タマゴテングタケの侵略
2023年03月17日 [色々なこと]
お疲れ様です。院長です。
3月17日の金曜日でございます。
来週の火曜日は春分の日です。
春ですなぁ。
火曜日が休みって事で、当院は先月に続き、うまい具合に連休となります。
まぁ、1月、2月と休みが多かったんでホントは休みたくないんですけど、休みたい(笑)
複雑な心境ですわ。
暖かくなってきましたし、行楽地には人出が多くなるでしょう。
てことで、今日もネタにいきますよ。
今日のネタはちょっと危険なキノコのお話しです。
なんでも「世界で最も有毒なキノコ」としてギネスブックにも掲載されている「タマゴテングタケ」が、米カリフォルニア州で大量増殖し猛威を振るっているんだそうです。
ヨーロッパが原産だと考えられているタマゴテングタケですが、このキノコは一体どうやって海の向こうの土地を征服することができたのでしょう?
新たな研究によると、タマゴテングタケは猛毒であるだけでなく、「無性生殖」で自分自身をコピーし、クローン軍団を作ることで新しい土地を制圧しているようなんです。
ヨーロッパに多く自生する「タマゴテングタケ(学名 Amanita phalloides)」は、一見地味でおとなしそうですが、絶対食べてはいけないヤバいヤツです。
その強力な毒から、ドクツルタケやシロタマゴテングタケとともに「猛毒キノコ御三家」に数えられ、「最も有毒なキノコ」としてギネスに載ったり、古くはローマ教皇クレメンス7世の命を奪ったりと、危険なエピソードに事欠かないヤツです。
日本では北海道で発見されることがあるそうですが、本州以南の地域では見つかることは今のところ稀だそうです。
タマゴテングタケのタチの悪いところは、その毒素が遅効性で、じわじわと、しかし確実に命をトりにくるところです。
その毒素成分の1つ「α-アマニチン」を口にしても、最初は何の変化もありません。
ですが体内では腸から肝臓に侵入し、そこで新しいタンパク質を作るための酵素をダメにして、少しずつ人体を蝕み続けます。
すると肝臓や腎臓の細胞が死に始め、24時間もする頃にはコレラのような吐き気や下痢に苦しむことになります。
臓器の機能は急激に低下し、最後は危険なキノコをうかつに食べてしまったものの命を奪います。
今のところ解毒剤は存在しないので、対症療法でどうにか命をつなぎとめるしか方法はありません。
そんなタマゴテングタケは英名を「デス・キャップ(死のカサ)」といい、19世紀末頃にヨーロッパからアメリカ大陸へ持ち込まれたと考えられています。
本来このキノコは、ヨーロッパナラの木の根に寄生して生きる「外生菌」です。
そこから養分をもらう代わりに、水や栄養を探す手伝いをしたり、近くの木が発する化学信号をキャッチするなど、共生関係を築いています。
ですからおそらくはタマゴテングタケの胞子が付着した木がアメリカに輸入されたことで、北米大陸に渡ったのだろうと推測されます。
1938年には、カリフォルニア州にあったとある有名リゾートホテルの観葉植物の根から生えているところが目撃されました。
それからマツやブナといった木々にどんどんと広まり、原産地であるヨーロッパよりもカリフォルニアの方がよく見られるようになってしまったそうなんです。
ですがいくら猛毒キノコとはいえ、見知らぬ土地でそう簡単に勢力を広めることができるものでしょうか?
これまでタマゴテングタケがカリフォルニアを制圧した方法はわかっていませんでしたが、新たなる研究によると、どうやらそれはクローン軍団を編成した結果であるらしいんです。
DNA配列の分析から、ヨーロッパのタマゴテングタケが「有性生殖」で増えることなら確認されていました。
ところが、ウィスコンシン大学マディソン校をはじめとする研究チームが、カリフォルニアのタマゴテングタケの遺伝子を調べてみたところ、「無性生殖」、すなわち自分自身のコピーを作って増えていたことが明らかになったんです。
カリフォルニアのキノコはどれもまったく同じ遺伝子を持っており、異性のパートナーがいなくても17〜30年は増殖できるようなんですね。
このことから研究チームは、タマゴテングタケは新しい環境にやってくると無性生殖に切り替え、クローン軍団で制圧してから元の有性生殖に戻るのではとの仮説を立てています。
しかしこの新発見からは、新たな疑問も浮かび上がってきています。
というのもニュージャージー州とニューヨーク州に生えてたタマゴテングタケには、無性生殖で増えた形跡がなかったそうなんです。
もしかしたら、クローン軍団を作るには、時期や環境といった何らかの条件があるのかもしれないと…。
またこうしたコピー能力が、タマゴテングタケならではの特殊能力なのか、侵入種キノコに一般的なものなのかも気になるところですな。
まぁ、日本にはほぼないそうですから、大丈夫でしょうけど、野生のキノコは食べちゃだめですよ。
わたくし院長、自然と戯れるなんてことはまずないので、キノコに出くわすこともないですが、山に行くことのある人は絶対取らない様にして下さいね。
ではまた〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院
3月17日の金曜日でございます。
来週の火曜日は春分の日です。
春ですなぁ。
火曜日が休みって事で、当院は先月に続き、うまい具合に連休となります。
まぁ、1月、2月と休みが多かったんでホントは休みたくないんですけど、休みたい(笑)
複雑な心境ですわ。
暖かくなってきましたし、行楽地には人出が多くなるでしょう。
てことで、今日もネタにいきますよ。
今日のネタはちょっと危険なキノコのお話しです。
なんでも「世界で最も有毒なキノコ」としてギネスブックにも掲載されている「タマゴテングタケ」が、米カリフォルニア州で大量増殖し猛威を振るっているんだそうです。
ヨーロッパが原産だと考えられているタマゴテングタケですが、このキノコは一体どうやって海の向こうの土地を征服することができたのでしょう?
