれるとうまく機能しない遺伝的な変異があることも関係しています。
こうした交雑による影響は、子孫にそれまでなかった問題を引き起こすケースがある一方、進化をうながす刺激にもなり得るという興味深い側面があります。
だからこそカサノバ氏は、ネアンデルタール人の遺伝子変異型に強い関心を示しています。
今回の研究では、遺伝子データから自閉スペクトラム症患者とそうでない人のデータを集め、それをまた別の遺伝子データベースと比較することで、ネアンデルタール人由来の遺伝子に何か違いがあるのかどうかが探られました。
その結果、自閉スペクトラム症の人は、ネアンデルタール人由来の珍しい遺伝子変異を持っている傾向があることが判明したわけです。
人口全体で見るとその”希少変異”を持つ人は1%未満でしかないそうです。
ところが、調査対象となった3つの民族グループ(非ヒスパニック系黒人、ヒスパニック系白人、非ヒスパニック系白人)の自閉スペクトラム症患者に限ると、それを持つ人が非常に多かったそうです。
このように言うと、自閉スペクトラム症の人は普通の人よりもネアンデルタール人のDNAが多い、すなわち、よりネアンデルタール人に近いと思うかもしれませんが、カサノバ氏によるなら、それは正確な理解ではないということです。
今回の研究で明らかになったのは、自閉スペクトラム症の人がネアンデルタール人のDNAをたくさん持っているということではありません。
そうではなく、そうした人たちでは、ネアンデルタール人由来の希少変異が平均よりも多く見られるということだそうです。
ですから、ある人の体にネアンデルタール人のDNAがあるからといって、それだけで自閉スペクトラム症になりやすいわけではないわけです。
ネアンデルタール人由来の変異でも一般的なもの(人口の1%以上がもつ)について言うと、非ヒスパニック系黒人とヒスパニック系白人の自閉スペクトラム症患者では、希少変異とは逆に普通より少ないことが明らかになっています。
ただしこの傾向は、非ヒスパニック系白人の自閉スペクトラム症患者では見られなかったそうです。
また自閉症に関係するネアンデルタール人由来の変異は、ほかの症状とのつながりがあることも判明しました。
ほかにも、知的障害・言語遅延・言語退行に関係するネアンデルタール人由来の変異も見つかっています。
こうしたことは、ネアンデルタール人由来の遺伝子変異が、自閉スペクトラム症だけでなく、ほかの症状にも影響している可能性を示しています。
まぁ、だからと言って感は否めない(笑)
研究する人は、知りたいという欲求のもと調べ上げるんでしょうけど、例えば治療の何かにつながるとかあればいいんですけど…。
ネアンデルタール人って言われてもねぇ(笑)
て、思います。
ではまた〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院
7月17日の水曜日でございます。
だんだん暑さが厳しくなってきてますねぇ。
では今日も元気にネタいきましょう。
新たな研究によりますと、ネアンデルタール人から受け継いだ特定の遺伝子情報が、現代人の自閉スペクトラム症の発症率に強く関係していることがわかったそうなんです。
およそ4万年前に絶滅したネアンデルタール人ですが、アフリカからやってきた私たちの祖先と交わることで、その遺伝子の一部を今日まで残すことに成功しました。
ですがそうして現代人に受け継がれた彼らの遺伝子は、私たちの神経の発達に影響し、自閉スペクトラム症をはじめとするいくつかの神経発達疾患を生じさせることがあるようなんです。
ネアンデルタール人は、およそ4万年前までユーラシア大陸で暮らしていた旧人類で、ヒトという系統の中では私たちホモ・サピエンスにもっとも近い親戚です。
彼らはすでに絶滅しましたが、じつはそのDNAが現代人にも受け継がれています。
4万7000〜6万5000年前に私たちの祖先がアフリカから移動してきた際、ネアンデルタール人と交雑しました。
そのために彼らの遺伝子がホモ・サピエンスに入り込みました。
ヨーロッパ系とアジア系の遺伝子の2%が彼らからのものだと推定されています。
これまで、こうしたネアンデルタール人の遺伝子が、免疫・皮膚の色素・代謝などに多少なりとも影響していることが明らかにされてきました。
そして今回の研究のテーマは、それが脳の発達にどのような影響を与えているのか?
