セミの翅
2023年09月29日 [動物のこと]
お疲れ様です。院長です。
9月29日の金曜日でございます。
さぁ、9月も終りです。
いよいよ10月、秋に入り、すぐに冬が来ますよね。
ま、まだ暑い日はありますが、さすがに夏は終わりましたね。
てことで、今日もネタにいきましょう。
今日の主役は、夏の主役でしたセミについてのお話しでございます。
セミは夏の風物詩と言われるほど身近な生き物ですが、このセミの翅(ハネ)、ちょっと特殊なものらしいんです。
なんでもセミの翅が持つ驚異的な殺菌効果と洗浄効果のメカニズムの一部を解明したそうです。
約7年土の中で幼虫として暮らし、成虫として羽ばたけるのは約7日〜数週間と、その儚い生き方も知られているセミですが、科学者たちは別の意味でこの昆虫に大注目しています。
セミの翅には強力な殺菌効果とその残骸を洗浄する効果があるそうなんです。
セミの翅がこの能力を発揮するメカニズムはこれまで不明だったそうですが、スーパーコンピューターによりその秘密が明かされつつあるそうです。
最新の研究によれば、その秘密は翅の表面の極小サイズの柱上の構造体「ナノピラー」にあるらしいです。
セミの翅が細菌を殺すばかりか、死んだ細菌のカスを自動的に洗浄してしまうことは、以前から知られていたようですが、一般人はそんなことすら知らんよねぇ(笑)
その殺菌パワーはきわめて強力で、細菌はセミの翅に触れただけで死んでしまうんだそうです。
しかも、そのせいで翅が汚れてしまうこともありません。
細菌のカスや死骸が表面にたまると、そのせいでよりいっそう細菌がくっつきやすくなります。
ところが、セミの翅からはそうした汚れが綺麗さっぱり落ちてしまうんだそうです。
このスーパーパワーの秘密を探るため、翅の化学や物理的な特徴が研究されてきましたが、なぜそんなすごいことができるのか、詳しいメカニズムはわからないままでした。
ですが、どうやらその力は、翅の表面にある微細な柱状の構造体で、ナノメートルサイズの突起物「ナノピラー(ピラーとは柱のこと)」が関係しているらしいことが分かってきました。
米ニューヨーク州立大学ストーニーブルック校の古賀忠典氏と遠藤まや氏らは、この翅のスーパーパワーを再現できないものかと、包装によく使われるポリスチレンとアクリル樹脂を使ったポリマー(重合体)でナノピラーを作ってみたそうです。
すると、それだけで強力な殺菌効果と自己洗浄効果が発揮されたのだそうです。
セミの天然ナノピラーは、高さ150ナノメートルで、各ピラー同士の距離も大体そのくらいです。
当初、研究チームはこのナノピラーの高さこそが殺菌効果の鍵であると考えていました。
それがちょうど針のように細菌に突き刺さって、殺してしまうと思われたからです。
ところが、どうもそうではないようなんです。
たとえば高さ10ナノメートルの超小型ナノピラーであっても、セミの翅に負けない強力な殺菌力があったからです。
しかも相変わらず洗浄までされるそうです。
では、セミの翅にはどんな秘密が隠されているのでしょう?
その驚異のメカニズムの一端は、特別なシミュレーションによって明らかにされている。
コンピューターで約100万個の粒子(大腸菌を単純化したもの)を作り、それがナノピラーに触れたときの様子を観察してみたところ、ナノピラーは脂質でできた細菌の外膜にピッタリくっつくことが判明したのだそうです。
それは強力な吸着力で、外膜がナノピラーの形に沿うようにくっつきます。
すると外膜はナノピラーとナノピラーの間でぴんと引っ張られ、その張力に耐えきれずに裂けてしまいます。
これがセミの翅の殺菌効果の秘密なんですが、ならば、なぜ細菌の死骸が翅に残らないのかと…。
それは外膜が裂けた後も引っ張られ続け、やがてナノピラーから外れてしまうくらい張力が高まるからなんだそうです。
これが正しいのだとすれば、もう1つ不思議なことがあります。
それは大腸菌よりも硬いリステリア(やはり食中毒の原因になるグラム陽性菌)には、あまり効かないことです。
体が硬いなら、それだけ裂けやすいのではないかと思われましたが、それはリステリアがナノピラーにくっつきにくいことが原因であるようです。
試しにナノピラーを酸化チタンでコーティングしてみたところ、リステリアにもうまくくっついて、高い殺菌力が発揮されるようになったそうです。
今回明らかになったのセミの翅のスーパーパワーのすべてではなく、そのメカニズムはまだ完全には解明されていません。
研究チームは今後さらにシミュレーションでセミの翅の秘密を探っていき、将来的には、薬剤が効かない「薬物耐性菌(スーパーバグ)」が医療機器の表面で繁殖することを防ぐ殺菌コーティング剤の開発を目指すそうです。
まぁ、セミの翅がそんなにスゴイと言うことすら知らなかったですから、この研究も今後に期待ですな。
ではまた〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院
