便所バチ
2023年10月10日 [動物のこと]
お疲れ様です。院長です。
10月10日の火曜日でございます。
昨日も書きましたが、10月10日は体育の日ですやん。
まぁ、祝日ではなくなりましたが、スポーツの秋って事で身体を動かすには良い季節になってきましたかね。
夏の間は暑すぎて引きこもり気味でしたから、少し身体を動かしに外に出るのもいいですな。
では今日もネタにいきましょう。
なんでも、昆虫のアブの死骸が、生分解性プラスチックの原料として有望視されているんだとか…。
水洗トイレが普及する前の昭和の時代、トイレ周辺でよく見られたことから「便所バチ」と呼ばれていたアブの仲間をご存じでしょうか?
わたくし院長の世代で、ギリ水洗といわゆるポットン便所の境くらいですから、最近の若い人はそもそも知らないかもしれませんね。
まぁ、便所以外にも出没しますが、あまり都心で見ることはないですかねぇ。
ちなみに「便所バチ」なんて呼ばれますが、アブ自体は針がないため、刺すことはありませんけどね。
正式名称は「アメリカミズアブ」というんですが、この昆虫には地球環境を救ってくれる秘められたパワーがあるそうなんです。
テキサスA&M大学の研究チームは、アメリカミズアブの死骸が、生分解性プラスチックの原料に有効活用できることを発表しました。
自然環境で分解される生分解性プラスチックは、サトウキビや樹木のグルコースなどを使って作られてきましたが、そうした植物は他の目的で使用されているため、当然ながら資源として限りがあります。
ですがアブの成虫なら、他の目的で使用されることもないため、従来の生分解性プラスチックの原料問題の新たな解決策となるという話しなんですね。
日本には、第二次世界大戦後に侵入し、北海道を除く全国で自然繁殖をしている「アメリカミズアブ」ですが、その幼虫はタンパク質などの栄養が豊富なので、人工的に飼育され、家畜のエサとして使用されているそうなんです。
ところが成虫になるとほとんど役に立ちませんし、すぐに死んでしまうんだそうです。
これまではただ捨てられるだけのアブの死骸を何かに利用できないか? というのがこの研究の始まりだったそうなんです。
そこでテキサスA&M大学のカレン・ウーリー氏らがこのアブを調べてみたところ、その主成分が「キチン」という物質であることがわかりました。
これは糖をベースにしたポリマー(高分子。プラスチックもまたポリマーの一種)で、昆虫やカニなどの硬い殻の成分でもあります。
ですから生分解性プラスチックの原料として利用できるわけなんですね。
キチンはカニやエビの殻から抽出されることもありますが、研究チームによると、アブのキチンはそれより純度が高く、魚介アレルギーの心配がないというメリットがあるという話しです。
ウーリー氏らはさまざまな方法を試すことで、すでにアブからキチンを抽出することにも成功しています。
これをもとに作られたハイドロゲルは、吸湿素材として素晴らしい性能を発揮したそうです。
わずか1分間で、その重さの47倍の水を吸収してくれるのだとか…。
これをたとえば畑などに撒いておけば、洪水のときには水を吸収し、干ばつになればゆっくりと水分を放出してくれると…。
テキサス州は天気の差が極端で、洪水か干ばつかのいずれかになりがちなので、農業ではこうした特性が大いに役立つと考えられるのだそうです。
また研究チームは、近い将来、アブから抽出したキチンで、ポリカーボネートやポリウレタンにも似た生分解性バイオプラスチックを作れるようになるだろうと期待しています。
日常生活のありとあらゆるところに使われているプラスチックですが、それによる汚染は今人類が直面している最大の環境問題の一つとされています。
ですが、アブのプラスチックならばそのような心配はいりません。
最後は虫が食べて、リサイクルまでしてくれるわけですからね。
最終的には、昆虫にプラスチックごみを食べてもらいます。
それをまた集めて、そこからプラスチックを作ります。
虫はプラスチックの原料になるだけでなく、プラスチックごみを処理してもくれるわけです。
と、ウーリー氏は語っています。
この研究はアメリカ化学会(ACS)の秋季大会で発表されました。
実用化まではまだ時間はかかるでしょうけど、この研究も今後に期待大ですな。
ではまた〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院
10月10日の火曜日でございます。
昨日も書きましたが、10月10日は体育の日ですやん。
まぁ、祝日ではなくなりましたが、スポーツの秋って事で身体を動かすには良い季節になってきましたかね。
夏の間は暑すぎて引きこもり気味でしたから、少し身体を動かしに外に出るのもいいですな。
では今日もネタにいきましょう。
なんでも、昆虫のアブの死骸が、生分解性プラスチックの原料として有望視されているんだとか…。
水洗トイレが普及する前の昭和の時代、トイレ周辺でよく見られたことから「便所バチ」と呼ばれていたアブの仲間をご存じでしょうか?