新たな研究によると、タマゴテングタケは猛毒であるだけでなく、「無性生殖」で自分自身をコピーし、クローン軍団を作ることで新しい土地を制圧しているようなんです。
ヨーロッパに多く自生する「タマゴテングタケ(学名 Amanita phalloides)」は、一見地味でおとなしそうですが、絶対食べてはいけないヤバいヤツです。
その強力な毒から、ドクツルタケやシロタマゴテングタケとともに「猛毒キノコ御三家」に数えられ、「最も有毒なキノコ」としてギネスに載ったり、古くはローマ教皇クレメンス7世の命を奪ったりと、危険なエピソードに事欠かないヤツです。
日本では北海道で発見されることがあるそうですが、本州以南の地域では見つかることは今のところ稀だそうです。
タマゴテングタケのタチの悪いところは、その毒素が遅効性で、じわじわと、しかし確実に命をトりにくるところです。
その毒素成分の1つ「α-アマニチン」を口にしても、最初は何の変化もありません。
ですが体内では腸から肝臓に侵入し、そこで新しいタンパク質を作るための酵素をダメにして、少しずつ人体を蝕み続けます。
すると肝臓や腎臓の細胞が死に始め、24時間もする頃にはコレラのような吐き気や下痢に苦しむことになります。
臓器の機能は急激に低下し、最後は危険なキノコをうかつに食べてしまったものの命を奪います。
今のところ解毒剤は存在しないので、対症療法でどうにか命をつなぎとめるしか方法はありません。
そんなタマゴテングタケは英名を「デス・キャップ(死のカサ)」といい、19世紀末頃にヨーロッパからアメリカ大陸へ持ち込まれたと考えられています。
本来このキノコは、ヨーロッパナラの木の根に寄生して生きる「外生菌」です。
そこから養分をもらう代わりに、水や栄養を探す手伝いをしたり、近くの木が発する化学信号をキャッチするなど、共生関係を築いています。
ですからおそらくはタマゴテングタケの胞子が付着した木がアメリカに輸入されたことで、北米大陸に渡ったのだろうと推測されます。
1938年には、カリフォルニア州にあったとある有名リゾートホテルの観葉植物の根から生えているところが目撃されました。
それからマツやブナといった木々にどんどんと広まり、原産地であるヨーロッパよりもカリフォルニアの方がよく見られるようになってしまったそうなんです。
ですがいくら猛毒キノコとはいえ、見知らぬ土地でそう簡単に勢力を広めることができるものでしょうか?
これまでタマゴテングタケがカリフォルニアを制圧した方法はわかっていませんでしたが、新たなる研究によると、どうやらそれはクローン軍団を編成した結果であるらしいんです。
DNA配列の分析から、ヨーロッパのタマゴテングタケが「有性生殖」で増えることなら確認されていました。
ところが、ウィスコンシン大学マディソン校をはじめとする研究チームが、カリフォルニアのタマゴテングタケの遺伝子を調べてみたところ、「無性生殖」、すなわち自分自身のコピーを作って増えていたことが明らかになったんです。
カリフォルニアのキノコはどれもまったく同じ遺伝子を持っており、異性のパートナーがいなくても17〜30年は増殖できるようなんですね。
このことから研究チームは、タマゴテングタケは新しい環境にやってくると無性生殖に切り替え、クローン軍団で制圧してから元の有性生殖に戻るのではとの仮説を立てています。
しかしこの新発見からは、新たな疑問も浮かび上がってきています。
というのもニュージャージー州とニューヨーク州に生えてたタマゴテングタケには、無性生殖で増えた形跡がなかったそうなんです。
もしかしたら、クローン軍団を作るには、時期や環境といった何らかの条件があるのかもしれないと…。
またこうしたコピー能力が、タマゴテングタケならではの特殊能力なのか、侵入種キノコに一般的なものなのかも気になるところですな。
まぁ、日本にはほぼないそうですから、大丈夫でしょうけど、野生のキノコは食べちゃだめですよ。
わたくし院長、自然と戯れるなんてことはまずないので、キノコに出くわすこともないですが、山に行くことのある人は絶対取らない様にして下さいね。
ではまた〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院