うつと脳内信号
2023年08月01日 [からだのこと]
お疲れ様です。院長です。
8月1日の火曜日でございます。
ついに灼熱の8月がスタートします。
まぁ、昨日も暑かったし、今日から急に変わるわけではないんですが、やはり8月と聞くと「夏」ですよね。
まだまだ当分暑いですが、夏を少しでも楽しんでくださいね。
では今日のネタですが、なんでもうつ病患者の脳内信号を磁気刺激で逆転させることで治療効果が得られることが判明したんだとか…。
米スタンフォード大学の研究チームが、重いうつ病患者の脳内信号の流れを逆転させることで治療効果が得られることを発見しました。
強力な磁力(磁気パルス)で頭皮から脳を刺激して、治りにくいうつ病を治療する「経頭蓋磁気刺激(TMS)」治療法は以前から存在し一定の効果を上げていました。
ですが、そもそもなぜこの治療法が効くのか、これまで謎に包まれていたんだそうです。
謎やったのにやってたってのも恐ろしい話よねぇ…。
で、最新の研究では、そのメカニズムが明らかにされたらしいんです。
うつ病患者の多くは脳内信号が、誤った方向に流れているのだそうで、磁力刺激でその流れを逆転させることで効果が発揮されるそうなんです。
これは重いうつ病の根本的な治療につながるほか、その診断に役立つバイオマーカー(生物学的指標)としても利用できる可能性があるとのことです。
今回の発見は、2つの最先端ツールの成果だそうです。
1つは、「スタンフォード神経調節療法(Stanford neuromodulation therapy)」。
これは、高性能な脳イメージング技術が組み込まれており、個人の脳にあわせて磁気刺激をすることができるそうです。
もう1つは、そうしたfMRIで撮影された脳の活動を詳細に分析する数学的ツールです。
このツールは、脳の各領域が活性化するわずかなタイミングのズレを手がかりに、脳内信号(シグナル)の流れを明らかにすることができるそうです。
今回の研究では、治りにくい大うつ病と診断された患者(33名)の一部にスタンフォード神経調節療法を受けてもらい、その時に起きた脳内の様子を治療を受けていない人たちと比較しました。
ここから明らかになったのが、正常な脳とうつ病の脳のとある重要な違いだそうです。
正常な脳では、「前島皮質」から「前帯状皮質」へと信号が送られています。
つまり身体の感覚をまとめている領域から、感情を司る領域へとメッセージが流れています。
たとえば、心拍数や体温が上がったとしたら、その情報が前島皮質から前帯状皮質に送られて、感情が決まります。
ところがうつ病患者の多くは、この流れが逆だったそうなんです。
前帯状皮質から前島皮質へと信号が送られており、重症の人ほどこの傾向が強かったと…。
研究チームのアニッシュ・ミトラ氏によるならば、「どう感じるかを最初から決めている」ような感じなのだと…。
すると普通なら嬉しいことでさえ、少しも嬉しく感じられなくなってしまうそうなんです。
だがスタンフォード神経調節療法で1週間も治療すると、脳内信号の流れが逆転して正常に戻り、うつ病の症状がよくなったのだとか…。
とりわけ重症で、脳内信号の流れが大きくズレている人ほど、治療効果が高い可能性があるそうです。
この発見は、うつ病の根本的な治療につながるだけでなく、診断という意味でも重要なものになると考えられます。
というのも、うつ病の「バイオマーカー」として使える可能性があるからですね。
バイオマーカーとは、疾患の有無や、進行状態を示す目安となる生理学的指標のことを言います。
たとえば、あなたが熱を出したとき、医者はさまざまな検査をして、その原因が細菌なのかウイルスなのかといった具合に客観的に診断し、それにあった治療がなされます。
うつ病の場合、これに相当する検査がこれまでなかったわけなんです。
ですが、今後は2つの脳領域間の信号の流れという生物学的な変化から、症状を客観的に診断することができるわけです。
つまり、何となく「うつ」っぽい人と、「うつ病」の人を区別できる可能性もあるわけですね。
これは大きな進歩だと思います。
ぜひ、さらなる研究を続けて下さい。
ではまた〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院
