クマムシ伝説再び
2022年11月08日 [動物のこと]
お疲れ様です。院長です。
11月8日の火曜日でございます。
かなり寒くなってきましたね。
特に朝の冷え込みは、冬を感じずにはいられませんな。
そして、徐々に夜明けが遅くなってきています。
当然、日が暮れるのも早くなりますし、さぁ、冬の到来ですな。
てことで、そんな冬の始まり、今日もネタにいきましょう。
今日のネタは、久々の登場、クマムシについてのお話しでございます。
クマムシは、一時期、このブログにも頻繁に登場していた気がするんですが、ここんとこご無沙汰でしたな。
ま、読んでない方にクマムシってヤツを軽く説明すると、極度の乾燥、100度の高温、絶対零度近くの超低温、真空、高圧、高線量の放射線などにも耐えられる、圧倒的な生命力を誇る生き物です。
その史上最強の生物として知られるクマムシの、また新たなる能力が明らかとなったようなんです。
冷凍してコールドスリープ状態になると、老化が止まることが明らかになったそうです。
人間の場合、冷凍されても死なないのは今のところSFの中だけですが、クマムシの場合は通常の寿命を超えて生きることができるんです。
若さを保ったまま100年眠り続けたグリム童話のお姫さまを彷彿とさせることから、研究グループはその様子を「眠れる森の美女」に例えているそうです。
ドイツ、シュトゥットガルト大学の生物学者ジェシカ・ジーゲル氏らがやったのは、クマムシの冷凍・解凍を繰り返すという実験でした。
716匹のクマムシ(Milnesium inceptum)のうち半分を、1週間ごとに「マイナス30℃での冷凍」と「20℃で解凍して、エサやり」を繰り返し、これを死ぬまで続けたのだそうです。
もう半数(対照群)は、やはり死ぬまで通常の室温で飼育されました。
すると驚いたことに、冷凍と解凍を繰り返したグループは、対照群の2倍も長生きしたそうなんですよ。
これは確かに驚きですな。
普通は、逆な気がしますもんね。
対照群で一番長生きしたクマムシは93日生きたそうですが、冷凍・解凍グループでは169日(うち94日は室温で過ごした)も生きたんだそうです。
つまり、「凍眠(cryobiosis)」しているクマムシの老化は、完全に停止するわけではないにせよ、劇的に遅くなるということなんですね。
この結果は、凍眠がクマムシの生物学的体内時計に及ぼす影響についての「眠れる森の美女モデル」を立証するものと、研究グループは述べているわけです。
シュトゥットガルト大学の動物学者ラルフ・シル氏は、「凍眠中は体内時計が停止し、再び目覚めるまで動きません」と、プレスリリースで説明しています。
クマムシは凍眠しなければ数ヶ月しか生きられませんが、眠ってしまえば何年、何十年と生きられるのだそうです。
圧倒的な生命力を持つクマムシは、極度に乾燥した状況では、「乾眠(anhydrobiosis)」という仮死状態になります。
この状態になると老化が止まることはすでに知られていましたが、冷凍された状態でも不老化するのが確認されたのは今回初めてであるとのことです。
このような最強のメカニズムのおかげで、クマムシは危険な状況に遭遇しても、事態が好転するまでじっと耐え忍ぶことができるわけですね。
例えば、数十年にわたって干ばつが続いたとしても、待望の雨さえ降れば、まるで王子さまのキスのように「眠れる森の美女」を目覚めさせるわけですよ。
クマムシは30年以上冷凍されても、復活し、繁殖することができます。
ですが、このコールドスリープは完璧ではありません。
安全に凍眠に入るまでには、複雑な生理学的プロセスが必要になるからです。
凍るのが速すぎて、大切な生化学的プロセスがきちんと進んでいないと、死んでしまうこともあるそうなんです。
またエネルギーも十分に蓄えられていなければなりません。
2010年のとある研究は、深い眠りに入るときや目覚めるときには、体腔の細胞に蓄えられたエネルギーが使われることを明らかにしています。
今回の研究によれば、環境条件の厳しさ・季節性・予測不能性といったものが、クマムシの一生を決めているのだそうです。
まぁ、冬眠前に下準備が必要って事でしょうけど、それでも相変らずの生命力を見せつけてくれてますな。
こういったクマムシなんかが、結局は人類滅亡、はては、地球の生物が絶滅しても生き残り、次の時代の生物圏を作っていくんでしょうなぁ。
ボチボチ出番が近付いてるかもしれませんな。
頑張れ。
クマムシ。
