細菌水素発電
2023年04月05日 [色々なこと]
お疲れ様です。院長です。
4月5日の水曜日でございます。
ボチボチ入学式のシーズンですねぇ。
新入生の方々、小でも中でも高でも大でも、新しい環境になじむまでは大変でしょうけど、すぐ慣れますから頑張ってね。
てことで、今日もネタにいきましょう。
今日は最近多い、サイエンステクノロジーなネタでございます。
なんでも細菌の持つ酵素を分離させ、空気中の水素から電気をつくることにオーストラリアの研究チームが成功したそうです。
未来の空気発電装置にと期待がかかっています。
オーストラリアの研究チームが、細菌を利用して空気から電気を作り出すことに成功しました。
土の中に生息する「スメグマ菌(Mycobacterium smegmatis)」は、酵素を利用し、空気に含まれている微量の水素を分解し、電気を発生させエネルギーとして利用しています。
最新の研究では、スメグマ菌から酵素を取り出し、それによって実際に電気を流せることを実証しました。
この酵素には、将来的に持続可能な「空気発電」を実現する可能性が秘められているという話しです。
地中で暮らす細菌の中には、ほかにエサがない厳しい状況になると空気に含まれている水素をエネルギー源にするものがいます。
オーストラリア、モナシュ大学のクリス・グリーニング教授らによると、そうした細菌は、年に7000万トンもの水素を空気から取り除いているのだそうです。
そうした細菌の1つが、空気発電の鍵をにぎる「スメグマ菌(Mycobacterium smegmatis)」です。
その遺伝子を解析したところ、水素を消費してエネルギーに変換する「ヒドロゲナーゼ」という酵素の情報が記されていることが判明。
研究チームは、このスメグマ菌のヒドロゲナーゼを「Huc」と名付けています。
そもそも水素とは、プラスの電荷をもつ2つの陽子がマイナスの電荷をもつ2つの電子で結合したものです。
Huc酵素はこの結合を切断して、電子を放出させるのだそうです。
流れる電子とはすなわち電気で、つまりHuc酵素は水素を直接電気に変えることができます。
スメグマ菌はそうした電気を細胞のエネルギーにして生きているわけです。
ですが空気に含まれる水素はたったの0.00005%だけです。
普通の触媒ではこれほど薄い気体を消費することはできませんし、空気にたっぷりと含まれる酸素によってダメになってしまいます。
ごくわずかな空気中の水素から発電することができる秘訣は何なのか?
これを調べるために、グリーニング教授らはHuc酵素をスメグマ菌から取り出してみることにしました。
それは非常に難しく、数年の歳月がかかったそうなんです。
それでも諦めず挑戦を続け、スメグマ菌がHuc酵素を作る遺伝子を改変し、どうにか取り出すことができました。
苦労の甲斐あって、そのHuc酵素は安定しており、80℃からマイナス80℃の温度でも機能してくれたそうです。
その後の研究では、Huc酵素の驚くべき性能が明らかになっています。
なんと空気よりもはるかに薄く、気体の測定装置(ガスクロマトグラフ)ですら検出できないほどのわずかな水素であっても上手に消費できるんです。
しかもHuc酵素は酸素があってもまったく変化がありません。
これまでの水素を消費する触媒には見られない特徴です。
実際、Huc酵素を利用することで、空気中の水素を直接電気に変換して、回路に電力を供給することにも成功しています。
つまり空気発電は実現可能ということなんですね。
そして最終的には、Huc酵素の詳細な原子構造マップも作成されています。
では、空気発電装置の実現は可能なのでしょうか?