とりわけ「自閉スペクトラム症」のような神経発達疾患とネアンデルタール人の遺伝子との関係でした。
自閉スペクトラム症は、交流やコミュニケーションが苦手、興味の対象や活動がきわめて狭い、同じ行動を繰り返すといった症状を特徴とする神経発達症の一種です。
一口に自閉スペクトラム症と言っても現れる症状や程度は人それぞれで、それらは脳の結合パターンによって特徴づけられることが知られています。
そこで米ロヨラ大学ニューオリンズ校のエミリー・カサノバ氏らは、これらのパターンがネアンデルタール人のDNAとどう関連しているか確かめてみたわけです。
自分自身が自閉スペクトラム症であるというカサノバ氏が語ったところによると、ネアンデルタール人とホモ・サピエンスに見られるような「交雑」は、遺伝学的に”揺さぶり"をかける傾向があるのだそうです。
その原因の1つは、単純に2つの種の遺伝子が足し合わされるからですが、それだけでなくあるゲノムに放り込まれるとうまく機能しない遺伝的な変異があることも関係しています。
こうした交雑による影響は、子孫にそれまでなかった問題を引き起こすケースがある一方、進化をうながす刺激にもなり得るという興味深い側面があります。
だからこそカサノバ氏は、ネアンデルタール人の遺伝子変異型に強い関心を示しています。
今回の研究では、遺伝子データから自閉スペクトラム症患者とそうでない人のデータを集め、それをまた別の遺伝子データベースと比較することで、ネアンデルタール人由来の遺伝子に何か違いがあるのかどうかが探られました。
その結果、自閉スペクトラム症の人は、ネアンデルタール人由来の珍しい遺伝子変異を持っている傾向があることが判明したわけです。
人口全体で見るとその”希少変異”を持つ人は1%未満でしかないそうです。
ところが、調査対象となった3つの民族グループ(非ヒスパニック系黒人、ヒスパニック系白人、非ヒスパニック系白人)の自閉スペクトラム症患者に限ると、それを持つ人が非常に多かったそうです。
このように言うと、自閉スペクトラム症の人は普通の人よりもネアンデルタール人のDNAが多い、すなわち、よりネアンデルタール人に近いと思うかもしれませんが、カサノバ氏によるなら、それは正確な理解ではないということです。
今回の研究で明らかになったのは、自閉スペクトラム症の人がネアンデルタール人のDNAをたくさん持っているということではありません。
そうではなく、そうした人たちでは、ネアンデルタール人由来の希少変異が平均よりも多く見られるということだそうです。
ですから、ある人の体にネアンデルタール人のDNAがあるからといって、それだけで自閉スペクトラム症になりやすいわけではないわけです。
ネアンデルタール人由来の変異でも一般的なもの(人口の1%以上がもつ)について言うと、非ヒスパニック系黒人とヒスパニック系白人の自閉スペクトラム症患者では、希少変異とは逆に普通より少ないことが明らかになっています。
ただしこの傾向は、非ヒスパニック系白人の自閉スペクトラム症患者では見られなかったそうです。
また自閉症に関係するネアンデルタール人由来の変異は、ほかの症状とのつながりがあることも判明しました。
ほかにも、知的障害・言語遅延・言語退行に関係するネアンデルタール人由来の変異も見つかっています。
こうしたことは、ネアンデルタール人由来の遺伝子変異が、自閉スペクトラム症だけでなく、ほかの症状にも影響している可能性を示しています。
まぁ、だからと言って感は否めない(笑)
研究する人は、知りたいという欲求のもと調べ上げるんでしょうけど、例えば治療の何かにつながるとかあればいいんですけど…。
ネアンデルタール人って言われてもねぇ(笑)
て、思います。
ではまた〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院