ではまた〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院
11月8日の火曜日でございます。
かなり寒くなってきましたね。
特に朝の冷え込みは、冬を感じずにはいられませんな。
そして、徐々に夜明けが遅くなってきています。
当然、日が暮れるのも早くなりますし、さぁ、冬の到来ですな。
てことで、そんな冬の始まり、今日もネタにいきましょう。
今日のネタは、久々の登場、クマムシについてのお話しでございます。
クマムシは、一時期、このブログにも頻繁に登場していた気がするんですが、ここんとこご無沙汰でしたな。
ま、読んでない方にクマムシってヤツを軽く説明すると、極度の乾燥、100度の高温、絶対零度近くの超低温、真空、高圧、高線量の放射線などにも耐えられる、圧倒的な生命力を誇る生き物です。
その史上最強の生物として知られるクマムシの、また新たなる能力が明らかとなったようなんです。
冷凍してコールドスリープ状態になると、老化が止まることが明らかになったそうです。
人間の場合、冷凍されても死なないのは今のところSFの中だけですが、クマムシの場合は通常の寿命を超えて生きることができるんです。
若さを保ったまま100年眠り続けたグリム童話のお姫さまを彷彿とさせることから、研究グループはその様子を「眠れる森の美女」に例えているそうです。
ドイツ、シュトゥットガルト大学の生物学者ジェシカ・ジーゲル氏らがやったのは、クマムシの冷凍・解凍を繰り返すという実験でした。
716匹のクマムシ(Milnesium inceptum)のうち半分を、1週間ごとに「マイナス30℃での冷凍」と「20℃で解凍して、エサやり」を繰り返し、これを死ぬまで続けたのだそうです。
もう半数(対照群)は、やはり死ぬまで通常の室温で飼育されました。
すると驚いたことに、冷凍と解凍を繰り返したグループは、対照群の2倍も長生きしたそうなんですよ。
これは確かに驚きですな。
普通は、逆な気がしますもんね。
対照群で一番長生きしたクマムシは93日生きたそうですが、冷凍・解凍グループでは169日(うち94日は室温で過ごした)も生きたんだそうです。
つまり、「凍眠(cryobiosis)」しているクマムシの老化は、完全に停止するわけではないにせよ、劇的に遅くなるということなんですね。
この結果は、凍眠がクマムシの生物学的体内時計に及ぼす影響についての「眠れる森の美女モデル」を立証するものと、研究グループは述べているわけです。
シュトゥットガルト大学の動物学者ラルフ・シル氏は、「凍眠中は体内時計が停止し、再び目覚めるまで動きません」と、プレスリリースで説明しています。
クマムシは凍眠しなければ数ヶ月しか生きられませんが、眠ってしまえば何年、何十年と生きられるのだそうです。
圧倒的な生命力を持つクマムシは、極度に乾燥した状況では、「乾眠(anhydrobiosis)」という仮死状態になります。
この状態になると老化が止まることはすでに知られていましたが、冷凍された状態でも不老化するのが確認されたのは今回初めてであるとのことです。
このような最強のメカニズムのおかげで、クマムシは危険な状況に遭遇しても、事態が好転するまでじっと耐え忍ぶことができるわけですね。
例えば、数十年にわたって干ばつが続いたとしても、待望の雨さえ降れば、まるで王子さまのキスのように「眠れる森の美女」を目覚めさせるわけですよ。
クマムシは30年以上冷凍されても、復活し、繁殖することができます。
ですが、このコールドスリープは完璧ではありません。
安全に凍眠に入るまでには、複雑な生理学的プロセスが必要になるからです。
凍るのが速すぎて、大切な生化学的プロセスがきちんと進んでいないと、死んでしまうこともあるそうなんです。
またエネルギーも十分に蓄えられていなければなりません。
2010年のとある研究は、深い眠りに入るときや目覚めるときには、体腔の細胞に蓄えられたエネルギーが使われることを明らかにしています。
今回の研究によれば、環境条件の厳しさ・季節性・予測不能性といったものが、クマムシの一生を決めているのだそうです。
まぁ、冬眠前に下準備が必要って事でしょうけど、それでも相変らずの生命力を見せつけてくれてますな。
こういったクマムシなんかが、結局は人類滅亡、はては、地球の生物が絶滅しても生き残り、次の時代の生物圏を作っていくんでしょうなぁ。
ボチボチ出番が近付いてるかもしれませんな。
頑張れ。
クマムシ。
ではまた〜。
京都 中京区 円町 弘泉堂鍼灸接骨院