この研究はまだ始まったばかりで、Huc酵素による空気発電の実用化までにはまだいくつかの課題があるでしょう。
その1つは、Huc酵素を大量生産する方法です。
現時点ではミリグラム単位でしか作ることができないそうです。
研究チームはいずれ、これをグラム単位、キログラム単位で生産できるようにしたいと考えているそうです。
ですが「天然の電池」のように空気や水素から発電できるHuc酵素は、太陽光発電にかわる持続可能な発電法になる大きな可能性を秘めているとのことです。
ただし空気発電から発電できる電気はそれほど多くはなさそうで、その用途としては、シンプルなコンピューター、時計、体情報モニター、LEDなどが考えられるそうです。
それでも大量の水素があればそれだけ多くの発電ができるので、より電力を食う大きな装置も動かせるかもしれません。
またHuc酵素を応用して、超高感度の水素センサーを開発できる可能性もあるという話しです。
もし今後、エネルギーが水素でまかなわれるような水素経済社会が実現すれば、水素センサーは水素の漏れを検出する大切なデバイスになるかもしれません。
土の中の細菌が未来のインフラになる…。
この研究が示しているのはそんな可能性です。
まぁ、まだまだ先の話でしょうけど、未来を救えるかもしれませんしね。
この研究も今後に期待しましょう。
ではまた〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院
4月5日の水曜日でございます。
ボチボチ入学式のシーズンですねぇ。
新入生の方々、小でも中でも高でも大でも、新しい環境になじむまでは大変でしょうけど、すぐ慣れますから頑張ってね。
てことで、今日もネタにいきましょう。
今日は最近多い、サイエンステクノロジーなネタでございます。
なんでも細菌の持つ酵素を分離させ、空気中の水素から電気をつくることにオーストラリアの研究チームが成功したそうです。
未来の空気発電装置にと期待がかかっています。
オーストラリアの研究チームが、細菌を利用して空気から電気を作り出すことに成功しました。
土の中に生息する「スメグマ菌(Mycobacterium smegmatis)」は、酵素を利用し、空気に含まれている微量の水素を分解し、電気を発生させエネルギーとして利用しています。
最新の研究では、スメグマ菌から酵素を取り出し、それによって実際に電気を流せることを実証しました。
この酵素には、将来的に持続可能な「空気発電」を実現する可能性が秘められているという話しです。
地中で暮らす細菌の中には、ほかにエサがない厳しい状況になると空気に含まれている水素をエネルギー源にするものがいます。
オーストラリア、モナシュ大学のクリス・グリーニング教授らによると、そうした細菌は、年に7000万トンもの水素を空気から取り除いているのだそうです。
そうした細菌の1つが、空気発電の鍵をにぎる「スメグマ菌(Mycobacterium smegmatis)」です。
その遺伝子を解析したところ、水素を消費してエネルギーに変換する「ヒドロゲナーゼ」という酵素の情報が記されていることが判明。
研究チームは、このスメグマ菌のヒドロゲナーゼを「Huc」と名付けています。
そもそも水素とは、プラスの電荷をもつ2つの陽子がマイナスの電荷をもつ2つの電子で結合したものです。
Huc酵素はこの結合を切断して、電子を放出させるのだそうです。
流れる電子とはすなわち電気で、つまりHuc酵素は水素を直接電気に変えることができます。
スメグマ菌はそうした電気を細胞のエネルギーにして生きているわけです。
ですが空気に含まれる水素はたったの0.00005%だけです。
普通の触媒ではこれほど薄い気体を消費することはできませんし、空気にたっぷりと含まれる酸素によってダメになってしまいます。
ごくわずかな空気中の水素から発電することができる秘訣は何なのか?
これを調べるために、グリーニング教授らはHuc酵素をスメグマ菌から取り出してみることにしました。
それは非常に難しく、数年の歳月がかかったそうなんです。
それでも諦めず挑戦を続け、スメグマ菌がHuc酵素を作る遺伝子を改変し、どうにか取り出すことができました。
苦労の甲斐あって、そのHuc酵素は安定しており、80℃からマイナス80℃の温度でも機能してくれたそうです。
その後の研究では、Huc酵素の驚くべき性能が明らかになっています。
なんと空気よりもはるかに薄く、気体の測定装置(ガスクロマトグラフ)ですら検出できないほどのわずかな水素であっても上手に消費できるんです。
しかもHuc酵素は酸素があってもまったく変化がありません。
これまでの水素を消費する触媒には見られない特徴です。
実際、Huc酵素を利用することで、空気中の水素を直接電気に変換して、回路に電力を供給することにも成功しています。
つまり空気発電は実現可能ということなんですね。
そして最終的には、Huc酵素の詳細な原子構造マップも作成されています。
では、空気発電装置の実現は可能なのでしょうか?
この研究はまだ始まったばかりで、Huc酵素による空気発電の実用化までにはまだいくつかの課題があるでしょう。
その1つは、Huc酵素を大量生産する方法です。
現時点ではミリグラム単位でしか作ることができないそうです。
研究チームはいずれ、これをグラム単位、キログラム単位で生産できるようにしたいと考えているそうです。
ですが「天然の電池」のように空気や水素から発電できるHuc酵素は、太陽光発電にかわる持続可能な発電法になる大きな可能性を秘めているとのことです。
ただし空気発電から発電できる電気はそれほど多くはなさそうで、その用途としては、シンプルなコンピューター、時計、体情報モニター、LEDなどが考えられるそうです。
それでも大量の水素があればそれだけ多くの発電ができるので、より電力を食う大きな装置も動かせるかもしれません。
またHuc酵素を応用して、超高感度の水素センサーを開発できる可能性もあるという話しです。
もし今後、エネルギーが水素でまかなわれるような水素経済社会が実現すれば、水素センサーは水素の漏れを検出する大切なデバイスになるかもしれません。
土の中の細菌が未来のインフラになる…。
この研究が示しているのはそんな可能性です。
まぁ、まだまだ先の話でしょうけど、未来を救えるかもしれませんしね。
この研究も今後に期待しましょう。
ではまた〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院