猫とトキソプラズマ
2016年08月05日 [動物のこと]
お疲れ様です。院長です。
8月5日金曜日。
今週もここまできましたねぇ〜
8月第一週ということで、暑さとの戦いはまだまだ続きます。
あんまり暑いと、歩いてるだけで頭がボォ〜っとしてきますし、直射日光恐るべしです。
前にも何度かお話してますが、私の通勤路にJRの高架が走ってまして、その下には影が出来るので、そこを通ると若干涼しいんですよね。
すると、同じく涼を求めてくる、猫たちに出くわすことがしばしばあります。
この辺り一帯は猫たちの出没率が高く、毎日必ず色んな子たちを目にします。
中には、餌をあげてる方もいるようで、まぁ良いか悪いかは置いておいて、地域に密着した猫たちなわけです。
そんな子たちですから、人を見ても、そこまで必死で逃げたりしません。
ある一定の自分の距離よりも接近すると、さすがに逃げてきますが、まぁ共存って言葉が適切なのかもしれません。
でも、やっぱり相手は生き物ですから、色々と迷惑なこともあるわけで…
その一つが糞害でしょう。
一匹や二匹ではないですから、そこいらで用を足されたら、それこそ匂いの被害だけでもかなりのもんかと思います。
でも、今日は、そんな猫の「フン」に関する凄いお話…
猫のフンに含まれる寄生虫が、卵巣癌と戦ううえで、意外な役割を果たすようになるかもしれないらしいのです。
トキソプラズマは猫のフンや土の中、家畜の肉などにいる原虫で、約3分の1の人が、一生のいずれかの時点でトキソプラズマ症に感染していると考えられています。
ですが、感染しても健康な人にはさほど問題がなく、感染していることに気付かないこともありますが、免疫系が弱っている人や胎児等にはリスクとなることもあります。
この度アメリカの研究者がした発見によれば、トキソプラズマが分泌する特定の蛋白質は、マウスの免疫系にすでに出来上がった卵巣癌を攻撃させる効果があると発表しました。
この仕組みは、寄生虫が宿主を殺さず自らの生存を確保しなければならないことに起因していると考えられています。
体に備わる免疫系を利用して、癌細胞を取り除くやり方は、癌治療において有望な戦略の1つといえます。しかし免疫寛容という現象によって、免疫系は攻撃すべき対象をなかなか見出せないことがあるそうです。
まぁ、この辺が難しいところと言えるんでしょう。そもそも、免疫系がその攻撃対象を確実に選別できるとするならば、癌などまず激減するはずですし、自己免疫疾患などもかなり改善されるんでしょうけどねぇ…
アメリカ、ニューハンプシャー州にあるダートマス医科大学院では、トキソプラズマの安全な非再生ワクチン株が、マウスのいくつかの種類の固形癌を治すという先行研究の成果に立脚して研究を進めました。
免疫寛容を破るために必要な寄生虫の「蛋白質」と「免疫経路」を特定すると、分泌されたエフェクター・蛋白質(寄生虫が免疫系を調節するために宿主の細胞に注入する分子)の遺伝子を系統立って削除し、その改変された寄生虫を侵襲的な卵巣癌のあるマウスに注入しました。
その結果、トキソプラズマが宿主細胞に侵入する前後に分泌する特定の蛋白質が、宿主の効果的な抗腫瘍反応の発達を制御し、卵巣癌のあるマウスの生存率を引き上げることが示されたそうです。
ちょっと難しい言い回しですが、要するにトキソプラズマという寄生虫(原虫)が宿主細胞(つまり寄生先の生物の体内)に入り込むときに分泌する特定の蛋白質に、簡単に言うと抗癌作用(実際は癌の増殖を抑制すると思われる)があるってことなんですよ。うん。
研究に携わったデビッド・ブジク博士によれば、トキソプラズマが分泌するエフェクター・蛋白質によって操られる宿主細胞の経路を追跡し、理解することで、感染に対応する免疫を制御している基礎メカニズムを明らかにできると。
つまり、その抗癌蛋白質(勝手に呼んでるだけですよ)を追跡して研究したら癌に対して有効なメカニズムが発見できると、こうおっしゃってるわけですね。
こういった、免疫寛容を破る力のある感染性生物の利用は、今までの癌治療にない、斬新なアイデアであると同時に、将来的な癌治療において重要な役割を担うようになるかもしれません。
ってな記事を読んだのでこれを書いてみたんですが、まぁ人間の研究心は、いつか癌など人類の敵ではないってことにしちゃうんでしょうね。
そして、ますます寿命が延びて、高齢化社会に歯止めが利かなくなると…
平成27年の国勢調査で、総人口に占める65歳以上の割合(高齢化率)が過去最高となる26・7%に達してるって事ですから、4人に1人は65歳以上ですよ。
まぁ、それと癌治療の未来とを、同じ目線で話すのには無理がありますが、本当に考えなきゃいけないことは他にもあるんやろうなぁ〜って…
今日は、こんな社会派ネタでしたが、入口はノラ猫の糞害問題でしたね(;^ω^)
ま、猫のフンにトキソプラズマが寄生してることがあるってだけで、猫のクソから癌の治療薬を作るってわけではないですから、あまり猫には関係ないお話でした(笑)
では、また〜
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院