9月29日の金曜日でございます。
さぁ、9月も終りです。
いよいよ10月、秋に入り、すぐに冬が来ますよね。
ま、まだ暑い日はありますが、さすがに夏は終わりましたね。
てことで、今日もネタにいきましょう。
今日の主役は、夏の主役でしたセミについてのお話しでございます。
セミは夏の風物詩と言われるほど身近な生き物ですが、このセミの翅(ハネ)、ちょっと特殊なものらしいんです。
なんでもセミの翅が持つ驚異的な殺菌効果と洗浄効果のメカニズムの一部を解明したそうです。
約7年土の中で幼虫として暮らし、成虫として羽ばたけるのは約7日〜数週間と、その儚い生き方も知られているセミですが、科学者たちは別の意味でこの昆虫に大注目しています。
セミの翅には強力な殺菌効果とその残骸を洗浄する効果があるそうなんです。
セミの翅がこの能力を発揮するメカニズムはこれまで不明だったそうですが、スーパーコンピューターによりその秘密が明かされつつあるそうです。
最新の研究によれば、その秘密は翅の表面の極小サイズの柱上の構造体「ナノピラー」にあるらしいです。
セミの翅が細菌を殺すばかりか、死んだ細菌のカスを自動的に洗浄してしまうことは、以前から知られていたようですが、一般人はそんなことすら知らんよねぇ(笑)
その殺菌パワーはきわめて強力で、細菌はセミの翅に触れただけで死んでしまうんだそうです。
しかも、そのせいで翅が汚れてしまうこともありません。
細菌のカスや死骸が表面にたまると、そのせいでよりいっそう細菌がくっつきやすくなります。
ところが、セミの翅からはそうした汚れが綺麗さっぱり落ちてしまうんだそうです。
このスーパーパワーの秘密を探るため、翅の化学や物理的な特徴が研究されてきましたが、なぜそんなすごいことができるのか、詳しいメカニズムはわからないままでした。
ですが、どうやらその力は、翅の表面にある微細な柱状の構造体で、ナノメートルサイズの突起物「ナノピラー(ピラーとは柱のこと)」が関係しているらしいことが分かってきました。
米ニューヨーク州立大学ストーニーブルック校の古賀忠典氏と遠藤まや氏らは、この翅のスーパーパワーを再現できないものかと、包装によく使われるポリスチレンとアクリル樹脂を使ったポリマー(重合体)でナノピラーを作ってみたそうです。
すると、それだけで強力な殺菌効果と自己洗浄効果が発揮されたのだそうです。
セミの天然ナノピラーは、高さ150ナノメートルで、各ピラー同士の距離も大体そのくらいです。
当初、研究チームはこのナノピラーの高さこそが殺菌効果の鍵であると考えていました。
それがちょうど針のように細菌に突き刺さって、殺してしまうと思われたからです。
ところが、どうもそうではないようなんです。
たとえば高さ10ナノメートルの超小型ナノピラーであっても、セミの翅に負けない強力な殺菌力があったからです。
しかも相変わらず洗浄までされるそうです。
では、セミの翅にはどんな秘密が隠されているのでしょう?
その驚異のメカニズムの一端は、特別なシミュレーションによって明らかにされている。
コンピューターで約100万個の粒子(大腸菌を単純化したもの)を作り、それがナノピラーに触れたときの様子を観察してみたところ、ナノピラーは脂質でできた細菌の外膜にピッタリくっつくことが判明したのだそうです。
それは強力な吸着力で、外膜がナノピラーの形に沿うようにくっつきます。
すると外膜はナノピラーとナノピラーの間でぴんと引っ張られ、その張力に耐えきれずに裂けてしまいます。
これがセミの翅の殺菌効果の秘密なんですが、ならば、なぜ細菌の死骸が翅に残らないのかと…。
それは外膜が裂けた後も引っ張られ続け、やがてナノピラーから外れてしまうくらい張力が高まるからなんだそうです。
これが正しいのだとすれば、もう1つ不思議なことがあります。
それは大腸菌よりも硬いリステリア(やはり食中毒の原因になるグラム陽性菌)には、あまり効かないことです。
体が硬いなら、それだけ裂けやすいのではないかと思われましたが、それはリステリアがナノピラーにくっつきにくいことが原因であるようです。
試しにナノピラーを酸化チタンでコーティングしてみたところ、リステリアにもうまくくっついて、高い殺菌力が発揮されるようになったそうです。
今回明らかになったのセミの翅のスーパーパワーのすべてではなく、そのメカニズムはまだ完全には解明されていません。
研究チームは今後さらにシミュレーションでセミの翅の秘密を探っていき、将来的には、薬剤が効かない「薬物耐性菌(スーパーバグ)」が医療機器の表面で繁殖することを防ぐ殺菌コーティング剤の開発を目指すそうです。
まぁ、セミの翅がそんなにスゴイと言うことすら知らなかったですから、この研究も今後に期待ですな。
ではまた〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院