8月1日の火曜日でございます。
ついに灼熱の8月がスタートします。
まぁ、昨日も暑かったし、今日から急に変わるわけではないんですが、やはり8月と聞くと「夏」ですよね。
まだまだ当分暑いですが、夏を少しでも楽しんでくださいね。
では今日のネタですが、なんでもうつ病患者の脳内信号を磁気刺激で逆転させることで治療効果が得られることが判明したんだとか…。
米スタンフォード大学の研究チームが、重いうつ病患者の脳内信号の流れを逆転させることで治療効果が得られることを発見しました。
強力な磁力(磁気パルス)で頭皮から脳を刺激して、治りにくいうつ病を治療する「経頭蓋磁気刺激(TMS)」治療法は以前から存在し一定の効果を上げていました。
ですが、そもそもなぜこの治療法が効くのか、これまで謎に包まれていたんだそうです。
謎やったのにやってたってのも恐ろしい話よねぇ…。
で、最新の研究では、そのメカニズムが明らかにされたらしいんです。
うつ病患者の多くは脳内信号が、誤った方向に流れているのだそうで、磁力刺激でその流れを逆転させることで効果が発揮されるそうなんです。
これは重いうつ病の根本的な治療につながるほか、その診断に役立つバイオマーカー(生物学的指標)としても利用できる可能性があるとのことです。
今回の発見は、2つの最先端ツールの成果だそうです。
1つは、「スタンフォード神経調節療法(Stanford neuromodulation therapy)」。
これは、高性能な脳イメージング技術が組み込まれており、個人の脳にあわせて磁気刺激をすることができるそうです。
もう1つは、そうしたfMRIで撮影された脳の活動を詳細に分析する数学的ツールです。
このツールは、脳の各領域が活性化するわずかなタイミングのズレを手がかりに、脳内信号(シグナル)の流れを明らかにすることができるそうです。
今回の研究では、治りにくい大うつ病と診断された患者(33名)の一部にスタンフォード神経調節療法を受けてもらい、その時に起きた脳内の様子を治療を受けていない人たちと比較しました。
ここから明らかになったのが、正常な脳とうつ病の脳のとある重要な違いだそうです。
正常な脳では、「前島皮質」から「前帯状皮質」へと信号が送られています。
つまり身体の感覚をまとめている領域から、感情を司る領域へとメッセージが流れています。
たとえば、心拍数や体温が上がったとしたら、その情報が前島皮質から前帯状皮質に送られて、感情が決まります。
ところがうつ病患者の多くは、この流れが逆だったそうなんです。
前帯状皮質から前島皮質へと信号が送られており、重症の人ほどこの傾向が強かったと…。
研究チームのアニッシュ・ミトラ氏によるならば、「どう感じるかを最初から決めている」ような感じなのだと…。
すると普通なら嬉しいことでさえ、少しも嬉しく感じられなくなってしまうそうなんです。
だがスタンフォード神経調節療法で1週間も治療すると、脳内信号の流れが逆転して正常に戻り、うつ病の症状がよくなったのだとか…。
とりわけ重症で、脳内信号の流れが大きくズレている人ほど、治療効果が高い可能性があるそうです。
この発見は、うつ病の根本的な治療につながるだけでなく、診断という意味でも重要なものになると考えられます。
というのも、うつ病の「バイオマーカー」として使える可能性があるからですね。
バイオマーカーとは、疾患の有無や、進行状態を示す目安となる生理学的指標のことを言います。
たとえば、あなたが熱を出したとき、医者はさまざまな検査をして、その原因が細菌なのかウイルスなのかといった具合に客観的に診断し、それにあった治療がなされます。
うつ病の場合、これに相当する検査がこれまでなかったわけなんです。
ですが、今後は2つの脳領域間の信号の流れという生物学的な変化から、症状を客観的に診断することができるわけです。
つまり、何となく「うつ」っぽい人と、「うつ病」の人を区別できる可能性もあるわけですね。
これは大きな進歩だと思います。
ぜひ、さらなる研究を続けて下さい。
ではまた〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院