8月5日金曜日。
今週もここまできましたねぇ〜
8月第一週ということで、暑さとの戦いはまだまだ続きます。
あんまり暑いと、歩いてるだけで頭がボォ〜っとしてきますし、直射日光恐るべしです。
前にも何度かお話してますが、私の通勤路にJRの高架が走ってまして、その下には影が出来るので、そこを通ると若干涼しいんですよね。
すると、同じく涼を求めてくる、猫たちに出くわすことがしばしばあります。
この辺り一帯は猫たちの出没率が高く、毎日必ず色んな子たちを目にします。
中には、餌をあげてる方もいるようで、まぁ良いか悪いかは置いておいて、地域に密着した猫たちなわけです。
そんな子たちですから、人を見ても、そこまで必死で逃げたりしません。
ある一定の自分の距離よりも接近すると、さすがに逃げてきますが、まぁ共存って言葉が適切なのかもしれません。
でも、やっぱり相手は生き物ですから、色々と迷惑なこともあるわけで…
その一つが糞害でしょう。
一匹や二匹ではないですから、そこいらで用を足されたら、それこそ匂いの被害だけでもかなりのもんかと思います。
でも、今日は、そんな猫の「フン」に関する凄いお話…
猫のフンに含まれる寄生虫が、卵巣癌と戦ううえで、意外な役割を果たすようになるかもしれないらしいのです。
トキソプラズマは猫のフンや土の中、家畜の肉などにいる原虫で、約3分の1の人が、一生のいずれかの時点でトキソプラズマ症に感染していると考えられています。
ですが、感染しても健康な人にはさほど問題がなく、感染していることに気付かないこともありますが、免疫系が弱っている人や胎児等にはリスクとなることもあります。
この度アメリカの研究者がした発見によれば、トキソプラズマが分泌する特定の蛋白質は、マウスの免疫系にすでに出来上がった卵巣癌を攻撃させる効果があると発表しました。
この仕組みは、寄生虫が宿主を殺さず自らの生存を確保しなければならないことに起因していると考えられています。
体に備わる免疫系を利用して、癌細胞を取り除くやり方は、癌治療において有望な戦略の1つといえます。しかし免疫寛容という現象によって、免疫系は攻撃すべき対象をなかなか見出せないことがあるそうです。
まぁ、この辺が難しいところと言えるんでしょう。そもそも、免疫系がその攻撃対象を確実に選別できるとするならば、癌などまず激減するはずですし、自己免疫疾患などもかなり改善されるんでしょうけどねぇ…
アメリカ、ニューハンプシャー州にあるダートマス医科大学院では、トキソプラズマの安全な非再生ワクチン株が、マウスのいくつかの種類の固形癌を治すという先行研究の成果に立脚して研究を進めました。
免疫寛容を破るために必要な寄生虫の「蛋白質」と「免疫経路」を特定すると、分泌されたエフェクター・蛋白質(寄生虫が免疫系を調節するために宿主の細胞に注入する分子)の遺伝子を系統立って削除し、その改変された寄生虫を侵襲的な卵巣癌のあるマウスに注入しました。
その結果、トキソプラズマが宿主細胞に侵入する前後に分泌する特定の蛋白質が、宿主の効果的な抗腫瘍反応の発達を制御し、卵巣癌のあるマウスの生存率を引き上げることが示されたそうです。
ちょっと難しい言い回しですが、要するにトキソプラズマという寄生虫(原虫)が宿主細胞(つまり寄生先の生物の体内)に入り込むときに分泌する特定の蛋白質に、簡単に言うと抗癌作用(実際は癌の増殖を抑制すると思われる)があるってことなんですよ。うん。
研究に携わったデビッド・ブジク博士によれば、トキソプラズマが分泌するエフェクター・蛋白質によって操られる宿主細胞の経路を追跡し、理解することで、感染に対応する免疫を制御している基礎メカニズムを明らかにできると。
つまり、その抗癌蛋白質(勝手に呼んでるだけですよ)を追跡して研究したら癌に対して有効なメカニズムが発見できると、こうおっしゃってるわけですね。
こういった、免疫寛容を破る力のある感染性生物の利用は、今までの癌治療にない、斬新なアイデアであると同時に、将来的な癌治療において重要な役割を担うようになるかもしれません。
ってな記事を読んだのでこれを書いてみたんですが、まぁ人間の研究心は、いつか癌など人類の敵ではないってことにしちゃうんでしょうね。
そして、ますます寿命が延びて、高齢化社会に歯止めが利かなくなると…
平成27年の国勢調査で、総人口に占める65歳以上の割合(高齢化率)が過去最高となる26・7%に達してるって事ですから、4人に1人は65歳以上ですよ。
まぁ、それと癌治療の未来とを、同じ目線で話すのには無理がありますが、本当に考えなきゃいけないことは他にもあるんやろうなぁ〜って…
今日は、こんな社会派ネタでしたが、入口はノラ猫の糞害問題でしたね(;^ω^)
ま、猫のフンにトキソプラズマが寄生してることがあるってだけで、猫のクソから癌の治療薬を作るってわけではないですから、あまり猫には関係ないお話でした(笑)
では、また〜
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院