わたくし院長の世代で、ギリ水洗といわゆるポットン便所の境くらいですから、最近の若い人はそもそも知らないかもしれませんね。
まぁ、便所以外にも出没しますが、あまり都心で見ることはないですかねぇ。
ちなみに「便所バチ」なんて呼ばれますが、アブ自体は針がないため、刺すことはありませんけどね。
正式名称は「アメリカミズアブ」というんですが、この昆虫には地球環境を救ってくれる秘められたパワーがあるそうなんです。
テキサスA&M大学の研究チームは、アメリカミズアブの死骸が、生分解性プラスチックの原料に有効活用できることを発表しました。
自然環境で分解される生分解性プラスチックは、サトウキビや樹木のグルコースなどを使って作られてきましたが、そうした植物は他の目的で使用されているため、当然ながら資源として限りがあります。
ですがアブの成虫なら、他の目的で使用されることもないため、従来の生分解性プラスチックの原料問題の新たな解決策となるという話しなんですね。
日本には、第二次世界大戦後に侵入し、北海道を除く全国で自然繁殖をしている「アメリカミズアブ」ですが、その幼虫はタンパク質などの栄養が豊富なので、人工的に飼育され、家畜のエサとして使用されているそうなんです。
ところが成虫になるとほとんど役に立ちませんし、すぐに死んでしまうんだそうです。
これまではただ捨てられるだけのアブの死骸を何かに利用できないか? というのがこの研究の始まりだったそうなんです。
そこでテキサスA&M大学のカレン・ウーリー氏らがこのアブを調べてみたところ、その主成分が「キチン」という物質であることがわかりました。
これは糖をベースにしたポリマー(高分子。プラスチックもまたポリマーの一種)で、昆虫やカニなどの硬い殻の成分でもあります。
ですから生分解性プラスチックの原料として利用できるわけなんですね。
キチンはカニやエビの殻から抽出されることもありますが、研究チームによると、アブのキチンはそれより純度が高く、魚介アレルギーの心配がないというメリットがあるという話しです。
ウーリー氏らはさまざまな方法を試すことで、すでにアブからキチンを抽出することにも成功しています。
これをもとに作られたハイドロゲルは、吸湿素材として素晴らしい性能を発揮したそうです。
わずか1分間で、その重さの47倍の水を吸収してくれるのだとか…。
これをたとえば畑などに撒いておけば、洪水のときには水を吸収し、干ばつになればゆっくりと水分を放出してくれると…。
テキサス州は天気の差が極端で、洪水か干ばつかのいずれかになりがちなので、農業ではこうした特性が大いに役立つと考えられるのだそうです。
また研究チームは、近い将来、アブから抽出したキチンで、ポリカーボネートやポリウレタンにも似た生分解性バイオプラスチックを作れるようになるだろうと期待しています。
日常生活のありとあらゆるところに使われているプラスチックですが、それによる汚染は今人類が直面している最大の環境問題の一つとされています。
ですが、アブのプラスチックならばそのような心配はいりません。
最後は虫が食べて、リサイクルまでしてくれるわけですからね。
最終的には、昆虫にプラスチックごみを食べてもらいます。
それをまた集めて、そこからプラスチックを作ります。
虫はプラスチックの原料になるだけでなく、プラスチックごみを処理してもくれるわけです。
と、ウーリー氏は語っています。
この研究はアメリカ化学会(ACS)の秋季大会で発表されました。
実用化まではまだ時間はかかるでしょうけど、この研究も今後に期待大ですな。
ではまた〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院